循環経済新聞・バックナンバー“2015年9月度”

9月7日号ダイジェストニュース
◇復興、バイオマス目立つ
廃棄物エネ利用も推進/2016年度概算要求
 2016年度概算要求が発表された。環境省と経済産業省、国土交通省、農林水産省では、東日本大震災復興に絡めた防災・減災、バイオマス利活用の積極的な推進、廃棄物処理における低炭素化やエネルギー利用などが目立つ。

◇不用品で走る「デロリアン」
リサイクルで映画とコラボ/服からバイオエタノールを生産
- 日本環境設計/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン -
 日本環境設計(東京・千代田、岩元美智彦社長)とNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンは8月28日、成田市内で「FUKU‐FUKU×BTTF GO!デロリアン走行プロジェクト」を開始することを発表した。ショッピングモール(約1450店舗)などで集めた衣料品からバイオエタノールを生産し、10月21日にデロリアンを走行させる。

◇事業者向けサービス充実
手分解主体で高信頼性
- ジャルク -
 OA機器リサイクルのジャルク(大阪市、正木良昌社長)が手掛ける、製造業、工場、物流拠点、オフィスなどの事業所向け廃棄物処理サービスが好評だ。高精度な手分解・手選別で多種多様な廃棄物をリユース・リサイクル・廃棄処分できる体制を構築し、顧客の個別ニーズに対応した適正処理を実現している。

◇エコフィード事業開始
製品は飼料メーカーに/群馬で乾燥30t/日規模
- 高尾商店 -
 群馬県を拠点に、金属スクラップ業と産廃・一廃の収集運搬業を手掛ける高尾商店(同県大泉町、高尾和正社長)は、同県千代田町内の工業専用地域で、食品残さの飼料化事業をスタートした。一般廃棄物処分業の許可に基づいて、事業系一廃の食品残さから受け入れを始めており、産廃処分業の許可取得を待って9月中にも本稼働となる。

◇被災地向けに実績伸ばす
燃え殻等から再生骨材
- 東北交易 -
 タケエイグループで燃え殻・ばいじん・汚泥などを主原料に安定品質の再生砕石やインターロッキングブロック、各種平板ブロックを生産する東北交易(福島市、野村精逸社長)は、最近の再生製品の供給量が月間1000‐1200立方メートルと、2013年12月のグループ加盟時に比べ、約3倍に伸びていることを明らかにした。東日本大震災の復興で被災地の土木資材需要が高まっており、多い時は月間1500立方メートルに及ぶという。

◇災害廃棄物処理計画を策定
南海トラフ巨大地震等に備え
- 和歌山県 -
 和歌山県は、南海トラフ巨大地震や大規模水害の発生時に速やかな復旧・復興を図るため、「県災害廃棄物処理計画」を策定した。2011年に起きた紀伊半島豪雨等の教訓を生かし、災害廃棄物処理の基本的な考えや方法などを示したもの。県内市町村における計画の策定にも役立てていく。

◇ポイ捨て調査をより安く
画像解析システムを開発
- ピリカ -
 ポイ捨て問題を解決するため、ごみ拾いスマートフォンアプリ「PIRIKA(ピリカ)」を運営するピリカ(東京・目黒、小嶌不二夫社長)は、画像解析によるポイ捨て調査システム「タカノメ」を開発した。
 地域のポイ捨て数量調査は、多くの労力や人件費を必要とするが、同システムは大幅な省力化とともに高精度かつ広範囲な把握を可能にした。今年7月、目黒区の受託調査を行い、試験運用を行っている。

◇リニア工事で廃棄物増加
観光業が好調、入込客増に/製造業は回復が鈍く
甲信越・静岡エリア特集

 山梨県では人口83万4985人(2015年8月)を抱え、県内で活動する事業所数は4万4084カ所(12年)で、産業廃棄物の年間排出量は約136万トン(13年)に上る。県内の産業では観光業が好調で、14年の観光消費額は前年と比べて22.4%増加している。今後整備が計画されているリニア中央新幹線の工事が本格化すると、観光業への波及効果に加え、廃棄物排出量の増加といった影響が予測されている。

◇地産地消と広域事業展開
県施策は“2R”にも力点/北陸新幹線、リニアで変化の兆し
- 長野県 -
 精密機械、電子電気機器などの製造業、観光業、建設業、農林水産業などバランスがとれた産業がある長野県もリーマン・ショックや公共工事や農業を巡る状況変化など大きな転機を迎えている。一方、北陸新幹線が延伸したことで、人やビジネスの流れなどが大きく変わりつつある。将来的には、リニア中央新幹線開通で南信地域も変わることも予想される。
 廃棄物処理・リサイクル事業はこれら産業、交通インフラの変化、人口の動態変化に対して事業を堅持しつつ、いかに対応していくかが鍵を握る。

◇環日本海の拠点目指す
セメント、製紙が存在感/注目される再エネの行方
- 新潟県 -
 南北に広大な県土を有する新潟県。県央から県北にかけての金属製品加工業などの製造業やインフラ整備に貢献してきた建設業、国内屈指の農業、観光業など主な産業は大きな転換期にある。新潟港などはかつてから各種スクラップの輸出も盛んだった。今後、さまざまな再資源化事業にとっても、環日本海の拠点として発展することが求められている。

◇不法投棄撲滅へ監視強化
県医師協が医廃管理に注力/県内の最終処分場にゆとり
- 静岡県 -
 首都圏などの大消費地に近く、東海道の主要幹線が東西に走り、多彩な産業集積がみられることから、「産業のデパート」と称される静岡県。2013年度の産廃排出量は1086万2000トン。最終処分量は19万3000トンで排出量のわずか2%。最終処分場の残余年数は14年3月時点で管理型13年、安定型24年とゆとりがある。県内には数多くの中間処理施設が順調に稼働、排出量の9割が中間処理、その5割が減量化されている。

9月14日号ダイジェストニュース
◇廃液・有害物処理に進出
工場解体なども一気通貫で/イコールゼロの全株式取得
- タケエイ -
 タケエイ(本社・東京、山口仁司社長)は9月7日、廃酸・廃アルカリ、有害物処理を手掛けるイコールゼロ(長野市、林宏道社長)の全株式を取得、子会社化したことを明らかにした。建設系廃棄物などを中心に手掛けているタケエイにとって、廃液・有害物処理などまで扱えるようになり、工場解体などもトータルで提案できる。イコールゼロもタケエイの顧客への提案などで事業拡充につなげられる。

◇“ボトルtoボトル”へ
エキナカ自販機のPET/オリジナル分別箱も改良
- JR東日本ウォータービジネス -
 JR東日本ウォータービジネス(本社・東京、鈴木浩之社長)は、大宮・浦和エリアの一部の駅で、エキナカ自販機に備え付けた飲料容器分別箱から回収するPETボトルについて、メカニカルリサイクル向けに供給を開始した。使用済みPETボトルをJR東日本グループの東日本環境アクセス(本社・東京)を通じて、メカニカルリサイクルを手掛ける協栄産業(本社・栃木県小山市)などのリサイクル業者に供給する。同社では、「2年前程から社内外で協議してきた。単に飲料などを販売するだけでなく、循環型社会に寄与したい」と述べている。

◇フッ酸廃液を再資源化
廃ガラス発泡材で
- ミライエ/鳥取再資源化研究所 -
 堆肥化を中心とした環境プラントメーカーのミライエ(島根県松江市、島田義久社長)と、廃ガラス発泡材の研究開発に取り組む鳥取再資源化研究所(鳥取県北栄町、竹内義章社長)は共同で、ガラス発泡材「ポーラスα(アルファ)」を利用したフッ酸廃液からのフッ素リサイクルに取り組む。半導体や液晶パネルの製造工程から出る廃液の循環利用を進め、偏在資源の確保、廃棄物の削減にも貢献する。

◇飼料化で稼働率80%達成
既存取引先の信頼強みに
- 大本紙料 -
 大本紙料(神戸市、大本知昭社長)は、2011年に参入した食品残さの飼料化事業を順調に拡大させている。近畿圏内にある食品工場やスーパー等から、野菜・惣菜類・パン・ご飯などの原料を受け入れ、稼働率を約80%にまで高めた。
 同社は、古紙の回収・リサイクル事業を主軸にして、産廃および一廃を幅広く取り扱ってきた実績を持つ。食品リサイクルについては、スーパーなど既存の取引先からの要望を受けて参入を決めた。12年10月には、登録再生利用事業者の認証も取得。現在は日量15‐16トンの食品残さを受け入れ、完成した飼料原料を飼料メーカーに納入している。

◇瓦破砕物を擁壁施工に活用
有用性を実証
- 愛知県陶器瓦工業組合 -
  愛知県陶器瓦工業組合(愛知県高浜市、野口安廣理事長)は8月6日、三州瓦の製造工程で発生する規格外瓦の破砕物(シャモット)を使用した、L型擁壁施工実験を開始した。
 組合敷地内に設置する擁壁の基礎材・裏込材に、新たな試みとしてシャモットを用い、比較・検証を行う。砕石を用いた一般的な基礎と比べ、摩擦性や自立性などの違いを確かめる。有用性を実証できれば、瓦の用途拡大が図れる他、山砂などに代わる資材として活用でき、天然資源の採掘量削減につながる。

◇54万tを仮置場に搬入
解体実施は1200件に/福島県内災害廃棄物
 環境省は8月28日、福島県対策地域内11市町村における災害廃棄物等処理進捗状況(7月末時点)を公表した。仮置き場へ搬入された廃棄物は約54万トンで、被災家屋の解体撤去数は約1200件に上った。

◇フォークリフトをモデルチェンジ
新型エンジン搭載で性能向上
- ニチユ三菱フォークリフト -
 ニチユ三菱フォークリフトは9月1日、新型エンジンを搭載したディーゼル式フォークリフト「グリンディア」(2.0‐3.5トン積)を発売した。環境意識の高まりを背景に、排出ガス規制2014年基準に適合する自然吸気エンジン(ターボレス)を開発。燃費も従来車より20.4%低減している。エンジン性能を高めながら、環境負荷に配慮したモデルチェンジとなっており、年間7000台の販売を目指す。

9月21日号ダイジェストニュース
◇解体大手、建リ事業に進出
最大級の建設廃材施設/4000t停泊のバースも
- ナベカヰ -
 解体工事大手のナベカヰ(東京・江東、渡邊龍一社長)は新会社ノスヴァモスを通じて、建設リサイクル事業に進出した。千葉県市川市の東京湾岸エリアの工業団地内に1万坪の土地を確保し、総工費100億円を投じて規模・処理能力で国内最大級を誇るリサイクル施設を新設した。9月11日に現地で竣工式を行い、10月1日から稼働開始の予定だ。

◇簡単連絡で戸別に訪問
資源回収の新サービス/古紙、古着など対象に
- 北海紙管 -
 北海紙管(札幌市、長谷川裕一社長)は今夏から札幌市全域と新潟市の一部で、一般消費者の利便性向上などを目的に、資源物を回収するサービス「いつでもっかい」を開始した。長谷川社長は、「当社はこれまで戸別の回収については回収業者に任せており、消費者の方に直接対応することはなかった。コンプライアンスの向上に役立つ他、当社を多くの人に知ってもらえる。また回収業者の方が抱える課題などがしっかり理解できることも重要で、関係強化に役立っている。将来的には地域の回収業者とより強固な関係を作っていきたい」と述べている。

◇省令改正、WGの議論へ
鉄スクラップ値下落に危惧も/自動車リサイクル法見直し
- 産構審・中環審 -
 産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルワーキンググループと中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会は9月14日、東京都内で第43回合同会合を開き、自動車リサイクル法見直しに関する報告書をとりまとめた。原案をパブリックコメント(意見数53件)にかけて作成したもので、両審議会の委員長に提出するとともに、経済産業省、環境省では法の省令改正や詳細事項に係るワーキンググループでの議論に入る。

◇食リで一廃許可を取得
自社で堆肥化、事業拡大へ
- 楽しい -
 「楽しい」(福岡県北九州市、松尾康志社長)は、同社敷地内に食品リサイクルセンターを新設し、自社で食品残さを堆肥化する事業に乗り出した。3月30日には一般廃棄物収集運搬業、7月16日には一廃処分業の許可を取得済み。これまでの生ごみ処理機によるオンサイト事業のノウハウを発展させ、事業拡大を図る。

◇建設汚泥、残土など一体的管理
方針打ち出す/講演と交流の集い
- 建設廃棄物協同組合 -
 建設廃棄物協同組合(東京・中央、島田啓三理事長)は9月11日、「講演と交流の集い」を開催し、島田理事長は、検討を続けてきた建設汚泥のリサイクルについての適正処理方策として、(1)建設汚泥改良土の建設工事での利用促進(2)建設汚泥処理土の個別指定を活用した利用促進(3)建設汚泥処理土と建設発生土の一体的管理の3つの方針により、建設汚泥のリサイクルを進めていく方針を打ち出した。

◇記録的豪雨で土のう袋流出
内容物の一部がなくなる
- 除染廃棄物 -
 9月10日から11日にかけて発生した記録的豪雨の影響で、福島県内の除染作業で発生した廃棄物を収納している大型土のう袋等が河川に流出したことが分かった。すでに現場作業員が一部を回収しているが、内容物がなくなった袋もあるという。
 廃棄物の流出が確認されたのは、国直轄で除染を行っている飯舘村内。比曽川、新田川、飯樋川、真野川、堰場川が増水し、農地に水が流入、除染時に現地置きしていた大型土のう袋等が河川に流出した。

◇低照度でも鮮明な画像記録
異常感知、スマホへ通知
- カシオビジネスサービス -
 カシオビジネスサービス(東京都羽村市、磯崎雅樹社長)は、有価物の防犯意識の高まりを受け、金属スクラップ業者を中心に防犯カメラシステムの導入を伸ばす。処理業者のネットワークカメラの設置、複数拠点で同時監視システムが広がりをみせる中、防犯診断を含め、問い合わせが増加している。

9月28日号ダイジェストニュース
◇関東・東北豪雨、爪あと深く
仮置き場に次々搬入/災害廃棄物対策急務に
 台風18号とそれに続く低気圧による集中豪雨に見舞われた関東・東北地域で、膨大な量の災害廃棄物処理が急務になってきた。人命救助や行方不明者捜索、電気・水道などのライフライン復旧が進められる一方で、現地では自治体が設けた仮置き場に続々と災害廃棄物が搬入されている。鬼怒川が決壊して甚大な被害に見舞われた茨城県常総市の現場を訪ねた。

◇廃プラを粉砕洗浄、油化、発電
11月中に嵐山工場に設備完成/出力1000kW、工場で利用
- 松屋フーズ -
 牛めしなどを手掛ける外食チェーン大手の松屋フーズは、同社嵐山工場(埼玉県嵐山町)に11月中をめどとして、店舗で発生する廃プラスチックを油化・発電する設備が完成することになった。発電出力は1000キロワットで、全量を工場で利用する。安藤吉信・環境事業推進担当部長は、「生ごみの堆肥化など、当社の環境対策の延長線上の取り組み。環境とエネルギー対策、コスト削減の観点からあらゆるリサイクル手法を検討、実験、実地見学して、油化・発電を始めることにした」と述べている。

◇地域の自治体・企業と連携
小型家電の集荷拡大へ/退蔵品の排出促進
- ニッコー・ファインメック -
 ニッコー・ファインメック(岩手県一関市、小野寺真澄社長)は地域の自治体や企業と連携し、小型家電の集荷拡大を図る。一関市では従来のボックス回収とピックアップ回収に加え、今月末から公共施設7カ所に情報機器専用の回収ボックスを置く他、大規模事業所にも小型家電回収ボックスを設置し、退蔵された小型家電の排出を促進する。

◇堆肥化で大規模省エネシステム
自社適用と併せ外部供与
- バイオマスソリューションズ -
 環境事業を多角展開する渡邊清掃の関連会社で、廃棄物系バイオマスを飼肥料に再資源化するバイオマスソリューションズ(北海道別海町、藤本達也社長)は、帯広畜産大学の特許(第5565773号)を使用し「堆肥化施設省エネシステム」を帯広畜産大学宮竹研究室およびハイテックシステムと共同開発した。発酵段階における好気性微生物の必要通気量の増減に着目し、エアレーション用送風機を発酵に必要な送風のみ行うよう自動制御することで、送風機の消費電力50%削減を実現した。自社施設への導入で実績を上げ、新たに外部向けのシステム供与を開始した。

◇保管容量を約4倍に拡張
長期休転へ体制整備
- ナコード -
 ナコード(東京・中央、竹久平治社長)は、袖ヶ浦リサイクルセンター(千葉県袖ヶ浦市)の廃石膏ボード保管施設容量を9096立方メートル(約4000トン)拡張し、合計約1万2617立方メートル(約5500トン)を一時保管できるよう千葉県に変更届を提出し、受理された。これにより、施設に搬入される廃石膏ボードを約10日分保管できるようになった。さらに石膏の製品タンクを1基増設したことで製品の「出口」も整備。長期休転に対応できる体制を整えた。今後、施設のインフラなどの改修を進めていく。

◇支援ネットワークが発足
全産連など17団体が参画
- D.Waste‐Net -
 災害廃棄物の処理を支援するためのネットワーク「D.Waste‐Net」の発足式が9月16日東京都内で行われ、(公社)全国産業廃棄物連合会をはじめとした17団体が参画団体として任命された。

◇高性能ごみ選別ロボット
販売代理店契約を締結/日本に初めて紹介
- サナース -
 サナース(横浜市、海老原豊社長)は、世界で唯一、廃棄物を選別する高性能ロボットシステム「ゼンロボティクスリサイクラー」(ZRR)の輸入・販売を開始した。
 同製品を製造しているゼンロボティクス社(フィンランド)と販売代理店契約を締結、日本に初めて紹介する。高度な人工知能制御システムにより24時間・週7日間、効率的に人の手の代わりをする。初年度10台の納入を目指す。

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