包装タイムス・バックナンバー“1998年3月度”

3月2日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇耐熱性の非塩素系ラップ

3月から限定地域で発売
- ライオン -
 ライオン(東京都)は、非塩素系ながら耐熱性に優れた「リードクッキングラップ」を 3月17日からエリア限定で発売し、家庭用ラップフィルム分野に参入する。ナイロンをPPでサンドした 3層構造になっており、塩素系の素材を用いていない。家庭製品大手の同社の同分野への参入で、非塩素系製品への注目度が消費者レベルで高まる公算が高くなってきたといえそうだ。

<包装機・関連機器>

◇中国で産業用ハカリ生産

  将来的には逆輸入も視野に
- 大和製衡 -
 大和製衡(兵庫県)は、中国の合弁会社「上海大和製衡有限公司」で、産業用ハカリの生産を開始すると発表。上海大和製衡は90年に、大和製衡32・3%、残りを中国側が出資し発足。これまで家庭用ハカリを主体に生産販売を行ってきたが、中国でのハカリ需要増大に対応し、新たに産業用製品の展開に踏み切るもの。状況に応じ逆輸入も検討。

<シート・プラスチック容器>

◇パスタ用プラスチック容器を開発

 レンジ対応で見栄えも良好
- 東洋エコー -
 東洋エコー(大阪市)は、「パスタ用耐熱性プラスチック容器」を開発し、販売を開始した。パスタ類は昼食時に店舗でレンジにかけられるケースが多いが、同製品は本体に 130度Cまでの耐熱性を持つPPフィラーを採用し、高熱処理型の電子レンジにも対応可能なため、すでに中堅CVS (コンビニエンスストア)などで採用され好評を得ている。グラタンや焼きそば、お好み焼き、ピラフなどの容器としても適しており幅広い用途での需要が期待されている。

<シート・プラスチック容器>

◇レンジ対応の紙製容器を発売

 テイクアウト食品分野に積極展開
- 秀英 -
 秀英(大阪府)は、液漏れがなく、電子レンジでの使用が可能な紙製容器「ホッかる」を開発した。コーナーが外貼りで、保存性が高い。折りたためる方式の形状で保管も場所を取らない。組み立てがワンタッチで、商品詰めもスムーズに行える。機能紙の使用で、そのまま電子レンジで温められる。用途はギョウザ、シューマイ、サンドイッチ、和・洋菓子などのテイクアウト向け。

<フィルム・軟包装>

◇簡単“調理”包材登場

 電子レンジで生魚を「煮魚」に
- 大和グラビヤ -
 大和グラビヤ(名古屋市)は、電子レンジで調理できるフィルム袋「レンジエース」を開発した。加温のみならず生魚からの調理も可能。シール部分に工夫を加え、従来品の「開けづらい」「熱くて持てない」「加熱するとレンジが汚れる」などの課題も解消している。スタンドパウチの形状で、何も手を加えずレンジに投入すればOK。素材にはラミネートフィルムを使用。


3月9日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇トレー形状などを自動認識

 機能アップの計量包装値付け機を開発
- イシダ -
イシダ(京都市)は、CCDカメラでトレーを自動に認識する機能搭載の自動計量包装値付け機「ラップミニ・ゼロワン・スーパー」を開発。3月10日から発売する。商品ナンバーを入力、トレーを供給部に載せるだけで、形状や包装条件などが自動的に判断できる。価格は標準タイプが618万円、ツインタイプが658万円。初年度販売見込みは2千台。

<包装機・関連機器>

◇新含気調理システムを発表

 独自加熱方式で調理速度アップ
- 小野食品興業 -
 小野食品興業(岡山市)は、食材に対し調理・殺菌が同時に行える加熱調理システム「サイフォンニーダーMP」、「シャワーンニーダーMP」を発表した。独自の加熱方式で調理スピードを加速するとともに、食材を傷めることなく高温加熱調理殺菌する。野菜などの調理殺菌、ゆでピーナッツ、魚の煮付けなどに対応。初年度10億円の受注を見込んでいる。

<紙器・段ボール>

◇紙工機械分野に新規参入

 新方式のカス取り機を開発
- レザック -
 レザック(大阪府)は、ピンのセットが不要な新しいカス取り機「オートクリーン1000型(仮称)」を開発し、紙工機械分野に新規参入した。6月に大阪で開催のJCBM展で初公開する。従来に比べ部品が少ないのでランニングコストがかからない。またセットアップ時間が極めて短いのも魅力。スピードは毎時1,200枚程度。今後さらに機械の能力アップとコンパクト化を実現させる方向。

<フィルム・軟包装>

◇“原料高・製品安”で続く需要不振

 当面の市況維持が最大の課題
- インフレフィルム市況 -
 インフレフィルム業界は、昨年来の“原料高・製品安”状況と需要不振が重なり、経営環境は悪化の一途をたどっている。それでも製品価格は、これまで何とか維持されてきたが、3月以降春需要期に向かって需要低迷が続くようならば、市況は崩れ、さらにインフレフィルムメーカーが苦境に立たされる可能性もある。

<フィルム・軟包装>

◇自立型レンジ袋を開発

 “リップ”カットし蒸気口に
- 東邦樹脂工業 -
 東邦樹脂工業(東京都)は、ダイワ包材、長崎製袋と共同で、電子レンジ対応の自立型フィルムパウチ「そのまんまレンジくん」を開発した。従来から展開する“リップ式”の易開封フィルム袋の原理を発展させたもの。袋前面のリップ部分を切ってからレンジに投入する。ここから蒸気が抜け、調理できる。自立袋のため、汁物への展開も期待。初年度、2億円の販売を目標にする。

<フィルム・軟包装>

◇高機能ポリオレフィン系フィルム発売

 焼却時のCO2 を削減
- オカモト -
 オカモト(東京都)は、焼却時の二酸化炭素を一般のPO系製品に比べ約10%減少させる高機能フィルム「エマソフト3Cスリーカット」を3月2日から全国発売。PO系の特性を生かしながら、高周波溶着性、印刷性などを塩化ビニルフィルム並みにアップした。またマイナス50度Cでも割れない耐寒性や耐侯性が良好で、ヒートシールも可能。文具・トイレタリー用品向けに、初年度10億円の販売を見込む。

<外装機器・資材>

◇スプライシングテープ発売

 薄さ0.06ミリで巻き跡を軽減
- 中川商会 -
 中川商会(名古屋市)は、日東シンコーと共同でスプライシング専用片面接着テープ「N・Sテープ」を開発、1月から本格展開に乗り出している。板紙・各種原紙・フィルム原反の継ぎ目接着や不良部分の表示を行う工程で使用される。基材にポリエステルとアルミ箔を使用、テープ自体を黒に着色したため、金属センサーでの検知にも対応する。厚みは0.06ミリ。幅は30、50、60、75ミリの4タイプで各50メートル巻き。

<シール・ラベル>

◇商品の長期管理を支援

 全天候性BCラベルを開発
- ビジュアルデザインコジマ -
 ビジュアルデザインコジマ(熊本県)は、オーバーレイフィルム加工を施した「全天候性長期管理用バーコードラベル」を開発、販売を開始した。同ラベルは、パッケージなどに貼るタイプのもの。バーコードや連番、社名などを印字したPET フィルムに透明PET フィルムを貼り合わせた積層構造で、あらゆる天候状態に適応し、長期間使用による品質劣化の防止を可能とした。対応するバーコードは、JAN 、CODE39、NW−7 など。価格は25×60ミリサイズのもので1枚30円。注文は、500枚から受けるとしている。

<環境・包材リサイクル>

◇熱分解で塩化水素分解

 一廃系プラ実証試験を開始 
- NKK -
 NKK(熊本県)は、シナネンと共同で小規模ユーザー向けに一般系廃プラスチックを高炉原料化する技術の開発に乗り出した。PVC を含む廃プラを脱塩化水素処理後、造粒して高炉原料として再利用するというもの。すでに「熱分解脱塩化水素・造粒装置」の試験プラントを製作し、本格的な実証試験を開始している。具体的には、処理能力毎時50`cの装置をNKK京浜製鉄所第二高炉の南側に設置し、1)フィルム類を破砕したプラスチックの脱塩化水素性能試験 2)溶融廃プラスチックの冷却・造粒性試験 3)実機のための全体実証評価を実施する。

<包材流通>

◇ベトナムに乾燥野菜工場

 日本への輸入事業開始 
- 大五通商 -
 大五通商(静岡県)は、ベトナムに現地企業「ラム・ドン・アグリカルチャル・サプライ社」を設立し、乾燥野菜の製造と日本への輸入販売を開始した。現地工場は、敷地面積3,200 u、工場面積820 u。設備は、日本のクメタ製作所などから導入する。従業員数は、現地採用を主体とする58人。同工場の生産能力は月産150トンで、モロヘイヤなどの葉物野菜を中心に生産する。製品は、従来から取引のある大手食品メーカーに低価格で販売する。初年度の売上高は月間100万円の計画で、将来的にはアジア各国にも輸出していく。

<今週の特集>

◇フィルム包装の世界98

 需要喚起へ新開発に取り組む/ハードル乗り越え、いざ前へ
包装ユーザーからローコスト製品の提案を求められ、生産の効率化・合理化など懸命な社内努力を行い対応を図るフィルム包装コンバーター。既存ユーザーからの受注生産に取り組むだけでなく、新規需要獲得のための活発な商品開発を行い、レンジ対応包材、バリアフリー対応包材、また環境対応に向けての包装提案などを積極的にPRしている。フィルムベースのフレキシブルパッケージを手掛けるフィルム系コンバーターに注目し、需要喚起の新製品、効率化に取り組む企業姿勢、設備対応など最新の話題に迫る。


3月16日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇リターナブル小びんで発売

 “スタイニーキャップ”を使用/新しい飲用スタイル提案
- アサヒビール -
 アサヒビール(東京都)は4月10日、缶ビール感覚で飲めるリターナブルびんの新容器「スタイニー」2品種を東京など1都9県で発売する。片手にちょうどよいハンディサイズで、ユニークなボトルデザイン。また栓抜き不要のイージーオープンキャップ、びん全体を包み込んだフルシュリンクラベルを使用。びん保証金、消費税を含まない希望小売価格は1本189円 。

<シート・プラスチック容器>

◇HMR向け耐熱容器開発

 2段階のテーパー角が販促効果アップ
- 中央化学 -
 中央化学(埼玉県)は、 HMR(ホーム・ミール・リプレイスメント)向けに、かん合式耐熱容器の新シリーズ「CT-HMR」を開発。耐熱性のあるPPフィラー入り素材で、容器のテーパー角を2段階とし、底面に近い方からそれぞれ15度、45度に設計するなどデリカ部門の商材を際立たせる工夫が施されており、同食品の陳列棚となる多段ケースとオープンケースの両方に対応する。

<シート・プラスチック容器>

◇テーパー角度を付けた PSP容器「F&Mトレー」を投入

 すでに総菜専門店で採用が決定
- リスパック -
リスパック(愛知県)は、従来よりもテーパー角度をつけて側面を立てることでディスプレイ効果を増した PSP容器の新製品「F&Mトレー」を開発、3月から販売を開始した。同トレーは、側面に勾配があるため、中身の食品のボリューム感が増し、見栄えもよくなるため、包装した商品の付加価値を高めることができる。販売のターゲットは総菜分野。発売後間もないにもかかわらず総菜専門店での採用が決定している。

<フィルム・軟包装>

◇セロハン代替の包材開発

 易開封と静防コーティング施し
- 東邦樹脂工業 -
 東邦樹脂工業(東京都)は、セロハンからの代替が期待されるプラスチック系フィルム「ポロファン(PORO-FUN)」を開発した。OPPあるいはPETフィルムをベースに手切れ加工性と特殊静防コーティングを施したもの。従来のセロハンに比べ、耐水性やコスト面で優れる。 PETベースはシール温度が低く設定され、セロハン向けの包装機でシール可能。また耐熱性でシール時に縮みが発生しない。

<フィルム・軟包装>

◇CD保管ケースを発売

 成形可能な長繊維不織布で
- アサクラ -
 アサクラ(東京都)は、ポリエステル長繊維不織布を一体成形加工したCDやCD−ROMの保管用シート・トレーの販売を開始した。商品名は「マメディア」で、旭化成工業の「スマッシュ」が原料不織布。CD寸法に合わせた長方形シート状で、表面が平滑なのでタイトルや情報を印刷できる。ファイル用1枚ものから10枚綴じ(価格=1,200円)、紙製パック用トレー、DM用トレーまで4種類。

<樹脂原料>

◇世界最大級のPE工場

 タイで来年から稼働へ
- ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー -
 石油化学で世界トップクラスの米ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州)は、タイに世界最大級のポリエチレン工場を建設、来年第1四半期中に稼働させると発表した。同工場は、L-LDPE(商品名「ダウレックス」)とメタロセン系PEの両方を、年産80万トン規模で生産可能。製品はタイおよびASEAN各国に販売される。

<パッケージ印刷>

◇表刷り用で開発

 ノントルエン型グラビアインキ
- 大日精化工業 -
 大日精化工業(東京都)は、ノントルエン型のPO系フィルム用表刷りグラビアインキ「 NT-HRカラー」を発売。従来品に比べ残留溶剤が少ない上に印刷適性も良好。汎用性が高いうえ適用フィルムも多く、高物性なのでインキの集約化で在庫の低減や作業環境の効率化が可能だ。軟包装用グラビアインキは各メーカーがノントルエン型を開発、裏刷り用は同タイプへの切り替えが進むも、表刷り用では開発が遅れていた。

<物流関連>

◇バッテリー式フォークリフトをモデルチェンジ

 走行スピード、フォーク上昇速度などが向上
- 小松リフト -
小松リフト(東京都)は、最大積載荷重0.9 〜1.8トンクラスのバッテリー式フォークリフト「ARシリーズ」をモデルチェンジ、全国26社のディーラーを通じて販売を開始した。走行スピードで従来比最大16%、フォーク上昇速度で25%などの荷役スピードの向上を図ったほか、バッテリーチャージャーに予約充電機能を標準装備するなど各ユーザーからの要望を取り入れている。

<環境・包材リサイクル>

◇エコマークの見直し基準案を公表

 包装用紙、紙製包材など 
- 日本環境協会エコマーク事務局 -
日本環境協会エコマーク事務局は、「紙製の事務用品」、「包装用の用紙」、「紙製の包装用材」、「生分解性潤滑油」、「再生材料を使用したタイル・ブロック」、「木材を使用したボード」の6つの商品類型について新たな見直し認定基準を公表した。これらの新規認定基準は、7月1日にエコマーク商品認定基準として制定される予定。同事務局では5月1日まで、基準案についての意見受付を行う。

<環境・包材リサイクル>

◇空き缶を“完全リサイクル”

 再資源化システムを開発 
- 日青鋼業 -
 日青鋼業(静岡県)は、アルミで97%、スチールで95%と純度の高いペレットが得られる空き缶再資源化システムを開発。すでに長野リサイクル(長野県下伊那郡松川町)に納入している。アルミ缶とスチール缶を混在のまま投入・分離できるほか、スチール缶のフタ材部分のアルミも分離できる。回収したアルミ缶を再びアルミ缶に再生する“キャン・ツー・キャン”にも貢献が期待される。

<HACCP関連>

◇99%以上の菌類が減少

 滅菌用セラミック球を開発 
- 谷山物産 -
 谷山物産(大阪市)は、幸地哲也環境保全研究所(神奈川県)との共同研究で、滅菌作用と水質改善の機能を持ったエンジニアリングセラミック「ミラスルーZ」の開発に成功。医療機関をはじめ食品加工業界や一般家庭向けに本格展開を開始した。ミラスルーZは直径約10oのセラミック球。水中に投入し24時間ほどでO(オー)157 などの菌類が99%以上減少するという。また、活性機能で水の酸化還元電位が低下するとともに、弱アルカリ性に移行する水質改善の効果も備える。

<HACCP関連>

◇抗菌機能を持つ蓄冷剤

 食品に直接ふれてもOK  
- なぎら -
なぎら(山口県)は、食品衛生管理の観点から抗菌性フィルム採用の蓄冷剤「アイスパワー」を開発、 2月から販売を開始した。包材の表面に抗菌性フィルムを採用したナイロンポリラミネート品を使用。フィルム密着法による抗菌試験(滅菌率・大腸菌)でも99.9%が減少するという結果を得ており、直接食品に触れても安心して利用できる。

<今週の焦点>

◇21世紀のニューリーダー4 津田邦夫社長(タカラ)
◇記者の眼 「クリアパッケージの原反」 再生に有効な樹脂は?


<表示用機器特集>

◇品質保証・管理に不可欠

 代表5機種をピックアップ
 食品をはじめ医療品、電子部品、自動車部品など市場に流通するさまざまな製品には必ず表示が施されている。品質管理はもちろん、品質保証上、日付表示やロットナンバー、管理ナンバーなどの情報表示が不可欠だからだ。印字対象物の特性によって表示用(印字)機器もバラエティーに富んでおり、それぞれに適した用途で活躍している。今回はIJPやレーザーマーカー、サーマルプリンター、ホットプリンター、インキ転写式プリンターをピックアップし、改めて各機種の特徴や適性などを考察する。

<静岡県包装産業特集>

◇21世紀の包装産業を見る

 代表5機種をピックアップ
 今回の特集では、テーマの1つに「環境・リサイクル」を加え、「品質・安全・衛生管理」や「物流」に対する静岡県内の包装・関連企業の取り組みを紹介。


3月23日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇塩ビからポリラップに変更

 ダイオキシン問題に対応、4月20日に全国で完了
- ファミリーマート -
 ファミリーマート(東京都)は、米飯、サラダ、総菜などで使用しているラップフィルムを、現在の塩ビ製品からポリオレフィン系に変更する。3月17日から変更を開始し、4月20日には全国で完了する予定。ごみ焼却時に発生するとされるダイオキシンの問題に対応するのが狙い。

<ユーザー>

◇関西初の酒類充填会社「関西ボトリング」を設立

 地域の酒造18社と共同で出資
- 凸版印刷 -
 凸版印刷(東京都)は、関西地区の酒造メーカー18社と共同で、国内初の本格的な酒類充填包装会社「関西ボトリング」(神戸市灘区)を設立し、4月1日から清酒、焼酎、梅酒などの紙容器への充填を開始する。清酒メーカーの設備投資も増大しており、これらの負担を軽減するのが狙い。充填能力は、フル稼働で、酒パック、酒用紙カップとも月産100万本まで可能。初年度売上は5億円を目標としている。

<シート・プラスチック容器>

◇2軸延伸ブロー成形機市場に参入

 電動式コールドパリソン機を上市
- タハラ -
 タハラ(東京都)は、電動式コールドパリソンタイプの新機種「CSB(C)-102/15M」を開発、2軸延伸ブロー成形機市場に参入する。同機はサーボモーターの電動と圧縮空気のみで駆動しており、衛生的なボトル生産が可能だ。同種の製品は、急速に市場を拡大しているPETボトル成形向けに威力を発揮し、ここにきて引き合いが活発化、先発数社に海外有力メーカーも加わりシェア争奪に凌ぎを削っている。

<紙容器>

◇紙カップ製造機を開発

 安価で高速性を実現
- 津本プレゼンテーション -
 津本プレゼンテーション(和歌山市)は、低価格でメンテナンスも容易な紙パック製造機「G・P・C-500 型」を開発、近く発売する。価格は金型付きで約2,000万円で、製造能力は毎分50〜65個。同社は金属容器を代替する紙製容器製造機「テクノパック」などのノウハウを持ち、これを生かして開発した。カップ容量は80〜450CC、飲料から総菜、外食など多方面の展開を期待。

<紙器・段ボール>

◇ヘリカルダイカッタを公開運転

 振動、騒音が大幅に削減
- ISOWA -
 ISOWA(愛知県)は3月11、12日の2日間、本社工場で新機種のセミハードヘリカルダイカッタ「モデルFD77」3色刷りと、バイブレーションコンベア「VS77」の公開運転を行った。ヘリカルダイカッタは世界初のシステムで、ダイカッターユニットを斜めに取り付けているのが大きな特徴。従来のセミハード方式に比べ振動は5〜10分の1で振動音も少なく、刃の寿命が伸びるなど多くの優位性を持つ。

<フィルム・軟包装>

◇冷凍魚類を3分で焼き魚に

 電子レンジ用に紙製の調理包材を開発/食品抽出物で特殊加工
- 皆川商店 -
 皆川商店(茨城県)は、チルド・冷凍食品向けに、紙製の電子レンジ用調理包材を開発した。食品からの抽出物を紙に含侵加工したもので、生魚が約3分後には完全な焼き魚になる。他の調理にも展開可能。シート状やピロー袋に加工しても使える。使用後の廃棄処理も容易。包材商社のオケマン(茨城県)が販売する。

<フィルム・軟包装>

◇ISO9001認証取得

 本社、埼玉工場の製販一体で
- 日本マタイ -
 日本マタイ(東京都)は、かねてから本社第1事業部の営業部門と埼玉工場(南埼玉郡菖蒲町)の製造部門および管理部門の全てを網羅したISOの取得を進めていたが、2月25日にISO9001の認証取得および登録を果たした。重袋メーカーでは、すでにクラフト袋などを対象に同9002の認証取得も活発だが、ポリエチレン重袋などの設計を含む営業部門と製造部門を網羅した形でISO9001を取得したのは、業界初の取り組みとされる。

<シール・ラベル>

◇独自開発商品を発売

 ベタ印刷不要のタック紙
- 東京都ラベル印刷協同組合 -
 東京都ラベル印刷協同組合は、同組合青年部が独自に開発したラベル印刷用タック紙「カラーペット&カラーホイル」の販売を開始した。業界団体が自ら開発した商品を販売するのは全国でも初となる。カラーペットは25ミクロンのPETフィルム、カラーホイルは73.5グラム/平米のコート紙を基材としたタック紙で、それぞれメタリック色をコーティングしてある。扱いは通常のタック紙と全く同じで、通常のラベル製造設備で印刷・加工できる。

<包材流通>

◇イズミヤ関連会社のアミーゴと業務提携

 4月から“総合お届けサービス事業”を開始 
- タミヤ -
 タミヤ(大阪府)は、スーパー・イズミヤの関連会社、アミーゴと業務協力し“総合お届けサービス事業”「助っ人er」(スケッター)事業を4月から開始する。OA・事務・販促用品・包装資材から生活用品などを顧客に供給するとともに、カスタマイズ(専用使用)商品の制作から事務の代行なども行う。需要家のゼロ在庫・ゼロ場所・経済削減を実現する事業として注目される。

<段ボールケーサー特集>

◇進展する技術革新

 
 近年の段ボールケーサー業界は、日進月歩で技術革新が進展。ハンドリング用の高性能ロボット搭載が“当たり前”となるなど、最新技術が開発・導入され、箱詰め作業の省力化を強力にサポートしている。能力が高機能化するだけでなく、機械サイズもよりコンパクト化が図られ作業スペースの有効利用をバックアップ。有力メーカーの意欲的な機種開発により、需要家は幅広い選択肢の中から用途に応じた最適な機種を選べるようになっている。

<HMR&MS特集>

◇次代の食卓担う新たな潮流

 キーワードは「高付加価値」
 スーパーマーケットやCVS(コンビニエンスストア)、百貨店といった流通業界をはじめ、食品メーカー、外食産業などで昨年あたりから話題となり、次代の食卓を大きく変えるものとして期待されているのが「 HMR(ホーム・ミール・リプレイスメント=家庭内食の置き換え)」や「MS(ミール・ソリューション=食事問題の解決)」だ。ライフスタイルの変化に伴い、簡便性を追求する一方で、「おいしさ」も味わえる付加価値の高い食品が期待されるに至り、新規需要分野の開拓のチャンスは到来した。

3月30日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇単一ユーザーに80台出荷

 中国向け袋麺の包装機で昨年
- トキワ工業 -
 トキワ工業(大阪府)は97年度、中国の単一ユーザー向けに、袋入りラーメン専用の包装機「Nシリーズ」を80台納入した。現地で供給されるフィルム使用を前提に、より袋の気密性を高める装置への改良などが需要家から評価されたようだ。海外の単一ユーザーへ80台の納入は、同社も過去にない数字としている。

<シート・プラスチック容器>

◇◇生産能力3割アップ

 本社隣接地に新工場を完成
- サンパックス -
 サンパックス(愛知県)が本社工場の隣接地に建設を進めていた新工場が完成、本格稼働に入った。容器成形ライン5ライン中、2ラインが新設で、浅野研究所の高速連続圧空成形機「FLC」が導入された。同工場の完成で、同社の生産能力は約3割アップする。。

<フィルム・軟包装>

◇レトルト可能なレンジ包材

 冷凍ハンバーグもそのまま加熱調理
- メイワパックス -
 メイワパックス(大阪府)は、レトルト処理が可能な電子レンジ調理専用のフィルム袋「レンジ厨房シリーズ」を開発。加熱時の内圧の上昇を袋外に逃す特殊機構をシール部分に備え、同一袋のまま調理できる。すでに北海道地区で販売のレトルト食品用包材で採用された。さらにレトルトハンバーグなどの包材需要開拓に向け、サンプル出荷を進める。

<フィルム・軟包装>

◇農産物用ネット包材3種を開発

 優れた安全性とリパック性/ヤマガタグラビアと共同で
- ユーシー販売 -
 ユーシー販売(大阪府)は、ヤマガタグラビアと共同で、ラベルネットとフィルム技術融合の新しい農産物用ネット包材を開発。フィルム製開口部の内側に粘着テープを装着、リパックを可能にした。針を使わない安全性に優れた包材として注目され、すでにオクラ用で約七千万円分の注文を受けている。

<フィルム・軟包装>

◇北海道最大のインフレメーカー誕生

 「積水フィルム北海道」を設立
- 積水化学工業 -
 積水化学工業(大阪市)は北海道でのポリオレフィンフィルム事業強化のため、日本ユニカー系列の三協プラスチックス(本社・石狩市、資本金1億円)の株式の90%を取得し傘下に収めた。4月1日付けで社名を「積水フィルム北海道株式会社」に変更、新会社の社長には岡田光夫氏が就任する。北海道積水工業のフィルム製造部門を新会社に移管、最終的には年産8,000トン、売上高約20億円規模と北海道最大のインフレメーカーが誕生する。

<外装機器・資材>

◇小型自動梱包機を開発

 販売価格は5万円程度に
- 鶴田機械サービス -
 鶴田機械サービス(愛知県)は、12ボルトモーター1つだけを動力とする小型のPPバンド梱包機を開発。通常機の結束ユニットだけを抜き出したようなシンプルな装置で非常に小型。今後の研究開発次第では「ロボットのハンドにも応用が可能」というユニークな梱包機だ。実用化の段階では5万円程度の価格で上市したい意向。

<紙系緩衝材>

◇新発想の緩衝パット開発

 ブリッジ(=吊り)構造で耐衝撃性を
- エコロジー開発 -
 エコロジー開発(東京都)は、ブリッジ構造の緩衝パット「エコ・パット」を開発。1枚の段ボールシートを折りたたみ成形して、製品の上面を除いた5面で保持するもので、製品の乗る部分が外装ケースの底面に接していない“吊り状態”にするという新発想の緩衝パット。現在、同製品の製造・販売に関する業務提携先を募集中。

<パッケージ印刷>

◇軟包装用の凸版印刷機を開発

 小ロット短納期に高度な対応
- コーパックインターナショナル -
 コーパックインターナショナル(東京都)は、フィルム印刷専用に、低価格で多品種小ロット生産に対応のロータリー凸版印刷機「エマノン400 F PRESS 」を発売する。5色標準機は、最大原紙幅400 o、最大印刷幅397 oに対応し、UVインキを使用した印刷速度は最高毎分100 b。価格は4,500 万円。王子タック販売、日本紙パルプ商事、大永紙通商の3社が販売を担当。

<物流関連>

◇福岡に物流センター開設

 文具3メーカーの共同配送実現 
- キングジム -
 電子文具最大手のキングジム(東京都)は、福岡市東区の福山運輸流通センター内に敷地面積約1,875平方メートル、アイテム数約3,000 の「福岡物流センター」を開設した。沖縄を含む九州全域の物流サービス向上を目指し、同社とぺんてる、ゼブラの3社で共同配送。業界内の情報インフラも整備される。これで東京、千葉、名古屋、大阪に次ぐ5番目の物流拠点となる。

<環境・包材リサイクル>

◇5月からPET ボトル、紙パックを店頭回収

 約1,100店舗が協力へ 
- 名古屋市 -
 名古屋市は、スーパー、CVS 、生協などの協力を得て、5月11日から市内約1,100 店舗でPET ボトルと紙パックを店頭回収する。人口比での拠点数は東京都と同規模だが、紙パックの同時回収に注目が集まる。しかしCVS サイドではスペースの点から紙パックの回収には否定的。PET ボトルも回収は6月からで、最初の参加店舗は当初の予定を下回りそうだ。

<特集プラテックス大阪’98>

◇プラ・ゴム総合展、いよいよ開幕

 4月8日からインテックス大阪で
 西日本唯一のプラスチック・ゴム総合見本市「プラテックス大阪’98」の開幕が迫っている。日本プラスチック機械工業会と日本合成樹脂技術協議会が4月8日から11日までの4日間、インテックス大阪で共同開催するもの。今後は3年に1度の割合で開催される。同展はプラスチック・ゴムに関する最新製品と技術が一堂に会する総合展で、関係者の関心も高い。ここでは同展の開催概要と有力出展企業の出品物を紹介。


バックナンバーに戻る