循環経済新聞・バックナンバー“2012年1月度”


1月1日号ダイジェストニュース

2012新春特別号No.1

◇災害廃棄物処理に全力を
期待される処理業の役割

甚大な被害をもたらした東日本大震災。一日も早い復旧・復興のため、災害廃棄物の迅速な処理は至上命題といえる。市町村の処理を代行する法律や放射性物質による環境汚染に対処する法律も制定され、あらゆる主体が全力で取り組むことが必要になる。廃棄物のプロである処理業者はノウハウを生かし、役割を果たすことが期待されている。


◇新春インタビュー 真価問われる災害廃棄物処理
環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部長 伊藤 哲夫氏に聞く
復興枠交付金で対策推進へ/環境行政最大の課題に挑む

東日本大震災によって発生した災害廃棄物の処理を最優先課題に、小型電気電子機器リサイクル制度の創設などを控える2012年の廃棄物行政。環境省廃棄物・リサイクル対策部長の伊藤哲夫氏に、災害廃棄物対策の経緯と、12年度の廃棄物・リサイクル施策について、ポイントを語ってもらった。


◇新春インタビュー 災害廃処理に前向きに取り組む
公益社団法人 全国産業廃棄物連合会 会長 石井 夫氏に聞く

東日本大震災によって発生した災害廃棄物の処理に前向きに取り組む−。公益社団法人・全国産業廃棄物連合会の石井夫会長((社)千葉県産業廃棄物協会会長、市川環境エンジニアリング社長)はそう明言した。放射性物質汚染問題への対応は簡単ではないが、安全な処理の基準をクリアし、地元住民の理解が得られれば広域処理の進展も可能で今こそプロの処理業者の出番との考えを示した。一方、改正処理法の施行に関連し、処理業者をさらに大きく育成する仕組みが必要であり、連合会を挙げて議論を始める。また、青年部協議会が中心となって進めるCSR活動をタイムリーと評価、今後の広がりに期待を寄せた。


◇新春対談 改正廃棄物処理法施行後の評価、 災害廃棄物の迅速な処理に向けて
東日本大震災後の廃棄物行政の役割は

昨年4月の改正廃棄物処理法施行後の評価から、東日本大震災や津波、東京電力福島第1原子力発電所事故後の国や地方自治体の対応について、佐藤泉弁護士、元地方自治体職員でBUN環境課題研修事務所主宰の長岡文明氏に聞いた。


◇成長アジアに活路拓け
必ず生きる日本のノウハウ/現地の制度とパイプが鍵
処理業・リサイクル業の海外展開

欧米や日本の経済が債務にまみれ、輸出や内需の不振で喘ぐ中、中国や韓国、台湾、東南アジア諸国、インドなどが、名実ともに「世界の工場」「世界の成長センター」になった。一方で、適正な廃棄物処理や高度なリサイクルは、むしろこれから大きな課題になる。厳しい日本の法制度と市場で鍛えられた廃棄物処理業、リサイクル業が世界を舞台に腕試しをする時代の始まりだ。


◇ばいじん・燃え殻・鉱さい等
3種で1兆円市場の行方/石炭灰を加熱焼成で強度増進
今後増える産廃の安全で適正な処理

全国の産廃の総排出量は、最新の2008年度で約4億400万トンで、過去10年間の中では、05年度4億2200万トンが最多で、4億トンのラインを行き来している状況だ。昨年の東日本大震災で、日本国内の発電が原子力から火力などほかの方法に移行していることも影響して、産廃の業種別や品目別の発生量に変化が見られる。火力発電が増えるということは、ボトムアッシュ(焼却灰)やフライアッシュ(飛灰、ばいじん)が増えることは推測される。現在、燃え殻・ばいじん・鉱さいの3種類で、6000億円から1兆円の市場が存在している。


◇値上げで受け入れ期間延伸
フェニックス事業の計画変更/西日本の最終処分場の現状と近未来1

西日本の最終処分場で異変が発生した。フェニックス事業を管理・運営する大阪湾広域臨海環境整備センターは、受け入れ期間を延ばすため、処分料金の改定案を出した。今後、ユーザーや関係者などの意見を交換しながら検討し、決定した場合、2012年4月から残土を除く全品目の処分料金が1トン当たり1785円値上げする。経過と近未来の状況を紹介する。


◇屋根付きクローズドシステム管理型
組合方式で事業化体制再構築/西日本の最終処分場の現状と近未来2 事例編

西日本の最終処分場の中で、四国では屋根付きのクローズドシステム処分場が受け入れを開始。島根では組合方式で、ヒ素対策装置を設置した処分場が開いた。中国地方の無人島を利用した最終処分場や九州でも太陽光パネルを設置した事業所で拡張工事を進んでおり、沖縄県も数年前に掘り起こしで延命が行われた。昨年オープンした施設を中心に紹介する。


◇環境識者インタビュー 携帯電話と小型家電類の区別を
実効性ある社会システムを模索/製品・部品リユースの可能性も考慮に
メンタル面のケアも重要

2010年末のレアアースショックを受け、11年は都市鉱山開拓に高い関心が寄せられた1年だった。環境省所管「使用済み小型家電回収モデル事業」の再開にはじまり、中央環境審議会の小委員会では小型家電類リサイクル法制化の議論が開始。経済産業省では「自治体における小型家電リサイクルの先進事例」を選定し、地域独自の取り組みとそれを支えるリサイクラーも脚光を浴びることとなった。
その一方で、具体的な成果が見えにくいという声もある。実際、法制化の議論がまとまらないために回収事業を始められないと話す自治体、環境省と経産省の施策の乖離を指摘する学識者、小型家電リサイクルに取り組みたくても状況が分かりにくく参入のしようがないというリサイクル業者など、不安要素は大きい。こうしたなか、環境省は9月末に小型電気電子機器リサイクル制度のスキーム案を公表。この案を巡ってさまざまな論議が噴出しているのが現状だ。
環境省が描く制度の実効性はどうか、より理想的な仕組みの可能性はあるのか。廃棄物に関する社会システムの研究者として知られ、特に携帯電話リサイクルについて造詣の深い神戸山手大学・現代社会学部の中野加都子教授に話を聞いた。


◇レアメタル識者インタビュー 技術と社会システムをRの両輪に
バイオ技術でレアメタル回収/環境負荷・コストの低減目指す
大阪府立大学 大学院 工学研究科 小西 康裕教授

レアメタルを中心とする希少金属資源の有効活用に関する研究は、ここ数年間に著しく進展した。産官学がそれぞれの立場からアプローチを始め、これまで金属リサイクルにあまりかかわりのなかった分野からの研究も多く、百家争鳴の体を為しているが、実現に結びつく試みは数少ない。そんななか、大阪府立大学の小西康裕教授は医薬製造メーカーの森下仁丹や長瀬産業ともに、早期の事業化に取り組んでいる。その根幹となるのは、微生物機能を利用した有用金属の回収技術だ。バイオ技術をリサイクルに使う利点は何か、日本における希少金属リサイクルの展望は−。小西教授に話を聞いた。


◇国家戦略としての希少金属資源確保
認知高まる“レアメタル”/リサイクルの本丸は製造工程か
レアメタル世界潮流

2010年末以来、議論もかまびすしいレアメタル等の希少金属資源。日本国内では先端技術に欠かせない原料として、生産地の偏在性による供給不安を抱える資源として、安定的な確保やリサイクル、代替材料の開発など多岐にわたる試みがなされている。政府でも、さまざまな補助金事業や都市鉱山の回収モデル事業も活発だ。その一方、世界的な情勢に関しては、論議盛んな日本国内からは掴みにくいという側面もある。ここでは、希少金属資源の基礎を押さえるとともに、世界の認識や国内取り組みの現状を紹介する。



1月9日号ダイジェストニュース

2012新春特別号No.2

◇新春インタビュー 災害廃処理、産廃業界に期待
環境省 産業廃棄物課長 廣木 雅史氏に聞く
PCB廃処理完了へ道筋つけたい

東日本大震災で発生した災害廃棄物は、一般廃棄物として扱われるが、量の膨大さや性状などから産廃処理業者・施設を活用した処理の必要性が早くから指摘されていた。環境省は速やかに法制度上の整理を行い、災害廃棄物の処理に民間の力を得られるようにした。環境省の廣木雅史・産業廃棄物課長は「産廃業界には、災害廃棄物の処理で豊富な経験や実績があり、今回も一定の役割を果たせると信じる」と期待を寄せる。一方、PCB特措法10年を迎えた中で、「PCB廃棄物処理完了へ道筋をつけたい」と強調した。


◇試される適応力と持続力
排出企業の意向を先取り/発生減と多様化に対応を
特集 プラスチックリサイクル
“大転換”の年が始まる

廃プラスチックやプラスチックスクラップを巡る業界も、否応なく、経済・産業の国際化に対峙する時代になった。処理現場から見れば排出量が実質的には減少しているとされる一方で、排出事業者の業種や廃プラの種類は多様化しているが、これも国際化の反映だ。「三年一昔」という急激な変化に対応できるか否かが問われている。


◇ザ・ジャパニーズ・スタンダード
進化するメーカーの取り組み/世界に類を見ないレベルへ
特集 プラスチックリサイクル
日本メーカーの底力

厳しい状況が続く日本経済だが、メーカーの底力は凄まじい。その一つが、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みで、プラスチックリサイクル分野での技術開発やシステム構築も世界に類を見ないレベルに達しつつある。近年のプラスチックリサイクル動向と照らしつつ、大手メーカーの動きをまとめた。


◇大震災で放射能検査もクリア
中国、前半で過去最高輸入量/前年実績164万t近い
特集 プラスチックリサイクル
廃プラ 日本と国際動向

2011年は、東日本大震災で、前半の廃プラスチックの発生やリサイクルについては、多少の影響は出たが、減少地域については、限定されたものになった。一般的には放射能の懸念もあり、輸出には大きなハードルが課せられた。検査に力を入れなければ、荷を動かすことができない状況が続いたが、中国の再生資源利用の取り組み強化策による「廃プラ輸入量の増加」で、中国は前半(11年1月から6月までの累計)過去最高の輸入量を記録した。日本国内の最新データ(10年)と昨年(11年)の廃プラ輸出動向から12年の傾向を推測する。


◇世界の回収量600万tに異変
中国用途の最大は繊維利用/原油高値時代の活用方法/食品衛生をクリアで利用増に
特集 プラスチックリサイクル
再生PETボトルの近未来

近年、使用済みPETボトルは、国際的に見ても資源としての価値が高まってきた。国内外で再生資源としての用途は多様化しており、先進的な取り組みも増えている。昨年調査したPETボトルの独自ルート入札動向の他、最新のリサイクル事例などを紹介する。


◇回収率72%と調査難航
R率は約84%で高水準キープ
特集 プラスチックリサイクル
PETボトルリサイクル年次報告書

PETボトルを利用する中身メーカー4団体と、容器および樹脂メーカーの団体であるPETボトル協議会の計5団体で構成されている「PETボトルリサイクル推進協議会」は、PETボトルリサイクル年次報告書(2011年度版)を発表した。それによると、10年度の回収率は72・1%で、昨年比マイナス5・4%と事業系回収量の捕捉調査が難航。リサイクル率は83・7%と昨年に続き高水準を保った。指定法人引渡し量は過去最高の19万4000トンとなった。内容を抜粋して紹介する。


◇新春インタビュー「CSR2プロジェクト」に全力
全国産業廃棄物連合会 青年部協議会会長 尾崎 俊也氏に聞く
資質の向上と認知度の向上へ

2009年から青年部協議会が企画・実施した「CO2マイナスプロジェクト」は全国で2016社がエントリー、814事例となった。業界の内外に、青年部の底力を知らしめたといってよい。処理業界の発展のためには個々の企業の資質の向上と同時に地域・社会からの認知度の向上も欠かせない。昨年7月第4代目の会長に就任した尾崎俊也氏はそうした流れを永続的なものにするため、次のプロジェクト「CSR2プロジェクト」の大成功に全力を挙げる。業種・地域を越えたネットワークも強化する。


◇北京市で最大級炉と熱回収建設へ
天津市R団地内で廃プラ施設/北九州市エコタウンも協力
中国情報フラッシュ

中国の環境対策は、新しい段階を迎えた。経済成長至上主義から「生活環境の保全が第一」になってきた。首都の北京市では、資源循環のプラントの大規模な導入があり、一方で、中国国内最大クラスの廃熱回収ボイラーを採用した大型炉の受注もある。最大規模の天津リサイクル団地内では、日本企業や行政とのタイアップで新事業がスタートした。ほかにも、中国では次々と再生利用の技術が開発され、日本が高度成長期に歩んできた道を再び進む技術もあるようだ。


◇「分別排出・収集は確実に進捗」
軽量化、再生利用で実績/自主行動計画を総括

- 3R推進団体連絡会 -

容器包装リサイクル関連の8団体で構成する3R推進団体連絡会は、2010年度を目標年次とした自主行動計画の成果を総括した。ここでは5年間の成果と、第2次自主行動計画についてまとめた。今回の結果について連合会は「分別排出・収集は確実に進捗した」と述べた。


◇容器包装Rインタビュー “エフピコ方式”を拡大
PETボトルもトレー原料に
エフピコ 環境対策室 ジェネラルマネージャー 松尾 和則氏

食品トレーの最大手メーカーであるエフピコ(広島県福山市)は1990年に、「トレー to トレー」のリサイクル事業を開始。その独自のシステムは「エフピコ方式」と呼ばれ、使用済み発泡スチロールトレーを原料とした「エコトレー」は今や主力商品にまで成長している。透明トレーに加え、昨年にはPETボトルを高度な洗浄技術で再生する「ボトル to トレー」の取り組みにも着手した。その快進撃の秘訣を環境対策室の松尾和則ジェネラルマネージャーに聞いた。


◇第三者評価制度 認定企業一覧

東京都が2009年度に創設した産業廃棄物処理業者の独自認定制度、いわゆる第三者評価制度の第3回認定業者が公表された。同制度は有効期間が2年間のため、今回は第1回認定業者の更新と新規申請者が対象。全体では初回に比べ16社減の168社だった。その一方で、業界トップランナーの位置付けとなる「産廃エキスパート」は9社増えて116社となり、平均得点率も上昇した。また、感染性廃棄物を対象にした「専門性」の認定業者も初回から4社増えて23社となった。


◇対前年5%増と堅調推移
中国向け比率は低下傾向/古紙の輸出動向

日本の古紙輸出量は、2001年に146万トン台になって以降、年々増加してきた。近年の古紙回収量に占める輸出比率は20%前後。国内の回収量が頭打ちとなり、消費量は減少傾向にある中、輸出比率は今後増えていくと予測される。輸出先は中国向けが圧倒的なシェアを占めているが、11年は福島第1原発事故による放射能汚染問題の影響もあった。他国への分散化の動きも見られた。これまでの古紙輸出状況を振り返るとともに、今後の動向について考えたい。


◇ごみ焼却量削減が本格化
雑がみ・機密リサイクル推進へ/自治体の古紙回収事例

近年、ごみ焼却量削減の一環として、雑がみの分別回収に注力する自治体が増えてきた。雑がみとは、新聞、雑誌、段ボール、飲料用パックのいずれの区分にも入らないもので、具体的にはパンフレット、包装紙、紙袋、紙箱などの紙全般をいう。また、再生が困難なオフィスペーパーについても焼却受け入れを禁止する自治体が多い。分別が進むことで、古紙業界にとっても品質の向上と回収量の掘り起こしにつながる取り組みだ。その事例を紹介する。


◇難古紙再生事業の強化へ
回収量掘り起こし目指し/古紙業者最新事例

日本の古紙回収率は約80%と非常に高いが、書籍の電子化や少子化が進む中で、回収量は頭打ちとなっている。市場では回収先の掘り起こし策として、新事業や業界再編の動きも進んできた。これまで回収・再生が難しかった家庭から出る雑がみやオフィスの機密書類・シュレッダー紙、難再生古紙の処理を強化する事業者も増えている。その最新事例を紹介したい。


◇繊維Rインタビュー&事例 繊維リサイクルの現状と課題
設計段階から3Rの意識を
京都工芸繊維大学大学院 先端ファイブロ科学部門 木村 照夫教授

我々の身近にある容器包装、家電、食品、自動車などのリサイクル法は順次制定されてきたが、大量に使用されている繊維製品については法整備されていない。大きな理由は繊維製品のリサイクルの困難さにある。法律でリサイクルを義務付けても適切な手法が見出せないからだ。繊維リサイクルの現状と課題を、京都工芸繊維大学大学院先端ファイブロ科学部門・木村照夫教授に聞いた。


◇輸出量2割以上減少
震災と円高、欧州金融不安も影響/鉄スクラップ輸出動向/年末に向け復調気配か

2011年1―10月の鉄スクラップ輸出は低調に推移した。輸出総量は419万9837トンで、前年同期から118万7155トン減(78%)となった。


◇ソブリンリスクの影響大きく
投機的な動きで乱高下継続/「金融商品」としての動きが顕著
非鉄金属国際動向

2011年の非鉄国際市況は、年間を通して不安定なまま推移した。年初は資源高の影響を受けて過去最高値を記録する一方で、次第に表面化する世界経済の先行き不安から値を落とし、9―10月ころに一気に下落。金属種によっては45%近い値下げという急激な下降を示した。


◇新春インタビュー 排出者責任分析の出発点と評価
弁護士 阿部 鋼氏に聞く
改正法の元請け一元化に注目

難解な上にあいまいな部分が多いとされる廃棄物処理法。その上、専門の弁護士がまだまだ少ないことが混乱を招いているとの指摘もある。阿部記念法律事務所所長の阿部鋼弁護士は、処理法を専門とする数少ない弁護士の一人。実務だけでなく、法学博士として処理法にまつわる高裁や最高裁の判例研究で実績もある。昨年施行された改正法では建設廃棄物について排出事業者責任の元請け一元化に注目し、改正法第21条の3の1―4項「建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理に関する例外」は、建設業の特殊性を踏まえつつ、処理責任の所在を明確にした規定であり、排出者責任分析の出発点となると評価している。


1月16日号ダイジェストニュース

◇料金を徴収しない促進型
「特に再資源化すべき」は16品目

- 小型家電リサイクル新制度 -

環境省が2014年度からの本格施行を目指している小型電気電子機器(小型家電)リサイクルの新制度案がまとまった。昨年12月22日に都内で開いた同制度に関する小委員会では、消費者や自治体に対して回収や再資源化を義務化せず、消費者からリサイクル料金を徴収しない促進型の制度を目指すべきとした。


◇前年同等164万t以上確実
PETくず単価5.7万円/t

- 廃プラの貿易統計 -

財務省の貿易統計によると、11月の廃プラ輸出の累計結果は、148万7177トンで、対前年1961トン増(100%)、累計金額は、前年比37億9669万円増の689億2507万円(106%)だ。11月単月は、昨年比で約2000トン増加。


◇廃車シュレッダー馬力アップ
選別見直し、資源回収も強化

- クロダリサイクル -

クロダリサイクル(北海道函館市、佐野邦光社長)は、設備老朽化に伴い、使用済み自動車ガラなどを破砕するシュレッダーをリプレイスした。出力も750馬力から1250馬力にアップし、より安定的に処理できるようになった。


◇目標値検討16業種から
早期成果へ先行実施案

- 食リ発生抑制WG -

農水省と環境省は12月27日、「食品廃棄物等の発生抑制の目標値検討ワーキンググループ」の第5回会合を東京都内で開催し、前回までに計18業界団体から実施したヒアリングの結果を踏まえた形で、発生抑制目標値の設定に向けたとりまとめの方向性について検討を行った。事務局案では、目標値の設定が産業活動への過度な制約と捉えられ、定着が遅れる可能性があることと、成果を早期に発揮させる観点から、発生抑制の重要性が高い業種のうち、流通、外食、日配品製造業のようにさまざまな取り組みが可能で、かつデータの整った業種から先行して実施することとした。


◇新たに石綿含有廃の積保許可
関東営業所で取得

- 大青工業 -

大青工業(仙台市、青澤誠治社長)は、昨年1月に開設した中間処理施設の関東営業所(群馬県大泉町)で、群馬県から石綿含有産業廃棄物の積み替え保管許可を取得した。同社は仙台市内に安定型処分場を所有しており、関東の顧客が多くを占める。積み替え保管の許可を取得したことで、顧客の運搬コスト削減につながるほか、廃棄物の収集運搬から中間処理、最終処分の各段階の依頼に対し、安全、迅速に対応できると期待を込める。


◇災害復旧を想定、販売強化
遠隔操縦式の建設機械

- ボブキャット -

ボブキャット(横浜市)は、オプションの無線装置を取り付けることで遠隔操縦が可能となる「選択式ジョイスティックコントロール(SJC)」を搭載した建設機械の販売を強化する。災害復旧などの場面に使えるメリットを生かし、地方自治体を含めた顧客の開拓を目指す。


◇4社が事業投資で契約
中国・大連エコタウン誘致

- 加藤商事/東亜オイルなど -

中国の大連国家生態工業モデル園区(静脈産業類)企業誘致説明会・調印式が昨年12月13日、東京都内で開かれ、日本の廃棄物処理業・リサイクル業3社が事業投資契約、コンサルティング1社が事業投資枠組み契約を結んだ。各社は大連市沿海部に造成した園区(総面積12平方キロメートル、第1期4平方キロメートル)にリサイクル工場や研究所を建設する。


◇食リ施設をもっと活用へ
食品リサイクル制度の課題/課題は川下の取組推進/改めて指摘される課題点

改正食品リサイクル法の施行から5年目に入る2012年は、次期改正を視野に入れた制度の見直しを求める声が一段と高まってくるだろう。前回の改正では、食品リサイクルループの認定事業などが一定の成果をもたらす一方、食リ法の対象になる食品循環資源の多くがリサイクル施設を素通りして自治体の焼却施設に流れるといった課題点も依然、指摘されている。食リ法の次期改正を念頭に、特に食品業界の川下から排出されるリサイクルについて、課題を整理してみた。


◇定期報告結果まとまる
発生抑制目標値も検討へ

- 食品リサイクル法の進捗 -

食品リサイクル法の2007年度改正で、食品リサイクルループと並ぶ目玉として設けられたのが定期報告制度だ。09年度から対象規模の食品関連事業者に義務付けられたもので、国は報告結果をもとに、再生利用等実施率について各業種・業態の平均値と分布を年度ごとに公表することになっている。しかし、初年度は内容確認等で公表できず、翌年度のものと合わせて整理・分析し、11年8月の公表に至った。ここでは、その概要と今後の方向性について報告する。


◇地域色に合わせ施策を模索
リサイクル率の向上目指す

- 進む自治体の生ごみ対策 -

近年、多くの自治体が焼却処分量の削減やCO2排出量の抑制、リサイクル率の向上を目指した取り組みを積極的に進めている。その中でも特に困難とされているのが、水分量の多い生ごみの対策だ。全廃棄物量に占める割合が高く、燃えにくい生ごみをいかに資源化・再利用していくかは、自治体にとって要の施策。ここでは、地域特性に適した方法を模索し、一歩進んだ対策を行っている自治体を特集する。


◇食R事業・新潮流2011
経営方針に見るこれからの業界傾向

- 食品廃棄物リサイクル事例 -

2011年度も食品リサイクル業界は活発な動きを見せ、異業種からの新規参入のほか、特色ある経営方針を打ち出して事業を新展開させる業者が相次いだ。ここでは、このような事例の一部を「新規参入編」と「特色ある経営方針編」に分けて紹介し、新たな業界の傾向を追う。


◇藻類から次世代バイオ燃料を
国内外の注目集まる/生産効率向上とコスト削減が鍵

- 藻類オイル研究開発の現状 -

近年、一部の藻類が、次世代バイオエネルギーの原料として大きな注目を集めている。石油の代替となるオイルを作り出すことができ、トウモロコシなど陸生油脂食物に比べて▽数十―数百倍のオイル生産能力を持つ▽生産に要する面積が少ない▽食料と競合しない▽生産に耕作地を必要としない――といったメリットを持つためだ。


◇国内発生量の8割が飼料に
“安全・安心”向上へトレーサビリティを強化

- 廃食油リサイクル -

国内食用油の年間消費量は約220万トンとされ、そのうち、外食産業や食品工場、飲食店などから出る使用済み食用油の発生量は年間約42万トンと推計される。廃食油を処理・再生する業界では安全・安心に配慮し、廃棄物処理法に則り、排出事業者との委託契約やマニフェスト管理、トレーサビリティの確保など取り組みを強化するもよう。一方、食品リサイクル法により廃棄量削減が進み、廃食油の回収が難しいとされる中、工夫を凝らし、新たな事業を展開している具体的事例を紹介する。


◇一般廃棄物の減量施策を調査
資源ごみ持ち去り対策進む

- 全国自治体アンケート報告 -

本紙編集部では、ごみ減量対策を中心とした全国主要都市の3R施策について全体像を把握するため、昨年11月に全国の政令市・中核市・県庁所在地の計74自治体と東京都23区を対象にアンケート調査を行い、計93の回答を得た。ここでは、自治体におけるごみ減量対策や資源ごみ持ち去り対策、小型家電回収の実施状況などに関する主な調査項目を抜粋し、回答結果の概要の傾向を紹介する。


◇効率的集荷と利用先の確保が課題
自治体、事業者との連携が有望

- BDF利用の現状と展望 -

地球温暖化防止に有効な手法の一つとして注目されたバイオディーゼル燃料(BDF)。国を挙げての取り組みにより、法制度が整備され、自治体での回収が広がっている。一方、国内で発生する廃食油(約42万トン)のうちBDFに利用されているのは約1万トンと3%にも満たない。原料の効率的な集荷と利用先の確保、用途の拡大などが今後の課題。回収再生業者単独でなく、自治体やスーパーなど他の関連事業者との連携や協力が有望といえそうだ。


◇27道府県1市/産廃税の使途

産廃税は現在、27道府県と北九州市で導入されている。課税方式は大別して「事業者申告納付」「最終処分業者特別徴収」「最終処分業者課税」「焼却処理・最終処分業者特別徴収」の四つ。税収使途を中心に運用状況をまとめた。


◇変化する医療廃棄物処理事業
多様化する排出事業者のニーズ/各業者の独自サービスも好評価/処理業者の専門性が重要に

- 医療廃棄物の現状と展望 -

感染性廃棄物のガイドラインが整備されて約20年が過ぎた。従来のように不法投棄の発生は少なくなっているが、いまだに収集運搬・中間処理の価格の下落が続いているなど、業界の不安要素は絶えない。容器に関しては、リサイクルシステムの登場などの変化が生じている。また、病院の評価にも廃棄物管理の項目があり、ビジネスに影響を与えている。


◇適正処理・資源化へ本格稼働する新焼却施設
安全・安心への取り組みで工夫

- 医療廃棄物処理施設最前線 -

産廃に比べ、料金的に割高とされる医療系廃棄物。その処理はビジネスとしてもまだまだ魅力があるようだ。昨年、医療系廃棄物を受け入れ、処理する中間処理施設の新設が相次いだ。持続可能な社会への移行のニーズを反映し、適正処理に加え、資源循環への取り組みや、より地域住民に配慮した安全・安心の取り組みなど、さまざまな工夫がみられる。


1月23日号ダイジェストニュース

◇廃石膏ボード分別装置を導入
日量17t処理能力で再資源に

- I・T・O -

木くずチップなど建設系と廃プラ・金属くずなど資源化処理の実績を持つ総合リサイクル事業のI・T・O(奈良市、伊藤孝助社長)は、天理リサイクルセンター(奈良県天理市)内に廃石膏ボード分別処理システム(細田企画製)を設置した。日量17.6トンの処理能力を持ち、新築と解体系の両方を対象に受け入れる計画だ。


◇廃プラ複合材を分離・再生
幅広い分野に応用可能

- アースリサイクル -

環境機器の開発・設計、コンサルティング業務を手掛けるアースリサイクル(兵庫県太子町、立花孝社長)は、処理困難物である廃プラスチック複合素材を化学的に分離、各原料ごとにリサイクルできる技術を開発した。


◇鉛バッテリー回収システム構築
有価買取、国内で資源化

- 加瀬興業 -

加瀬興業(本社・横浜市、若松敏彦社長)は1月から鉛バッテリーの回収事業に乗り出した。使用済み鉛バッテリーを事業者から有償で買い取り、三井金属鉱業子会社の神岡鉱業(岐阜県飛騨市)で鉛原料として資源化する。乾電池、蛍光灯のリサイクルを手掛ける野村興産(本社・東京)とその収集運搬に携わる協力会社のリサイクルネットワークを活用した回収スキームをつくる。


◇食Rループ認定を取得
ユニー食残の飼料化で

- 京都有機質資源 -

食品残さの飼料化事業を展開する京都有機質資源(京都府長岡京市、安田奉春社長)は、総合小売業のユニー(愛知県稲沢市)や養鶏業の鳥取レイクファーム(鳥取市)と連携して食品リサイクルループを構築し、改正食リ法に基づく「再生利用事業計画」の認定を取得した。


◇廃瓦の受け入れを強化
ネットワークの拡大目指す

- 馬場瓦工業 -

馬場瓦工業(和歌山市、馬場利幸社長)は、廃瓦の再生利用を着実に増加させている。今後の事業展望として、廃瓦のリサイクルネットワークを全国的に成長させていきたいとしている。


◇ASRプラを高度選別
マテリアル利用目指す

- 島津製作所 -

島津製作所は1月10日、自動車シュレッダーダスト(ASR)に含まれる廃プラスチック類を高精度選別する技術の開発を発表した。さまざまな素材が混在するASRから廃プラ、特にポリプロピレン(PP)だけを精選別することで、マテリアルリサイクルの確立を目指す。


◇熱回収施設認定を取得
千葉県で第1号に

- 市原ニューエナジー -

市原ニューエナジー(本社・千葉県市原市)は昨年12月27日付で、改正処理法で定められた熱回収施設設置者認定を取得した。2010年度の熱回収率が発電、熱供給、内部熱利用を合わせ平均約25%に上り、基準の熱回収率10%を上回っている。


◇製品や鉱種、地域は固定せず
特に再資源化すべきは16品目/輸出業者への売却を防止/どうリサイクルルートに乗せるか/回収量確保は 普及啓発が重要/促進型のシステム構築へ

- 小型家電リサイクル新制度 -

環境省が2014年度からの本格施行を目指している小型電気電子機器(小型家電)リサイクルの新制度案がまとまった。昨年12月22日に都内で開いた同制度に関する小委員会では、消費者や自治体に対して回収や再資源化を義務化せず、どの関係者からもリサイクル料金を徴収しない促進型の制度を目指すべきとした。


◇有用金属の国内循環促進へ
海外での不適正処理対策も強化/新制度で静脈産業活性化も
インタビュー 環境省 廃棄物・リサイクル対策部 リサイクル推進室 森下 哲室長

小型電子機器(小型家電)リサイクル制度創設の目的やリサイクルによって得られる効果、有用金属が含まれる使用済み製品の海外流出対策について、環境省廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室の森下哲室長に聞いた。


◇電子機器Rシステム構築への模索
社会制度整備への試み隆盛/法化議論の動向も影響大/官民が両輪となった取り組みを

- 小型家電リサイクル事例 -

有用金属資源の循環利用で昨今、最も注目を集めているのは使用済み小型家電類だ。製品に含有する金属資源の割合が比較的高いことや排出量・頻度の多さが取り沙汰される一方で、含有金属を積極的にリサイクルする仕組みが作られていないため、有用な金属を含んだまま最終処分されたり、不法持ち去りや海外流出したりしたケースが多かった。


◇5鉱種・7製品を横断的に
国内での資源確保が主眼/含有製品の排出増見据え

- レアメタルリサイクル -

経済産業省と環境省は、昨年11月から、使用済み製品からのレアメタルリサイクルに係る検討を開始した。今後レアメタルが使用されているハイブリッドカーをはじめとした次世代自動車や高機能家電などの排出量が増加してくることを見据えて現段階から対応策を講じていくことが重要になっている。資源確保の観点からレアメタルを含む主要製品全般を横断的に対象として幅広く検討し、リサイクルのあるべき姿を今夏までに取りまとめる。


◇再商品化率、再生材品位向上へ
樹脂を精選別、家電に採用増/ライン再編で生産性高める

- 家電リサイクル -

家電リサイクル法が2001年に施行されてから今年で12年目になる。09年度に再商品化基準が引き上げられたが、すべての家電製品メーカーが法で定める再商品化等基準を上回る高い水準で推移している。


◇能力活用は前処理が鍵
災害廃棄物の再資源化

- セメント業界のリサイクル -

昨年3月の東日本大震災で発生した災害廃棄物処理の受け皿として、1日に数千トンもの廃棄物を処理できるセメント工場に大きな期待が懸かっている。セメントメーカーと自治体間で災害廃棄物の性状や塩素濃度、放射能濃度などの受入条件について、何度も協議を重ねて本格的な処理がスタートした。


◇広域処理の取り組み加速
廃棄物使用量拡大へ/燃料化困難物も受入/前段階で除塩実施

- セメント業界のリサイクル -

セメント業界では、2010年度に2541万5000トンもの廃棄物・副産物を原料・熱エネルギー代替などとして使用した。輸出向けクリンカを含めたセメント生産量は5600万トンで、セメント製造1トン当たりの使用量は469キログラムと過去最高となった。


◇処理困難物の受入増加
転換期の焼却、埋立処分業/事業の海外展開も視野へ

- 廃棄物焼却・埋立処分動向 -

焼却処理と埋立処分に係る事業では、産業廃棄物の排出量が全体で減少している上に、排出事業者のゼロエミッションやリサイクルを志向するなどの要因が重なり、それぞれ大きな影響が出ている。焼却施設や管理型最終処分場を持つ処分業者では、受入量が減少傾向にあるところが少なくない。処理料金の下落も著しいという。


◇独自のサービスを提供

- 大規模処理施設特集 -

産業廃棄物排出量が減少している中で、首都圏では近年、処理能力200トン(1日当たり)以上の大型焼却施設の竣工が相次いだ。本紙では今回、大型施設を運営している3社を取材。各事業所ごとにリサイクル施設を併設しているJFE環境、微量PCBやPFOS含有消火薬剤などを処理しているDOWAエコシステム、ガス化溶融炉を保有し、ゼロエミッションを達成しているオリックス資源循環など、その処理能力を生かし、処理困難物の受け入れや、各種リサイクルの提案など、他社にはできない独自のサービスを提供している。


◇混合廃棄物と廃棄物由来燃料の動向
削減しにくい解体系廃棄物/求められる建設廃棄物の選別技術/建設系廃棄物の排出状況

- 岐路に立つ建設リサイクル -

国土交通省では「建設副産物実態調査」を1995年以降、5年ごとに実施、2002年度から簡易型も含め2-3年に一度、調査結果を公表している。同調査では、全国の公共・民間土木工事や建設工事から排出された建設副産物について、排出量や再資源化等の状況を調査している。


◇大手ゼネコンの取り組みを紹介
進む施工現場での発生抑制/混合廃棄物への対策が急務/排出事業者の取り組み

- 岐路に立つ建設リサイクル -

大手のゼネコン各社では、建物建設時や解体時に発生する建設系廃棄物対策が年々伸張しており、一部品目の中には9割を超えるリサイクル率を達成する時代に入った。木くずやがれき類などといった品目では、ある程度リサイクルが進んでいることから、建設汚泥や選別が困難となった建設副産物への対応を本格的に進めている。


◇3カ所の浄水場で発生2.4万t
広がる公共間無償提供/大阪広域水道企業団/水道「産廃」の有効利用

蛇口をひねれば出る水。誰もが当たり前のように利用しているその水を作る際、大量の「産業廃棄物」が発生しているという。それを有効利用につなげる取り組みが大阪にある。今なにかと話題になっている、大阪の公共団体。そこで広がる、「産業廃棄物」無償提供の仕組みとは?


◇業界挙げてCSRを推進
11月の全国大会で優れた取り組みを表彰

- 公益社団法人全国産業廃棄物連合会 CSR2プロジェクト -

企業が事業活動を行う中で社会的な公正さや環境への配慮、地域貢献などを通じ、かかわりのある利害関係社(ステークホルダー)に対し責任ある行動をとるべきだというCSR(企業の社会的責任)の考え方が広がっている。


◇2012年に海外で開催される主な環境展示会


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