循環経済新聞・バックナンバー“2011年6月度”

6月6日号ダイジェストニュース

◇PET回収の新拠点
新体制でスタート

- 誠宇ジャパン -

PETボトル回収と再生利用で実績を重ねてきた誠宇(せいう)ジャパン(千葉市)は、新しい回収拠点の千葉県八街市「八街リサイクルセンター」(敷地面積6566平方メートル)が受け入れを開始。昨年の大阪工場(堺市美原区)と愛知工場(愛知県蒲郡市)の2工場を加えて、日本国内4カ所の回収拠点を構築した。合わせて5月にケ嘉友氏が新社長に就任し、新体制をスタートした。


◇アイウェアを再資源化
ケミカル手法で業界初/全店舗に回収箱を設置

- ジェイアイエヌ -

アイウェア大手のジェイアイエヌ(本社・東京、田中仁社長)は6月1日から、同社の“JINS”全店に「メガネリサイクルBOX」を設置し、不要となったメガネ、サングラスなどの回収を開始する。


◇先進的取り組みに選定
小型家電リサイクルで安来市と

- 協同回収 -

総合リサイクル事業を手掛ける協同回収(香川県三豊市、柴田加子取締役)が島根県安来市と取り組む小型家電リサイクル事業が、経済産業省策定の「自治体における小型家電リサイクルの先進的取り組み事例」に選定された。


◇エコフィード利用畜産物認証制度
中央畜産会が受付開始/給与計画の妥当性など判断

(社)中央畜産会は、エコフィードを給与して生産した畜産物やその加工食品を認証するエコフィード利用畜産物認証制度の受付を、5月30日から開始した。給与計画の妥当性など基準を満たす畜産物などを認証し、容器などに「エコフィード」の名称と認証マークの使用を許可する。エコフィードの取り組みを、消費者までつなげることで利用拡大を図る。


◇県工事で半水石膏粉を利用
地盤改良の試験施工で/群馬県、群大が共同研究

群馬県内で廃石膏ボード由来の石膏粉(半水石膏)を利用した軟弱地盤の改良工事が行われた。県と群馬大学地盤工学研究室(鵜飼恵三教授)が4月上旬から下旬にかけて、県内2カ所で路床安定処理の試験施工を実施した。


◇がれき用フレコンを入荷
ベルトで反転し排出

- フクナガエンジニアリング -

フクナガエンジニアリング(大阪市、福永政弘社長)ソフトバッグ事業部は5月中旬から、がれき専用フレコンバッグを急きょ9000枚入荷し、販売を開始した。


◇自社分析センター活用
安全管理で信頼度アップ

- 山ア砂利商店 -

砕石業や砂利採取業、産廃処理業などを営む山ア砂利商店(滋賀県大津市、山ア公信社長)は、汚染土壌の処理業務で、自社「分析センター」を活用し、厳しい基準で処理して、骨材など製品の安全管理も行ってきた。


6月13日号ダイジェストニュース

◇福島県の災害廃棄物
既存施設での処理がベース/汚染のおそれのある災害廃棄物
安全な処理確保へハードル

環境省は福島県内の放射性物質で汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理方法を検討するため、6月5日、第2回災害廃棄物安全評価検討会を開催した。同省によると、同県内の市町村の処理施設で処理する方向で進められているが、焼却灰の管理や施設の周辺への影響をふまえ、安全な処理の確保へ越えるべきハードルは少なくないとみている。今月19日に開かれる第3回検討会で具体的な中身が示されるもようだ。


◇10年度分収入を市町村に拠出
PETボトルなど有償入札で

- (財)日本容器包装リサイクル協会 -

(財)日本容器包装リサイクル協会は6月1日、2010年度分のPETボトル、紙製容器包装、ガラスびんの有償入札にかかわる収入、総額約41億7000万円を市町村に拠出したと発表した。


◇廃液を高度処理、精製水に
工場内で水を循環利用/イオン交換樹脂の再生も事業化

- クリーンジャパンエンジニアリング -

クリーンジャパンエンジニアリング(本社・東京、荒川徹社長)は、横浜市にある中間処理施設のリニューアルを完了、廃液処理のクローズドシステムを構築した。2009年の一次処理後廃液の蒸発濃縮プラント導入に続いて、今月下旬からは蒸発させて凝縮した水を限外ろ過(UF膜ろ過)、二段式逆浸透膜処理(RO膜)、UV殺菌により高度処理して精製水を製造する設備の稼働を始める。併せて精製水を使用したイオン交換樹脂の再生事業もスタートさせる。


◇給食残さ堆肥が好調
処理機28台で1次発酵

- NTT東日本―群馬 -

NTT東日本―群馬(群馬県高崎市)は、高崎市から受託している給食残さの堆肥化事業が徐々に拡大し、給食残さの回収先は82施設、回収量は1日当たり約1600キログラムに達している。製品の堆肥は学校菜園用に小中学校に還元するほか、市内の農家に販売し、口コミで評判が広まった結果、在庫がほとんど残らない状況という。


◇災害廃棄物の処理に遅れ
放射線量の基準分からず/県内外にも影響広がる

- 福島県 -

福島県内で発生した災害廃棄物の処理が遅れている。発生量が多い浜通り、中通り地方(避難区域、計画的避難区域を除く)は原子力災害の影響を受けて、一部を除き「当面の間、仮置き場に集積しておき、処分は行わない」方針が環境省から示されている。通常の廃棄物として処理できる放射性物質の汚染レベルを示す必要もあるため、同省は安全評価を行ったうえで、「災害廃棄物安全評価検討会」の議論を踏まえて処理の再開などを決定する。こうしたなか、県内の産業廃棄物や下水汚泥、焼却施設から出る灰などが県外の委託先から相次いで断られる事態に発展し始めている。


◇僅かな排熱も回収利用
廉価で据付・メンテも簡単/チタン製熱交換器

- MDI -

MDI(川崎市、岩澤賢治社長)では、外気や通常用水とのわずかな温度差(熱)を持つ工場排水や汚水、海水などを利用したヒートポンプ「Cool! de ホッと」シリーズについて、各種企業から農家まで受注、販売が急増している。同社独自のチタン製コイルを採用した熱交換器を中心とする装置となっており、一般的なヒートポンプに比べて約半分の価格で、大幅な省エネ、シンプルメンテナンスが実現できる。多様なシステムに組み合わせられる排熱回収熱交換器を持っており、東日本大震災の被災地や節電対策を進める企業などから問い合わせが絶えないと言う。今後、廃棄物処理・リサイクル関連企業などに向けても営業を強める。  


◇年5万t以上を安定処理サンプル
廃石綿等は約200t扱い/焼却灰など溶融資源化

- 中央電気工業 -

マンガン鉄製造、一般廃棄物・産業廃棄物処分などを手掛ける中央電気工業(本社・東京)の鹿島工場(茨城県鹿嶋市、環境営業・収集運搬窓口=中電興産)は、年間5.2万-5.5万トンの焼却灰(燃え殻)や飛灰(ばいじん)、汚染土壌を安定的に溶融資源化していることを明らかにした。


6月20日号ダイジェストニュース

◇再生重油と補助燃料の新工場
LLC、エレメントも処理

- 木幡興業 -

木幡興業(本社・埼玉県三郷市、木幡毅社長)は、埼玉県吉川市の小松川工業団地に再生重油と補助燃料を製造する拠点として埼玉工場を完成、6月末にも稼働に入る。1日当たりの生産能力は再生重油が81.20立方メートル、補助燃料が12.32立方メートル。ラジエータ冷却水(LLC)や廃オイルエレメント、廃酸や廃アルカリの処理も幅広く手掛ける。


◇中国でプラ再生の団地
天津市に設立、建設へ/環境省の調査事業に採択

- エコマテリアル -

エコマテリアル(本社・東京、千葉鴻儀社長)は5月31日付けで、中国・天津市でのプラスチックのマテリアルリサイクル事業(都市間協力によるプラリサイクル団地の整備)の事業性調査(2年間)について、環境省の支援事業として採択された。天津市と北九州市、アジア低炭素化センター(福岡県北九州市)、エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所などの官民合同コンソーシアム形態での支援を受けて行う。


◇廃タイヤ、小口回収を強化へ
収運システムを見直し/ルート策定、他産廃と収集も

- 高森商事 -

高森商事(静岡県御殿場市、高森茂生社長)は、廃タイヤ回収の制度改定を背景に増えつつあるトラック輸送業者などエンドユーザーからの小口品回収依頼に対応するため、収集運搬システムの見直しに取り掛かる。効率的な収集ルートの構築やほかの産業廃棄物と併せた回収などについても検討を進める。


◇サービス重視の堆肥化事業
顧客のCSR活動を企画提案

- ヤードウエスト浜松 -

ヤードウエスト浜松(静岡県磐田市、山田昌人社長)は、排出事業者へのマネジメント提案を重視した植物系残さの堆肥化事業を展開し、前年度比約1.5倍で売り上げを推移させている。リサイクル堆肥を製造・供給するだけでなく、それを排出事業者のCSR活動などにまでつなげる企画力が強みだ。今後は、食品関連企業を中心に営業を強化する。


◇仙台市の集積場 分別・破砕の試験を実施
梅雨明けから作業が本格化

仙台市内の集積場で6月から、東日本大震災で発生した災害廃棄物を分別・破砕する実証試験が行われている。市内の災害廃棄物は3カ所の集積場で焼却処理する方針だが、本格的な処理に向けて、前処理設備の構成や処理能力を見極めることが目的。市は6月中にある程度のシステムを固め、早ければ梅雨明けから本格的な分別作業に入りたいとしている。


◇茨城県の災害廃棄物
発生量は55万t超/対策進める自治体や処理業
一定進捗、課題も

東日本大震災が発生して約3カ月が経過した。東北地方が特に甚大だったが、関東や長野、新潟など被害は広域にわたった。国をあげての対策も生活や産業の復興という第2ステージに入ってきたが、その前に立ちはだかるのが膨大な量の災害廃棄物の撤去と処理だ。東北各県とともに大きな被害を受けた茨城県の対策についてまとめた。


◇コージェネ用ボイラ関心高まる
CO2削減や電力不足対策で

- 三浦工業 -

三浦工業(愛媛県松山市、橋祐二社長)が展開する、コージェネレーション用排ガスボイラの引き合いが強まっている。東日本大震災の原発事故により、大口電力のユーザーでは、夏場想定される電力不足とピークカットの問題への対策として自家発電設備を検討し、導入するケースが増えている。


◇医療廃棄物処理最前線
より安く、より良い処理提供へ/求められる専門業者の企業努力

医療機関から出る感染性廃棄物の適正処理に向け、廃棄物処理法が改正、整備されて20年が過ぎた。特別管理産業廃棄物とされたことで医療機関の意識は変わり、分別や管理の取り組みは大きく進んだ。社会を騒がせた不適正な事例もすっかり影を潜めたようだ。一方、医療廃棄物専門の処理業者は成長期から安定期に入り、工夫あるサービスを提供し始めている。求められてくるのは、さらにより安く、より良い処理であり、そのための専門業者の企業努力といえる。


◇技術提供のサービスを開始
処分場の地盤再生・管理工法

- フジコーポレーション -

フジコーポレーション(本社・長野県佐久市、山口幸男社長)は独自の最終処分場「地盤再生工法」や維持管理について技術提供するサービスを始める。同社工法に準じて埋め立てられた閉鎖前の処分場が高速道路の路体(道路を支える基礎部分)に採用された実績もあり、ゼネコンや不動産会社、製錬会社、自治体、学術機関など幅広くサービスを提供していく考え。


◇中国地方産廃発生状況
山陽・山陰間での格差激しく

中国地方は、山陽地域に太平洋ベルトを構成する全国でも有数の工業地帯を有し、重化学工業や鉄鋼を中心とした活発な産業活動が行われている。一方、山陰地域では深刻な人口減少と弱い産業集積が問題となり、廃棄物分野でも域内格差が大きく広がりつつある。


◇中国地方/産廃税の運用状況
5県全て導入、使途に特色/最終処分業者特別徴収方式を採用

産業廃棄物の最終処分場への搬入などに課税する産廃税は現在、全国27都道府県と1市で導入されており、中国地方では鳥取・岡山・広島の3県が全国2番目となる2003年度から一斉スタートさせたのを皮切りとして、これまでに5県すべてが導入している。


◇バイオマスタウン視察レポート
豊富な木質資源を生かせ/地域一丸、循環型システム構築へ

- 岡山県真庭市 -

岡山県の北部に位置する真庭市は、1993年から地域資源の木質バイオマスを核とした産業育成を行っており、06年には農林水産省の「バイオマスタウン」に認定された。民間主導のもと産学官連携で事業に取り組み、全国から注目を集めている。今回、(社)真庭観光連盟(同市、石賀久会長)の「バイオマスツアー真庭」に同行。市内の事業拠点を巡り、地域一丸で循環システム構築に懸ける取り組みを取材した。


◇四国地方産廃発生状況
多彩な産業圏での地産地消型処理

四国地域の産業圏は、地理的・歴史的条件等により古くから分かれて別個に形成されてきた経緯があり、特定の産業が地方全体をけん引する構造とはなっておらず、域内格差も大きい。そのため、廃棄物の発生状況も地域ごとに特色があり、多極分散・地産地消型の廃棄物処理が求められる。


◇四国地方/産廃税の運用状況
愛媛1県のみ導入

四国地方4県中、唯一産廃税を導入しているのが、愛媛県だ。同県の最終処分場に持ち込まれる産業廃棄物に課税する「資源循環促進税条例」は、2007年4月から施行された。


◇四国地方処理業者事例
全国7%占める木質系ボイラー活躍/廃基板や銅含有スラッジなど溶融
環境科学研究センター開設

四国は、年間42万トン以上の木質バイオマスボイラーの需要がある地域で、製紙や建材ボードなどの工場も多い。かつて、不法投棄の島だった豊島も今や昔となり、世界的な環境産業が近くで活躍し、レアメタル回収も積極展開している。愛媛県では、日量240トンの大型焼成プラントも稼働した。


6月27日号ダイジェストニュース

◇福島県内の処理方針を決定
8000Bq/kg以下は埋め立て可能に

- 環境省 -

環境省は19日、福島県内(避難区域、計画的避難区域を除く)で放射性物質に汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理方針を決めた。可燃物はバグフィルターや排ガス吸着能力のある排ガス処理装置を有する焼却施設で処理できる。焼却灰や不燃物の放射性セシウム濃度(セシウム134とセシウム137の合計値)が1キログラム当たり8000ベクレル以下の場合は最終処分場に埋め立てられると判断。飛灰は放射性セシウムが濃縮されやすく水に溶出しやすいため、安全性が確認されるまでの間、一時保管する。既存施設での処理を認める今回の方針を受けて、自治体や民間など処理の現場では、作業者に対する安全確保や焼却、最終処分場への中長期的な影響を不安視する声が挙がる可能性もある。


◇機密の細断サービス充実へ
10周年記念総会を開催/会員は81社に拡大

- パピルスネットワーク全国会 -

機密文書の細断処理・リサイクル事業者らで組織する「パピルスネットワーク全国会」(事務局・ナカバヤシ内)は6月10日、京都市のホテルモントレ京都で第6回全国総会を開催した。ブロック会は毎年、総会は2年に一度行われており、今回は創立10周年記念となる。総会後の懇親会では東日本大震災チャリティーオークションも行われた。


◇前処理を工夫、品位向上
貴金属・レアメタル回収/リサイクル困難物対象に

- 誠和工業 -

誠和工業(千葉県船橋市、遠藤信男社長)は、粉体物や二次電池の電極くずなど低品位の貴金属やレアメタル含有物の加工・販売事業を本格的に展開することになった。製品の特殊化、独自性の追求を進める国内メーカーに対して、前処理工程で手間を掛けて対応することでリサイクルが困難とされていた物から有価金属を回収できるようになった。


◇廃食油からボイラー代替燃料
大学と有効性立証し受注拡大へ

- グローイングジャパン -

燃料の製造・販売を行うグローイングジャパン(三重県伊賀市、山口忠弘社長)は、廃食油を混合したボイラー用代替燃料「NEF(New Energy Fuel)」の有効性を三重大学と共同で立証し、大手プラントメーカーなどからの受注を急増させている。今後、増産体制を整えて年間3億円超えの売り上げを目指す。


◇震災木くずで発電所フル稼働
3カ月間で約4000t受け入れ

- 勝田環境/バイオパワー勝田 -

東日本大震災に伴い、茨城県内でも大量の木くずが発生した。勝田環境(ひたちなか市、望月福男社長)には震災後3カ月間で4000トン以上の木くずが持ち込まれた。木くずや廃畳は同社施設でチップ状に加工して、併設する木質バイオマス発電施設「バイオパワー勝田」に全量供給しているが、これらも同様にフル稼働を続けている。


◇新規開発の二軸破砕機
処理困難物を一度に破砕

- ウエノテックス -

産業機器メーカーのウエノテックス(新潟県上越市、上野秀正社長)は、油圧式の二軸破砕機「MEGA CRUSHER」を新規開発し、発売した。金属くずや粗大ごみ、廃木材など幅広い原料に対応し、これらを一度に処理することも可能。粉砕の前処理や災害廃棄物のがれき処理等としての活用を見込み、今年度は約20台の販売を目指す。


◇活力ある組織をつくる
現場重視、役立つ取り組みを
(社)茨城産廃協・深澤正勝新会長に聞く

6月10日に水戸市内で開かれた(社)茨城県産業廃棄物協会通常総会で、深澤正勝氏(日立セメント取締役専務執行役員)が新たな会長に就任した。東日本大震災への対策や転換期を迎えている産業廃棄物業界と協会の方向性について、話を聞いた。


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