包装タイムス・バックナンバー“1999年4月度”




4月 5日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇末・顆粒剤検査装置を新開発
エーザイら3社と共同で/細かな毛髪も確実に検出

- 池上通信機 -
池上通信機(東京都)はこのほど、エーザイ、東陽機械製作所、興和の3社と共同で、従来困難だった細かい毛髪などを末・顆粒剤から検出する「インライン型末・顆粒剤検査装置」を新開発した。既存機でネックとされていた“処理量が少ない”“細かな毛髪の検査が困難”などの問題を解消。末・顆粒剤の全品異物混入検査を可能にした。販売は池上、東陽、興和の3社が行う。製薬市場はもちろん、粉体検査が必要とされる食品市場などへ販売攻勢をかけていくもよう。



<シート・プラスチック容器>
◇薄物低発泡PP容器を商品化
斬新なパステル調で発売へ/「名古屋パック'99」で公開

- チューパグループ -
中国パール化成(岡山県)と中国パール販売(東京都)のチューパグループは、これまで困難とされてきた薄物低発泡ポリプロピレン(PP)シートの熱成形技術を確立し、これを新タイプの食品容器成形に活用、商品化(「ウォータープレート[WP]シリーズ」)にまでこぎ着けたことを明らかにした。低発泡PPシートは、物性がさまざまな点で耐熱食品容器の素材に適していることから、各方面の注目を集めていたが、安定的な熱成形は困難だった。今回、同社がこの難点を克服し、新製品を開発したことで、食品容器市場の素材勢力図が大きく変わる可能性が出てきた。なお、同容器は4月14日から開催される「名古屋パック'99」で初公開される。



<フィルム・軟包装>
◇生分解フィルム成形能力が2倍に
樹脂改良し低コスト化実現/LDPEの加工機でも可能

- ダイセル化学工業 -
ダイセル化学工業(東京都)は、同社が展開している生分解性プラスチック「セルグリーン」のうち、脂肪族ポリエステルを原料にしたポリカプロラクトン系の樹脂を改良したことで、低密度ポリエチレン(LDPE)と同等速度でのフィルム成形を可能にした。同樹脂のメルトテンションを高めたことで、巻き取りスピードが速くなり、成形能力が2倍に向上。加工費も半分に削減できたことから、コスト的に高い生分解性フィルムの低価格化を実現するものとして注目される。



<フィルム・軟包装>
◇米FDAが認可範囲拡大
ガスバリア性ナイロン樹脂で/食品包装用に高温殺菌が可能に

- 三菱ガス化学 -
三菱ガス化学(東京都)は、同社の特殊ナイロン樹脂「MXナイロン」が米国FDA(食品医薬品局)から食品包装材料として適用範囲拡大の認可を受けたことを明らかにした。骨子は、MXナイロンを使用した多層ラミネート包材の食品充填温度条件が250度F(=約121度C、従来は64度C程度)に引き上げられたことと、適用範囲がすべての食品に広がったことの2点。これにより、レトルト食品やボイル食品、加熱殺菌飲料などの包装材料で、世界的に同樹脂の市場拡大を促す用途開発が進展するものとみられている。



<フィルム・軟包装>
◇シート状酸素検知剤で特許確定
色の変化で酸素の有無判別/脱酸素剤シェア10%を狙う

- パウダーテック -
パウダーテック(千葉県)が展開するシート状酸素検知剤「ワンダーセンサー」の国内特許が成立した。脱酸素剤とともに使用し、色の変化で容器内の酸素の有無が一目で判別できる検知剤で、このほど特許維持が決定され特許が確定したもの(設定登録は平成8年)。同社ではこれを機に86年に参入した脱酸素剤市場でも、10%シェア(「現在7〜8%程度」[同社])を狙う意向だ。



<シール・ラベル>
◇温水で簡単に剥がせる
コンテナ向けの新ラベル素材「プラコンラベル」発売

- リンテック -
リンテック(東京都)は、温水で簡単に剥離するプラスチックコンテナ用ラベル素材「プラコンラベル」を開発し、4月1日から全国販売を開始した。溶剤や高圧ラベル剥離洗浄機などを使わず、プラスチックコンテナ、バンジュウなどの洗浄に多用される通常の温水洗浄機で容易に剥がせるまったく新しいタイプのラベル素材で、リターナブル容器に最適なラベルが製造できるもの。



<シール・ラベル>
◇オートラベラーに新シリーズ
幅広い分野に使い易い設計で

- サトー -
サトー(東京都)は、オートラベラーの新製品「AL-110シリーズ」の販売を開始した。同シリーズは、好評だった「AL-100シリーズ」の後継機種として昨年中に開発、発表された製品だが、その後さらに改良を加え、いよいよ今回の本格展開となったもの。多彩な貼付方式の各タイプを用意し、さらに使いやすさを充分に考慮した設計で、食品加工工場をはじめあらゆる用途分野で対応する機種となっている。



<シール・ラベル>
◇主力機を刷新して発売
輪転速度向上など性能を強化

- 岩崎鉄工 -
岩崎鉄工(大阪府)はこのほど、数値制御と間欠送り機構を採用した凸版輪転ラベル印刷機「ニューLR25」を発売した。従来機「LR25」の改良型で、サーボモーターを高性能化することにより、これまで最大毎分180回転だった輪転速度を同300回転まで引き上げるなど性能の向上を図った。同社では、ラベルコンバーターに向け新規、代替の両面で売り込みをかける方針。



<物流関連>
◇ソフトレンタル130セット突破
パレット在庫管理ソフト/FCや通函にも応用可能

- JPR -
日本パレットレンタル(=JPR、東京都)が従来のパレットレンタルに加え、昨年3月からレンタルを開始しているパレット在庫管理ソフト「WIN-PAL」のレンタル件数が130セットを突破した。同ソフトは、同社が長年のパレットレンタル業務で培ったハード面での在庫管理のノウハウをソフトという形に集約、パレットや物流機器の紛失防止に効果を発揮し、きめの細かいパレット管理を実現したもの。



<物流関連>
◇高粘度物輸送用コンテナ
独自構造でスムーズに排出

- 共立物流システム -
共立物流システム(大阪市)は、印刷インキなどの高粘度物輸送用の1tIBC(インターメディエイト・バルク・コンテナ)容器の本格販売を開始した。印刷インキやニス、グリースなどの高粘度物の輸送を行うために開発されたもので、内蓋にセットされた上下2枚のスキージラバーで内容物が壁面に残らない構造になっているのが大きな特徴。さらに使用にともなって内蓋が下がって重しの働きをするので、インキなどの高粘度物でもスムーズに排出することができる。



<物流関連>
◇独製フレコンを輸入販売
シュッツ社の日本総代理店に/高品質製品を低価格で提供

- ウインクレル商会 -
ウインクレル商会(横浜市)はこのほど、ドイツのフレキシブルコンテナメーカー、シュッツ社と日本国内における総代理店契約を結んだことを明らかにした。アジアの有望市場、日本での拡販を狙うシュッツ社とユーザーニーズの多様化に対応した豊富な物流資材をラインアップしたいウインクレル商会の思惑が一致して実現したもの。現在、激しい受注競争が繰り広げられているフレキシブルコンテナ市場だが、シュッツ社製品の長年の実績と品質の高さを武器に日本市場への浸透を図る考えだ。



<物流関連>
◇危険物用1t容器生産開始
東海工場E・F棟完成で/プラパレも年産300万枚体制に

- 三甲 -
樹脂製パレットおよび同コンテナ大手の三甲(岐阜県)は、静岡県内にある東海工場内に、独・マウザー社との間で製造ライセンスを持つ危険物用1tプラスチックコンテナ「IBC(インターメディエイト・バルク・コンテナ)」の専用工場となるE棟をこのほど完成、4月から本格生産を開始した。また、かねてより同工場内に建設を進めていたプラスチックパレット専用工場F棟も同じく竣工。これにより従来設備と合わせて同工場全体のプラパレの生産能力は月産25〜26万枚、年産300万枚以上となった。



<環境・包材リサイクル>
◇100%混色カレットによるガラスびん
大手ワイン3社が採用/「その他」びんの用途拡大へ

- 日本山村硝子 -
日本山村硝子(兵庫県)は、100%混色カレットによるガラスびん「スーパーエコロジーボトル」が国内大手ワインメーカー3社(メルシャン、サントリー、サッポロビール)に相次ぎ採用されたことを明らかにした。現在、“ワインブーム”で輸入・国産品とも急増しているが、輸入ワインに多い緑色系統のびんの多くが再生されず、カレット商で山積みになっているのが現状。今回、大手3社に採用されたことは、同社の混色カレット再生技術が広く認知されるものとして注目される。



<環境・包材リサイクル>
◇飲料容器のリサイクル施設開設
びん・缶を選別してプレス

- 近畿コカ・コーラボトリング -
近畿コカ・コーラボトリング(大阪府)は3月16日、京都府綾部市に飲料容器のリサイクル施設「あやべエコ・リサイクルステーション」を開設し、本格稼働を開始した。回収した飲料容器のリサイクルに着手するため、建設を進めていたもの。2機のプレス処理機と排水処理機を備えており、大手ボトラーが積極的にリサイクルする取り組みとして注目される。



<環境・包材リサイクル>
◇包材のスクラップを処理
シートと蓋材の剥離機を開発

- CKD -
容器成形充填包装機「CFFシリーズ」で多くの実績を持つCKD(愛知県)はこのほど、CFFシリーズ包装機で製品を生産する際に発生するスクラップ材を、リサイクルするための装置「スクラップ包材剥離機」(仮称)を開発した。同包装機シリーズで一般にポーションパックと呼ばれる包装製品を生産すると、多数の穴の開いたプラスチックシートとアルミを含む上蓋材をシールしたスクラップが大量に残る。これらは従来からリサイクルされているが、プラシートと上蓋材の剥離、分離は手作業で行われていた。同社が今回開発したのは、この剥離作業を自動的に行う装置で、包装機械メーカーが自社製包装機から発生するスクラップのリサイクルにまで配慮した数少ない取り組みとしても注目される。



<ISO関連>
◇ISO14001を認証取得
中部・東海地区生協で初めて

- 東海コープ事業連合 -
東海コープ事業連合(名古屋市)は2月24日、ISO14001を認証取得した。生協で全事業所(サイト)を範囲とした取得は、みやぎ生協と同事業連合が初めて。また同事業連合は、東海3県にある、めいきん生協、みかわ市民生協、岐阜地区市民生協、三重県民生協、みえきた市民生協の5つの生協で構成される事業連合だが、中部・東海地方の生協の同ISO取得も今回が初めて。



<特定事業者による容器包装廃棄物として排出される見込量の算定のためのガイドライン(改正案)>

通産省など関係4省庁は、容器包装リサイクル法で包材の再商品化義務の発生する特定事業者が再商品化費用を支払うために必要となる、容器包装排出見込量の算定のためのガイドラインの改正案をまとめた。今年5月までに正式に発表する。来年4月から新たに対象となる事業者のためのもので、現在、再商品化義務量算定の準備をしている事業者は、これを基に義務量を算定。年内に指定法人・日本容器包装リサイクル協会と契約し、再商品化費用を支払うことになる。[全文掲載]





4月 12日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇ダイオキシン抑制効果
環境対応型食品容器を展開

- 福助工業 -
福助工業(愛媛県)はこのほど、焼却時のダイオキシン発生抑制効果を備えた食品容器用シート「ゼオパクト」を開発、食品容器として本格販売を開始する。石炭灰を特殊処理した人工ゼオライトとPEを配合し、有機塩素化合物の吸着効果を持つ機能性フィルム「ゼオレックス」採用のゴミ袋「ゼオダスター」に続く環境対応型製品。容器メーカーや食品ユーザーなど各業界の注目が予想される。



<350mlスチール缶で世界最軽量>
◇従来の1.5倍に加工率アップ  
鋼板から製缶まで本格的な体制確立

- 東洋製罐/東洋鋼鈑/新日本製鐵 -
東洋製罐(東京都)と東洋鋼鈑(東京都)、新日本製鐵(東京都)の3社はこのほど、飲料用2ピースラミネートスチール缶(商品名「TULC」)で、世界最軽量となる350ml陽圧タイプの本格的な供給体制を確立した。元板厚0.18ミリのラミネート鋼板を使用、側壁が従来より15%ほど薄肉化された新タイプは、鋼からフィルムラミネート、製缶まで3社の技術分担で開発。東洋鋼鈑と新日本製鐵から良加工性極薄ラミ鋼板の本格的な供給開始を受け、東洋製罐も全5工場で専用ラインの改造を完了、この4月から需要家への全面的な出荷を開始している。



<その他容器>
◇「スーパードライ」に採用
スチール缶需要に期待膨らむ

- NKK福山製鉄所 -
NKK(日本鋼管)福山製鉄所(広島県)はこのほど、同製鉄所製造の薄鋼板がアサヒビールの「スーパードライ」350ml缶に採用されたことを明らかにした。すでにサッポロビールの「サッポロ<黒>ラベル」350ml缶に供給するなど、大手ビールメーカー2社のブランド商品にスチール缶採用が始まり、従来のアルミに換わるスチール新需要の動きが出てきた。



<その他容器>
◇透明びんに着色、脱色可能
ローリング塗装機を開発/スプレー式の3倍の能力

- 東邦化研 -
東邦化研(大阪市)はこのほど、透明びんに着色コーティングする新型コーティング装置「ローリング塗装機」(ドラゴン21)を開発、自社工場に設置するとともに本格販売を開始した。従来のスプレー式などと比べ3倍以上の能力を発揮する“竪式横移動システム”を採用。着色した色は製びん工程で脱色し、透明に戻るため、ガラスびんリサイクルを促進するシステムとして注目されている。



<紙器・段ボール>
◇積層段ボール加工用専用機
3機種を開発、本格展開へ

- ライザマシナリ -
ライザマシナリ(東京都)は、厚さ5〜60ミリの多層段ボールを直線カットする専用機「ライジングプリソー」を開発、3機種の本格販売を開始した。早くも緩衝材積層段ボールの加工分野から注目を集め、引き合いが活発化してきている。



<軟包装・関連加工機>
◇シリカ蒸着ナイロンフィルムを発売
業界初のレトルトグレードも

- 三菱化学興人パックス -
三菱化学興人パックス(東京都)はこのほど、 2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)にシリカ蒸着した透明フィルム「テックバリアNR」と「同NY」を発売した。NRは透明蒸着ナイロンでは従来不可能とされていたレトルト用グレードで、本格的な上市は業界初。製造は蒸着メーカーの麗光(京都市)に委託する。



<軟包装・関連加工機>
◇低価格のガス抜きバルブ
コーヒー豆包装に威力発揮

- イトーヒコ -
イトーヒコ(愛知県)はこのほど、コーヒー豆包装に威力を発揮する「ワンウェイバルブ」を商品化した。ガゼット袋、スタンディング袋などのフィルム袋に同社で容易に取り付けでき、市場で流通しているバブル付き袋より低価格での提供を目指す。このためコーヒー豆や、ガスなどを発生する食品分野などに向け本格的な拡販活動を開始する。



<紙系緩衝材>
◇リサイクルウールが原料
古紙と混ぜ合わせ新パルプモールド開発/歪みなく、緩衝性も高い

- 名古屋モウルド -
名古屋モウルド(愛知県)が古着のウールを原料の一部にしたパルプモールド「パルピア優包」を開発、本格展開を開始した。従来のパルプモールドよりも柔らかく、しかも歪(ひず)みが少ないため、精度の高い緩衝用パルプモールドとなっている。古いウール地のリサイクル用途として注目を集めており、早くもユーザーから問い合わせが相次いでいる。



<パッケージ印刷>
◇残インキ減らし有効活用
新タイプのCCMを開発/試験導入で好評得て本格展開

- オリエント総業 -
オリエント総業(愛知県)はこのほど、グラビア印刷現場で行う調色と残肉インキ管理をデータベース化し、誰でも大掛かりな装置無しで簡単に調色作業が行えるCCM(コンピュータ・カラー・マッチング)システム「The管理色」を開発した。残インキを減少させ、ムダなく効率よく活用することは、製造コスト削減に取り組むグラビア業界最大の課題。同システムはこうしたニーズに対応し、インキ調色と残存インキの再利用を可能にしたもの。試験導入したユーザーの反応も上々なことから、販売価格450万円で本格的な拡販活動を開始することにしたもの。



<環境・包材リサイクル>
◇PETボトル収集量が急拡大
ボトル・ツー・ボトルを検討/“ブリッジ規定”の適用も

PETボトルの収集量が急速に拡大している。1997年度の指定法人・日本容器包装リサイクル協会の引き取り契約量は1万4,214トン。実際に引き取った量は1万4,014トンと、再商品化見込み量の1万7,500トンを下回っていた。それが98年度の再商品化見込み量が3万400トンなのに対し、協会の引き取り契約量は3万2,799トンと、見込み量を2,000トン以上も上回った。同協会によると、実際の引き取り量も見込み量を超えているという。見込み量を超えて収集され、再商品化できなかった場合、翌年の再商品化義務量に上乗せして最終的に全量再商品化されるとの答弁が、容器包装リサイクル法をめぐる国会審議で行われていたが、実際には法律にそうした規定はない。今後、再商品化義務量を超えて集まった場合、どうなるのか。全国清涼飲料工業会など、中身メーカー5団体とPETボトル協議会から構成されるPETボトルリサイクル推進協議会(木原弘二会長)の動きを追ってみた。



<印字機器>
◇トーメンとの合弁解消
4月1日付で100%子会社設立/IJPシェアの拡大目指す

- ビデオジェットシステムズインターナショナル -
世界トップの小文字用インクジェットプリンター(IJP)メーカー、米国・ビデオジェットシステムズインターナショナル社(イリノイ州)は、総合商社トーメンとの合弁会社ビデオジェットジャパンを解消、4月1日付で100%子会社のビデオジェットジャパン社を設立した。新会社は、国内におけるビデオジェットシステムズ社の事業全般を手掛ける。“血”を濃くすることで、熾烈な販売競争を繰り広げるIJP市場でのシェアアップを目指す。



<21世紀のニューリーダー25>
◇“重包装のデパート”目指し
使う人が喜ぶ電算化を構築

────ストラパック企画開発部営業企画室長・下島敏章氏



<記者の眼>
◇「木製トレー」に期待
間伐材の有効利用で注目/一過性でなく第三の容器に



<コンバーティング装置の周辺>
◇インフレ機、メタロセン対応は技術先行で
真空・圧空成形機、前半は低水準で推移───など

リジッド、フレキシブルを問わずプラスチック包材の加工分野は、すでに多くが設備の更新時期を迎えているにも関わらず、その投資に対し押し並べて「控えめ」(大手容器メーカー)な態度を依然続けているというのが関係者の実感だ。これらプラ包材加工装置の需要家(=容器メーカー、フィルムメーカー、コンバーター)にとって今日的なテーマは、輸入著しい汎用品への対策も含め、いかに付加価値の高い製品を作るか。原料メーカー主導で新需要開拓への提案も期待が高まる一方、関連装置に対しては、より高度な加工精度が厳しく求められている。この対応も含めた“技術力”こそ「今後の活路を見出す上で重要な課題」との認識は、さらに関係者の間で高まっているようだ。プラスチック包材を支える各種関連装置の動向を紹介する。





4月 19日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇透明UVカットびん採用
紫外線吸収剤を原材料に添加

- 月桂冠 -
月桂冠(京都市)はこのほど、ガラス原材料に紫外線吸収剤を添加した透明「UVカットびん」を新商品7アイテムに採用した。300ml入り換算で約600万本が対象となる。併せて一部デザインやラベルなどパッケージを刷新し、鮮度感をコンセプトに若者を中心とした新しい市場を開拓することで収益増を目指していく。



<包装機・関連機器>
◇ティーバッグ包装機市場に参入  
15種のバッグ形状を演出/名古屋パックで初公開

- 三光機械 -
三光機械(神奈川県)は、ティーバッグ包装機市場に新規参入する。紅茶やお茶などのインスタント飲料用に広く使用されているティーバッグを成形し、リーフ(葉)などを充填する包装機を、このほど開発し、名古屋パックで初公開(参考出品)した。同社初となるもので、これを機に受注を開始し、6月から本格販売を開始する。新機種の名称は、「US-10(仮称)」。



<包装機・関連機器>
◇袋とじと同時に日付表示
印字機能装備のテープ結束機「ご期限くん」を本格販売

- オシキリ -
オシキリ(東京都)は、テープ結束と同時に日付表示もできる卓上テープ結束機「ご期限くん」の本格販売を開始した。印字機能(シャチハタ製を採用)と印字用テープを内蔵し、通常通りのテープ結束作業を行うと、結束テープの合わせ部分に日付を印字した別のテープが装着されるというもの。すでに西日本の食品メーカーで採用されているほか、ここにきて試験採用が相次いでいることから、同社では販売展開を積極化する。



<フィルム・軟包装>
◇透明蒸着フィルムに再参入
シリカ、アルミナ両蒸着品を上市/バリア性ナイロン各種を品揃え

- ユニチカ -
ユニチカ(東京都)は、5月から透明蒸着ナイロンフィルムの販売を開始する。商品名、銘柄は未定だが、すでに一部のコンバーター向けにシリカ、アルミナ蒸着品両方のサンプルを提供し、評価を受けているところ。生産については、それぞれ蒸着メーカー2社に委託する。透明蒸着ナイロンフィルムはすでに数社が上市しているが、まだ性能的に市場の信頼を得るまでには至っていないのが実情。コスト面も大きな課題で、同社としては当面は従来品に近い性能の製品を販売するが、蒸着メーカーとの協力で改良を加え、レベルアップした製品の開発を急ぐ方針。初年度は300t程度の販売を目指している。



<フィルム・軟包装>
◇包材に脱気機能付与
新型レンジ包材を展開/既設のピロー包装機などに対応可

- 京阪セロファン -
京阪セロファン(京都市)はこのほど、内容物に適したベースフィルムに電子レンジ専用に自社開発したMCXシーラントを共押出しコーティングしたレンジ用包材「簡温上手(かんおんじょうず)」を開発、販売を開始した。包材自体に脱気機能があり脱気のための変形シールなどを必要としないもので、しかもピロー包装機などでの自動包装が可能。冷凍、チルドなど幅広い食品分野での需要が期待されている。



<シール・ラベル>
◇電子部品の包材に貼付
EDI用ラベル作成システム

- 日立ビジネスソリューション -
日立ビジネスソリューション(横浜市)はこのほど、バーコードラベル作成印刷システム「ビジュアルラベルシリーズ」を開発、販売を始めた。ラベルを作成するための『エディター』と、作成したラベルを印刷するための『プリント』の二つのアプリケーションソフトで構成されるシステムで、電子部品・デバイス用包装材(リールやバルクケースなど)に貼り付けるバーコードラベルをパソコンで作成しプリンターで出力できるようにしたもの。



<物流関連>
◇物流ラベルを今秋国際規格化
ISO「TC122」が策定/バー・2次元コードを使用し、3種類を標準化

- イトーヒコ -
バーコードと2次元コードを使用した輸送用物流(PD)ラベルの国際規格が今年中に策定される見通しとなってきた。ISO(国際標準化機構)は、「輸送用バーコードラベル規格」の策定を「TC122」で進めていたが、1998年6月に「DIS15394」として承認。近くISOの本部が最終案の「FDIS15394」を各国に配付し、承認後今秋には正式規格「ISO15394」として発行する予定だ。



<物流関連>
◇レーザーポジショナー
フォークの差し込み作業を容易に

- 日本輸送機 -
日本輸送機(京都府)は、新開発のフォークリフト用荷役サポート機、レーザーポジショナー「イチギメクン」を、4月から全国のニチユ販売代理店を通じて発売した。同タイプのサポート装置の開発は国内で初めて。オペレーターの疲労蓄積や荷物の破損が多いとされるフォークリフト差し込み作業を簡単に、かつ安全にできることを目的に開発されたシステムで、フォーク(爪)根元部のレーザーユニットからパレットに照射されたレーザー光が、フォーク差し込み位置をガイドすることにより「位置決め」を容易にするというもの。



<物流関連>
◇現実レベルで一貫化進展
理想実現には数々の課題も

- 一貫パレチゼーション動向 -
日本経済は、未だかつて経験したことのない深刻な不況の波にさらされ、根本的なシステム変更が必要なほどの大改革を迫られている。失政と従来の腐食の構造が生み出した長期にわたる実体経済の冷え込みは、表現として決して大げさではなく、一部の企業を例外に存続の基盤さえをも危ぶませているからだ。一国経済の生命線であり、その建て直しの最大の指標と位置づけられている個人消費が、依然、本格的な回復の兆しを見せない中、企業にとっての有効な財政改善の施策は、ある意味で物流合理化に絞られたと言っても過言ではない。今回この紙面で採り上げる「一貫パレチゼーション」は、概略すれば、原料調達先から製品の工場やデポ(製品の各地のストックポイント)、卸売業、小売業(最終着荷)までの荷役、輸・配送、保管の工程を、パレットを活用して効率的に行おうというもので、これを実現すれば、製品の物流にかかわるコストやエネルギーが大幅に抑えられることから、企業の関心はとりわけ高いとの印象を受けた。しかし、その一方でこの一貫パレチゼーションの浸透拡大ついては、克服すべき課題が少なからず存在する。各社それぞれの思惑ないし哲学が交錯しており、それが企業や業種によって異なる展開となって現れ、理想と現実のはざまで揺れているようにも見える。一貫パレチゼーションは今後、どのような進展を見せるのか。その現状と課題を追ってみた。



<環境・包材リサイクル>
◇塩化水素発生を抑制するプラ添加剤
亜硫酸ガスの除去機能も/インフレメーカーで採用活発化

- 大日精化工業 -
大日精化工業(東京都)は、焼却炉中の塩化水素の発生を抑制し、SO2(亜硫酸ガス)も除去する機能を持っているプラスチック添加用無機系複合物「エコロマスター」を開発し、注目を集めている。先ごろ本格発売したもので、早くもインフレメーカー約20社で採用されるなど、急激に引き合いを増している。大気汚染の原因の1つとなっている焼却処理を改善できるものとして期待できそうだ。



<環境・包材リサイクル>
◇包装紙でリサイクルシステム確立
段ボール原紙に再生/コピー用の再生可能防湿紙で

- 富士ゼロックスオフィスサプライ -
富士ゼロックスオフィスサプライ(東京都)は4月6日、コピー用包装紙のリサイクルシステムを確立したと発表した。富士ゼロックス・グループが扱うコピー用紙などに使用される再生可能な防湿包装紙の使用拡大に伴うもので、今後、ユーザーの協力を得て、リサイクル活動を展開する。商品の供給側が商品包装紙のリサイクルシステムを確立した例は珍しく、全国的に注目を集めそうだ。



<環境・包材リサイクル>
◇グリーン購入半数超える
第3回アンケート調査報告/包装分野では15%が実行

- GPN -
グリーン購入ネットワーク(=GPN)が先ごろまとめた第3回アンケート調査報告によると、グリーン購入への組織的な取り組みに、「取り組んでいる」と答えた団体が58%と対前年比で17ポイント増えた一方、「取り組む予定」が37%と前年より12ポイント減っており、すでに実行している団体が大幅に増えていることが分かった。



<環境・包材リサイクル>
◇魚箱を減容、建設資材に再生
EPS遠赤外線減容機を導入/処理コストを3分の1に削減

- ちばコープ -
ちばコープ(千葉市)はこのほど、発泡スチロール(EPS)減容機を千葉県八街市内の物流センターに導入し、センターから出る魚箱などのEPS製ケースをリサイクルする取り組みをスタートした。導入したのは、ソニートレーディングインターナショナル(東京都、TEL:03-3474-6372)のEPS減容機「EPS-Magic」で、遠赤外線照射でEPSを減容するというもの。減容したEPSは建設資材に再生利用される。



<ISO関連>
◇名古屋工場で環境ISO取得
品質・環境両面で実証を

- 藤沢薬品工業 -
藤沢薬品工業(大阪市)は3月5日、名古屋工場(愛知県西春日井郡新川町)でISO14001の認証を取得した。昨年4月から認証取得に向けてキックオフしていたもので、ISO14001の取得は同社で初。同社はすでに品質保証のISO9002を96年に取得しており、今回の14001取得により品質・環境の両面で国際規格に適合した高度な生産体制を実証できたことになる。



<フィルムコンバーター特集>
◇フィルム包装の世界
需要喚起へ新開発に取り組む

生活スタイルの広がりから、消費者の嗜好はますます多様化しており、そのニーズを的確にとらえるためにフィルムコンバーター各社は新たな商品提案を繰り返し行っている。しかも包装ユーザーからはコストダウン要求を突きつけられ、生産の効率化、合理化といった懸命な企業努力で対応を図るフィルムコンバーター。また、既存ユーザーの受注生産に取り組むだけでなく、需要を喚起するため各社とも積極的に製品開発を進めている。コンビニの普及や環境問題など、開発テーマは数多い。例えば、電子レンジ対応、バリアフリー対応、イージーオープン、スパウト付き、スタンディング、省資源化対応などがそれだ。本企画ではフィルムベースのフレキシブルパッケージを手掛けるコンバーターの需要を喚起する製品、最新の話題に迫り、「フィルム包装の世界」としてまとめた。



<外装特集>
◇日本経済を根底で支える外装
「外装」の代名詞は“段ボール”

「外装」、それはまさに段ボールの代名詞だ。この段ボール箱の周辺機材に、各種テープシーラー(製・封緘)があり、ステープラーがあり、梱包・結束機材がある。段ボールは、その製造工程で急激な進歩を遂げてきたが、その構造(表裏ライナーの間に波状の中芯が入った構造)は、ほぼ半世紀の間、ほとんど変わっていない。しかし、段ボールは包装、輸・配送、保管という物流上の重要な役割を担ってきた。その意味で「外装」は、日本経済の発展を根底から支えてきたといっても過言ではない。本特集では、この点を踏まえながら「外装」およびその周辺機材の現状を追ってみた。





4月 26日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇4種類の新開発製品を公開
今秋までに量産化へシフト

- 中央化学 -
中央化学(埼玉県)は、東京ビッグサイトで開催された惣菜展「WORLD FABEX'99」に出展、4種類の新開発シートとその成形容器を展示し、初公開した。これらはいずれも開発段階の製品で、今後、需要家の反応をうかがいながら量産態勢を整備していき、今秋には完了させて本格発売に踏み切る考えだ。



<シート・プラスチック容器>
◇耐熱性の発泡PP容器を開発  
先般開催の自社フェアで実演公開

- エフピコ -
エフピコ(広島県)は、先ごろ開催の「第25回エフピコフェア」で、耐熱・耐油性に優れた「新型発泡PP容器」を初公開した。140℃までの耐熱性に加え、加熱後も素手で持てる断熱性を備えるなど、新しい電子レンジ対応容器として来場者の注目を集めた。



<フィルム・軟包装>
◇4月からテスト販売を開始
麗光のアルミナ蒸着PETフィルム/低コストニーズへラインアップ

- 三菱化学興人パックス -
三菱化学興人パックス(東京都)は4月から、蒸着フィルムメーカーの麗光(本社・京都)が製造するアルミナ蒸着PETフィルム「ファインバリヤーAT」のテスト販売を開始した。同製品のコストパフォーマンス性を踏まえ、比較的低コストの包材を志向する食品分野などへ展開する。



<外装機器・資材>
◇生産性が30%向上
紙ひも製造機を発売

- 信管工業 -
信管工業(静岡県)は先ごろ、新型「紙ひも用10連式製紐機(せいちゅうき)」を開発、製造販売を開始した。従来機では1つのモーターとベルトで全駆動ユニットを制御していたものを、ユニットごとに3つのモーターを搭載したギア式に変更。このため「従来機よりも生産性が約30%向上」(同社)したうえ、機械奥行き方向の省スペース化を実現している。



<外装機器・資材>
◇ホットメルト接着剤国産化
外装用オレフィン系を年内にも/トータルコスト最大50%削減

- 日本フーラー -
日本フーラー(静岡県)は、現在輸入販売している外装段ボール封緘・製函用ポリオレフィン系ホットメルト接着剤「アドバントラ」の国内生産を年内にも開始することを明らかにした。従来のエチレン・酢酸ビニル(EVA)系と比較して塗布量の軽減などでトータルコストが最大50%削減できるなど利点は大きく、数年後包装用として年間3,000t程度の需要を見込んでいる。



<パッケージ印刷>
◇新型UVスクリーンインキ上市
オレフィン系合成紙向け

- 帝国インキ製造 -
帝国インキ製造(東京都)はこのほど、ポリオレフィン系合成紙用のUV(紫外線硬化型)スクリーンインキ「UV-IPO」を開発、本格展開を開始した。合成紙はインキが密着しにくく印刷が難しい素材の1つで、各種印刷や箔押し加工などの後工程でラミネートをはじめとする表面処理が必要とされている。「UV-IPO」は、印刷時の密着性を増すため、特別な処理が必要なく、塩ビステッカーや処理PETなどにも適応可能で、印刷仕上がりに艶があるのも大きな特徴。



<環境・包材リサイクル>
◇都内にPETボトル再商品化工場建設
荏原などが出資、年間8,000t規模/東京ルールVが決着

- 東京都/PETボトルリサイクル推進協議会 -
東京都内に年間8,000t規模のPETボトル再商品化工場が建設される。東京都とPETボトルリサイクル推進協議会との合意によるもので、これで1996年に「ごみ減量のための『東京ルール』を考える懇談会」が出した最終答申で、PETボトルの事業者回収を求めた「東京ルールV」に事実上、決着が付いたことになる。具体的には、東京都が東京湾の中央防波堤内側埋め立て地内の土地1ヘクタールを、新しく設立される「東京ペットボトルリサイクル」(荏原製作所などが出資)に有償で貸し、今年7月に行われる東京都都市計画審議会の承認を得て敷地内に着工。来年4月の本格稼働に向けて再商品化工場の建設を行う。



<環境・包材リサイクル>
◇四角の追い矢に樹脂名を表示
容リ法対象マークを提案/紙製容リ協議会でも検討

- プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 -
プラスチック容器包装リサイクル推進協議会は、来年4月から容器包装リサイクル法の対象となるプラスチック製包材に付けるマークについて、通産省、厚生省、農水省の3省に対して意見を提出したことを明らかにした。3月13日に都内で行われた消費者包装フォーラムで同協議会の日向寺昭夫事務局長が明らかにしたもので、具体的には@四角の追い矢の中に「プラ」と表示するA追い矢の下部に樹脂名を表示する──の2点を提案したとした。容リ法対象マークについては、紙製容器包装リサイクル推進協議会でも現在、紙製包材に付けるマークについて検討を行っている。



<HACCP関連>
◇鮮度保持効果発揮する“水”
還元水の生成システムを発売

- 九州電子工学/創生/ホロンインターナショナル -
九州電子工学(福岡市)、創生(福岡市)、ホロンインターナショナル(東京都)の3社は4月1日、食品の鮮度保持効果があるとされる特殊な水「エレン水」の生成システムを発売した。同システムは、天然素材から作ったガラスセラミックスに水を通すことでエレン水を生成するというもの。前処理にエレン水を使えば、野菜はしおれにくく、肉や魚は腐敗が遅くなるほか、冷凍した肉や魚介類を細胞破壊させることなく解凍することができ、うま味も一層増すとしている。



<カートナー特集>
◇厳しい中にも回復の兆し
需要家業界の変化に積極対応



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