循環経済新聞・バックナンバー“2011年3月度”

3月7日号ダイジェストニュース

◇優良産廃処理業者認定制度 「安心できる業者に委託」が前提
排出事業者が期待/改正処理法説明会で


3月2日午後1時から東京・有楽町のよみうりホールで開催された「改正廃棄物処理法説明会」(主催=(社)全国産業廃棄物連合会)で、優良産廃処理業者認定制度の活用事例として三菱電機の担当者が同制度の活用について、優良な安心できる処理業者への委託が前提になり、同制度のこれからに期待を寄せた。



◇圧縮梱包で拠点づくり
店頭回収トレーの再資源化/コークス炉化学原料化へ

- 中央化学 -

食品容器包装製造大手の中央化学(本社・埼玉県鴻巣市、広報・CSR室)は、スーパーなどで店頭回収した使用済み発泡スチロールトレーとその他弁当容器などについて、圧縮梱包して運搬する拠点を調査し、システム構築のめどをつけた。従来のマテリアルリサイクルではなく、新日本製鐵と連携した「コークス炉化学原料化」でケミカルリサイクルを行うためのもの。全国5カ所の新日鉄の工場で行うもので、国内を網羅する仕組みをつくる。



◇法人化で林業活性事業始動
間伐材からコピー用紙製造

- 紀伊半島の美しい森林づくり協議会 -

林業の活性化を図る「紀伊半島の美しい森林づくり協議会」(奈良市、田中利典理事長)が2月1日、NPO法人化され、森林保全につなげる取り組みを本格化させる。奈良・和歌山・三重県にわたる紀伊半島で伐採された間伐材を利用したコピー用紙の普及を目指す。



◇ライターを防爆対策して破砕
規制で多量廃棄懸念の受け皿に

- グランツ -

ライターメーカーのグランツ(東京、並河翠社長)は山梨県上野原市に防爆対策した設備でライターを安全に破砕する専門の処理工場を開設した。昨年11月18日付で産業廃棄物中間処理業の許可を取得、4月にも本稼働に入る。9月の従来型使い捨てライターの販売規制でガスが残存したライターの多量廃棄が予想されるが、同施設がライター処理の受け皿の一つとなる。



◇愛知環境賞を受賞
レアメタル回収技術で/海洋からウランなど捕集

- ティビーアール -

組ひもロープ製品の製造・販売と水質浄化システムの設計・施工を手掛けるティビーアール(愛知県豊川市、福井宏海社長)は、有用金属などを選択的に回収可能なモール状繊維捕集材の開発で「2011愛知環境賞」の銅賞を受賞した。組ひもの伝統技術と先端科学を組み合わせた独自性の高いもので、汚水処理などの環境浄化だけでなく海洋中のレアメタルを回収できるなど、今後の発展性が期待できる点を評価されての受賞となった。



◇建設混廃の組成調査を実施
国交省、検討の基礎資料に

- 建設廃棄物協同組合 -

建設廃棄物協同組合(齋藤俊吉理事長)は2月21-25日にかけて、建設混合廃棄物の組成調査を実施した。今回の調査は、国土交通省が発注。中間処理施設に搬入される建設混合廃棄物の組成を把握して、排出量の削減などに向けた検討の基礎資料にするという。



◇薬剤使わず100%リサイクル紙に
機密文書をオフィスで再生

- シード -

文具メーカーのシード(大阪市、西岡靖博社長)は、オフィスで使用済みのコピー用紙を水と電気のみで再生する古紙再生装置「RPM」を開発した。1時間当たり100枚再生の小型タイプと同500枚の大型高速タイプがあり、3月と来年以降にそれぞれ発売予定だ。価格は小型タイプで800万円。環境対策や機密保持に役立つとして、官公庁や病院、銀行などに販売を見込む。



◇枯れたヨシ資源化へ
猪苗代湖の水質浄化で

- 福島県 -

福島県は2011年度から、猪苗代湖の水質汚濁の原因となっている湖面のヨシを除去、バイオマス燃料や紙などに加工・再利用する事業を進める。4月までに猪苗代湖復活プロジェクト会議を設け、民間団体や企業を対象に事業を公募する見込み。



◇なにわサンパイ塾活発に
日常業務で意見交換

- (社)大阪府産業廃棄物協会 -

(社)大阪府産業廃棄物協会(國中賢吉会長)の組織広報委員会(白坂悦夫委員長)は2月18日、「なにわサンパイ塾」を開催した。当日は、約20人が参加。約3時間にわたり活発な意見交換が行われた。



3月14日号ダイジェストニュース

◇燃え殻・汚泥・ばいじんを原燃料化
木質チップに加え、新施設

- 油研 -

木質チップ化や産廃コンサルティングで実績を重ねる油研(岐阜県大垣市、井原良雄社長)は、燃え殻、汚泥、ばいじんを混合、セメント原燃料化、鉄鋼原燃料化および窯業原料化するため、選別・破砕を行う「資源循環センター」(同市内)が完成、3月4日竣工式を行った。同社のチップ化施設「金生山エコウッドパーク」(同市内)敷地内に設置し、受け入れを開始。初年度は月間2000トン処理を目標に数年後には同4000トンを目指す。



◇桜植樹でCO2オフセット
プラ再生事業での発生分

- 岩井化成 -

岩井化成(本社・埼玉県越谷市、清水弘社長、坂東工場)は3月5日、茨城県石岡市内の山林で、地元のNPO法人茨城教育ネットワークや親子連れ、つくばね森林組合、関係企業担当者ら約100人とともに桜を植樹した。自社のプラスチック再生事業で発生するCO2を自ら直接オフセットするもので、今年で3回目となる。



◇飼料化事業強化で再発進
登録再生事業者の更新迎え

- ハリマ産業エコテック -

木くずや食品廃棄物の肥飼料化事業を展開するハリマ産業エコテック(兵庫県姫路市、梶原成郎社長)は、今年1月下旬に登録再生事業者の更新を迎え、従来の肥料化に加えて飼料化事業の申請を行う。前回の認定は2006年。今後は飼料化事業を強化し、有機性廃棄物のカスケード(多段階)利用を促進させたい考えだ。



◇シリコンくずやめっき液など
排水から有価物回収

- セバックス -

半導体製造機械のメンテナンスを中心に事業展開するセバックス(京都市右京区、亀井謙治社長)は、各種工場排水の処理事業に参入する。排水中から有価物等を濃縮する独自技術で、半導体製造工程で発生するシリコンウェハくずや切削・研磨工程から出る金属微粉などを回収可能とした。すでに動き出している案件もあるという。



◇環境商材、世界が販路
古繊維業界の新展開

- ナカノ・中野聰恭会長に聞く -

古繊維業界は現在、行政・市民、衣類販売業界などとともに新たな事業を展開しつつある。「環境」を前面に押し出した新たな商材開発、リサイクルのネットワークやシステムの広がり、古着の海外市場拡大だ。専門会社として、長い歴史を持ちながらも、常に新事業にチャレンジするナカノ(横浜市)の中野聰恭会長に話を聞いた。



◇土壌汚染対策法 自然由来の汚染に特例設ける
環境省、施行規則の一部改正


環境省は土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する。形質変更時要届出区域のうち、自然由来の有害物質により土壌溶出量基準、土壌含有量基準に適合しない土地を「自然由来特例区域」として位置付け、形質変更時の基準緩和や調査方法、汚染状態の評価で特例を設けることなどが主な内容となる。



◇固液分離装置、3万台を突破
食リ分野などにも幅広く対応

- 東洋スクリーン工業 -

東洋スクリーン工業(奈良県生駒郡、廣濱武雄社長)が製造・販売する、ウェッジワイヤースクリーンを搭載した傾斜式固液分離装置「ウルトラTNスクリーン」の納入実績が3万台を超えた。最近では農水産加工場の排水処理、分級、濃縮・脱水など、食品リサイクル分野でも用途が広がっている。



◇不投防止へ監視強化
情報提供協力団体が9機関に

- 茨城県 -

茨城県は県内の不法投棄の監視強化の一環として「産業廃棄物不法投棄の情報提供に関する協定」を進めているが、2月15日、茨城県農業協同組合中央会や同県森林組合連合会と協定を締結した。



◇感染廃大型滅菌器を納入
処理業者と共同で浸透

- 鈴与 -

鈴与(東京・港、メディカル環境事業部)は、感染性廃棄物を処理する大型の高圧蒸気滅菌器をJFEエンジニアリンググループのエヌエス・ユシロ(川崎市、坂口純則社長)のNSリサイクルセンターに納入、3月1日から稼働を開始した。



3月21日号ダイジェストニュース

◇災害廃の広域処理へ調整開始
収集車両の優先給油を働きかけ/省内に特別本部を設置

- 環境省 -

環境省は3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震を受け、13日、省内に災害廃棄物対策特別本部(本部長・樋高剛政務官)を設置した。災害廃棄物を迅速かつ広域的に処理するための体制をスタートさせている。一方、被災地に派遣することになる収集車両の燃料調達が課題となっていた。同省はごみ収集車両への優先給油について政府や経済産業省に要望書を提出するなど働きかけを行っている。



◇事業再興は4月以降か
被災地中心部「まずは救助と町の復興」/周辺で災害復旧の準備進める
処理施設は2次汚染防止で入念なチェック/処理業界、被災地と周辺各地の声


3月11日14時46分に三陸沖を震源地に発生した東北地方太平洋沖地震は、東北から関東に及ぶ太平洋岸を中心に被害が広範囲に及び、建物の損壊は各行政機関や報道発表から1万戸を超える可能性がある。あまりの災害の大きさと、余震、津波、火災など2次災害のおそれ、道路や港湾の壊滅的な打撃を受けて、特に沿岸部は救助の立ち入りが困難な地域も多い。地震発生から数日が過ぎ、被災地の現場における廃棄物処理業者などの被害状況や災害普及に向けた取り組みが少しずつ明らかになってきた。



◇来年度食リサイクル補助事業を発表
生協が社内ループを完結

- 大阪府 -

大阪府は3月9日、市内で「平成22年度食品リサイクル実務講習会」を開催した。2011年度に実施予定の食品リサイクル関係補助金についての説明のほか、自社内で食品リサイクルループを完結した生協の取り組み事例などについて報告があった。



◇広域連携、保管場所の確保急ぐ
各県産廃協にも協力要請へ/各自治体が検討


地震で発生した災害廃棄物について、各県は状況の取りまとめを急いでいる。災害廃棄物の発生が多量に見込まれる自治体では、市町村枠を越えた県内広域体制の整備や一時保管できる場所をつくる、各県の産業廃棄物協会と協力するなどの対応を検討している。



◇海外静脈企業を誘致
中国・瀋陽市代表団が来日/12年に200社、200億元へ


中国・遼寧省の瀋陽市政府環境保護局担当者と現地企業経営者らでつくる代表団が2月17日に来日し、東京都内で日本の廃棄物処理・リサイクル業に同市近海経済区内に設ける環境モデル基地への進出を訴えた。まず2012年中をめどに国内外の環境関連企業200社、200億元の投資を目指す。



◇半水石膏粉を県工事で試験施工
路床安定処理の効果を検証

- 群馬県/群馬大学 -

群馬県と群馬大学地盤工学研究室(鵜飼恵三教授)は今年度、廃石膏ボード由来の石膏粉(半水石膏)を利用した軟弱地盤の改良に関する共同研究を行う。県内は北部の山岳地帯を除き軟弱地盤が多く、地盤工事ではコスト面から路床(路面から約1〓の層)の置き換えが主流。建設発生土の処分も課題となっていることから、県内2カ所の公共工事で路床安定処理の試験施工を実施、半水石膏粉の土木資材としての有効性を調査する。公共工事で半水石膏粉を利用した事例はあるが、県が研究主体となるのは今回が初めて。「良好な結果が得られた場合には、工事発注者として市場の確保も検討したい」(県土整備部)と期待を寄せる。



◇東京都・優良性評価制度
国の基準と同等に/都内業者に活用求める


廃棄物処理法改正により、国による優良業者認定制度が4月からスタートするが、東京都が独自で実施してきた優良性基準適合認定制度は、評価項目の内容を国の基準と同等にするなどの修正を行い、引き続き、実施する予定。



3月28日号ダイジェストニュース

◇実務レベルの連絡・調整を開始
災害廃の円滑な処理へ

- 環境省/国土交通省/農林水産省 -

東日本大震災の被災地の災害廃棄物を円滑に処理するため、環境省、国土交通省、農林水産省の3省連絡会議が3月18日、環境省内で開かれた。仮置き場の確保など実務レベルの課題解決に向け、関係者が日常的に連絡・調整を行うことになった。



◇災害廃棄物 環境省、関係自治体に通知
廃石綿、PCB廃棄物の対応で


東日本大震災を受けて、環境省は19日、関係する都道県政令市に廃石綿やPCB廃棄物が混入した災害廃棄物の取り扱いについて文書で通知した。廃石綿が混入した災害廃棄物は、被災場所、一時保管場所における取り扱いや処理方法について。PCBを含むトランス、コンデンサなどの機器が混入する災害廃棄物は、他の廃棄物と分けて特別に管理、現場でPCB含有の有無が判断できない場合はPCB廃棄物とみなすといった原則、一時保管する際の留意点を記載している。



◇飼料化事業が好調に推移
食Rループ構築も視野に

- 御笠環境サービス -

食品残さの飼料化事業を手掛ける御笠環境サービス(福岡県大野城市、吉嗣美佳社長)は、養豚業者からの需要を好調に伸ばし、2010年度の飼料販売売上が4000万円に達する見込みとなった。今後、食品残さ回収量の拡大を図るとともに、食品リサイクルループの構築も視野に入れている。



◇ブラウン管ガラスリサイクル
買い換え進み扱い増

- 東洋カレット商会 -

各種ガラスのリサイクルに20年以上にわたって携わる東洋カレット商会(兵庫県加西市、桜井正夫社長)では、ブラウン管ガラスのリサイクル事業が盛況だ。2011年7月の地上デジタル放送完全移行や家電エコポイントの影響で、昨年秋以降、ブラウン管テレビの廃棄が急激に増加しているため。



【週刊 循環経済新聞・付録 低炭素経済新聞 3月28日号】

◇分散型エネルギー需要に対応
再エネの自立性を生かせ

- 編集部 -

分散型エネルギーシステムは震災や防災対応などの緊急時に既存の系統電力に依存しない自立型エネルギーシステムとしての活用が可能だ。需要地と近接して設置できること、送電時におけるエネルギー損失の低減が可能などの利点がある。



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