循環経済新聞・バックナンバー“2016年11月度”

11月7日号ダイジェストニュース
◇硫化水素吸着材を開発
処分場内利用、秋田市が承認/操業開始のエコプラネット富士で製造
- セイフコ -
 セイフコ(本社・静岡県浜松市、渡辺忠隆社長、エコプラネット富士)は9月、硫化水素吸着機能を持つ覆土材商品「SRS H2S」(特許出願中)について、秋田市から最終処分場内での利用承認を受けた。有害物質溶出の恐れがないばいじんや燃え殻、汚染土壌を基材として、薬剤を混合して製造する。硫化水素対策への画期的な取り組みとして注目される。

◇信頼性向上、廃材利用促進
品質マネジメントでJIS/プラ再生材料の事業プロセス
- 経済産業省 -
 経済産業省は10月20日、プラスチック再生材料の事業プロセスの信頼性向上に資する品質マネジメントシステム(JIS Q9001)の分野別指標について、「新市場創造型標準化制度」を活用してJIS Q9091を制定した。JISが要求する管理項目について、主にリサイクルコンパウンダーに適用した場合の事例を示した内容になっており、プロセスの信頼性を高め、需要家企業による廃材利用の促進を図る。

◇製品廃棄物トレース
排出側の負担軽減へ
- 大栄環境 -
 大栄環境は10月から、「製品廃棄物トレーサビリティサービス」の提供を開始した。廃棄物の運搬や処理状況をリアルタイムで把握できるシステムを構築し、処理状況の"見える化"を実現。コンプライアンスチェックと排出側担当者の負担軽減を両立する仕組みとして、全国展開する。

◇飼料品質を重視
排出者の信頼得る取組に
- 中部有機リサイクル -
 ダイコー事件以降、食品リサイクル業者の優良性を求める声が高まる中、名古屋市内の登録再生利用事業者、中部有機リサイクル(同市、前川覚社長)は、飼料の品質を重視したエコフィード事業で食品関連事業者との強固な信頼関係を構築している。エコフィード認証の取得や食リループの構築を通じて培ったノウハウをもとに、数年前から食リ飼料化のコンサルとしても展開する。

◇合法木材関連や、木質ボードの世界状況など議論
クリーンウッド法、デューデリなど解説も
- 木材加工技術協会ボード部会/日本繊維板工業会 -
 (公社)木材加工技術協会(東京・文京、服部順昭会長)のボード部会は10月27日、都内で日本繊維板工業会(東京・中央、澤木良次会長)とともに第25回木質ボード部会シンポジウムを「木質ボードの最新動向と今後の展開」とのテーマで開催し、来春から施行されるクリーンウッド法や、木質ボードの環境影響、世界状況など幅広く議論された。

◇汚染土壌の対策案まとまる
調査方法などの要件提示
- 中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会 -
 中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度小委員会で検討が進められてきた「今後の土壌汚染対策の在り方について(答申案)」が10月20日に公表された。土壌汚染状況調査・区域指定や要措置区域等における対策・処理などについて案が提示されている。

◇自転車で飲料水を
緊急浄水装置の普及へ
- JICA関西 -
 国際協力機構(JICA)の関西支部であるJICA関西は10月、滋賀県内で開催の環境展示会で、支援企業が展開する自転車一体型浄水装置「シクロクリーン」の実演紹介を行った。自転車をこぐだけで、プールや河川などから水を汲み上げ、安全な飲料水に処理。衛生的な水の供給が困難な発展途上国向けだけでなく、災害発生時の備えとして国内でも普及を目指す。

11月14日号ダイジェストニュース
◇廃棄物と資源にトータル対応
静脈産業モデル工場を開設/スズトク、大栄環境が共同出資
- メジャーヴィーナス・ジャパン -
 資源リサイクル業のスズトクホールディングスと廃棄物処理業の大栄環境ホールディングスの共同出資会社、「メジャーヴィーナス・ジャパン」(MVJ、東京・千代田、金子文雄社長)が今月1日、始動した。東京・江東に第1号となる工場「東京エコファクトリー」を開設し、資源リサイクルと廃棄物処理サービスをワンストップで提供する。

◇廃塩ビ管リサイクルに補助
復旧工事とは別のスキームで/熊本地震被災地支援へ
- 塩化ビニル管・継手協会 -
 塩化ビニル管・継手協会(東京・港、田畑勝治会長)は、熊本地震の被災地への支援として、地震で発生した塩ビ管の廃材処理の円滑化と回収から粉砕、再生原料を利用した塩ビ管製造までの取り組みに係る「リサイクル処理補助制度」を創設し、10月21日から運用を開始した。自治体が行う災害廃棄物処理とは別の日本初の自主的な取り組みで、関連省庁や自治体からも災害で発生した廃材の資源有効活用として高い評価を受けている。

◇低濃度PCBの無害化
トータル対応で処理促進
- 光和精鉱 -
 非鉄金属リサイクルを中心に廃棄物処理事業を展開する光和精鉱(北九州市、石橋幸雄社長)は、低濃度PCB廃棄物の無害化処理に注力する。大型電気機器やOFケーブルなど、処理が難しい品目へも積極的に対応。抜油や解体から無害化、処理残さの完全リサイクルまでを含めたトータルサービスで、期限内の処理完了に貢献していきたい考えだ。

◇廃食用油の回収量3倍に
開設5年、B100を販売
- 大崎バイオマス事業所あぐりーんみやぎ -
 宮城県内から出る廃食用油を回収、バイオディーゼル燃料(BDF)を精製している大崎バイオマス事業所あぐりーんみやぎ(宮城県大崎市)は、開設から5年で回収量が約3倍に増えたことを明らかにした。地元密着でB100に特化し、販売。着実に利用を広げている。

◇災害廃の広域処理に協力
会員増で新体制
- 東海木材資源リサイクル協会 -
 東海木材資源リサイクル協会(名古屋市、山口昭彦会長)は11月4日、愛知県産業労働センターで第32期通常総会を開催し、この中で認定NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会が熊本地震の災害廃処理の協力要請を受け、必要な品質や到着価格などのヒアリングを開始したことを明らかにした。

◇第8回総会を熊本で開催
活発な情報交流、復興支援も
- 西日本環境ネットワーク -
 西日本環境ネットワーク(事務局・熊本メスキュード内)は10月25日、熊本市のホテルメルパルク熊本で、第8回目となる総会を開催した。主に九州で廃棄物の収集運搬・処分を手掛ける事業者の他、全国のメーカー、物流関連など幅広い業種から44社約60人が参加。今回は熊本地震の被災地の復興支援を兼ねており、活発な情報交換を行った。

◇過熱蒸気で有機性廃棄物を処理
オンサイトで減容可能
- エコネット -
 エコネット(滋賀県彦根市、吉田達也社長)は、東洋技研製の有機性廃棄物処理装置「Casumi Carbon Coupe」を総括販売店4社とともに、主として愛知県エリアで販売することになった。装置は、酸触媒である化炭(かすみ)と過熱蒸気を用いて、有機性廃棄物を分解・炭化するもの。処理対象は食品製造工場や老人福祉施設、スーパーなどから出る食品残さ、紙おむつ、感染性廃棄物等。同社を含む総括販売店(計5社)を軸に拡販を進め、年間100台の販売を目指す。

◇複数の台風など豪雨被害大きく
輸送距離大きく、降雪も、コスト低減/適正処理・処分中心だが、リサイクルも
北海道エリア特集

 北海道のリサイクル業は本州とはさまざまな面で異なっている。例えば距離の面については、札幌と旭川で大阪名古屋間と同等程度の距離があることから分かるように、都市間での移動もスケールが異なる。広大な土地があることなどから、適正処理が処理業の中核をなすことが多く、あくまでもリサイクルが中心となる本州の大都市圏などとは異なる面も多い。今年は夏から秋にかけて、ほとんど来ることのなかった台風が複数回にわたり来襲し、大きな爪あとを残している。

◇木質バイオマスと地域活性化
林業者不足など課題も/地域一体型が進む東北の木質バイオマス発電
 東北でも木質バイオマス発電が増加しており、2020年辺りまでに合計で17件程度が稼働となる(本紙調べ)。
 木質バイオマス発電所の運営にはさまざまなノウハウが必要だ。日本最大の国産材メーカーのトーセンと地域の森林組合がタッグを組んでいる鶴岡バイオマス発電所のように製材業や林業などの木材産業が主体となれば、集材や木材の取り扱いに長けているため、アドバンテージは大きい。しかし必ずしもそれができないのが今の木材産業の状況だ。環境や地域活性などへの取り組みを進める他の企業や、それに加えて発電などのノウハウを持つ企業などと木材産業が協力するケースが多い。

◇大型の焼却施設が開業
低濃度PCB、困難物を受入/管理型処分場の整備も進む
焼却と最終処分場

 東北エリアの焼却施設と最終処分場は、東北エリア内だけでなく首都圏で排出される廃棄物の受け皿としても機能してきた。近年、焼却施設に関しては大型施設の開業が目立つ。また、高度な焼却処理の技術を生かし、低濃度PCB廃棄物の無害化や困難物の処理を手掛ける事業者もいる。一方、最終処分場については、東日本大震災で発生した災害廃棄物や復旧・復興工事などの影響に伴い、一時はひっ迫した事態だと言われたものの、複数の管理型最終処分場で新設・増設が行われた結果、円滑化しつつある。東北エリアの焼却処理と最終処分の事業者の取り組みを紹介する。

◇工夫重ねるビジネスモデル
高品質化、農業法人との連携も/地域の廃棄物
 東北でも排出事業者や自治体と連携しながら、地域の廃棄物を循環資源として利用する取り組みが進んでいる。新たな用途先を広げようとリサイクル品の品質を高めたり、利用者を増やそうとしたり、工夫を重ねるビジネスモデルは少なくない。秋田で結婚式場から出る調理くずの堆肥化を手掛ける秋田協同清掃、高品質の肥料づくりに取り組む岩手環境事業センター、宮城県内で廃食用油のBDF事業を推し進める大崎バイオマス事業所あぐりーんみやぎ、リサイクル堆肥の新たな利用者確保に向け、農業法人との連携を模索する平和物産――。本紙注目の4事例を紹介する。

11月21日号ダイジェストニュース
◇「どこに持っていくか?」
再生でも燃料化でも課題/関東の“雑プラ”処理
 広域関東圏で、異物・複数樹脂混じりの低グレードの廃プラスチック・プラスチックスクラップ(いわゆる「雑プラ」)の処理に混乱が起きている。中国でのプラ国産化や規制強化により低グレードスクラップの需要が激減するとともに、国内再生利用・燃料化で発生する雑プラをメインとする残さの処理費が業者の経営を圧迫しつつある。

◇リサイクル率100%維持へ
CO2排出1%削減目標/エコアクション21を取得
- 芦名商会 -
 産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬・中間処理、リサイクルを手掛ける芦名商会(本社・岩手県盛岡市、芦名鉄雄社長、事業本部)は10月28日、環境マネジメントシステムに係る「エコアクション21」の認証を取得した。PETボトルや缶類、発泡スチロールなど受託した産業廃棄物のリサイクル率100%を維持し続けるとともに、収集運搬や中間処理で発生する二酸化炭素(CO2)の排出量1%削減を目指す。芦名英樹常務は、「会社を継続的にレベルアップする。環境負荷削減とともに、親しみが持てるホームページやキャラクターでラッピングした収集運搬車両など地域に根差した取り組みを進める」と述べている。

◇ハード、ソフト両面を強化
コンプライアンス支援も
- アビヅ -
 総合リサイクルを手掛けるアビヅ(名古屋市、瀬田大社長、金属プラスチックリサイクル事業部)は、プレシュレッダーの更新などでハード面を増強するとともに、コンプライアンスなどソフト面も強化する。2017年度をめどに、受け入れ品のトレーサビリティシステムを開発。廃棄物処理委託のコンプライアンスに関心が寄せられるなか、処理技術の先進化と、排出側へ安心・安全を提供することで、事業の付加価値を高めていく。

◇地域内で食R循環の輪広げる
遊休農地30haで飼料作物栽培も
- エイゼン -
 一廃・産廃の収集運搬や中間処理を手掛けるエイゼン(愛知県武豊町、永田喜裕社長)は、食品廃棄物の肥料化・飼料化と遊休農地を利用したアグリ事業を展開し、「地域内循環型リサイクル」の輪を広げてきた。肥料の自社利用だけにとどまらず、家畜排泄物を受け入れ、飼料用作物を栽培、畜産農家に還元するといった複合的な手法でループを構築。地域の活性化に役立てている。

◇固化材がNETISを取得
六価クロムの溶出を抑制
- グリーンアローズ中部 -
 廃石膏ボードリサイクルで実績を重ねるグリーンアローズ中部(愛知県東海市、山本浩也社長)は、ダイセキ環境ソリューションと共同開発した「高機能性リサイクル固化材GAシリーズ」の「GA‐2」と「GA‐S」がNETIS(新技術情報提供システム)の認証を取得した。これを受け、これまで民需中心の出荷体制だったが、今後は公共事業にも積極的に参入していく考えを示した。

◇第7回カンファレンスを開催
設立から17年、転換期へ
- 全産連青年部協議会 -
 全国産業廃棄物連合会青年部協議会(仲田陽介会長)は11月10日、岡山市の岡山プラザホテルで、第7回カンファレンスを開催した。全国から会員ら約160人が参加した他、岡山県循環型社会推進課の脇本靖課長などが来賓として出席。新たに導入する連絡システム「れん楽網」の説明や、「今後の青年部協議会に期待すること」をテーマにグループディスカッションを実施し、活発な意見交換を行った。

◇17tクラスの新型機を発表
秋の大展示会を開催
- コベルコ建機 -
 コベルコ建機は11月5日、6日の2日間、東日本コベルコ建機市川センター(千葉県市川市)で「秋の大展示会2016」を開催した。会場では来年3月に上市する新型機「SK170」を発表。運転質量は17トンクラスながら20トンクラスのエンジンを搭載し、20トンクラスの先端アタッチメントの装着が可能となった。専用カスタム対応により、アタッチメント装着時でも運転質量は20トン未満。都市部での階上解体工事をターゲットに販売する。

11月28日号ダイジェストニュース
◇銀座農園と資本提携
農業ビジネスに参入/バイオマス発電排熱利用など
- タケエイ -
 国内のバイオマス発電の多くが「発電のみ」であり、熱利用などの必要性が指摘されている。木質バイオマス発電を行っているタケエイは11月17日、銀座農園(東京・中央、飯村一樹社長)と資本提携を行い、木質バイオマス発電施設からの排熱を利用した農業ビジネスに参入することを明らかにした。

◇ネット普及と物流資材で変化
国内外で新聞減と段ボール増
- 古紙動向 -
 日本だけでなく世界の古紙の需給に大きな変化が生まれた。スマートフォンの普及で新聞雑誌の回収が大幅に減少し、ネット販売の増加から物流資材の段ボールは右肩上がり。世界でも同様の動きを見せている。

◇生活介護施設で小電R
障がい者の訓練に活用
- ダ・カー歩 -
 障がい者福祉に取り組むNPO法人ダ・カー歩(大阪市、末浪保理事長)は、新たに生活介護施設での小型家電類リサイクル作業を開始した。重度判定の知的障がい者の生産活動の一環として、電子機器などの解体・分別作業を活用。これまで採算が合わずシュレッダーなどで破砕していた部材を個別回収できるようになり、福祉と資源循環の双方に貢献する事業として、積極的に推進する。

◇チェックリストを作成
料金設定根拠を聞く
- 全産廃連 -
 (公社)全国産業廃棄物連合会はこのほど、排出事業者による肥料化や飼料化施設の実地確認チェックリストを作成、都道府県や全国の157の食品関係団体などに配布した。コンプライアンスの確認だけでなく、処理料金の設定根拠について、処理業者に説明を聞くとともに相互のコミュニケーションを図るよう促している。

◇浄化施設をリニューアル
汚染土壌を受入増加
- 枦谷リサイクルセンター -
 枦谷リサイクルセンター(神戸市、藤野眞男社長)は、昨年8月に新設した汚染土壌の処理施設の受け入れ実績を伸ばしており、今年7月、貯槽タンク容量を大きくする等の改修工事を行った。浄化等(抽出・洗浄)処理施設の能力は、以前と同じ日量315トン(7時間稼働)。すでに施設の変更許可を受けリニューアルしており、水銀およびその化合物を除く第二種特定有害物質(濃度の上限値なし)の受け入れが可能だ。近畿圏で発生する汚染土壌を集めていく方針だ。

◇災害廃棄物処理計画を策定
関係団体との連携へ協定締結も
- 宮崎市 -
 宮崎市は、自然災害の最大級である南海トラフ巨大地震の発生を念頭として、災害廃棄物処理計画を策定した。災害廃棄物の発生量は計約490万トンと予測。平常時からの備えや危機管理意識を醸成し、災害発生時における迅速な処理体制の構築を図る。また11月14日には、(一社)宮崎県産業廃棄物協会、宮崎県環境保全事業連合会と同計画に基づいた協定を締結した。

◇排出向け管理を情報技術で
コンプラ管理、効率化を徹底
- JEMS -
 エジソングループで環境管理業務のシステム開発やアウトソーシングを手掛けるJEMS(東京・千代田、須永裕毅社長)は、排出事業者向けに廃棄物総合管理サービス「GENESYS‐ECO」(ジェネシス・エコ)を展開する。廃棄物関係業務のコンプライアンス管理と効率化を、情報通信技術を活用してサポート。排出状況や契約関係書類、環境指標の収集などをトータルで支援する。

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