循環経済新聞・バックナンバー“2017年6月度”

6月5日号ダイジェストニュース
◇廃棄物処理ネットワーク構築
非常時バックアップの強化へ
- 大栄環境/新日本開発 -
 大栄環境(本部・神戸市、金子文雄社長)と新日本開発(本社・兵庫県姫路市、永川仁秀社長)は、産業廃棄物および災害廃棄物を含む一般廃棄物、有価物の受託時における包括的なネットワークを構築し、このたび基本合意書を締結した。近場に事業所を持つ同業者間で連携を図り、災害発生時など非常時のバックアップ体制を強化することで、より安定したサービスの提供を可能とする考えだ。

◇リサイクルパレット製造へ
100%再生プラ原料/安価、軽量で高強度
- JFE環境 -
 JFEエンジニアリングの100%子会社であるJFE環境(本社・横浜市、櫻井雅昭社長)は今年12月から、リサイクルプラスチックパレットの製造・販売を開始することになった。ハニカム構造を採用し、従来品と比較して約50%軽量であるにも関わらず同等の強度を持つ。原料にはリサイクルプラスチック100%を使っており、新材プラスチック原料によるパレットに比べても安価だという。年間40万枚の販売を目指す。

◇ソーシャルビジネスへ舵切り
森造りプロジェクト拡大/災害や社会変化に対応を
- 全国オイルリサイクル協同組合 -
 全国オイルリサイクル協同組合(事務局・東京)の長谷川徹理事長は5月24日に東京都内で開かれた第22回通常総会で、「3・11後に発生した福島県立入制限エリア内で放置されている燃料油の回収など社会的な取り組みを進めてきた。昨年は複数の台風が北海道に上陸するなど(異常気象)の影響で、農家も今後の事業に危機意識を抱いている。国際政治をみても、米国の新政権や英国のEU離脱など(不透明な)状況にある。業界も社会に役立つソーシャルビジネスに舵を切りたい」と述べた。

◇メタン化普及へ好材料
消化液が植物病害抑制に
- JORAテクノフォーラムから -
 生ごみや畜ふんをメタン発酵させた際に得られる消化液が、植物病害の抑制に効果があるとする研究成果が5月15日、東京都内で行われた第41回JORAテクノフォーラム(主催・(一社)日本有機資源協会)で報告された。バイオガスプラントの運営で、事業収支に大きな影響を及ぼす消化液の活用推進に向けて、一助となることが期待される。

◇藤枝慎治氏が理事長に新任
国や社会から頼りにされる組織へ
- 全国木材資源リサイクル協会連合会/関東木材資源リサイクル協会 -
 認定NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会(東京・中央)は5月19日、都内で通常総会を開催し、藤枝慎治関東協会会長が全国連合会の新理事長として選任された。藤枝新理事長は就任に伴い、「彦坂・鈴木両理事長が築いた基礎をしっかり発展させ、国や社会から頼りにされる組織としていきたい」とあいさつした。

◇水木しげるロード
リニューアルに協力/ブロンズ像を寄贈
- 三光 -
 三光(鳥取県境港市、三輪陽通社長)は境港市観光協会の募集に応じ、ブロンズ像を寄贈した。境港市ではこのほど、同社の寄贈した「山爺(やまじじい)」をはじめとする計18体のブロンズ像のお披露目セレモニーを開催。妖怪ブロンズ像は今回の増設で計171体となった。

◇表参道にスマートごみ箱
IoT実証実験を開始
- 日本システムウェア/アートファクトリー玄 -
 ITソリューションプロバイダーの日本システムウェア(NSW)と分別回収コンサルタントのアートファクトリー玄(東京・渋谷)は5月18日、スマートごみ箱「ビッグベリーソーラー」の実証実験を原宿・表参道で開始した。データの収集や収集業務の最適化、業務改善効果の検証などを行う。

6月12日号ダイジェストニュース
◇期限までの処理完了へ向け
NEW環境展で発足式
- 日本PCB全量廃棄促進協会 -
 処理8社が発起人となり設立した(一社)日本PCB全量廃棄促進協会は5月23日、東京ビッグサイトで開催したNEW環境展(主催・日報ビジネス)の出展ブースで、発足式を挙行した。発起人企業や関係事業者などが集まり、協会の前途を祝した。

◇変更入札制度の再見直しを
再資源化率は46%達成へ/材料リサイクル関連で
- プラスチック容器包装リサイクル推進協議会 -
 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会(城端克行会長)は6月1日に東京都内で開いた第20期定期総会で、2017年度の取り組みとして、材料リサイクルに係る変更入札制度の見直しを求めていくことなどを決めた。一方、16年度からの5年間を期間とする第3次自主行動計画に基づき、リデュース率16%(基準年度=04年度)、再資源化率46%(同10年度)の目標に向けて、把握精度の向上を図る。

◇1都26県3方面に拡大
障がい者自立支援をアピール/システム参加の県遊協
- 遊技機リサイクル協会 -
 (一社)遊技機リサイクル協会(事務局・東京、小田精一代表理事)は、同協会独自のリサイクルシステムに参加している都県方面遊技業協同組合が1都26県3方面に広がったことを明らかにした。5月22日に開催された第11回定時社員総会で再任となった小田代表理事は、「(ホールの)業界は昨年のいわゆる『回収機問題』で非常に厳しい時期を迎えている。新台が少ないため、廃棄台も少ない。協会システムはホールの味方であるとともに、遊技機の3R、障がい者自立支援に積極的に取り組む」と述べた。

◇愛媛で小規模FIT発電計画
地元材の有効活用へ
- 洸陽電機 -
 洸陽電機(神戸市)は5月17日、愛媛県内子町で小型木質バイオマス発電事業に乗り出すと発表した。新設するのは「内子バイオマス発電所」で、発電規模は1115キロワット。地元の間伐材・低質材を燃料に活用し、得られた電力はFIT制度を活用して四国電力に売電する計画だ。2018年6月からの稼働を目指す。

◇新工場が順調に稼働
埋立量を大幅減
- シタラ興産 -
 シタラ興産(埼玉県深谷市、設楽竜也社長)の新中間処理施設「サンライズFUKAYA工場」が順調に稼働、埋立処分量を大きく減らしている。

◇早期安定化へ研究成果
CS処分場の散水実態報告
- LSA環境講演会 -
 NPO法人最終処分場技術システム研究協会(NPO・LSA、上田滋夫理事長)は5月30日、最終処分場の早期安定化・廃止と維持管理に関する環境講演会を東京都内で開催し、LSAが研究を進めるクローズドシステム(CS)処分場の維持管理や、昨年改定を行った維持管理マニュアルに関する最新の情報を提供した。

◇ハイブリッドのごみ収集車
周辺環境に配慮した仕様
- モリタエコノス -
 モリタエコノス(兵庫県三田市、白井幸喜社長)は、プレス式電動塵芥収集車の新モデル「Press Master E‐SVN(プレスマスターイー・セブン)」(ハイブリッドタイプ)を発売した。「より安全に、使いやすく。街にやさしい!」をコンセプトとし、収集作業の効率化と安全性向上を図るとともに、収集時の周辺環境への配慮に力を入れたのが特徴だ。

6月19日号ダイジェストニュース
◇改正廃棄物処理法が公布
有害機器でバーゼル法も改正/電マニ一部義務化は3年以内に施行
 廃棄物処理法改正案が6月9日、参議院で全会一致によって原案通り可決、成立し(附帯決議なし)、6月16日に公布された。特定の産業廃棄物を多量に排出する事業者への電子マニフェスト使用義務付けについては公布日から3年を超えない範囲内で施行される措置がとられたが、その他の改正事項は1年以内に施行される。いわゆる「有害使用済機器」対策を強化するバーゼル国内法改正案も同日に可決、6月16日に公布された。

◇焦点 再商品化費用上昇の訳
その他プラの材料リサイクルなど/新制度の落札結果を読む
 昨年5月の産業構造審議会・中央環境審議会の合同会合による「容器包装リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」では、プラスチック製容器包装の再商品化事業の高度化により再商品化委託費用が削減されることを目的にしていたが、新制度を導入した2017年度の落札結果は、逆に落札単価の加重平均は材料リサイクル、ケミカルリサイクルともに約4000円上昇した。「なぜ上がったのか」という疑問について、振り返って検証してみた。

◇温暖化防止へ森林保全を支援
組合員に参加呼び掛け/先進的な取組
- 全国オイルリサイクル協同組合 -
 全国オイルリサイクル協同組合(長谷川徹理事長)は6月から「廃油リサイクルから森づくり」を合言葉に組合員42社を対象に「森とアースへのECO‐プロジェクト」への参加を呼び掛ける。地球温暖化防止に役立つ社会貢献事業として森林保全を支援するもの。昨年度は10社が参加。同組合では「スタート2年目だが、同プロジェクトの重要性についての理解を広げ、参加企業を増やしたい」と話している。

◇食Rニーズ増で飼料化好調
126t/日の処理能力が強み
- 京都有機質資源 -
 食品リサイクル事業を展開する京都有機質資源(京都府長岡京市、髙野中也社長)は、給食センターや市役所など行政関連施設から出る食品残さの他、産業廃棄物系の受入量も増加し、飼料化事業が順調だ。同社の「エコの森京都」は、飼料化だけで日量126トンもの処理能力を持つ大規模施設で、顧客からの幅広いニーズに応えられる強みがある。

◇一般廃棄物処理施設の許可取得
災害廃棄物の受入可能に
- グリーンアローズ九州 -
 廃石膏ボードリサイクルで実績を重ねるグリーンアローズ九州(福岡県糟屋郡、山本浩也社長)は、震災などで発生した災害廃棄物の受け入れを可能とする一般廃棄物処理施設の設置許可を取得した。

◇適正処理とマナー学ぶ
活気溢れる新入社員研修
- 東京都環境局/都環境公社 -
 東京都環境局と(公財)東京都環境公社は6日、産業廃棄物処理業新入社員向けスタートアップ研修会を開催し、都内の産廃処理業者から新入社員約150人が参加した。産廃処理業の役割や適正処理の基礎知識に関する講義のあと、実技を交えたワークショップや意見交換の時間も設けられ、各社の新人同士が交流する活気溢れる研修となった。

◇攻めのITで中小企業百選に
システムとフルサポートが評価
- ユウトハンズ -
 産廃業向けの時短ソリューション「オフィスッキリfor産業廃棄物処理業」の販売を手掛けるユウトハンズ(東京・渋谷、城野徹社長)が5月、経済産業省「攻めのIT経営中小企業百選2017」に選ばれた。自社開発の文書管理システムとともに、導入から運用までのフルサポートの取り組みが評価された。

6月26日号ダイジェストニュース
◇1年以内めどに政省令
有害雑品は政令で規定へ/改正処理法の電マニ一部義務化
 本紙先週号既報のとおり、廃棄物処理法改正案が6月9日に原案通り可決、成立し、6月16日に公布された。改正事項は多岐にわたるが、食品廃棄物横流しの「ダイコー事件」や有害物質を含む雑品スクラップによる国内外での環境汚染への対策など、トレーサビリティも絡んだ安心安全対策が大きな柱になっている。中央環境審議会の廃棄物処理制度専門委員会報告書・環境大臣への意見具申の「見直しの方向性」に沿って、法改正事項の詳細についてまとめた。

◇CO2削減、エネ対策に貢献
委員会体制充実で取組強化/パリ協定、ISOなどに対応
- 日本RPF工業会 -
 (一社)日本RPF工業会(事務局・東京)の長田和志会長は、6月15日に東京都内で開かれた第5回定時社員総会で、「今年度は労災根絶と労働力確保、生産性向上に一層力を入れる。日本はパリ協定に基づき、26%のCO2など温室効果ガス削減目標を掲げ、イタリアG7環境相会合では海洋漂着ごみ対策のためにプラスチックなどを含めた循環型社会構築が求められた。RPF業界は(エネルギーと環境保全の面で)これらの課題に応えるものだ」と述べた。

◇有害使用済機器に対策
自ら処理の親子会社には両者に責任/改正廃棄物処理法で措置
保管等に処理基準策定

 適正処理の推進とともに、今回の法改正の柱となっているのが、有害物質を含む「雑品」(プラスチック部材なども多く使っている雑多な使用済機器)の不適正な保管や処理、輸出による事故や火災、環境汚染などへの対策だ。この法改正事項は、バーゼル法改正案ともリンクしており、同日に成立、公布された。

◇首都圏に新たな飼料化施設
分離液でバイオガス発電
- アルフォ -
 食品リサイクルの受け皿が不足する首都圏で飼料化を手掛けるアルフォ(東京・千代田、熊木浩社長)がこのほど、「城南島第2飼料化センター」を竣工、6月20日から稼働を開始した。飼料化のみならず、食品廃棄物から分離した高濃度の排水をメタン発酵させ、バイオガス発電を行うハイブリッド型。資源循環に貢献する有望な施設として各方面の関心を集めている。

◇瓦リサイクル拡大へ
車載式プラントも開発
- 瓦リサイクル協会/K‐グランド会 -
 瓦リサイクル率の向上や、認知度のアップなどを目指す(一社)瓦リサイクル協会(石川県能美市、髙田実代表理事)は6月5日、静岡県富士市のイーシーセンターで通常総会を行い、活動報告として、会員企業から小中学校や保育園への瓦チップの提供を行い、多くの需要があったことなど瓦リサイクル普及に関する活動が報告された。また同日、瓦リサイクルの技術の普及・拡大を進めるK‐グランド会(石川県能美市、髙田典英会長)の総会も行われ、施行方法などについて、活発な議論がなされた。

◇地元の高校に寄贈品を贈呈
CSR私募債を活用
- ショーモン/武蔵野銀行 -
 産業廃棄物の中間処理事業などを展開するショーモン(本社・さいたま市、松澤敏也社長)と武蔵野銀行は、「むさしのCSR私募債『みらいのちから』」を通じて、ラミネーターと裁断機を埼玉県立久喜工業高等学校に寄贈した。6月9日には目録・記念品の贈呈式が同校で行われた。

◇リサイクルや熱回収が主流
単純焼却・埋立は減少へ/浸透するサーキュラーエコノミー
英国・スペイン視察レポート

 欧州では今、「Circular Economy(循環経済)」の概念に基づいた取り組みが浸透しつつある。各国で廃棄物の排出量削減や再資源化、燃料化などが進められていて、単純焼却や埋め立ては削減する方針が掲げられている。本紙では、5月に英国とスペインを訪れ、現地の廃棄物処理施設や行政機関を視察、担当者へのヒアリングを実施した。

◇処理完了を迎える豊島産廃
全ての廃棄物を処理/処分量は約91万tに
完了後に向けた動き加速

 6月12日、豊島産廃の処理を担う香川県直島環境センターの溶融炉が、不法投棄廃棄物などの処理を終え、停止した。この日、公害調停の成立から17年の歳月を経て、豊島事件は一つの区切りを見たことになる。筆者は昨年6月、豊島の処分地の様子を本紙で伝えたが、その後に想定外の廃棄物の存在が発覚。調停に定めた期限が迫るなかで、搬出・処理は困難を極めたという。そうした状況下で、処理現場ではどのような努力が図られ、無事に処理完了を成し遂げたか――事件の終息に向けた動きを追った。

◇高付加価値化で処理推進
困難物への対応広がる/啓発に向けた取り組みも
低濃度PCB特集

 期限内の処理完了に向け、さまざまな方策が広がる低濃度PCB廃棄物。最近では無害化処理認定事業者も増えており、国による啓発や自治体による処理対象物の掘り起こしなどの効果もあって、徐々に認知が高まりつつある状況だ。四国エリアでは、国内初の無害化認定施設をはじめ、確かな技術・施設を持つ事業者が立地しており、積極的な処理を展開している。

◇受入単価を地域・品目別に調査
閉鎖相次ぎ高まる希少価値/最終処分場の最新動向
 廃棄物の適正処理と資源循環を推進する上で、その基盤となるのが最終処分場の存在である。近年、閉鎖する処分場は新規よりも多く、現存する最終処分場の希少価値は増すばかりだ。本紙では、全国の最終処分事業者にアンケートを実施。地域・品目別の受入単価など最新の傾向を調査した。ここでは四国エリアにおける動向を総覧したい。

◇日本初の技術が稼働
トンネルコンポストで可燃ごみ再生/管理型の開設と拡張/元気チャレンジ企業
処理と脱臭にバイオ活用/可燃ごみの再資源化
- エコマスター -
 エコマスター(香川県三豊市)は、可燃性の一般廃棄物を生ごみなど有機性廃棄物が発酵する原理を利用して、固形燃料原料にする新施設「バイオマス資源化センターみとよ」の本格稼働を4月から開始した。三豊市内の家庭系と事業系の可燃ごみを20年間、年約1万トンの発生量で、1トン当たり2万4800円の処理費用で受け入れる。総工費は約16億円。主要の処理技術は、日本初となる「トンネルコンポスト方式」を採用した。

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