包装タイムス・バックナンバー“1998年8月度”

※8月17日号は休刊です。


8月3日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇サラダ油にスタンディングパウチ採用

 包材原料の使用量を半分に
- 味の素 -
味の素(東京都)は、サラダ油に初めてスタンディングパウチを採用した。従来のプラスチックボトル容器に比べ、包装材の原料使用量を半分に減らしたもので特許出願中。併せて詰め替え用500グラムボトルも発売する。キャップ口径を大きくし、詰め替えが簡単にできるよう工夫されている。従来、詰め替えが比較的難しいとされていたサラダ油で採用されたことで、今後、詰め替え容器の採用に拍車がかかりそうだ。発売開始は8月20日から。

<シート・プラスチック容器>

◇プラ容器試作を3次元映像化、各種成形法別にソフト開発

 樹脂別の解析評価も可能に
- プラメディアリサーチ -
三井物産、構造計画研究所、新日本製鐵3社が共同事業として設立したプラメディアリサーチ(東京都)が、コンピューター画面上の立体映像でブロー成形や真空圧空成形などによる実際のプラスチック容器成形をシュミレーションをできるソフトを開発した。使用するプラスチック樹脂の物性評価から成形加工までを一貫してサポートし、自社独自のPETボトルの迅速な開発を可能とするもので、原料別または生産環境別の最適成形条件が容易に導き出せることから、容器成形メーカーの省力化以上に飲料メーカーや食品メーカーなどのユーザーのインプラント化を促進する可能性が出てきた。

<フィルム・軟包材>

◇人工ゼオライト配合のPE(ポリエチレン)袋

 ダイオキシン吸着で威力発揮
- 福助工業 -
福助工業(愛媛県)は、石炭灰を特殊処理した人工ゼオライトとポリエチレンを配合し、ダイオキシンなどの有機塩素系化合物の吸着効果を持つ機能性フィルム「ゼオレックス」を開発。このほど、これを用いて商品化したゴミ袋「ゼオスター」の発売を開始した。スーパーや生活協同組合などに売り込むほか、市町村などにも働きかけ、初年度2億円程度の販売を目指す。

<紙器・段ボール>

◇段ボールケース向けの手提げ用把手

 PP発泡紐をたすき掛け形状に
- 松浦産業 -
松浦産業(香川県)は、段ボールケースにたすき掛け状に貼り付けて使う手提げ用把手「タックハンドルXシリーズ」をキリンビールと共同で開発した。PP発泡の紐(ひも)を合成紙(ユポ)製のタックラベルで貼り付けて使うもので、たすき掛けになっていることから段ボールケースに張りつける際、位置ずれがしにくく持ちやすくなっている。同製品についての特許はキリンビールと共同で出願している。松浦産業では現在、月産100万枚の能力を持つ専用設備を設置しており、来年夏以降は他の飲料・ビールメーカーへも納入先を拡大する考え。

<紙器・段ボール>

◇全日本紙器工業組合連合会が名称変更

 全日本紙器段ボール箱工業組合連合会に
全日本紙器工業組合連合会(杉田重利会長)が7月9日付けで名称を「全日本紙器段ボール箱工業組合連合会」に変更した。段ボール関係の組合員が増え、「紙器工業組合」では実情に合わなくなったことから名称変更を決めたもの。

<パッケージ印刷>

◇印刷機上で4色製版、新世代のデジタルオフ機開発

 低価格で来年1月に本格販売
- 大日本スクリーン製造 -
大日本スクリーン製造(京都市)は、画期的な4色オフセット印刷機、デジタルイメージングシステム「トゥループレスNP-1500/HC-110」を開発した。国産初の有版型オフセット印刷方式の出力システムで、デジタルデータをダイレクトに使い、フィルム製版を実現。印刷機上で半導体レーザーで製版して印刷をする。厚さ0.06〜0.3ミリのワークに印刷でき、薄紙から厚紙まで対応できるもので、分解能力は1,000 〜3,000dpi。版胴に刷版を自動的に巻き付けた後製版する方式を採用しているため、色版の見当合わせも不要になっている。印刷スピードは4色で毎時4,000枚、A3ワイド判まで対応できる。

<パッケージ印刷>

◇ロスレス巻き取り機を強化

 既設機への改善提案を加速化
- 富士機械工販 -
富士機械工販(東京都)は、軟包装系コンバーターに対し、巻き芯ロスや巻き締めロスの低減が図れる新開発の巻き取り装置の提案を加速する。巻き締まりがなく、フィルムの歪みのないきれいな巻き姿が得られるほか、巻き芯ロスも5b以下に抑えられる装置で、同社では装置本体の販売に加え、今後は特に、既存の加工機へのレトロフィット(改造)提案にも力を入れる考え。グラビア印刷をはじめとするフィルム加工業界では、加工段階でのロス低減が大きなテーマに浮上している背景から、同社の提案が注目を集めそう。

<シール・ラベル>

◇付箋(ふせん)内蔵のラベル開発

 剥離紙部分に広告やメッセージの印刷も可能
- コーパックインターナショナル -
多層ラベルとその応用製品の展開に力を入れているコーパックインターナショナル(東京都)はこのほど、付箋(ふせん)を内蔵したラベル型ノベルティ商品「ポスレット」を開発した。多層ラベルの技術を応用した商品で、表面の端を剥がして開くと、付箋を付けて折り畳んだ状態の内側面がオープンする構造になっている。付箋を剥がした後の剥離紙部分に、広告やメッセージなども印刷できるようになっており、販促用のツールとしても利用できる。

<環境・包材リサイクル>

◇再生PETを高度利用、不飽和ポリエステルの原料に

 フィルムメーカーとタイアップし企業化も
- 大日本樹脂研究所 -
大日本樹脂研究所(横浜市)は、回収したPETボトルから再生したフレークを不飽和ポリエステルの原料として利用する技術を新たに確立した。回収PETフレークを最大限65%含有する不飽和ポリエステル樹脂の合成法を開発したもので、熱可塑性ポリエステルフィルムやその他の加工品などに高度利用でき、しかも低価格化が図れることから、回収PETボトルの有力用途として今後期待が持てそうだ。

<環境・包材リサイクル>

◇ヤシのデンプンで分解速度を調節

 生分解性技術を確立し、各種用途で本格展開図る
- サンコーワイズ -
サンコーワイズ(東京都)は、生分解性樹脂にヤシのデンプン粉末を配合することで、土中でフィルムや各種成形品の分解を促進するほか、配合率を変えることで分解速度を調整できる技術を確立した。ヤシデンプンは、ヤシの中果皮に含まれる繊維のうち、セルロースを多く含むヒゲ状小枝を圧縮後に微粉末化したもの。すでにフィルムメーカーとコンポスト用生分解フィルムを開発しており、今後の展開が注目される。現在、特許を出願中。

<包材流通>

◇新世代のパソコンデスクが好評

 ディスプレーを机に収納
- もりや産業 -
大手包材商社のもりや産業(大阪市)は、新規事業の一環として、操作による疲労が軽減できる収納式パソコンデスク「サイトビュワー」を販売し、大きな反響を呼んでいる。キーボード操作時、画面が目線より下になるため、目や片、首などの疲労が起きにくい。しかも机の上が広く使え、メリットは大きい。同社では一般タイプと横置きタイプ、タワータイプの3種類の販売を展開している。

<検査機器特集>

◇品質保証などで生産ライン状での採用進む

 印刷からコンバーティング分野まで、幅広い分野で使用
印刷やコンバーティングの現場など、生産ラインでは様々な検査機器が使われている。欠点検査から異物検査まで、品質保証、安全保証の観点から各業界で導入が進んでいる。従来、人の目で行っていた部分が多いが、より高いレベルでの品質・安全保証が望まれるようになって、導入が進んでいるわけだ。現在、現場で使われているこれら検査機器を網羅した。


8月10日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>

◇業界初のリバーシブル容器開発

 「シーファイン寿司板」/ 2つの容器を 1つに集約
- 中央化学 -
中央化学(埼玉県)は、プラスチック製食品容器市場で業界初となるリバーシブルタイプの次世代容器「シーファイン寿司板」を開発した。柄のついた面と無地の面の両面が任意に使い分けられる(特許申請中)。これにより、使用容器のアイテム数の絞り込みやストックスペースの有効活用が可能になるなど、量販店や外食産業が抱える問題点が解決できることから注目を集めそうだ。

<シート・プラスチック容器>

◇新タイプのブリッジ容器開発

 成形蓋材不要で低コスト化実現/食材のボリューム感訴求
- ヒノマル -
ヒノマル(福岡市)は、成形した蓋材がない包装形態でも食材のボリューム感を訴求できる新容器「PHシリーズ」を開発した。容器の縦両サイドのフランジ部分がなだらかなブリッジ状に設計されており、フィルムでラップすると中身食材のボリューム感が増す格好となっている。成形蓋材が不要なため、従来の包装形態よりもコストダウンが図れるとして好評だ。

<フィルム・軟包材>

◇納豆トップシールで特許

 納豆製造法や溶孔有孔加工も範囲に
- フジテクノ -
フジテクノ(東京都)は、大豆を蒸し納豆菌を混入する工程と、 100〜 500μmの孔を多数施したプラスチックフィルムで容器天面をトップシールした後、室に入れて発酵させる納豆製造方法に関する特許を取得した。平成22年 2月までの効力を持ち、全国の納豆メーカーや大手量販店を対象に特許権の権利行使やPR活動を展開する。

<樹脂原料>

◇メタロセンPP量産化にめど

 生産設備で国内初の試作成功/食品包装用ランダムコポリマーに注力
- チッソ -
チッソ(東京都)は、メタロセンPPの量産化に成功した。子会社のチッソ石油化学・五井製作所(千葉県市原市)で独自のメタロセン触媒で試作を行い、量産化技術にめどをつけたもの。従来のPPに比べ均質な分子構造を持ち、次世代のPPと期待される。市場へのサンプルワークや、本格的な上市時期については今のところ未定。

<外装機器・資材>

◇自動結束機を本格展開

 段ボ業界などをターゲットに
- ストラパック -
ストラパック(東京都)は、自社ブランドの自動結束機「STシリーズ」を本格発売した。製品の食い込みを嫌う理由からPPバンド梱包機でなくひも結束機を使用する段ボール業界などを主なターゲットとし、月 100台を販売目標に積極展開を図る。なお製造は羽越機工。

<パッケージ印刷>

◇印刷物製作のためのルールブック刊行

 ウィンドウズ DTPの全てが分かる
- 大日本スクリーン製造 -
大日本スクリーン製造(京都市)は、ウィンドウズ DTPの基本ルールの全てが分かる実用本「WindowsDTP/ 印刷物製作のための基本ルール」を制作した。今後ますます増加が予測されるウィンドウズ DTPでの発注に対応するのが狙い。基本操作からハイレベルな設定までを豊富な図で分かりやすく解説するとともに、ウィンドウズ DTPの抱える課題を実際の業務に基づいて具体的に説明している。本体価格は3,800円。

<物流関連>

◇自動仕分けシステム「トリソート」、航空貨物の処理に

 ヤマト運輸エキスプレスで稼働
- サンドビック・プロセスシステム事業部 -
サンドビック・プロセスシステム事業部(兵庫県)は、羽田空港内の東貨物ターミナルにあるヤマト運輸エキスプレスの東京主管視点へ、バーコード自動読み取りを採用した自動仕分けシステム「トリソート」を納入した。同システムは欧州をはじめ国内の食品業界などで豊富な実績をもつが、運送業界向けでは国内初の採用。

<環境・包材リサイクル>

◇“超臨界水”技術を本格化

 PETフレークを簡単に分解/包材再生の新たな決め手に
- 神戸製鋼所 -
神戸製鋼所(神戸市)は、水を一定の高温・高圧状態に保った“超臨界水”で、フレーク状の PET樹脂やダイオキシンも分解する技術システムを実用化した。現在までに化学品残さで実績を持つが、 PETボトルリサイクルなど包材再生技術の決め手として大いに期待が高まる。

<環境・包材リサイクル>

◇環境ラベル国際規格が発行

 新たに環境適合設計規格を検討/ LCAインベントリー分析も秋に
- ISO/TC207第 6回総会 -
ISO(国際標準化機構)/TC207 (環境管理システム専門委員会)の 第 6回総会が先頃、米国サンフランシスコで開催され、各分科会が討論の結果、環境ラベルの一般原則の ISO14020 は、FDIS(国際規格最終案)が 6月16日に投票が締め切られて可決、 8月 1日付けで発行した。また LCAインベントリー分析の国際規格となるFDIS14041 が現在、最終投票に入っており、秋にも発行する見通し。

<環境・包材リサイクル>

◇包装紙、紙製包材にエコマーク

 再生包装用紙、包装材は廃止/商品類型認定基準を制定
- 日本環境協会 -
日本環境協会エコマーク事務局は 8月3日付けで、包装用紙、紙製包装材、紙製事務用品の新商品類型について、エコマークの認定基準を制定した。また同日付けで再生パルプ使用包装用紙、再生パルプを使用した包装用紙、一般事務用品は廃止となった。新たな商品類型となった「包装用の用紙」は、包装紙、包装袋、封筒類が対象。

<ISO関連>

◇ISO14001認証を取得

 久御山・十条・東京地区事業所で
- 大日本スクリーン製造 -
大日本スクリーン製造(京都市)は、京都市の久御山事業所と十条事業所、東京地区事業所(東京都豊島区の東京支店と池袋事業所)で、ISO14001の認証を取得した。久御山と十条事業所が 6月9日付け、東京地区事業所が同22日付けで取得しており、昨年 2月の本社事務所に続くもの。「廃棄物の削減」「省エネルギーの推進」「紙の使用量の削減」を目標に掲げた環境管理システムが評価された。

<21世紀のニューリーダーL>

◇3つの「満足」を求めて/地球環境との調和必要

 新包装次題意のパイオニアに
───三和自動機製作所代表取締役社長・小嶋宏氏

<記者の眼>

◇成長するインターネット/包装産業でも200社以上がHP

 発信者は明確なビジョンを

<四国地区包装産業特集>

◇広がる経済圏に期待膨らむ

 三架橋で人、物、情報に活気
98年4月5日、待望の明石海峡大橋が開通した。また本州と四国を結ぶ大動脈として開通後、その利便性を顕著に発揮している瀬戸大橋は今年で開通10年目を迎え、これで本州と四国をつなぐ道路網は 2本の架橋となった。これに時を合わせるように、大手ビールメーカーが四国初のビール工場を設置した。これは一例に過ぎないが、国内において一大化工基地と位置づけられる四国地区。ここには包装分野でも国内を代表する各分野の有力企業が立ち並ぶ。

<HACCP 関連>

◇除菌洗浄剤・クロスを本格展開

 8月1日に3製品を発売開始
- アルタン -
アルタン(東京都)は、厨房用除菌洗浄剤と食品用洗浄剤製剤、厨房用除菌クロスの販売を 8月 1日から全国で開始した。業務用アルコールスプレーの最有力メーカーの同社がクリーンアップ分野に本格参入したことで、市場の競争が激化することが予想される。


8月24日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇PETボトルを内製化

 毎時 1万2,000本の生産能力
- アサヒ飲料 -
アサヒ飲料(東京都)は、兵庫県明石工場で PETボトルの内製化に踏み切った。毎時 1万2,000本の生産能力を持つ。近年の PETボトル飲料の需要増を背景に、コスト競争力強化が狙い。同社は昨年 5月に2リットルPETボトルの無菌充填ラインを稼働させており、今回導入した PETボトル成形ラインと組み合わせることで、PETボトル成形から無菌充填までの一貫生産が行えるものとなった。

<ユーザー>

◇包装印刷で大豆インキ採用

 オフセット、フレキソ印刷で環境負荷低減を図る
- 松下電器産業 -
松下電器産業・生産技術本部(大阪府)は、オーディオ事業部とエアコン事業部の紙器・段ボール印刷、取扱い説明書などで、大豆油を主原料としたインキに切り替えた。フレキソとオフセットインキで、従来型インキのアクリル成分を大豆油脂に置き換えたもの。大豆油脂をインキ中に15%以上配合しているのが大きな特徴で、植物資源をインキ成分に加えることでインキからの環境対策を提言したものとして現在、各方面から注目を集めている。

<包装機・関連機器>

◇小型・安価の横ピロー機開発

 独自の噛込防止センサー搭載/稼働率の低下を防ぐ
- 日本ポリスター -
日本ポリスター(滋賀県)は、小型正ピロー自動包装機「プロトE7」を開発、受注を開始した。性能を同社の大型・中型正ピロー自動包装機と同水準とする一方、本体をより小型化し価格も大きく低減した。トップシール部でのワーク噛み込みを感知、防止するセンサーも備えており、コンパクトで高性能な画期的機種として今後、販売を強化する。

<包装機・関連機器>

◇シール・収縮を 1台で

 一体型収縮包装機を開発
- ミツワ -
ミツワ(埼玉県)は、シールとシュリンクが 1台で可能なシュリンク包装機「MS-700」を開発、本格販売を開始した。シールとシュリンク機構が一体化されているので省スペースで使用可能。商品を袋詰め後、所定の場所にセットしアームレバーを引き下ろすだけでシールとシュリンク包装を行う。従来機のようにシールされたものをシュリンクトンネルに入れる必要がないので、工程が簡略化されているとともに、設置場所を取らない。シールは、インパルス方式を採用。省電力タイプなのでランニングコストの低減にも貢献する。店頭やバックヤードなどでの需要獲得を狙う。

<包装機・関連機器>

◇地ビール向け充填・打栓機

 独自機構で品質と衛生を向上
- シブヤマシナリー -
シブヤマシナリー(石川県)は、独自の品質向上とサニタリー機構を備えた地ビールメーカー向け充填・打栓機「フィラ/キャッパ」(TBFC-005型)を開発、秋田県の田沢湖ビールと佐賀県の伊万里クラフトビールに納入した。親会社の澁谷工業のノウハウを生かして開発されたもので、独自のダブルプレエバキュレーション方式により、品質を向上し賞味期限を大幅に延長すると同時に、サニタリー性に優れた充填バルブの採用によって衛生的でクリーンな充填を可能としている。ダブルプレエバキュレーション方式は、びん詰めの前に 2回びんの中の空気を排出する仕組み。びん内に空気があるとビールの酸化が起こり品質が低下するが、同方式は一度空気を排出した後に炭酸ガスを入れ、再度残っている空気を排出する。このため品質の向上が図れるというものだ。

<シート・プラスチック容器>

◇すし容器をゲタ形状化

 にぎりのボリューム感を演出/すでに大手量販店で採用
- デンカポリマー -
デンカポリマー(東京都)は、すし容器の底をゲタ形状とし、包装したにぎりずしのボリューム感が増すように工夫した独自開発の新容器「寿司ゲタ」を発売した。従来のものに比べショーケース内で映えるため、テークアウトずしのイメージアップとともに実際の販促効果も期待できることから、すでに大手量販店でも採用されている。

<紙器・段ボール>

◇PSPと同等の軽さ、食品向け軽量紙容器を展開

 使用後に片手で簡単に減容
- クラウンパッケージ -
クラウンパッケージ・サンシャイン事業部(千葉県)が PSPとほぼ同等の重量を持つ軽量紙容器を展開し、注目を集めている。同社製品のミニ段「サンシャイン」のニュータイプ容器で、使用後に片手で圧縮すれば大幅に減容でき、しかも薄型・軽量のため輸送・保管コスト削減にも効果がある。食品衛生法に適した原紙を使った段高がわずか0.6o、厚さ約1oの極薄軽量シートを採用。シェルパック(貝殻を 2枚合わせたスタイルの容器)風に製函しており、使用している紙の量が少ないため、焼却処理しても通常の紙容器と比べ、環境への負荷も少ないのが特徴だ。同社としては今後ファストフードを中心とした食品分野で本格展開を図る。

<紙器・段ボール>

◇中国広東省で合弁企業を設立

 段ボール・印刷紙器など生産
- レンゴー -
レンゴー(大阪市)は、中国広東省順徳市で、広東万家楽股分有限公司と段ボール・印刷紙器の合弁事業に関する契約に調印し、広東聯合(かんとんれんごう)包装有限公司を設立した。資本金は約1,300万$でスタートする。出資比率はレンゴーが49%、広東万家楽股分有限公司が51%で、中国側は段ボール・印刷紙器の工場を現物出資、レンゴーは現金での出資。投資総額は2,000万$にのぼる。役員構成は董事長はレンゴーから派遣、副董事長と総経理は広東万家楽が派遣する。また、副総経理はレンゴー、広東万家楽の両社からの派遣になる。合弁期間は30年の契約。これで同社は、中国・東南アジアの 6カ国で合計22カ所の段ボール・印刷紙器・製紙工場を持つことになる。

<プラスチック系緩衝材>

◇国内最大級の大型 EPS成形機

 高品質でハイサイクル生産を実現
- 笠原工業 -
笠原工業・ピオニシステム事業部(福島県)は、国内最大級の大型 EPSブロック成形機「PEONY-556DS」を開発し、すでに大手ユーザーへ納入実績も上げている。5,500×1,000o、厚さ600oのEPSブロックを1ショット10分のハイサイクルで生産できるのが大きな特徴。しかも低含水で高品質の成形品が得られるという。

<プラスチック・紙系緩衝材>

◇エア充填と紙製の2タイプ発売

 9月から九州地区を皮切りに
- 司化成工業 -
司化成工業(東京都)は 9月1日から、九州地区を皮切りに、ポリエステルまたはポリエチレン多層フィルム製エア充填緩衝材「ボーイ・パット」と再生紙製バラ緩衝材「クラフト・パット」を発売する。両タイプとも同社は製造装置を販売しているが、緩衝材だけ使いたいという需要家ニーズに対応するもの。順次全国でも販売を開始する。

<シール・ラベル>

◇ホームページを開設

 一般から専門向けまで幅広く
- 東京都ラベル印刷協同組合 -
東京都ラベル印刷協同組合(池田俊平理事長)は、7月からインターネットにホームページを開設した。デジタル化、コンピュータ化が進んでいる印刷業界の中で、ラベル印刷分野は遅れ気味と言われていたが、同協組は若手組合員を中心に取り組みを積極化。内容は、組合の紹介や業界内外向けのページなど。アドレスは、http://www.label-tokyo.com/

<環境・包材リサイクル>

◇廃プラを高炉利用

 脱塩素処理して微粉化/RITEと共同開発に着手
- 川崎製鉄 -
川崎製鉄(東京都)は、地球環境産業技術研究機構(=RITE)の技術開発促進事業に参加して「脱塩素・個化技術による微粉炭代用製品への廃プラスチック転換技術」の共同開発に着手する。塩化ビニル類を含む廃プラの脱塩素処理に関しては、すでに自社で基本技術を確立している。

<環境・包材リサイクル>

◇多層フィルムを分離・回収

 高温・高圧水で高純度に/ケミカルリサイクル技術を開発
- 通産省工技院物質工研 -
通産省工業技術院物質工学工業技術研究所(茨城県)は、高温・高圧水で多層フィルムを分離・回収するケミカルリサイクル技術を確立した。これまで多層フィルムを樹脂ごとに分離・回収するのは困難だったが、今回の技術開発で、共押出、ドライラミ、押出などラミネートフィルム全般にわたって、工場内でリサイクルする道が開けたといえる。


8月31日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>

◇ウィンドウズ98対応の成形支援装置

 成形時の状況をモニターチェック
- 日精樹脂工業 -
日精樹脂工業(長野県)は、射出成形機の成形時における状況や成形品の品質を監視するウィンドウズ98対応成形支援装置「データ収集記録解析装置DLA4」を、9月1日から発売する。成形材料の多様化や成形の複雑化に伴い、個々の成形における情報サンプリングが必要不可欠になってきている。同装置はこうしたニーズに対応するもので、成形機と接続して成形波形の表示・保存・解析を行う。

<容器・関連機器>

◇国産初の非接触厚み測定装置/赤外線技術駆使し開発

 プラボトル用、ガラスびん用2機種
- T.I.T -
T.I.T(東京都)は、非接触でプラスチックボトルやガラスびんの厚みが測れる国産初の測定装置を開発し、販売を開始した。同社がこれまで培ってきた赤外線技術を駆使して完成させたもので、プラボトルやガラスびんの生産の省力化、品質の信頼性と安全性の向上を実現する。プラボトル用「PBT-2004」、ガラスびん用「GBT-2004」の2機種があり、両機とも幅広いプラスチック素材、ガラスびんに対応できる。

<フィルム・軟包装>

◇水性ドライラミ用接着剤を開発

 既存設備での加工が可能/作業環境の負荷軽減にも配慮
- 大日精化工業 -
大日精化工業(東京都)は、溶剤型接着剤を含まない軟包装材向け水性ドライラミ用接着剤「ノンソルボンドWA-377」を開発。従来の水性接着剤と違い、既存の溶剤型接着剤を使うラミ機を使用でき、しかもラミ強度に優れ高速での加工が可能。作業現場への負荷も少ないなど環境対応にも優れたラミ用接着剤として注目を集めている。

<フィルム・軟包装>

◇興人系列の軟包装コンバーターが合併

 経営の効率化、企業体質の強化図り
- シーアンドビー/ショーラミ -
興人と三協商事を共通の株主とする包材コンバーターのシーアンドビー(東京都、資本金4,000万円)は、より強固な経営基盤の確立などを目指し、10月1日付で合併する。存続会社はシーアンドビーで、社名は「シーアンドエス梶v。社長には西澤克彦氏(シーアンドビー社長)、副社長には有田正信氏(ショーラミ社長)が、それぞれ代表権を持って就任する。

<フィルム・軟包装>

◇約80℃の超低温でシール可能

 メタロセン系 L-Lシーラントフィルムの新銘柄発売
- 東セロ -
東セロ(東京都)は、メタロセン系L-LDPEシーラントフィルムで、超低温ヒートシールグレード「VCS」を開発・上市した。同社既存の製品で、これまで最もヒートシール温度が低い L-L包材「VC」に比べ 5℃、同じくメタロセン系「TCS」に比べ10℃低い約80℃でヒートシールが立ち上げられる(いずれも 1秒あたり 2s/cm2の圧力をかけた場合)。スープなどの高速充填や米袋などの分野で需要を期待。

<フィルム・軟包装>

◇26p幅の家庭ラップ新製品

 トウモロコシ生まれの刃も採用
- 三井東圧プラテック -
三井東圧プラテック(東京都)は、フィルム幅26pの家庭用ラップ「ハイラップ26」を上市する。このサイズは、約200世帯を対象に行った食器保有実態調査などから割り出したもの。家庭でのラップ使用シーンで、最も無駄のない世界初のサイズ。またノコ刃は、三井化学の生分解性樹脂「レイシア」をベースに、トウモロコシ素材で開発。廃棄時に分別の必要がないのもポイント。

<パッケージ印刷・関連機器>

◇高速自動版洗浄機を開発

 グラビアシリンダー用に短時間で完璧な処理を
- サワーコーポレーション -
サワーコーポレーション(大阪府)は、グラビアシリンダー用の高速自動洗浄機「SC-G100」を発売した。新開発の“超音波接線洗浄方式”で、一般の1液インキならば2分以内、硬化が速く固着力の強い2液型インキも印刷時間が1時間以内ならば約6分間で洗浄を完了する。販売総代理店は化研テック(大阪)で、洗浄液も供給。価格は550万円で、年間100台の販売が目標。

<シール・ラベル>

◇RF-ID(電波方式認識)事業に本格参入

 低コストの応答器開発に成功/来年4月に新システム発売
- リンテック -
リンテック(東京都)は、粘・接着技術と特殊紙製造技術を生かして、RF-ID(電波方式認識または無線認識)事業に本格参入する。ラベルやカード自体に応答信号を発信する機能の付与で、一般的な集積回路を内蔵するものに比べシンプルかつ低コストのRF-ID システムを実現できるのが最大のポイント。米インコード社と共同開発契約を結び、来年4月に販売を開始する予定。

<物流関連>

◇該当住所をパソコン表示

 カスタマーバーコード検査ソフトを開発
- エスピーメディアテック -
エスピーメディアテック(京都府)は、カスタマーバーコードの印字検査ソフト「カスタマーバーコード簡易読み取りシステム」を開発、販売を始めた。検査が迅速に行えるうえ、バーコードを読み取ることで該当住所をパソコンに表示できるのが特徴。ダイレクトメールや通信販売関連などで需要を見込んでいる。

<物流関連>

◇大型アルミ製ボックスパレット発売

 工場間の通い函として引き合い/ごみ減量化が追い風に
- ジャック -
ジャック(東京都)は、6月に本格発売したアルミ製ボックスパレット「オリカーゴ」がユーザー間で好評なことを受けて、8月から同じくアルミ製ボックスパレットの第 2弾「ジェイカーゴ」を発売。オリカーゴよりも大型のもので、特殊用途の工場間輸送用通い函として一部採用が決まるなど早くも引き合いが活発化している。

<環境・包材リサイクル>

◇北九州で PETボトル再生工場が稼働

 エコタウン事業認定初施設/九州で最大規模年間8,000t
- NPR -
西日本ペットボトルリサイクル(= NPR、北九州市)は、九州地区で最大となるPETボトル再生工場を本格的に稼働。陸海からのアクセスに便利な北九州市・響灘地区に位置し、西日本をカバーする広域エリアの PETボトルリサイクル基地に適した立地条件をもっており、民間 5社と北九州市などが一体となってリサイクルを進める。

<環境・包材リサイクル>

◇ISO14001取得相次ぐ

 森永製菓が菓子メーカーで始めて/協和発酵も全工場で取得へ
ISO14001の取得が相次いでいる。森永製菓(東京都)は今年7月、栃木県の小山工場で取得。国内の菓子メーカーでは初の取得で、2年以内を目標に全工場で取得する。また、協和発酵(東京都)は来年7月にも山口県の防府工場で取得する見込みで、2000年中に全工場で取得する方針だ。特に包装に関係の深い食品・飲料メーカーでの取得が増えることにより、包材メーカーにも環境面での対応の要求が活発化しそうだ。

<環境・包材リサイクル>

◇PETボトル再生原料JIS化へ/試験方法を検討

 円滑なリサイクル推進に
- 通産省工業技術院 -
通産省工業技術院は、PETボトルの再生原料を試験する際の試験方法のJIS化に着手した。化学技術戦略推進機構にPETボトル再生原料調査研究委員会を設置し、現在検討を行っている。容器包装リサイクル法の実施でPETボトルのリサイクルが全国で行われているが、再生原料の品質にばらつきが多いことから円滑なPETボトルのリサイクルの制約要因になっており、試験方法のJIS化が必要となっていたもの。

<21世紀のニューリーダーM>

◇メーカーは技術が命

 新製品開発で21世紀へ
─────大森機械工業取締役副社長・大森利夫氏

<記者の眼>

◇危機感薄い包材メーカー、ユーザー/環境負荷少ない方法見極める努力を

 容器包装リサイクル法完全実施まで1年7カ月

<梱包・結束特集>

◇激動期迎える梱包・結束

 星取りが気になる段ボール結束

<中国国際包装展特集>

第6回中国国際包装展(CIP'98)開催へ

 9月8日から中国・北京で/日本から10社が出展参加
中国包装技術協会(CPTA)、中国国際展展覧会社主催、中国国際貿易促進委員会、中国包装総公司後援による「第6回中国国際包装展(CIP'98)」が、9月8〜11日までの4日間、中国・北京市朝陽区の「中国国際展覧中心」において開催される。今回の開催規模は全体で約4,000m2で、中国国内からの出展ブースが3,000m2、国外からの出展ブースが1,0002。日本からも10社210m2が出展することになっている。

<スキャンテック特集>

◇テーマは次のアプリケーションを開く鍵

 9月2〜4日、東京ビッグサイトで
「NEXT APPLICATION(次のアプリケーションを開く鍵)」を全体のテーマに 9月2〜4日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで「SCAN-TECH JAPAN 1998(第12回バーコード及びAUTO-ID 展)」(主催・国際自動認識工業会)が開催される。今回の規模は、海外からの 7社を含む110社、316小間で、期間中の来場者は 1万6,000人を予定している。

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