包装タイムス・バックナンバー“1998年10月度”


10月5日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇ハカリに通信機能を装備

 工場の様々なニーズに対応/商品情報500件まで登録可
- イシダ -
イシダ(京都市)は、周辺機器を制御するためのコントロール信号機能やインタラクティブ(情報の相互交換)通信機能を標準装備したハカリ「インフォメーション マルチスケール im-7000」を発売した。あらゆる分野の工場での商品重量チェックや各種原料の配合、各種部品の計数などに対応するもので、工場分野などで多様化するニーズに応えたもの。

<包装機・関連機器>

◇アンプル集積包装機

 ブランク1枚で充填、小箱詰め
- シグマ紙業 -
シグマ紙業(大阪市)は、トレーブランクシートを供給するだけでアンプルを挟み込む波状にカートンを成形、アンプルを装填し、それをラップラウンド方式で小箱詰めするアンプル集積包装機「BIA-983型」を発売した。この方式により、トレーブランクシートでアンプルを必要な本数だけ自動的に包装することができ、製品の確実な保護と取り出しの容易さを両立。同包装形態は、「'98日本パッケージコンテスト」のグッドパッケージング賞、医薬品・医療品包装部門賞を受賞するなど、高い評価を受けている。

<包装機・関連機器>

◇電子部品詰めリールをシール

 半自動テーピング機を商品化
- マキー・エンジニアリング -
マキー・エンジニアリング(東京都)は、半導体部品やコネクターなどの電子部品を手詰めした凹凸状のプラスチックリール“エンボスキャリア”の上面をフィルムでシールする「エンボスキャリア半自動テーピング機」を開発した。エンボスキャリアの上面をフィルムでシールし、ボビンに巻き取る装置で、部品の自動挿入装置のとの連動で自動充填にも対応する。

<紙器・段ボール>

◇パルプモールド工業会設立

 全国14社が参加し活動スタート
全国のパルプモールドメーカーと製造機械メーカー14社が集まって、このほど「日本パルプモウルド工業会」を設立した。会長には大成(本社・岐阜県)の倉田均氏が就任、事務局を東京・北区に置き活動を開始した。平成12年の容器包装リサイクル法完全実施を控え、パルプモールドの回収ルートづくりや再商品化過程での新しい用途開発、技術開発が設立の目的。また紙製包材リサイクルの受け皿産業としての市場規模の拡大もその狙い。

<紙器・段ボール>

◇直接印刷できるミニ段開発

 食品用途のグレードも展開/早くも各方面で注目集める
- クラウンパッケージ -
板紙に近い風合いと機能を持つミニ段「サンシャイン」を展開するクラウンパッケージ・サンシャイン事業部(千葉県)は、貼合後に印刷できる「サンシャインロブプリント」を開発。サンシャインは、製品特性から印刷してから貼合するため、一般のコンバーターが使う場合に受注から納品までの時間がかかるという欠点があったが、新製品はこうした問題を解消した。フレキソはもちろんオフセット印刷も可能。

<フィルム・軟包装>

◇PPシュリンク市場に進出

 PO系多層フィルム「ソプラ」発売
- 積水化学工業 -
積水化学工業(大阪市)は、ポリオレフィン系多層シュリンクフィルム「ソプラ」を10月1日から発売し、PP単層シュリンクフィルムの商業分野に進出した。PP/PE2層構成で、従来のPP単層品に比べ収縮温度範囲が広く包装機械適性に優れる。またコスト面でも、架橋PE製品に対して非架橋という点で優位性がある。販売は積水フィルム東日本、積水フィルム西日本、積水フィルム九州の3社が行う。

<フィルム・軟包装>

◇詰替自立袋の新製品を開発

 注入が簡単で安定性も抜群/荷姿縮小化で物流費削減も
- 細川洋行/ 三菱商事パッケージング -
細川洋行(東京都)と三菱商事パッケージング(東京都)は、新タイプの詰替用スタンディングパウチ「REパウチ」を開発し、それぞれのルートで発売した。ほとんど真四角に近い深い横ガゼットで、袋の上部中央に成形品を使わない注ぎ口を設けたユニークな形態。袋の底を持って吊り下げるようにして片手で簡単に別容器へ注入が行える。

<フィルム・軟包装>

◇ 最新式サイドシール機を開発

 多彩な機能搭載で操作性抜群
- キョウエイ -
キョウエイ(大阪市)は、接着強度強力機能を搭載した最新式サイドシール自動製袋機「新型PPシリーズ」を開発した。調整可能なタイマー制御、コンピュータ制御で製袋材料の送り速度に関わらずシール時間を一定に保つ特殊機構が装備されている。特許のスリットシールを搭載すれば、2列取りの袋のセンターシール、ゴボウなどの細長袋の底シールなども最適に行える。

<フィルム・軟包装>

◇透明蒸着ナイロンフィルムを開発

 PVDCコート品代替ニーズに対応/優れたバリア性、加工適性
- 尾池工業 -
尾池工業(京都市)は、二軸延伸ナイロンフィルムにシリカ蒸着を行った透明タイプの「MOSナイロンフィルム」を開発した。ナイロンは従来、湿度の影響を受けやすく、透明蒸着が難しいとされてきたが、耐ピンホール性、耐突き刺し強度、耐引き裂き強度、柔軟性などナイロンフィルムの特性を損なわず、高いガスバリア性の付与に成功したもの。

<樹脂原料>

◇合弁会社「エー・アンド・エム スチレン」設立

 ポリスチレン事業の統合で
- 旭化成工業/三菱化学 -
旭化成工業(東京都)と三菱化学(東京都)は、かねてから折半出資の合弁会社を設立し、両社のポリスチレン事業を統合することで合意し準備を進めてきたが、10月1日から新会社「エー・アンド・エム スチレン(株)」で営業を開始した。生産能力は年間54万3,000tで、売上高は当初の国内販売分のみで年間約400億円を見込む。

<外装機器・資材>

◇欧・ロボパック社と業務提携

 パレストフィルムの開梱機で/北米市場の提携先も交渉中
- 王子製袋 -
王子製袋( 東京都) は、パレット包装シュリンクおよびストレッチフィルムの全自動開梱機「SOシリーズ」に関し、欧州最大のパレスト包装機メーカーのロボパック社に技術供与することで両社間で合意した。パレストフィルム使用量が国内の9倍という欧州市場は同社に期待のマーケット。欧州トップのロボ社との提携で広範な販促も狙う。

<パッケージ印刷>

◇転写箔を必要な量だけ作成

 箔インキ抜き取り用リボンを使用
-リゾネット・システムズ -
リゾネット・システムズ(大阪市)は、製版工程を一切必要とせずに、必要な時に必要な量だけホットスタンプ加飾印刷用転写箔が作成できる「オンデマンド加飾システム」を開発した。パソコン出力データから直接、必要な図形や文字を残して不要部分を抜き取った転写箔を作成し、従来のホットスタンプ機で平面のプレス版を使い転写するだけで0Kというもの。

<シール・ラベル>

◇レトルト可能のシュリンクラベル用フィルム

 既に大手飲料メーカーが採用/本格展開を開始
- 大倉工業 -
大倉工業(香川県)は、レトルト対応のポリオレフィン系シュリンクラベル用フィルム「ランディファイブHSタイプ」の本格展開を開始。既に日本サンガリアベバレッジカンパニーのコーヒー乳飲料「マウンテンブレンド」など、大手飲料メーカーで採用が進んでいる。PPをベースとする多層横一軸熱収縮フィルムで、熱収縮を縦(MD)は10%程度に抑えるとともに横(TD)は60%以上を実現。またPPの耐熱性により120℃30分のレトルト処理にも耐えるのが特徴だ。

<シール・ラベル>

◇ロボット式ラベラー発売

 フィルム印字プリンターも
- ボン電気 -
ボン電気(兵庫県)は、ワークのどの位置にもラベルを貼付できる「ロボット式ラベル印字貼付装置」(BLP-346H型)とチューブ状フィルムに印字できる「シートラベルプリンター」(BLP-361-12型)を相次いで開発、販売を始めた。ロボット式ラベル印字貼付装置は、ラベラーに 6軸ロボットを採用し、印字用として熱転写印字機を搭載。シートラベルプリンターは、紙はもちろんチューブ状フィルムにも印字でき、多品種小ロットのラベル発行に適している。

<環境・包材リサイクル>

◇LCA設計の製品群開発

 廃ガラスを多用途展開
- クリスタルクレイ、川重など -
クリスタルクレイ(東京都)と川崎重工業(神戸市)、東陶機器(北九州市)など数社は、ガラスびんなど廃ガラスを利用、LCA設計の製品群開発に取り組む。開発が進展すれば、年間40万tのカレットが利用され、8万tのCO2排出量が削減されるとしており、大幅な省エネ効果も得られることから、リサイクルと環境負荷軽減を進める動きとして今後の展開が期待される。

<特集>

◇九州の経済と包装動向

 厳しい環境からの再生図る/個性豊かな包装業界
'98 西日本食品加工・包装機械展開催へ
 10月7日より北九州で
九州地区も実に厳しい局面に立たされている。これは全国規模でも同様だが、経済の低迷に加えて、金融不安や株の低調、世界経済の不況などが影響しており、これまで地域経済として自立していたかにみえる内実も厳しさを増してきた。一方、ここ数年スーパー、コンビニの増加で勢いをみせている流通業も消費低迷で供給過剰となり、生き残りをかけての競争が激化しているようだ。ここでは岐路に立つ、九州包装業界の動向を紹介するとともに、来る10月7日から西日本総合展示場で開かれる「'98 西日本食品加工・包装機械展」の内容を紹介する。


10月12日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>

◇ダイオキシン生成を抑制

 新タイプのPPフィラーシート開発/酸化鉄のシート配合は日本初
- 日本包装システム -
日本包装システム(大阪市)は、燃焼時のダイオキシン生成を抑制する環境保全型PPフィラーシート「エヌピーシート・クリーンフィラー」を開発した。ダイオキシンの生成抑制効果を持つとして注目されている活性フェロキサイド(酸化鉄)を、日本で初めてPPフィラーシートへ配合、シート化に成功したもの。高分子試験・評価センターのテストにより、食品衛生法・食品、添加物などの規格基準に適合することが証明されているほか、120〜 130℃の耐熱性も備えている。

<紙容器>

◇賞味期限を180日に延長

 「カートカン」新タイプで実現
- 凸版印刷 -
凸版印刷(東京都)は、同社の紙製飲料缶「カートカン」で賞味期限180日を実現したロングライフ対応の新タイプを開発、販売を開始した。従来品の賞味期限は120日までだったが、新タイプではバリア層と充填方法の改良によりバリア性の向上を実現したことでこれを60日延長した。同社では、すでにカートカンを採用している得意先の商品を順次新タイプにに切り替えていくとともに、これを機に新規市場の開拓にも注力する方針。

<フィルム・軟包装>

◇家庭用耐熱ラップ発売

 物性上のバランスに優れる/PE/PP/PEの 3層構成
- エヌピーフィルム -
エヌピーフィルム(東京都)は、ポリオレフィン素材で耐熱性のある家庭用ラップ「スーパーワンラップ」を10月21日から発売する。PE/PP/PEの3層構成とし、電子レンジでの使用に十分対応可能な 150℃までの耐熱性を持たせている。強度面でも無添加ラップに比べて30〜40%ほどアップしており、伸びが大きいので縦へ裂けることもない。容器に対する粘着性もPVDC品と同等なうえ、易カット性や鮮度保持効果などを併せ持ち、総合的に物性上のバランスのとれた製品となっている。

<フィルム・軟包装>

◇透明蒸着フィルムを事業化

 独自の2元蒸着法を用い、2000年から本格生産
- 東洋紡績 -
東洋紡績(大阪市)は、ガスバリア性に優れた透明蒸着フィルム「VCバリアフィルム」の事業化を決定。新たに年産3,000tの真空蒸着機を犬山工場に設置し、アルミナとシリカを同時に蒸着する独自の2元蒸着法を用いた透明蒸着ナイロンフィルムなどを手掛ける。これら2つの素材を同時に蒸着したフィルム製品は業界でも初めて。来年度から試験生産を開始し、2000年からの本格的な生産、販売活動を目指す。

<フィルム・軟包装>

◇手動の口栓シール機発売

 多品種ニーズ背景に低価格で
- 日本スパウト -
日本スパウト(東京都)は、空袋に手動でスパウトを取り付けられる低価格の簡易シーラー「AB-2000型」を発売した。コンバーター間では現在、ユーザーへのプレセンテーションを行う際に、商品内容や袋サイズに合わせ多品種のスパウトの取り付けが必要となっているが、それぞれに自動接着機を揃えるのはコスト的に大きな負担。スパウトに合わせたテストシール機のニーズが高まっていたことから、低価格の手動タイプを発売したもの。価格は接着・冷却機で150万円。

<樹脂原料>

◇ポリスチレンの合弁会社設立

 国際競争力の確保目指す
- 電気化学工業/新日鐵化学/ダイセル化学工業 -
電気化学工業(東京都)、新日鐵化学(東京都)、ダイセル化学工業(大阪府)は、3社のポリスチレン事業を分離・統合して新会社を設立することで合意したことを明らかにした。今後、公正取引委員会の事前審査を経て、来年4月の創業を目指して準備を進めていく。

<シール・ラベル>

◇新タイプの感熱ラベル登場

 水、弱アルカリ溶液で簡単に剥離/ブロッキングせず保管、輸送が容易
- 東洋ペトロライト -
東洋ペトロライト(東京都)は、ホットメルト接着剤を用いた新しい感熱ラベルシステム「ラベルメイト」を発売。同社のホットメルト接着剤の長年の技術とノウハウの蓄積を生かし、感熱ラベル分野に初めて参入した。透明フィルムでも感熱化でき、保存・保管性に優れるなど、従来の感熱ラベルにない性能、特性を発揮することから感熱ラベル需要喚起の大きなインパクトとなりそうだ。

<環境・包材リサイクル>

◇ 容器包装リサイクル法、原反メーカーも費用負担

 加工した業者に負担義務/容器包装の定義大幅変更に
これまで容器包装リサイクル法のリサイクル費用負担がないとされてきた原反メーカーや包材ディーラーにも負担義務が発生する。紙製容器包装リサイクル推進協議会とプラスチック容器包装リサイクル推進協議会は10月7日、関係4省庁に容器包装の定義案を提出した。1996年に通産省が示した容器包装ガイドラインを大きく変更する内容となっていることから、特に負担義務が新たに発生することになる事業者の反発が予想される。

<環境・包材リサイクル>

◇PETボトルをモノマー分解

 バージンと同等の品質・強度/“ボトル・ツー・ボトル”が可能に
- AIES -
AIES(アイエス・大阪市)は、“モノマー回帰法”による循環型 PETボトルケミカルリサイクルシステム「APORES」を開発した。使用済みPETボトルをポリエステルモノマーに化学分解し、バージンと同等の品質・強度レベルでペレット化するもの。ボトルに付着物や内容物の残さがあってもピュアな状態で再生でき、PETボトルとして再商品化できる画期的な技術として大いに注目される。

<環境・包材リサイクル>

◇雑誌古紙原料の緩衝材

 実証プラント建設へ/宮城県工業技術センター内に
- 鈴木工業 -
鈴木工業(仙台市)は、仙台市泉区に来年新設される宮城県工業技術センター内に、雑誌古紙を原料とした緩衝材を製造する実証プラントを建設する。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託で研究開発を行うもので、素材の物性検査を工業技術センターが、プラントの建設を三菱加工機(東京都)が、製品の市場調査と取りまとめを鈴木工業がそれぞれ行う。研究期間は今年から3年。

<21世紀のニューリーダーP>

◇プラスチック業界も技術革新へ

 オレフィン系の良さを強調/新感覚でシステム見直し
────酒井化学工業社長・酒井清章氏

<記者の眼>

◇「容器包装リサイクル法」に異議あり!

 国内に改正できない法律は 1つもない/「利用者」が負担で問題は解決

<蒸着フィルム特集>

◇脚光を浴びる透明タイプ

 業界動向と現状に迫る
環境問題を背景に新タイプのガスバリア包材に注目が集まっている。なかでもアルミナ系、シリカ系を蒸着加工した透明蒸着フィルムが脚光を浴びている。使用量だけをみれば、まだまだこれからという感があるが、伸び率をみれば注目度は群を抜いている。その一方でアルミ蒸着フィルムはどうだろう。美しい金属光沢を持ち、優れたガスバリア性と防湿性、光線遮断性により、急速に成長を遂げた一時期の伸び率もここ数年はトーンダウンしている。本企画では包装用途における蒸着フィルム市場がどのように推移していくのか、業界動向を紹介しながら現状に迫る。

<「CIP '98」フォトダイジェスト>

◇来場者との商談を活発に

 各社とも見込み通りの成果を
CIP '98 には、日本からも多くの包装関連企業が出展した。各社は期間中、来場者と商談を展開。配付予定していた名刺やカタログなどが、会期半ばにしてなくなり、急きょ、現地工場から取り寄せるなどした企業も出た。各社は今回の出展に関して、当初見込んでいた通りの成果を達成したようだ。ここでは、各社の現地での商談風景など、会期中のようすを写真で紹介する。

<'98 国際物流総合展特集>

◇LOGISTECH-TOKYO 98、いよいよ開催

 テーマは「ロジスティクスネットワークが未来を拓く」
来る10月20日〜24日の5日間、千葉県・幕張メッセ(東京コンベンションセンター)を会場に、アジア最大規模の物流専門展示会「'98 国際物流総合展(LOGISTECH-TOKYO 98)」がいよいよ開催される。内外の最新物流機器・システム・情報などのソフトとハードを一堂に結集し、交易振興や技術の向上、情報の提供、人的交流などを促進する展示会として、関係者の関心は高い。国際的な規模で企業間の競争が激しさを増す今日、日本では全産業で経営の効率化が求められているとともに、産業活動の要ともいえる「物流」の重要性は一段と認知度を高めている中での開催であり、出品者はもちろん入場者の期待は大きく、熱いものがあるといえよう。

<一貫パレチゼーション推進キャンペーン>

◇一貫パレチゼーションの推進と、その重要性

 「『民を利する』で公も『栄える』」───これが一貫パレチの精神だ
物流の効率化を図るためには、情報ネットワークの推進はもちろん物流拠点の整備、モーダルシフトの推進、都市内・地域内物流の効率化などに加え、今回の企画テーマにもなっている「一貫パレチゼーション」の推進が挙げられよう。この一貫パレチ推進の重要性は昨年4月に閣議決定された「総合物流施策大綱」にも大きく取り上げられ、行政施策として本格的な取り組みが開始されようとしている。特にここで強調しておきたいのは、この大綱の中で、パレタイズ比率の向上の努力目標が盛り込まれ、運輸、通算、建設などの関係省庁が横断的に連携して施策の遂行に取り組むために、各省庁からなる一貫パレチゼーション推進ワーキンググループ(WG)が設置されたことだろう。ここでは、こうしたことを前提に「一貫パレチゼーション」推進と、その重要性を再認識したい。


10月19日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇樹脂使用量を5分の1に

 4本のリブが自立性保つ/新しい省資源型容器を開発
- サラヤ -
サラヤ(大阪市)は、ドイツのメーカーと共同で四面フィルムからなる自立性包装容器「クアトロパック」を開発。樹脂の使用量が従来の成形ボトルに比べて約5分の1になっているほか、容積率では従来の詰め替えパックに比べ 1.7倍。自立構造なので、袋がそのままボトルとして使用できる新しい省資源型容器として注目される。

<包装機・関連機器>

◇IJP業界に巨大市場

 鶏卵直接印字需要が浮上/食中毒防止が背景に
インクジェットプリンター(IJP)業界に巨大市場が浮上する。サルモネラ菌による食中毒などを防止するため、鶏卵の日付表示を今夏から賞味期限表示にすることで業界の自主基準としてスタート。紙やラベルなどに印字して鶏卵パック内または容器外に貼付(容器内の場合は入れるだけ)しているが、ここにきて安全性を重視するために卵1つ1つに直接印字する可能性が出てきたからだ。ラベルや紙への印字だけでは、容器から取り出した段階で賞味期限が分からなくなるのが大きな理由で、飲食店などの業務用に販売する鶏卵などで直接印字する公算が強まっている。

<包装機・関連機器>

◇牛乳パック用IJP開発

 専用太文字で焼き印並みの印字/印字距離は最高で25o
- 日立製作所 -
日立製作所(東京都)は、牛乳パック向けの小文字用インクジェットプリンターを開発した。一筆書きライン上の幅に 1ドット印字する通常文字に加え、2ドット印字する専用太文字にも対応。牛乳パックの印字方式に使われている焼き印並みの鮮明印字を可能にしている。印字段数は1段(80桁)と2段(40桁)に対応。印字速度は毎分で最大25mに対応。

<包装機・関連機器>

◇延伸ブロー成形機市場に本格参入

 設置面積が従来機の約半分に/ 初年度 200台の販売目指す
- イシダ -
イシダ(京都市)は、従来機より大幅にコンパクト化を図ったマルチタイプのコンピュータ計量機「コンピュータスケール CCW-NZ-105B-S」を10月から新発売。本体サイズは幅1,200×奥行き 900×高さ972o。部品点数も少なく、工具レスで簡単に取り外しや装着が行えるので、被計量物を変える際の部品交換や清掃時間も大幅に短縮できる。

<シート・プラスチック容器>

◇延伸ブロー成形機市場に本格参入

 パリソン成形機などトータルで提供/当面、国内販売はコールドに限定
- ケミックス・マシナリー・ジャパン -
ケミックス・マシナリー・ジャパン(神奈川県)は、ホットパリソンタイプとコールドパリソンタイプの両機種を開発し、PETボトル向け延伸ブロー成型機メーカーとして市場に本格参入した。両機種をラインナップした国産メーカーの登場は日精エー・エス・ビー機械い続いて2社目。当面、ホットパリソンタイプのいわゆるワンステージ機は国外で、コールドパリソンタイプのツーステージ機は国内でそれぞれ販売する。

<フィルム・軟包装>

◇高速カット、完全積層を実現

 伊カバレリー社の極薄物用シートカッターを販売
- 日本エス・アンド・エイチ -
日本エス・アンド・エイチ(埼玉県)は、伊カバレリー社の極薄物用シートカッター「モデルCTR 10、12、15カッター」の輸入販売を開始した。薄く柔らかく、コシがなくて傷が付きやすいため従来のロータリーカッターでは裁断不可能な極薄枚葉紙、PE、PPフィルム、不織布などに、独自の機構で対応する。裁断スピードは最大 130カット/分。印刷された材料は絵柄に合わせて見当断ちが可能。

<外装機器・資材>

◇“未来型”自動梱包機を発売

 斬新なフォルムに高機能/使いやすさと安全・省エネ性も追求
- ナイガイ -
ナイガイ(東京都)は、新型自動梱包機「バンダマチック7110」を開発、10月1日から全国で発売した。従来機に比べ性能の向上はもちろんのこと、使いやすさと安全・省エネ性も追求。さらにシルバーメタリックの斬新なフォルムとコンパクトなボディーは、これまでの梱包機のイメージを一新し、“未来の梱包機”のかたちを想像させる。関係者の評価も高く、今後の展開に注目が集まっている。

<外装機器・資材>

◇ 耐湿・耐圧縮性に優れる

 生分解性バラ緩衝材の新タイプ
- 東洋プラスト -
東洋プラスト(神奈川県)は、生分解性バラ緩衝材の新製品「エコエース」を開発、10月から販売を開始した。同社では以前、同商品名のバラ緩衝材を販売していたが、新製品は原料に環境工学(兵庫県)が開発した生分解性プラスチック「ブループラ」を新たに採用。耐湿グレードとされている他社製品などと比較しても高い耐湿性と耐圧縮性を実現しているのが特徴だ。

<パッケージ印刷>

◇オンデマンド箔押し機登場

 金属版レスで鮮明な加工実現/試作から小ロット製品に最適
- 村田金箔 -
村田金箔(東京都)は、無版で箔押し加工ができるオンデマンド箔押しシステム「デコレーター2000」を発売した。米国ジェネラルスキャニング社が開発したもので、金属版を使わずにコンピューターでデザインした画像やスキャナーで取り込んだ画像を、リアルタイムで対象物に箔押し加工ができる画期的なもの。紙はもちろん、プラスチックシート・フィルム、皮革、塩ビ製品にも使用できる。

<シール・ラベル>

◇日本市場に適した仕様を投入

 コムコ製フレキソ印刷機/引き出し方式で品目替えが迅速に
- ザ・インクテック -
ザ・インクテック(東京都)は、販売代理店権を持つ米国コムコ社(オハイオ州)のフレキソ印刷機「フレキソパック」と「コマンダー」の両シリーズで、コムコ独自の操作部引き出し方式を採用したプログライド仕様機を日本市場に投入することを明らかにした。版、アニロックス、インキの各ロールやインキパンなどの印刷部とダイカセット部を操作側に完全に引き出せる構造で、ロール交換などが極めて簡単、迅速に行えるため、印刷品目替え時間の大幅な短縮を実現。多品種小ロット化が著しい日本市場によりマッチしたタイプとなっている。

<シール・ラベル>

◇裏刷り・後のりラベル

 透明容器越しに意外な視覚効果も
- トッパンレーベル -
トッパンレーベル(東京都)は、裏面印刷した透明フィルムの印刷面に後からのり加工を施した「裏刷り・後のりラベル」を開発した。印刷後にのり加工するため耐磨耗性や耐薬品性に優れ、表裏両面で異なるデザイン、内容の印刷も可能。これを透明容器に貼付し、反対側から内容物を通して見ると裏印刷したデザインや表示がみられ、容器が円筒あるいは楕円で内容物が透明性の高い液体だと、容器全体が凸レンズの役割を果たして意外な視覚効果も得られる。

<包材流通>

◇中国パール販売と共同でガス置換向け新惣菜容器開発

 独自形状の蓋材採用で置換率97%実現
- オカベ -
オカベ(東京都)は、食品容器大手の中国パール販売(東京都)と共同でガス置換包装向けの新型惣菜容器を開発した。内かん合式蓋材の形状に独自の工夫を加え、酸素と充填ガス(窒素と炭素の混合ガス)との置換率を97.0%前後にまで高めたもので、“脱食品添加物”ニーズに対応し、食品のエクステンド・シェル・ライフ(賞味期限延長)を実現する有力な容器の1つとして今後脚光を浴びそうだ。

<包材流通>

◇取っ手付きPETボトル製造に着手

 九州地区の大手しょう油メーカーに供給
- フジモリ産業 -
今年7月に三菱樹脂から取っ手付きPETボトルに関する製造販売の実施許諾権を取得したフジモリ産業(東京都)は、9月中旬から九州地区で同PETボトル製造販売に着手。すでに大手しょう油メーカーなどの顧客先に出荷されており、10月から充填が開始されている。生産するボトルは、1.5リットルと 1.8リットルサイズの 2種類。年間生産能力は800万本だが、当面は年間200万本のペースで生産する計画。

<DSJ'98開催迫る>

◇10月27、28日に東京・西五反田のTOCビルで

 「競争ある打抜き技術の確立をめざして」をテーマに
日報と米国ラーソン・アソシエイツ社が主催する「ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン(略称:DSJ'98)」が10月27、28日の両日、東京都品川区西五反田のTOCビルで開催される。セミナーと展示会を組み合わせたユニークな催しも今回で 3回目。「競争ある打抜き技術の確立をめざして」をテーマに、セミナーは紙器、段ボール、ラベル・フィルムの3分野27講座を開講、展示は42社が出展する。今回は特にラベル・フィルムの分野が充実度を増し注目される。

<西日本食品容器メーカー・ユーザー動向>

◇不況下でも堅調な需要

 食品容器に2大潮流/機能・耐熱とリサイクル
現在、食品容器市場では 2つの大きな潮流がうかがえる。1つは近年の消費者のライフスタイルの変化に伴う、電子レンジやオーブンに対応する耐熱容器の流れ。今1つは2000年に「その他プラスチック」や「紙製品」が対象となる「容器包装リサイクル法」への対応だ。相変わらずCVSやスーパーでの惣菜や弁当の需要は旺盛で、一般のPSP容器よりも耐熱・耐油性容器の伸びが著しいといわれている。また欧米の「HMR(ホーム・ミール・リプレイスメント)」概念の流入により、レンジ対応や汁漏れ防止、蓋の透明性などの機能も容器に求められている。一方で、容器包装リサイクル法の完全実施を控え、具体的な再生プログラムの構築も急務。また、「環境ホルモン」に対するプラスチック・紙製容器の対応や小型PETボトルの隆盛など業界を取り巻く話題は多い。

<プラスチック成形・加工機特集>

◇トータルな効率化に期待(フィルム関連加工機)

 市場は第2創成期に突入(容器関連加工機)
フィルム関連加工機では、高速成形が可能なメタロセン樹脂に対応すべく、インフレ装置で既存機の2〜3倍の成形速度を達成。OPP成形では、国内で稼働する40数台の一部が老朽化を迎え、この更新で海外の高速機に注目が集まっている。容器関連加工機では、需要家の設備投資一巡を経て、第2創成期に突入した感も強い。各機械分野とも新規メーカーの参入が相次ぎ、業界地図も従来と大きく変わりつつあるようだ。限られた需要をめぐり、商戦は一層の激しさを増す模様。


10月26日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇イシダとテックが業務提携

 計量包装機とPOSを相互販売
計量システム機器大手のイシダ(京都市)と流通情報機器大手のテック(東京都)は10月1日、自動計量値付け包装機などバックヤード向け商品とPOS 、ECR関連で業務提携を行うことで合意した。計量包装機とPOSの互いの特徴を相互に生かす提携は非常に画期的なもので、流通機器分野に大きな影響を与えそうだ。

<シート・プラスチック容器>

◇シート成形の一貫ライン販売へ

 容器メーカー開発の成形機が目玉/曲面印刷機、箱詰め機も供給
- コーレンス -
コーレンス(東京都)は、プラスチックシート成形から容器成形までの一貫生産ラインを輸入し、日本市場に投入する。シート製造装置はSML社製品を、サーモフォーミング成形機は欧州有数の容器成形メーカー、グライナー社の開発製品を扱う。両社ともオーストリア企業で、コーレンスとは日本総代理店契約を結んでいる関係。同社では需要に応じ、曲面印刷機や箱詰め機などと組み合わせて供給していく予定で、近く本格的な販売活動を開始する。

<フィルム・軟包装>

◇再封可能な蓋材を上市

 深絞り包装用に開封も容易/伊・サフタ社から技術を導入
- 細川洋行/三菱商事パッケージング -
細川洋行(東京都)と三菱商事パッケージング(東京都)は共同で、イタリア・サフサ社から技術を導入し、深絞り包装用リクローザブル蓋材「プルリーシール」を上市した。容器から蓋フィルムを剥がした後も、手を離すと蓋は自然に元の位置へ戻り、軽くなでれば密着性がアップするもの。製造は細川洋行、販売は両社が行う。

<フィルム・軟包装>

◇PO系3層の業務用ストレッチ発売

 環境への配慮と高機能を両立/各メーカーの包装機に対応
- オカモト -
オカモト(東京都)は、PO系の業務用ストレッチラップフィルム「オカモトスーパーラップ環境思い/業務用」を10月28日から全国で発売。EVA/SPO/EVA構成の 3層で、PPベースのSPOには独自の材料が処方されており、優れた耐熱・耐寒強度と粘着性がある。ハンド用500m巻きとオート用1,000m巻きの2種類で、標準小売価格は300o×500mで1本2,600円。初年度目標は10億円。

<フィルム・軟包装>

◇生産ラインで色差を判別

 シート製品用色検査機を発売
- クラボウ -
クラボウ・エレクトロニクス事業部(大阪市)は、平均色オンライン色検査システム「アウファインダーAV」と画像色差計「アウファインダーTA」の2機種を発売した。AVはオンラインでシート状製品の色変化などを判定する。TAは色柄物サンプルを高精度・高精細な色画像としてデータ処理する。高品質製品の安定供給の維持に貢献するものとして、初年度20セットを見込む。

<シール・ラベル>

◇シュリンクラベル展開で協力

 仏PDC社から装着機を輸入販売
- 凸版印刷/アルテック -
凸版印刷(東京都)とアルテック(東京都)は、仏 PDC社のシュリンク・ストレッチラベルと装着機のシステム販売に関して2社共同で、飲料用PETボトル市場を主力に本格展開する。装着機「HC-28」は、先頃開催された東京パックに凸版印刷のブースで展示され、毎分800本の高速装着能力を披露した。

<物流関連>

◇天昇電気に資本参加

 48.5%取得し筆頭株主に
- 三甲 -
三甲(岐阜県)は、プラスチックコンテナメーカーの天昇電気工業(東京都)の株式を公開買い付けで48.5%取得して筆頭株主となり、事実上傘下に収めると発表した。天昇電気は家電・OA機器ルートに強いほか、金型や樹脂成形技術に優れており、大型プラスチックパレットやコンテナを製造・販売する三甲にもメリットが大きいとみられる。

<物流関連>

◇ケーサーロボットを発表

 パレタイズ技術を生かして開発
- オークラ輸送機 -
オークラ輸送機(大阪市)は、コンパクトな箱詰めロボット「ケーサーロボット・モデルP20」を発表した。ロボットパレタイザーの技術をベースにケーサーとして開発されたもので、上下700o、前後800oの広い動作範囲を持ち、箱詰め作業はもちろん、コンベア間の移載作業にも威力を発揮。ハンド用のサーボモーターを 2軸までロボットコントローラーで同時制御できるので、ハンドの複雑な動きも可能だ。

<環境・包材リサイクル>

◇廃プラ成形技術を実用化/ボトル・ツー・ボトルも可能に

 設備投資額も半分以下に
- 神戸製鋼所 -
神戸製鋼所(神戸市)は、従来の半分以下の設備投資で再生材のサンドイッチ成形を可能にするプラスチックのリサイクル成形技術を実用化した。10月から共和工業(新潟県)にテスト成形機を設置。両社で金型から成形装置、成形法まで含めたトータル面でユーザーニーズに対応の技術を確立する。ボトル・ツー・ボトルにも応用できることから注目を集めそうだ。

<ISO関連>

◇ISO14001を認証取得

 富士、筑波の2事業所で
- 岡村製作所 -
岡村製作所(横浜市)の生産第2事業部・富士事業所(静岡県御殿場市)と生産第1事業部・つくば事業所(茨城県つくば市)は、10月5日付けでISO14001を認証取得した。昨年9月に業界で初めて生産第1事業部・追浜事業所が取得したのに続くもので、1999年度までには全生産事業所で環境マネジメントシステムを構築し、同14001を認証取得する予定。

<21世紀のニューリーダーP>

◇期待背負うマーケティング部

 売る仕組み作りに全力投球
───シーレックス取締役社長室長兼マーケティング部部長・栗原敦氏

<記者の眼>

◇外装業界も自由な発想で流通改革を!

 業界40年のほころびを繕う時/強まる“製製”、“販販”の動き

<茨城県特集>

◇県内包装産業の最新動向と今後の展望

 新たな展開見せる企業も

<岐阜・三重・京滋地区特集>

◇地域特性生かし発展遂げる

 

<シール・ラベル特集>

◇問題点を活力に変えよう

 デジタル・データ活用が進展/リサイクル対応は今後に期待


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