廃棄物新聞・バックナンバー“2000年9月度”


9月4日号ダイジェストニュース

◇何枚つづり?独自書式は可?
管理票で現在想定される運用

廃棄物処理法改正省令

本紙前号既報のとおり、廃棄物処理法の改正省令が8月18日公布され、マニフェスト(管理票)、多量排出事業者の処理計画、都道府県廃棄物処理計画等についての規定を示した。マニフェスト(紙マニフェスト)については記載様式を統一し、運搬先が複数にまたがる場合は運搬先ごとに交付することとした。



◇バグ導入、排ガス自動制御
9月めどに焼却施設稼動

北関東廃棄物処理センター

北関東廃棄物処理センター(埼玉県大里郡川本町)は新たに埼玉県川本町内に産廃焼却施設を整備、9月初旬をめどに本格稼動を始める運びとなった。炉は固定床の一次燃焼室を2基備え、2次燃焼室以後を1系統にまとめた熱分解乾留炉で2002年12月1日から適用されるダイオキシン類対応の焼却処理基準への対応を想定して排ガス装置としてバグフィルターも導入している。



◇今年度は木材とガラス
廃材資源化の開発援助

通産省

通産省は林野庁や建設省と提携して多様な建設廃材やガラス等のリサイクル技術の開発に乗り出す。昨年度から取り組みを始めたもので、2004年度までNEDOを通じて技術開発を進める民間企業等に出資する。今年度は木材とガラスの取り組みについて援助することになっている。



◇年間119万tが圏外へ
首都圏廃棄物の広域移動

厚生省

厚生省は先月、全国の廃棄物の広域移動の状況について調べ、茨城・栃木・群馬・千葉・東京・神奈川の首都圏1都6県の結果を取りまとめた。97年度に首都圏の都県で排出された一般廃棄物のうち最終処分されたのは281万t/年で、そのうち約36万t/年が都県外に搬出され、都県外搬出量の4分の3に当たる28万t/年が首都圏外に搬出された。



◇がれき類再利用100%
残土も6割に迫る

愛知県

愛知県ではこのほど、全庁あげて環境配慮に取り組む「愛知県庁の環境保全のための行動計画(あいちアクションプラン)」の99年度取組み結果を公表。このうち建設副産物関連では、がれき類が再利用率100%を達成。前年度に比べ建設残土も6ポイントアップしている。



◇子供用品をリサイクル
米社と提携、FC展開

ダスキン

ダスキン(大阪府吹田市)は米国のフランチャイズ系リサイクルショップのグロービスインターナショナル社(ミネソタ州ミネアポリス市)と提携し、子供用品専門のリサイクルショップ事業を開始。7月下旬に「ワンスアポナチャイルド」第1号店を大阪府吹田市内にオープンした。



◇超高層マンションで戸別収集
東京・杉並区と港区で

三井不動産

三井不動産は、東京・杉並区と港区に建設する超高層マンションで、ごみの戸別収集を行うサービスを実施する。今回のサービスは、単身者世帯や共働き世帯などを対象に、マンションの付加価値を高める一貫として行う。



◇委託基準抵触が80%
大規模病院に立入検査

東京都

東京都がこのほど、大規模病院を対象に立ち入り検査を実施した結果、業者と契約を結んでいないなど委託基準に抵触する病院が80%以上に上り、医廃処理の現状が改めて浮き彫りになった。また、収運・処分業者から回付されたマニフェストは、約半分の病院で受領月日を記載しないなど運用不備も明らかになった。



◇食品リサイクル、微生物環境制御で新技術
遺伝子解析手法を導入

セレクト

機械制御技術を手掛けるセレクト(本社・新潟)は、食品廃棄物のリサイクル機器事業に乗り出した。遺伝子解析手法と微生物制御技術を用いて、おからや酒かすなどの食品加工残渣から付加価値の高い飼料や肥料を作るシステムを開発済みで、新潟県内の豆腐工場で年度内にも日量3t処理のプラントで実証運転を行なった後、食品工場などに本プラントの設置を提案する。



◇小型灰溶融炉を開発
中小焼却施設に提案

千代田エンジ

千代田エンジ(本社・栃木)は、中小規模の焼却施設を持つ処理業者向けに小型焼却灰溶融炉を開発した。シャフト炉方式の炉で、コークスを用いずに熱した耐火物片の上で焼却灰を溶融、スラグ化する。既設または新設の民間焼却施設から出る焼却灰の自社処理用に、1時間当たり処理能力が200−800kgの溶融炉を提案。




9月11日号ダイジェストニュース

◇NEW 環境展大阪が盛況裡に幕
対象分野広げ新たな一歩

日報主催

環境ビジネスの一大イベント「2000NEW環境展・大阪(NEXPO2000=主催・日報)」が、9月4日から7日まで開催。会場となった大阪市住之江区のインテックス大阪には、期間中数万人の来場者が詰めかけ、盛況のうちに幕を閉じた



◇維持・修繕工事対象外へ
建リ法詳細規定で説明

建設省

建設省の山中義之建設業技術企画官は先月末に住解協が主催した環境関連6法成立についての懇談会で、建設リサイクル法の詳細規定の検討状況について説明し、建リ法の対象建設工事の規模で土木工事は請負金額1,000万円以上を対象とし、維持・修繕工事は建築物の長寿命化や建廃の発生抑制につながるので対象外とする方向にあることを伝えた。



◇木材資源循環で基本構想
ハード、ソフト一体整備へ

兵庫県

兵庫県ではこのほど、木材資源の生産から流通、リサイクルまでのソフト、ハードの一体整備を目指す「ひょうごウッディービジネスパーク(仮称)」の基本構想を策定。木材に焦点を絞った、資源循環プロジェクトが動き出した。



◇環境負荷低減システム確立
使用済み品回収も検討へ

INAX

INAXはこのほど、タイルの原材料調達から廃棄までの環境低減システム「eco−matic」を確立。同システムを適用する新製品「エコブリーズ」を発売した。同社では独自のLCD(ライフサイクルデザイン)評価を社内で設定。新製品は、その基準を満たす資材(外装用モザイクタイル)として開発された。



◇機密書類Rビジネスに参入
紙商社などが新会社設立

リサネット・カンサイ

紙の大手専門商社、国際紙パルプ商事(東京)と大手古紙問屋の靖国紙料(大阪市)はこのほど、大阪府枚方市に機密書類やオフィス古紙などのリサイクル事業に対応した新会社「リサネット・カンサイ」を設立した。循環型社会推進法の成立など環境意識の高揚を背景に、大手と比較して古紙再生への取り組みが遅れている中小企業などをターゲットに市場開拓を目指していく。



◇JAなどと提携、肥料化へ
来年施行の食品R法に先手

寿屋

地場スーパー最大手の寿屋(熊本市)はこのほど、JA熊本うき(熊本県松橋町)とたい肥製造会社のとよの循環村(同県豊野町)との共同で生ごみなどの食品廃棄物を原料にコンポスト生産を事業化することで合意した。年内にも肥料化の実証を始め、来年四月以降に商品化を目指す。



◇湿った原料も篩分け
ジャンピングスクリーン拡販

ユーラステクノ

安川商事の振動・粉体機事業を譲受して今年2月発足したユーラステクノ(本社・北九州市)は、廃棄物処理の分野に目詰まりの少ない分級・篩分け機「ジャンピングスクリーン」の販売を強化する。主力商品の一つとして扱う同スクリーンは、目詰まりしにくい構造で湿った原料にも対応できるのが特徴で、廃棄物関連では廃石膏ボードや家屋解体材を篩分けする用途で受注している。



◇電子機器など自動分別
大栄環境にプラント納入

佐藤鉄工

佐藤鉄工(本社・富山)はこのほど、処理業大手、大栄環境の三木事業所(兵庫県三木市)に、OA機器解体センター付電子機器・電線リサイクルプラントを納入した。従来、手解体が中心だった電子機器のリサイクルを自動で行なうのが特徴で、同一ラインで廃電線の処理も行なう。商業用では国内第1号でもあり、同社では今回の納入をきっかけに全国的に同プラントの拡販を図る。



◇DTモジュール納入3件目に
高度処理で年間売上数10億目指す

神鋼パンテック

神鋼パンテック(本社・神戸市)は8月30日、兵庫県宍粟郡広域行政事務組合の「宍粟環境美化センター」に、ダイオキシン類除去浸出水処理装置「DTモジュールシステム」を納入した、と発表した。同美化センターの最終処分場侵出水を浄化し、センター内のRDF施設の工業用水にリサイクルする。



◇油水分離廃棄装置を発売
処理コストを8分の1に

三宅工業

三宅工業(本社・愛媛県)は、切削水や洗浄液から油分を分離して廃棄量を5〜100分の1にまで削減する油水分離廃棄装置「MOS二〇〇B」を発売した。機械加工工場などに向けて初年度20台の販売を目指す。




9月18日号ダイジェストニュース

◇不投衛星監視など盛り込む
来年度要求で適正処理対策

厚生省

厚生省と環境庁はこのほど公表した環境省としての来年度概算要求のうち、不法投棄の未然防止など不適正処理対策の推進として、電子マニフェスト(産業廃棄物管理票)制度システム改善事業、不法投棄等衛星監視システム開発調査、産業廃棄物情報管理システム構築事業、有害廃棄物等の越境移動対策の強化を掲げた。



◇資源化とグリーン調達定着
分別も8品目でルート整備

竹中工務店東京本店

新築・解体等から出る混合建廃の量を削減し、単品分別排出・個別リサイクルのシステム整備を進める竹中工務店東京本店は、9月初旬までに東京本店管轄の工事を対象に8品目の分別排出と巡回回収、リサイクル先の受け皿等のシステムが整い、特に木材のリサイクルでは分別だけでなく発生材を原料とする再生材の利用実績も伸びていること、混合廃棄物の原単位が13.5s/uまで低減したこと等を明らかにした。



◇火山灰敷設やガス抜きで対処
埋立物掘削には慎重姿勢

厚生省硫化水素検討委報告

厚生省は9月6日、死亡事故例も出た安定型最終処分場から発生する硫化水素問題への対処法を検討する廃棄物最終処分場における硫化水素対策検討会(座長・花嶋正孝福岡大学教授)の報告を取りまとめた。



◇解体業のデ−タベース検討
関係先の理解求め来年度に

建設省

建設省は来年度をめどに解体工事業者等のデータベース構築についての研究開発に着手する方針を固めた。国民や解体工事を行う業者のニーズおよび解体工事業者の情報を整理するとともに、既存の技術者データベース等の連携について調査分析する。



◇選別せずに脱塩素
容器包装プラ高炉原料化技術を開発

川崎製鉄

川崎製鉄は9月6日、容器包装リサイクル法で自治体が分別収集したプラスチック製容器包装(容器包装プラ)を、選別せずに脱塩素し、高炉原料化する技術を開発したと発表した。一廃プラを高炉原料化や油化する場合、塩素系樹脂が混ざっていることから、選別・除去することが必要。は溶媒を利用することで、塩素系樹脂が含まれた廃プラスチックを脱塩素する技術を開発したもの。



◇着物Rショップ多店舗展開
10年以内に1000億円市場へ

東京山喜

大正13年(1924年)に創業して76年になる着物の卸問屋の老舗・東京山喜(東京都中央区)は、着物のリサイクルショップ「たんす屋」を多店舗展開している。昨年11月に千葉県船橋市で1号店をオープン。以来、今年8月までに直営店15店舗、FC(フランチャイズ)七店舗と順調に拡大している。



◇選別残さから良質回収砂
精選別システムを導入

久野不動産

愛知県大府市内で建設系混廃の破砕・選別や焼却、がれき類の再生砕石等の中間処理を手がける久野不動産(本社・愛知)は先月末までに、既設の破砕・選別ラインで出る選別残さを精選別し、土木資材等に有効な品質まで高めるシステムを導入した。



◇燃え殻等資源化が好調
砕石・骨材製造から参入

渡辺産業

燃え殻・鉱さいから再生砕石を製造する渡辺産業(本社工場・栃木県今市市)が、昨年11月の営業開始以来、電機・機械などの大手排出事業者や産廃焼却処理業者からの搬入が増え、堅調な出足となっている。民間工事向けに再生砕石の需要も好調なことから、同社では早い時期に処理(砕石生産)能力月間2,000tのフル稼働に持っていきたいとしている。



◇難分解性CODを分解
汚泥は生物酸化の1/20にも

荏原実業

荏原実業(本社・川崎市)では、水酸化ラジカルの酸化力を利用した新開発の排水処理システム「パル触ック」の実排水試験を進めており、早ければ年内にも実機第1号を納入する。排水に含まれる界面活性剤など難分解性のCODや揮発性炭化水素化合物(VOC)、コーヒーなどの着色成分を高効率・低コストで分解するもので、生物酸化法に比べて汚泥の発生量が5分の1から20分の1になる。イニシャルコストについても、既存の排水処理設備の8割以下を目指す。



◇表示義務付け10月から
問われる堆肥の品質

肥料取締法改正

肥料取締法の一部改正で、10月1日から生ごみなど動植物の有機物を原料に作った堆肥の販売に際して、品質の表示が義務付けられるが、8月31日付の農水省告示で窒素、りん酸、カリ、炭素窒素比など表示しなければならない主要成分の項目が明らかになった。




9月25日号ダイジェストニュース

◇不適事例に直接命令
建リ法詳細規定の検討状況

建設省

建設省はこのほど、建設リサイクル法の詳細規定の検討状況について、分別解体等の義務を履行しない者への命令は、助言・勧告を段階を経ず直接発令することが可能で事後でも発令できる等の考えを明らかにした。



◇石膏ボードとロックウールを分離
解体複合材向け技術開発

戸田建設

戸田建設は9月25日までに、全国に先駆けて解体系の複合廃材では量が多い、ロックウール板の下地材に石膏ボードを用いた天井材の分別解体機を開発、特許出願するとともに自社施工の内装解体工事で活用を図る意向を示した。



◇焼却解体作業で暫定通知
マニュアル作成へ

労働省

洗排水・土壌から高濃度のダイオキシン類が検出された大阪府能勢町の都市ごみ焼却工場の解体工事に従事した労働者の血液中から高濃度のダイオキシン類が検出された問題で、労働省は原因究明の結果を踏まえて、早期に焼却施設解体工事マニュアルを作成する方針を固めた。



◇材投入量、廃棄物量予測
解体CADシステム提案

イオリナ

住宅建築、建築・環境等コンサルティング、資材販売、床下調湿木炭など建設・環境関連の各種事業を扱うイオリナ(本社・東京、社長・村上泰司氏)は、新たに建設リサイクル法の解体工事事前届出書の作成支援を目的としたに対応した木造建築物の解体工事における解体CADシステムを開発した。



◇原単位や発生抑制で目標
今年度の建廃対策

大成建設東京支店

大成建設東京支店はこのほど、今年度の環境目標として新築の廃棄物発生量で前年度比10%削減、混廃原単位で23s/uなどの数値を掲げ、支店長名で管轄の全現場に啓発していることを明らかにした。



◇DXN分解技術を実証へ
NEDOが2億円補助

福岡大学など

福岡大学やミヨシ油脂、阪和興業などで構成する「ダイオキシン類対策技術研究会」(会長=花嶋正孝福岡大教授)では飛灰や土壌中のダイオキシン類、重金属類を一括無害化する研究を進めているが、このほど通産省・NEDOから2億円の補助を受けて、9月内にも北九州市のエコタウンで実証プラントを立ち上げることを明らかにした。来年3月には研究成果をまとめ、産学官で連携して早期の商用化を目指す。



◇食品ごみから油脂回収
自動分離除去機を拡販

大都技研

(有)大都技研(栃木県)は、厨房排水に含まれる油脂分をグリストラップに入る前に除去する油脂自動分離除去機「グリス・ECO」の拡販に乗り出した。昨年発売した機種をバージョンアップし、シンク接続型で食器洗浄時の浮上油なども自動分離回収できるようにした。油脂メーカー、富士化学(本社・東京)との提携で、回収した油脂の再生ルートも確保。食品リサイクル法の施行に向けて、再生利用事業計画の認定を受けられるシステムとして各方面に提案していく。



◇天然鉱石を生ごみ処理機に採用
魚の骨や野菜芯を半日で分解

朝日企業、フェリック

フェリック(本社・名古屋市)がこのほど、天然鉱石を触媒に使用し、難分解性の生ごみも分解しやすくした処理装置を開発した。朝日企業(本社・大阪市) がホテル、食品加工工場、スーパーなどを対象に販売する。 



◇濃厚排水を省スペース処理
電子部品等に約80基の実績

日本フィルター

日本フィルター(本社・横浜市)の膜分離システム「マイクロフロー(MF)」が、発売開始以来3年間で大手電子部品関連などに約80基の納入実績をあげている。重金属水酸化物を含む濃厚排水を短時間で分離・濃縮するもので、増産による排水量の増大に対応できる能力がある。排水処理コストや処理業者への委託費の軽減、産廃として外部に排出する汚泥の削減などにも効果があることから、今後さらにISO14001の認証取得工場などに拡販を見込んでいる。



◇汚染土壌対策で新事業
調査、無害化の機械販売

鉱研工業

ボーリング機械大手の鉱研工業(本社・東京)は、掘削泥水を使わない独自の工法で汚染土壌を調査、無害化するシステムの製造販売に乗り出した。独自の「ワイヤラインサンプリング工法」で土壌サンプルを採取するシステムと、汚染された地層にコンクリートや樹脂を注入して固め、重金属などの外部への溶出を防ぐ技術を提案する。工場跡地などの土壌汚染対策に力を入れる企業が増えていることから、ボーリング業者などの新規事業で需要を見込んでいる。




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