循環経済新聞・バックナンバー“2016年3月度”

3月7日号ダイジェストニュース
◇競争促進で費用低減を
総合的評価、入札など検討へ
容リ法見直し第16回合同会合

- 産構審/中環審 -
 産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループと中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会による容器包装リサイクル法見直しの第16回合同会合が2月25日、東京都内で開催された。プラスチック製容器包装(その他プラ)の材料リサイクルに係る総合的評価や一般枠の入札参加者の拡大などの見直しを行うことで再商品化事業者の競争を促進し、品質を向上するとともに再商品化費用を低減する方向性などが示された。

◇雑がみを選別、リサイクル
焼却からの転換を提案
光学選別含む独自のライン

- 都市環境エンジニアリング -
 都市環境エンジニアリング(本社・東京、伊藤憲男社長)は、オフィスやテナントで排出される紙ごみが多い廃棄物から雑がみを選別、再生利用するサービスの提案営業を強化する。2013年7月に同社の京浜島工場(東京・大田)に設置した、国内でも珍しい雑がみリサイクル専用の選別ラインを使ったサービス。伊藤社長は、「光学式選別機も組み込んだラインで、おそらく全国でも唯一の設備だろう。稼働開始以来、徐々に受注も増えており、今後さらに、リサイクルを進めたい排出事業者への提案をしていきたい」と述べている。

◇政府一丸で処理完了へ
PCB特措法の改正案を閣議決定
使用停止と廃棄を義務付け

 政府は今月1日、「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、今国会に提出する。改正案では「PCB廃棄物処理基本計画」で定めた処理期限の達成に向け、同計画を閣議決定で定めることなどを明記した。

◇オンサイト処理システムを提案
食品廃棄物を飼料原料に
- 環境テクシス -
 食品残さの飼肥料化事業を展開する環境テクシス(愛知県豊川市、高橋慶社長)は、排出事業者にオンサイト処理を提案し、これまで廃棄されていた食品残さを飼料原料として販売できる仕組みづくりを手掛ける。中小の事業者でも取り組みやすく、昨今問題となっている不正転売の防止にも有効だとして好調だ。

◇汚染土壌保管庫を新設
日量1000tの分別設備も併設
- サンコーリサイクル -
 建設汚泥や汚染土壌の処理を手掛けるサンコーリサイクル(愛知県東海市、金田英和社長)は、分別等処理設備を備えた汚染土壌保管庫を新設し、2月26日に竣工式を開催した。土壌の最大保管数量は約3000トン。分別等処理設備を併設し、日量約1000トンの分別処理が可能となっている。竣工式には、地元メディアが多数集まり、注目度の高さを示した。

◇推計量見直し、116万tに
処理スケジュール策定へ
- 対策地域内の処理状況 -
 環境省は2月、福島県内対策地域の災害廃棄物等について推計量の見直しを行った結果、約116万5000トンになったことを発表した。各市町村と協議した上で、4月末までに処理スケジュールを設定する予定だ。
 対策地域内(南相馬市、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、飯舘村、川俣町、葛尾村、田村市、川内村の11市町村)災害廃棄物等の推計量は当初約80万トンとされていたが、荒廃家屋の処理を対象としたことから当初の推計量とずれが生じたため、見直しを行った。

◇温風発生装置を発売
木質燃料による暖房提案
- ヒグマ乾燥機 -
 ヒグマ乾燥機(北海道旭川市、鈴木吉彦社長)は、木質バイオマスボイラー温風発生装置「エコボちゃん」を製造し、今夏から本格的に販売を開始する。薪や間伐材、製材・建築端材をそのまま燃料として使用でき、石油系ボイラーと比べ燃料費を5分の1以下にまで抑えられる。すでに道内外で5台を受注しており、農業ハウスや製材所、畜舎、集会所、公共施設向けに販売を進める。

◇環境、経済、資源の便益を一体化
世界の人口増と産業成長に備え
国際的な議論が活発に/日欧の資源効率政策

 欧州委員会が打ち出した「資源効率(resource efficiency)」とそれを実行するための重要なテーマの一つである「循環経済(circular economy)」政策。この政策では、資源効率の向上により長期的な原材料の確保やエネルギーコスト低減、気候変動リスクなどに備えることを目的とし、「環境」と「経済」、「資源」を一体化し、それぞれに利益をもたらすとうたっている。昨年のドイツ・エルマウで開かれた先進7カ国(G7)首脳会議や国連持続可能な開発サミットでも言及されるなど資源効率や循環経済に対する国際的な議論が活発化している。

3月14日号ダイジェストニュース
◇災害時の協力体制が必要
5年を迎えた被災地で議論/スプリングカンファレンスで
- 全産廃連青年部協議会 -
 全国産業廃棄物連合会青年部協議会(仲田陽介会長)は3月4日、宮城県名取市と仙台市で開かれた「スプリングカンファレンス2016」で、東日本大震災での災害廃棄物処理の経験を踏まえ、全国ネットでの本格的な防災・災害廃棄物処理体制の在り方について議論した。東日本大震災で難航した広域処理の実情をもとに、今後発生が予測されている南海トラフ地震の懸念があるエリアからの参加者から費用負担の在り方などについて鋭い意見などがあがった。

◇電マニASPで効率向上
顧客とWin‐Winの関係に/一元管理の要望にも対応
- 紺野企業 -
 紺野企業(神奈川県綾瀬市、紺野大三郎社長)は、エスエムエス(本社・和歌山市、辻雅敏社長)のASPを活用した電子マニフェストシステム「産廃イチロー」を導入、顧客である排出事業者と自社の事務負担を大幅に軽減し、“Win‐Win”の信頼関係を構築することに成功した。従来からエスエムエス社の「産廃シリーズ」ソフトによる紙マニフェスト運用を行っていたが、昨年10月に電子マニフェストシステム「SMS‐ASP」に切り換え、顧客への提案を進めてきた。紺野社長は、「顧客からの評判も上々。現在の普及率約50%から、年内には80~90%を目指す」と述べている。

◇4社で合同会社を設立
太陽光発電モジュール回収/リユース・リサイクルを一括展開
 自然エネルギー関連事業を展開するネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)と廃棄物処理・リサイクル業の市川環境エンジニアリング(千葉県市川市)、リサイクルテック・ジャパン(名古屋市)、環境リサイクル機器メーカーの近畿工業(兵庫県三木市)は今月1日、太陽光発電モジュールのリユース・リサイクルを手掛ける合同会社「アールツーソリューション」(東京・中央)を設立した。

◇食品事業者を徹底監視
転売問題で都道府県に通知/営業実態確認へ立入検査
- 厚生労働省 -
 本紙既報の通り、消費者庁を中心に構成する「食品行政に関する関係府省連絡会議」は2月26日、廃棄食品の不正流通に関する今後の対応を取りまとめた。これを受けて厚生労働省は、各都道府県・保健所設置市などに対し、食品等事業者への監視指導の徹底や、食品衛生監視指導計画に基づく立入検査について通知している。

◇建設リサイクル優良者を表彰
年2万tがれき処理や水銀回収
- 近畿地方連絡協議会 -
 建設副産物対策近畿地方連絡協議会は2月29日、追手門学院 大阪城スクエア・大手前ホール(大阪市)で、近畿地方において建設リサイクルの推進を自主的・積極的に取り組む事業者などの活動を賞する「近畿建設リサイクル表彰式」を開催した。表彰式には、業界関係者ら約150人が出席。今年で6回目となる同表彰では、尾花組(和歌山県)と野村興産(東京・中央)関西営業所が会長賞を受賞した。

◇特定産廃等の要件見直しへ
現状報告や検討案を提示/放射性物質汚染廃棄物
 環境省は3月2日、東京都内で「放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会(第4回)」を開催した。特定一般・産業廃棄物の処理・処分について現状報告や要件見直し案の提示が行われた。
 前回(第3回検討会)の議論を踏まえ、特定一般・産業廃棄物の要件について対象地域や対象施設・廃棄物の種類などについて見直す。

◇バイオガス発電、本格販売
食品メーカー、処理業者に/消化廃液を液肥に
- 三鈴工業 -
 主に工場の排水処理装置の設計・施工を手掛ける三鈴工業(浜松市、鈴木正史社長)はバイオガス発電システムを開発、本格販売を開始した。地元・静岡県内で食品廃棄物を排出する中小の食品メーカーやスーパーの他、産廃処理業者にも提案する。

3月21日号ダイジェストニュース
◇2年半に及ぶ審議終了
材料リ優先など巡り意見続出/容リ法見直しの合同会合
- 産構審/中環審 -
 産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループと中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会による容器包装リサイクル法見直しの第17回合同会合が3月16日、東京都内で開催された。2年半にわたって続いた議論だが、今回で報告書案をまとめ、パブリックコメントにかけ、最終的な報告書としてそれぞれの審議会に提出された後、法見直しの作業に入る。

◇国内リサイクルの基盤強化
アルカリ洗浄の新工場竣工へ
- 協栄産業 古澤栄一社長 -
 PETボトルリサイクルなどを手掛ける協栄産業(本社・栃木県小山市、古澤栄一社長)は今夏をめどとして、茨城県笠間市内に使用済みPETボトルをアルカリ洗浄するグループ会社の新工場を竣工する。年間洗浄能力は約2万トン。“ボトルtoボトル”などの高度リサイクルを強化するとともに、同業の再商品化事業者の事業をバックアップすることが狙いだ。

◇廃棄スプレー缶を処理
年間1000t受け入れへ/破砕処理装置を設置
- JFE環境 -
 JFE環境(横浜市、営業本部サーマル・ケミカル営業部)は、廃棄になったスプレー缶商品を破砕、処理する事業を今春、本格的に開始する。これまで受け入れが難しかった廃棄商品処理に対応するもので年間1000トンの受け入れを目指す。

◇排出者責任を徹底へ
不正転売の再発防止策/適正料金チェックも
- 環境省 -
 環境省は14日、食品廃棄物の不適正な転売事案に対する再発防止策を公表した。2月に公表した再発防止のための対応案に対して、中央環境審議会循環型社会部会で指摘された意見などを踏まえて正式な対応策をまとめたもので、排出事業者責任の徹底に必要な措置について、チェックリストを作成することなどを新たに盛り込んだ。

◇全国石膏ボードリサイクルネットワーク設立へ
企業、業界団体など連携を
土質系固化材向けガイドライン作成目指す

- (一社)泥土リサイクル協会 -
 廃石膏ボードは増加し続けている一方で、硫化水素の発生やフッ素などの環境安全性の確保が危惧されるため、リサイクル製品として評価されにくい側面がある。自治体ごとに関連する基準などが異なっているため、安全性を一様に担保できる指標がないことが原因と言われており、そのためのリサイクルの指標となるガイドラインやマニュアルの必要性が指摘されている。

◇里山再生モデル事業を実施
森林除染で新たな方針
- 環境省/復興庁/農林水産省 -
 環境省と復興庁、農林水産省は、3月9日に東京都内で行った「福島の森林・林業の再生のための関係省庁プロジェクトチーム」の中で、新たに「里山再生モデル事業」を実施することを明かした。環境省の除染事業、林野庁の林業再生事業、復興庁の福島再生加速化交付金事業を組み合わせた取り組みを行う。

◇年間登録2105万件
電子化率42%を維持/5割達成最終年度へ
電子マニフェスト

 (公財)日本産業廃棄物処理振興センター(岡澤和好理事長)は3月1日、電子マニフェストの最新の利用状況を明らかにした。
 2016年2月度の月間登録件数は187万8000件で前年同月比16%増、直近1年間の登録件数は2105万件(15年3月~16年2月)で電子化率は42%、今年1月と同率を維持した。2月度の電子マニフェスト加入者数は13万7245で内訳は排出事業者11万3843、収集運搬業者1万5557、処理業者7845となっている。

3月28日号ダイジェストニュース
◇第7次経営計画スタート
2020年度売上高700億円目指す
- 大栄環境ホールディングス -
 大栄環境ホールディングス(神戸市、金子文雄社長)は3月8日、2016年度からスタートする「第7次経営計画」を発表した。20年度までにグループ全体で290億円の設備投資を行い、同年度売上高700億円、計上利益70億円、純資産500億円、自己資本率50%とする目標を設定。強固な財務基盤を構築し、森林保全事業などへの投資も積極的に行っていく考えだ。

◇年3000t出荷、販売増加
住宅分野にも販路拡大へ/容リプラ利用の再生木材
- ハンディテクノ -
 ハンディテクノ(本社・東京、上手正行社長)は、容器包装プラスチック製の再生ペレット(容リペレット)と木質廃材などでつくる再生木材「ハンディウッド」について、現在年間約3000トンを製造・出荷し、近年の販売量は年率10%で伸びていることを明らかにした。ゼネコンが手掛ける各種商業施設や学校向けが多く、この分野で容リペレットを利用した再生木材では国内トップの実績を持つという。上手創地商品事業部長は、「2011年にLIXILグループに参加した。今後は、住宅向けにも販売を増やしたい」と述べている。

◇研究開発の最終段階に
炭素繊維強化樹脂を再生/今春からサンプル出荷開始
- カーボンファイバーリサイクル工業 -
 カーボンファイバーリサイクル工業(岐阜県御嵩町、板津秀人社長)と岐阜大学による「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)リサイクル研究開発プロジェクト」が事業化に向けた最終段階にこぎ着けた。瓦製造の焼成技術をCFRPの熱分解工程に応用することで、エネルギーコストを大幅に低減。再生炭素繊維の品質改善にも取り組み、今春から断熱材や樹脂強化材向けにサンプル出荷を開始する。

◇消化ガスでPFI事業
4月から発電開始/太陽光を併設
- 佐野ハイブリッド発電 -
 栃木県の佐野市水処理センターで、PFIによる消化ガスと太陽光を使った発電事業の準備を進めてきた特別目的会社(SPC)佐野ハイブリッド発電(同市、小坂井恒一社長)は、4月から発電を開始する。代表企業の大原鉄工所(新潟県長岡市)は、石川県と埼玉県でも下水消化ガスを使った発電でPFI事業の協定を結んでおり、3カ所で年間約2億円の売上を見込む。

◇廃プラ圧縮機を導入
最終処分量を3割削減
- サンワ環境 -
 建設系廃棄物の収運や処理を手掛けるサンワ環境(佐賀県神埼市、今泉利彦社長)は、最終処分量削減の一環として、廃プラ圧縮機を導入した。これには、佐賀県リサイクル産業育成支援事業補助金を活用。解体現場から発生する廃プラスチックの再資源化を高める。

◇排出事業者責任強化へ
緊急要望を提出
- (一社)全国清掃事業連合会 -
 廃棄食品の転売事案等を受け、(一社)全国清掃事業連合会は「廃棄物の不適正処理の撲滅に向けて」とする緊急要望を環境省に提出した。廃棄物処理法の趣旨に沿った処理遂行の徹底とともに現地確認の一部義務化、排出事業者自身による廃棄物管理の徹底等に関する要望を盛り込んだ。

◇先進のタワーヤーダー
MM社と販売提携
- 緑産 -
 緑産(相模原市、小菅勝治社長)は、オーストリアのマイヤー・メルンホフ・フォレストテクニック社(以下MM社)と販売提携を結び、同社の先進技術を搭載したタワーヤーダーを国内向けに販売することになった。

◇示されつつある復興への道筋
貯蔵施設など見通しが立つ/災害廃処理・除染が進む
震災から5年、福島の現在

 2011年3月11日に東日本大震災が発生してから5年が経過した。宮城県と岩手県ではすでに災害廃棄物等の処理が完了し、復興に向けた工事が進んでいる。福島県では、対策地域内(11市町村)における災害廃棄物等の処理や除染作業が進行中で、受け皿となる中間貯蔵施設設置に向けた地権者交渉も同時並行で行われている。今年2月には、受入・分別施設や土壌貯蔵施設、仮設焼却炉などの本格施設の設置方針が示されるなど、復興への道筋が示されつつある。

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