包装タイムス・バックナンバー“1997年11月度”

11月3日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇梅酒、小容量110ミリリットル瓶で発売

 手のひらにピタリ収まる小型サイズ
- 蝶矢洋酒醸造 -
 蝶矢洋酒醸造(大阪府)は、手のひらにピタリと収まる小容量サイズの「さらりとした梅酒・梅の実入り」を商品化した。容器は110ミリリットル入り飲み切りサイズの瓶で、すでに発売されている「さらりとした梅酒」のデザインをベースに梅の実を分かりやすく、さわやかな感じを表現している。

<ユーザー>

◇炭酸飲料JAS格付け平成9年実績

 PET ・金属缶が好転、びん容器は長期減少傾向
- 日本炭酸飲料検査協会 -
 日本炭酸飲料検査協会がまとめた平成9年9月の炭酸飲料JAS格付け実績よりみた容器別、フレーバー別の実績状況によると、各種炭酸飲料の出荷量は合計145,972キロカロリーで、8月は減少したものの、対前年比では17.5%の増加となった。容器別でみるとリターナブルびんが5,652キロカロリーで同8.1%減、ワンウェイびんが14,297キロカロリーで同34.8%減、PETボトルが50,392キロカロリーで同29.9%増となっている。金属缶は76,631キロカロリーで同33.1%増。

<包装機・関連機器>

◇中古包装機の販社設立

 当面は収縮トンネルを主力に
- 東興資材工業 -
 東興資材工業(神奈川県)はこのほど、販売業務の拡充に伴い中古包装機械のレンタルと販売を行う新会社を設立した。従来の受託包装加工部門の「パックTOKO」を独立させたもので、コントラクトパッケージング業務も引き継ぐ。10月21日から業務を開始しているが、中古包装機の販売を業務とする会社設立は業界でも珍しい。新会社の名称は「株式会社センテックス」。東興の100%子会社で、資本金は1400万円。当面はシュリンクトンネルをメーンに取り扱う。

<プラスチック容器>

◇PSPトレー向け成形ライン受注

 中部地区のメーカーに納入
- コウキテクノ -
 真空圧空成形機メーカーのコウキテクノ(成形機械事業部=埼玉県)はPSP(ポリスチレンペーパー)トレー向けの成形ラインを、中部地区の容器成形メーカーから受注した。同ラインは、従来の真空成形機とトリマーを組み合わせたもので、同社の製品が納入されたのは今回が初めて。稼働テストは9月初めに行われ、既に9月末ごろから本格稼働に入っている。

<紙器・段ボール>

◇紙管製造ラインを開発

 リサイクル背景に需要期待
- 津本プレゼンテーション -
 津本プレゼンテーション(和歌山県)は、紙管製造機「テクノパック」を開発した。同社は、紙製の大型容器「ファイバードラム」の製造ラインで高いシェアを誇るとともに、紙製容器製造でハイレベルの技術を持っている。テクノパックは、こうした紙容器の加工技術を生かして商品化したもの。成形品の基本方法には2種類ある。1つは蓋、中筒、本体(外筒)の3つを加工してこれを紙管状に組み合わせるタイプ、もう1つは本体と蓋の2つで構成される「かぶせタイプ」。

<フィルム・シート>

◇L−L系超低温シーラントフィルム開発

 シングルサイト系とHAOの3層共押出
- 出光石油化学 -
 出光石油化学(東京都)がL−L系の超低温シーラントフィルム「ユニラックスLS-740C」を開発上市した。C8L−LDPE/C8L−LDPE/シングルサイト系L−LDPEの構成による共押出キャストフィルムで、L−L系シーラントフィルムとしては最高レベルの低温ヒートシール性を達成している。既存のL−L系超低温ヒートシールフィルムやメタロセン系L−LDPEによるタンデム構成の押出ラミと比べ、実用強度を発現するシール強度が最も低く、一方で85℃30分のボイルも十分可能となっている。超低温ヒートシール性と耐熱性を兼ね備えたシーラントフィルムだ。

<紙系緩衝材>

◇紙製緩衝材を発売

 省資源化も実現し全国展開へ
- フェザーコア -
 フェザーコア(大阪府)はセミ中芯、不燃紙などを波型に連続成形加工したコア材を使用した緩衝材「フェザーコア」「ハトクッション」などを発表した。「フェザーコア」は他の芯材に比べて空隙率が大きく、軽量で強度も強い。また加工適性が良く、コーナー材や補強材などに使用できる。「ハトクッション」はフェザーコアやハチの巣状に接着成形したものを任意の厚みにスライスカットし、簡単な補強材から精密機器など硬度な緩衝設計まで幅広く応用できる。

<紙系緩衝材>

◇新タイプの緩衝材を開発、木材繊維を成形

 木材端材と木造建築解体材が原料
- カイハツボード -
 カイハツボード(東京都中央区)は、木材の端材と木造建築の解体材を原料にした新タイプの緩衝材・アングル材を開発、本格展開を開始した。「カイハツ・エコソフト」の商品名で展開しているもので、木材の端材や解体材を高圧で蒸煮して解繊した木質繊維を原料にボード状に成形したもの。リサイクル原料として使えることから、早くも複数の企業で引き合いが出ている。特殊な抜き加工が施してあり、使用時にワンタッチでアングル材などに組み立てられる。

<パッケージ印刷>

◇グラビア機初のGマーク

 未来的なデザインと機能が一体に
- 中島精機エンジニアリング -
 中島精機エンジニアリング(東京都)は、グラビア輪転印刷機「プロテックGK−U」で通産省選定の「グッドデザイン賞」を受賞した。グラビア印刷機での受賞は初めて。従来の機能一点張りでゴツいグラビア機に比べ、女性的な曲線を取り入れた斬新で未来的なデザイン、さらに機能を一体化したアイデアが高く評価された。開発コンセプトは、「作業者に時代をリードしている感覚を持ってもらうこと」だとしている。

<物流>

◇トレーラ研究会設立

 西襄二氏が主任研究員に
 トレーラー利用を促進することを大前提とした、研究機関「トレーラ研究会」が10月1日に発足した。行政や業界団体からの制約を受けず、公正な立場を堅持するもので、日新出版(東京都)の増田周作社長が代表を努める。主任研究員には、いすゞ自動車に在籍していた西襄二氏を迎えた。研究所は日新出版内に設置する。

<環境・包材リサイクル>

◇イタリア製ペレット再生装置を販売

 高性能機構で人員削減も可能
- プラコー -
 プラコー(埼玉県)は、フィルム工場などで発生するロス製品の再生装置分野に本格参入する。イタリアのプラスチック・リサイクル・テクノロジー社と総販売代理店契約を結び、同社の高性能な再生装置を輸入販売するほか、インフレフィルム製膜時の初期段階に発生プラスチックの塊(かたまり)を減容化する破砕装置の自社開発も進める。再生装置は、HDPE、LDPE、L−LDPE、PP、ABSなどを原料ペレット化できる。

<環境・包材リサイクル>

◇古紙の用途開発を活発に展開

 農業用マルチ材、緩衝材などを実用化へ
- ジャパンクリエイティブル -
 ジャパンクリエイティブル(東京都)は、このところ余剰問題が深刻となっている古紙の新規用途開発を活発に展開している。すでに、古紙を利用した緩衝材を大手段ボールメーカーと共同で開発したほか、総合水処理大手の栗田工業(本社・東京)と共同で覆土代替材の実用化を行っている。容器包装リサイクル法の影響で、古紙が集まり過ぎ、製紙原料としても限界にきていることから、新規用途の開発が急務となっている。同社の今後の活動が注目される。

<特集>

◇プラスチック加工機

 効率高い包材成形を支援、これまで以上の高技術力求められる



11月10日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇包装材回収でCO、8,000トン削減

 レジ袋有料化で3分の1に
- 日本生活協同組合連合会 -
 日本生活協同組合連合会は、1996年度に実施した全国の生協店頭での包材回収によるCO削減実績を発表した。これによると、約8,000トンが削減できたとしており、加えてレジ袋の削減によるCO削減量も1,000トン以上にのぼると発表している。レジ袋については有料化による削減効果が最も大きく、無料で渡す方式よりも3分の1に減っているという。

<プラスチック容器>

◇低発泡シート成形機を開発

 PSP、LDPEに対応、縦型カップ向けなどに応用展開
- ナカムラ産機 -
 ナカムラ産機(大阪市)は、PSPとLDPEの低発泡シート押し出し成形装置を開発した。発泡倍率は両方とも5〜6倍で、既存装置よりも大幅な低価格で製造できるのが特徴。PSPなら真空成形による縦型カップ、食品トレーなど、またLDPEなら各種ファッションバッグが工業製品など、多分野での用途展開が見込める。同社では、今後本格的な受注活動を開始する。

<プラスチック容器>

◇高付加価値製品の開発が進展

 抗菌容器や透明耐熱容器などを試作
- リスパック -
 リスパック(愛知県)がかねてから取り組んできた高負荷価値製品の開発が進展している。抗菌容器、バリヤーPET容器、透明耐熱容器、耐熱C−PETの4種類で、HACCP対応包装、電子レンジ調理用包装に対する要求が高くなっている現在、どれも今後ニーズが出てくることが予想される分野の製品。現段階ではまだ試作レベルだが、近い将来市場に登場する可能性が高い。

<紙器・段ボール>

◇高速タイプの平盤打抜機を発表

 セット時間短縮で小ロットにも対応
- 日光製作所 -
 日光製作所(東大阪市)は、自動平盤打抜機「ニューアローカット1500」を発表した。わずらわしい打ち抜木型交換の時間短縮が図られており、セット時間がわずか3分。毎時4,000枚の能力を持っている。従来機よりも大幅な時間短縮が実現しており、生産性が高いのが大きな特徴。

<フィルム・シート>

◇口栓規格化の提案加速

 5サイズ8品で専用接着機も展開
- 日本スパウト -
 スパウト(口栓)専業メーカーの日本スパウト(東京都)は、包材コンバーターや需要家に対し、スパウト部分の規格化提案を本格化する。再封用フタの有無や特殊な機能別に5サイズ8アイテムを規格化するほか、これらのスパウトに適合する専用の密着機も開発した。また、将来的には同社の規格品を用いるコンバーター間の相互協力システム構築も進めるなど、多分野でのスパウト袋の普及を促進したい考え。

<フィルム・シート>

◇8ミクロンの超薄膜フィルム展開

 多層PO系シュリンクで食品
- グレースジャパン -
 グレースジャパン・クライオヴァック事業部(東京都)は、超薄膜ポリオレフィン系多層シュリンクフィルムの展開を加速化させる。親会社の米国WRグレース・アンド・カンパニーが開発したフィルムで、厚みが8ミクロンというもの。弁当や惣菜のパックなど、従来のシュリンクフィルムではフォローしきれなかった分野を狙い、市場開拓を進めている。

<フィルム・シート>

◇多層バリアフィルム用インフレ機を本格販売

 独ウィンドミュラー&ヘルシャー社が開発
- リッカーマン(日本) -
 リッカーマン(日本)(東京都)は、ドイツのウィンドミュラー&ヘルシャー(W&H)社が開発した多品種小ロット対応のコンパクトな多層バリアフィルム用インフレーション装置を、国内で本格的に販売展開する。5層インフレーションフィルム成形機で、アイスクリームのコーンを重ねたようなデザインの小型多段積層式ダイヘッドにユニークな特徴を持ち、多層の上下部分を変えず間の層を交換することが可能となっている。

<外装機器・資材>

◇PPバンド価格を10%修正

 原料高騰で11月出荷分から実施
- 大日製罐 -
 大日製罐(東京都)は、11月出荷分からの梱包用PP(ポリプロピレン)バンドの価格修正を行った。10%の引き上げを打ち出したもので、すでに一部代理店、ユーザー筋では理解を示している。昨年5月から3度に渡って原料メーカーが値上げを実施しており、今年2月に行った価格修正だけでは採算改善ができず、内部の合理化努力も限界にきたとして今回第2次の価格修正に踏み切ったもの。

<プラスチック系緩衝材>

◇包材輸入販売の合弁会社設立

 JSP、シールド・エアー・コーポレーションが共同で
-  米シールド・エアー・コーポレーションとJSP -
シールド・エアー・コーポレーション(本社・米国)とJSP(本社・日本) は、包装材料の輸入、製造・販売を目的とした合弁会社「クリエイティブ・パッケージング(略称=CPC)」を11月4日付けで設立した。当面は、米国シールド・エアー社の気泡緩衝封筒「バブルライト」を輸入販売するが、将来的には同緩衝封筒の国内生産を計画しており、さらにこれまで日本市場に展開していない保護緩衝材の販売も行う予定。

<パッケージ印刷>

◇フレキソ印刷用資材を日本市場で本格展開

 市場認識の変化で、製版装置も販売へ
- ポリファイブロン・テクノロジーズ・インク -
 ポリファイブロン・テクノロジーズ・インク(東京都)は、日本国内でのフレキソ印刷用資材の販売を本格化する。液状感光性樹脂「レターフレックス」とその製版装置、板状感光性樹脂「フレックスライト」とその製版装置、ダイレクト製版装置「ボックスコア」、フレキソ版固定用フォームテープ、フレキソ印刷用スリーブなどで、最近、日本でもフレキソ印刷に対する認識が新たになりつつあることから、販売展開を決めたもの。

<パッケージ印刷>

◇印刷の調肉演算をインターネットで

 低コストでカラーマッチングが可能
- 寿精版印刷ー -
 寿精版印刷(大阪市)は、印刷会社向けに特色インキの配合演算をインターネット経由で行う調肉通信ソフト「スペクトロチェック」を開発した。調肉作業は最近はコンピュータ・カラーマッチングシステムで行うことが多いが、システム全体が高価で、価格が導入のネックになっていた。「スペクトロチェック」は、これの解消も狙いに開発されたもの。電子メールを使い低価格で調肉作業ができるため、今後の展開が注目される。運営はビー・エム・エスが行う。

<シール・ラベル>

◇容器の表と裏に同時に貼り付け

 半自動式グルーラベラーを開発
- 田村機械工業 -
 田村機械工業(大阪府)は、形状の異なる2種類のラベルを瓶や各種容器の表、裏に同時に貼付することができる半自動式グルーラベラーを開発した。形状の異なるラベルを容器の表裏同時に糊を塗布してラベリングできるもので、毎分約30枚を処理できる。価格は一台350万円。同社としては初年度100台で約3億5,000万円の売上を見込んでいる。

<物流>

◇郵便入力カスタマバーコードの作成が可能

 プラネット社と共同でソフトを開発
- アイニックス -
 アイニックス(東京都) は、ソフトウェアハウスのプラネット(本社・横浜市)と共同バーコード作成ソフト「バースター、バージョン2.0」を開発、販売を開始した。バーコード作成エンジンとしてアプリケーションに組み込みやすくするため、OLEオートメーションに対応したことが特徴。11種類のバーコードと郵便カスタマコードを含む5種類の2次元コードが作成できる。価格は39,800円と低価格。初年度は2,000本の販売を見込んでいる。

<特集>

◇加速するHACCPの導入

◇紙器・段ボール最新情報

◇西日本容器業界最新ニュース



11月17日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇小物長尺物向けの半自動テープ結束機を発売

 袋幅130ミリでキヌサヤやインゲンなどに最適
- ジャパックス -
 ジャパックス(東京都大田区)はこのほど、包装可能な袋サイズ幅を縮小した長尺物向け半自動テープ結束機「CB-34(JTN)」の本格販売を開始した。同機は、ステンレス製の筒状の投入口に被包装物を入れるだけで、まとめ包装できる野菜用のテープ結束機。従来、対応可能だった袋幅を 200ミリから 130ミリ幅と、70ミリ縮小したもので、小幅化によりキヌサヤやインゲンなどの小物包装への適応を可能になっている。

<紙器・段ボール>

◇防虫・抗菌段ボールを発売

 ヒノキチオール入りバイオプリント液を使用
- セッツ -
 セッツ(兵庫県尼崎市)はこのほど、防虫・抗菌・消臭効果のある段ボールケースの製造・販売を開始した。最近、関心が高くなっている抗菌対策・衛生管理やHACCP対応として開発されたもので、生鮮食品や医療関連での需要が期待されている。使用されている抗菌薬剤は、環境科学開発(大阪市)がヒノキチオールを多孔質のマイクロカプセルに封入した「バイオプリント液」。ヒノキチオールはヒノキ科のヒバなどの木材や株根を水蒸気蒸留し、油分を精製分解したもの。

<紙器・段ボール>

◇紙器用ジッパーの新型開発

 抜型製造技術の改良で量産が可能に
- 大日本印刷 -
 大日本印刷(東京都千代田区)はこのほど、抜型製造の技術改良により新タイプの「Y・Yジッパー」を開発した。従来方法に比べ開封性が大幅に改良されているうえ、コストアップにもならないことから今後の普及が期待される。同ジッパーは、その名の通りミシン目がY形状になってもので、開封する際にジッパーを引く力が左右にズレても両方に設けられたガイド(Y字の翼の部分)が正規のラインに導くため、途中で切れたりラインを外れることがない。

<フィルム・シート>

◇世界初のロータリー方式のサイドシール機を開発

 最高毎分300袋の超高速を実現
-島田商会 -
 島田商会(製袋事業部=東京都千代田区)はこのほど、ロータリー方式の超高速サイドシール機「ASK-400型」を開発した。汎用タイプのサイドシール機でロータリーシール方式の実用化に成功したのは、世界で初めてとなる。同機のシール方式は、 1本の回転ロールに 2本のシール刃(溶断刃)を設置し、ロールの回転連動で溶断シールするという画期的なもの。発売は来春の予定。

<フィルム・シート>

◇ポリオレフィン系シュリンクフィルムの展開始動

 米デュポン社との直接契約で 7品種を販売
- ビニフレーム工業 -
 ビニフレーム工業・包材事業部(東京都港区)は、米デュポン社のポリオレフィン(PO系)シュリンクフィルム「クライサー」を日本国内で販売する件に関し直接契約を結んでいる。これを踏まえた展開が、いよいよ本格的に動きだした。「クライサー」は、すでに世界各国の広範な分野に使用されているが、同製品の販売に関してデュポン社と日本で正規代理店になったのは、ビニフレーム工業が初めて。L−LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)系の「HP」、「HPS」、「AFG」、「LE」、「ABL」の5種類と、ポリプロピレン系の「EZ」、「EHC」 2種類を合わせて7種類を販売展開する。

<フィルム・シート>

◇フィルム袋をまっすぐ開封

 カット線上に添付のテープで
- トッカコーポレーション -
 製袋コンバーターのトッカコーポレーション(埼玉県川口市)は、フィルム袋の開封で、最後までまっすぐ開けられるシステムのアイデアを考案した。フィルム本体と異なる素材のテープ材を用いるもので、装置を含めたシステムは充填(包装)機へのドッキングも可能となっている。同社が考案したのは、商品名「スパットテープ」の開封システム。開封そのものは、3方(4方)シール袋の向かい合う 2辺に設けられたノッチから横に開けるものだが、カットラインの軌道を挟む形で袋両面に素材の異なるテープ材が施されている。

<外装機器・資材>

◇11月出荷分からPPバンド価格を約10%修正

 主要因は原料樹脂の高騰
- 積水樹脂 -
 積水樹脂(大阪市北区)は、原料樹脂の3度にわたる値上げと需要量減少による採算悪化に対応するため、梱包用PP(ポリプロピレン)バンド価格を11月出荷分から約10%の幅で修正を行った。価格修正の主要因は原料樹脂の高騰。同社では、「原料価格の高騰はもはや企業努力の範囲を超えている」として、価格の修正に踏み切ったもの。今回の修正に対して、一部代理店・ユーザーサイドでは理解を示しており、ディーラーの中でも「浸透が始まっている」という声が出始めている。

<パッケージ印刷>

◇DTP向けパワーMacパッケージを発売

 必要なシステム構成を搭載し、従来の問題を解消
- 大日本スクリーン製造 -
 大日本スクリーン製造(京都市上京区)は、印刷・出版業界のDTP(デスク・トップ・パブリッシング)向けパワーMACパッケージ「MI-X9600/300」シリーズの販売を10月から開始している。最近の印刷関連業界では、パワーMACに各種アプリケーションソフトを搭載したDTPシステムが普及してきている。一方、CPU、周辺機器、ソフトの機能向上や多様化から、ユーザー自らが機種や周辺機器を選択したり専用機能を追加する煩わしさが大きくなっていた。今回発売されたのは、印刷・出版業界向けに必要なシステム構成をパッケージしたもので、こうした従来の問題を解消することができる。

<物流>

◇ 2次元シンボルについてフェルモと提携強化

 リーダーの新製品を積極的にリリース
- 伊藤忠エレクトロニクス -
 伊藤忠エレクトロニクス(東京都世田谷区)はこのほど、ソフト開発会社のフェルモ(本社・東京)と米国・IDマトリックス社製2次元シンボル(コード)の「データコード」についての提携を強化した。データコードの一層の普及促進と、リーダー(読み取り機)の拡販に努めるのが目的で、年頭から総販売代理店になっているフェルモは、今後リーダーの新製品を積極的にリリースしていく。

<環境・包材リサイクル>

◇プラスチック容器包装リサイクル推進協議会(仮称)設立へ

 会則など最終案固まり年内には発足
- プラスチック容器包装再商品化システム構築検討委員会 -
 プラスチック容器包装再商品化システム構築検討委員会(座長=久保直紀中央化学環境生産部次長)は、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会(仮称)について会則などの最終案を固めた。現在、委員会の参加団体から1人ずつの幹事が参加し推進協議会の内容について具体的な検討を行っている。これが今月いっぱいかかる見通しで設立は12月になりそうだ。設立後は、法律で認められるプラ包材の再商品化方法を産業構造審議会や生活環境審議会に提案する内容の検討を行う。

<環境・包材リサイクル>

◇川崎市廃棄物対策審議会が市長に最終答申

 PETボトルで事業者回収を基本に行政回収も
- 川崎市廃棄物対策審議会 -
 川崎市廃棄物対策審議会(会長=丸尾直美慶応大学総合政策学部教授)は11月14日、「川崎市におけるペットボトルの回収方法と資源化推進方策のあり方について」と題する最終答申を川崎市長に答申した。 PETボトルの事業者による回収を基本に行政も分別収集をを行うというもので、包材リサイクル法による行政回収と事業者回収の2本立てで行う。大阪市につづいて川崎市が事業者回収との2本立てで PETボトルの回収を始めることで、全国の自治体で“ツーウェイ”方式が定着しそうだ。

<環境・包材リサイクル>

◇グリーンプラの実用化へ向けて講演

 シンポジウムで事例紹介
- 生分解性プラスチック研究会 -
 生分解性プラスチック研究会(児島章朗会長)は10月30日、「生分解性プラスチックシンポジウム──グリーンプラの実用化に向けて97」を開催した。今年で第8回を数える同シンポジウムは、2000年の包材リサイクル法の本格実施に向けて関心が高まっており、約170人の参加者は熱心に講演内容に耳を傾けていた。

<特集>

◇外装特集

 外装業界は今年、大きな変化を見せている。各分野とも21世紀に向け、新しい展開を模索しているところだ。今回の特集では、「販売に注力するこの1台──各社のテープシーラー(製・封緘機)」、「形状や構造も種々雑多──エア緩衝材」、相次ぐ参入で業界活発化──段ボール結束機」、「有力包材ディーラーの今後の戦略」、「ユーザールポ」などを掲載。



11月24日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇各種包装資材の使用量を低減

 ガラスビンでは重量比57%のものも使用
- 明治乳業 -
 明治乳業(東京都)は、「生活環境との調和」をテーマに、牛乳ビンやマーガリン容器で包材使用量の低減などを進めている。ガラスビンについては、ガラス使用量を低減し、軽量化している。軽量化で、ビンの製造、輸送、さらにはリサイクルに必要なエネルギーを削減している。特に900ミリリットルビンに関しては、表面にプラスチックコートを施し、大幅な軽量化を進めている。重量比で約57%になっている。

<ユーザー>

◇西日本一の拠点が稼働

 製粉能力75%が臨海工場に
- 日本製粉 -
 日本製粉(東京都)は、今年6月に福岡工場の第3期工事が完工し、月産20,000トンの能力を持つ最新鋭大型臨海製粉工場が稼働した。超大型の接岸設備と製品サイロ、立体自動倉庫、関連施設の増設を行ったもので、収容能力10,000トンの高効率な保管設備を持つ西日本最大の大型工場となった。この結果、同社がこれまで進めてきた各地の製粉工場集約化計画が完了し、実に同社の製粉工場能力の75%が臨海高生産性大型工場で占めることになった。

<包装機・関連機器>

◇ロールクラフト紙でトレー包装とバンディングを同時に

 リングトレー包装システムを本格展開
- 日本シイベルヘグナー -
 1本のロール状のクラフト紙をスリットし、トレー包装と鉢巻き包装(帯包装もしくはバンディング)を同時に行う包装システム「リングトレーシステム」を、日本シイベルヘグナー(横浜市)が日本で販売する。ドイツ・OSTMA社が開発したシステムで、平状のクラフト紙を自動的に裁断し、2分割されたクラフト紙それぞれをトレーにしたり、鉢巻き状にしたりする。包装形態によっては、段ボールと比較して最大90%もの包装材料を削減・節約することが可能になる。もちろん廃棄コストも削減できる。

<包装機・関連機器>

◇確実処理の給袋包装機の販売を開始

 取り出し・開口ほぼ100 %、一貫でラベルの印字・貼り付けも
-日精工機 -
 日精工機(大阪府)は、計数・袋詰めともにラベルの印字・貼り付けも一貫で行う給袋式包装機を開発、このほど販売を開始した。袋の取り出し・開口が“ほぼ100%”と高精度に処理できるのが最大の特徴で、新戦略機種として拡販に力を入れていく方針だ。独自開発の新機構を搭載しており、従来の給袋式のネックとされていた袋の取り出しミスや開口ミスが一切なく確実処理を実現する高水準機種となっている。

<包装機・関連機器>

◇ロータリー式真空包装機を発売

 能力そのままに超小型化を実現
- 東洋自動機 -
 東洋自動機(東京都)は、横ピロー包装機と連動したロータリー式自動真空包装機「TVP-HR3」の販売を開始した。各種水産品や食肉加工品に適した真空包装機で、超コンパクト設計とダウンサイジング(能力は同程度で小型化)を実現のが大きな特徴。設置場所がコンパクトですみ、省スペースレイアウトが不可避なユーザーに対応できる。ノンストップ稼働が可能で、毎分30〜70袋のスピードで真空パックができる。

<紙器・段ボール>

◇1〜8月の段ボール生産量、対前年同期比102.2%

 8月度は前年割れの98.7%
- 日段工/全段連 -
日本段ボール工業会と全国段ボール工業組合連合会は平成9年1〜8月の段ボール生産量をまとめた。これによると生産量総計は87億9,902万2,000平方メートルで、対前年同期比102.2%となった。また、製箱投入合計は54億2,516万9,000平方メートルで同103.2%を記録した。1〜8月累計では前年を上回っているものの、8月は生産量で対前年比98.7%、製箱投入で同99.2%と前年割れを記録した。天候不順による加工食品、農産物などの落ち込みが響いている。

<フィルム・シート>

◇PP共押出多層フィルム、昨秋から値上げ交渉継続中

 大半は決着、陥没部分の是正が残る
 PP共押出多層フィルムは昨秋から採算是正を目的として値上げ活動を行ってきたが、現在も値上げ交渉を継続中。7、8月ころまでにかなりの部分は平均2銭程度の値上げが浸透したが、陥没価格についてはまだで、是正が急務となっている。昨秋からの超ロングランの値上げ交渉となっており、年を越しての交渉継続は事実上不可能で、年末までの値上げは現在、微妙な状況になっている。

<フィルム・シート>

◇FMC社(ベルギー)の製袋機を輸入販売

 サーボ駆動の高速機2機種を本格展開へ
- プラコー -
 プラコー(埼玉県)はベルギーの大手製袋機メーカー・FMC社と提携し、同社製品の輸入販売を開始する。その第一弾としてサーボ駆動高速製袋機「MS-1000型」と「MS-1000DL型」の2機種を展開する。マイクロプロセッサー制御の採用で、最高毎分250ショットの高速製袋と従来以上の易操作性を実現。モジュール構造で、多様性と経済性にも優れる。

<パッケージ印刷>

◇大型グラビアインキ工場を建設へ

 生産能力50%アップでトップシェアを目指す
- 大日本インキ化学工業 -
 大日本インキ化学工業(東京都)は、群馬県邑楽郡千代田町の群馬工場内に総額44億円を投資して最新鋭の大型グラビアインキ工場を建設する。軟包装用グラビアインキを中心に(全体の約60%程度)、フレキソインキ、段ボールインキ、光沢加工ニス、接着剤など、同社グラビアインキ事業部で扱う製品の合計で年産36,000トン、事業部全体では約50%の生産能力増となる。また、生産工場を高層化し、自動ラックなども導入して抜本的なコスト低減も図る。

<パッケージ印刷>

◇機能性ホイルを展開

 抗菌や絶縁性をホットスタンプで付与
- 村田金箔 -
 村田金箔(東京都)は、各種ホットスタンピング用の機能性ホイル「抗菌箔AMCシリーズ」と「絶縁性機能箔」を展開し注目を集めている。「抗菌箔AMCシリーズ」は、ホットスタンプ加工した部分が防バクテリア効果と防カビ効果が得られるというもの。抗菌剤は無機系銀イオンタイプを主体に使用している。「絶縁性機能箔」は、アルミはクローム蒸着箔の金属光沢を保ちながら1,000 〜12,000ボルト以上の高い絶縁破壊電圧性能を持つ。電磁誘導性がないので電子レンジのかけても火花が飛ばず、金属探知機にも反応しない。両製品とも通常のホイルの性質をそのまま維持しているため、さまざまな素材に箔押し加工ができる。

<シール・ラベル>

◇国内初の易接着コートタックを開発

 OPPの印刷適性を向上
- 王子製紙/王子タック販売 -
 王子製紙(東京都)と王子タック販売(東京都)は、印刷適性の良い2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムタック「PPクリーンタック」を共同開発した。従来のコロナ放電処理OPP とは全く異なり、インキとOPPフィルムの両方に良好な密着性を持つ易接着コートを施したもので、国内では初開発となる。すでに王子タック販売からこの11月に発売されており、PETフィルムよりも20%程度低価格なのも魅力の一つとなっている。

<シール・ラベル>

◇コンピュータ・カラーマッチングシステムが好調

 調色作業の時間短縮に威力
- 光文堂 -
 コンピュータによる印刷インキを調色するカラーマッチング(CCM)システムが、印刷業界で着実に普及を見せている。中でも光文堂(名古屋市)の販売する「KBD カラーワークマン」は、今春すでに納入100台を突破して注目を集めている。ウィンドウズ対応のパソコンを中心にデジタル天秤と専用分光光度計が直接接続されたもので、ソフトウェアは初回CCM計算プログラム、色評価と補正計算プログラム、デジタル天秤接続による指示配合の計算、配色データの自動記録と既存データからなっている。

<包材・リサイクル>

◇循環社会推進国民会議が発足

 環境負荷少ない社会実現目指す
 循環社会推進国民会議が10月24日発足した。環境負荷の少ない循環を基調とする社会の実現を目指して普及・啓発活動を行うというもので、学者・民間団体・企業など、幅広い分野から40人が発起人となって設立された。循環社会の「あるべき姿の探究」、「実現のための諸方策の提言」、「関係方面への働きかけ」、「普及啓発活動などを継続的に行う」などが設立目的。

<特集>

◇医薬品包装設備最新情報
 ・医薬品包装の最新設備を紹介
(掲載企業=ミューチュアル、興和、東陽機械製作所、岩黒製作所、マルホ発絛工業)

◇ニュー首都圏特集
 ・栃木、群馬、茨城、埼玉の有力企業、ユニーク企業を紹介


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