循環経済新聞・バックナンバー“2018年12月度”

12月3日号ダイジェストニュース
◇実地確認違反に罰則
条例改正で排出者責任の徹底へ
- 愛知県 -
 愛知県は、「廃棄物の適正な処理の促進に関する条例」の一部を改正し、産廃の処理状況を確認していない排出事業者に「勧告」と「公表」を行う規定を追加した。併せて、施行規則を改正し、確認の具体的な方法等も明確化。2016年1月に発覚した食品廃棄物の不適正処理事案を受けて取り組む再発防止対策の一環で、実地確認の実行性を高め、排出事業者責任の徹底を図る。優良産廃処理業者の育成にもつなげる考えだ。

◇廃プラ輸出100万t見込み
最高時807億円市場/占有率90%から9%に
全体と中国比較

 今年の廃プラの輸出量は、年間100万トン程度になる見込み。9月までの中国香港の合計の累計が7万トンで全体75万トン台の9%に過ぎない。2010年から15年までの6年間は、160万トン台で推移してきたが、16年152万トン台、17年143万トン台と減少してきた。

◇自動でガラス分を剥離
PVパネル再資源化で新装置/ブラスト工法で大量処理
- エーシー/ミクロンメタル -
 太陽光発電パネルリサイクルを手掛けるエーシー(本社・山形県米沢市、大友裕一社長)とミクロンメタル(本社・山形県米沢市、渡部秀之社長)は共同で、太陽光発電パネル(PVパネル)の廃材からガラスを自動で剥離・回収する装置(特許出願中)を開発した。エーシーの大友潤環境リサイクル部長は、「廃棄PVパネルは損壊したものやガラスが割れたものが少なくない。新たな装置はパネルの形状にとらわれずに、自動化で効率よくガラスとシートを分離して再資源化できる」と述べている。

◇バイオガス発電がフル稼働に
発酵残さの堆肥化目指す
- オオブユニティ -
 廃棄物処理業等を行うオオブユニティ(愛知県大府市、相木徹社長)は、「リサイクルプラント横根工場」(同市)で展開している食品廃棄物のバイオガス化事業で、発電稼働率100%を達成し、次は発酵残さの堆肥化に挑む。食品リサイクル肥料の認証取得に向け、各種検証を進めている段階だ。

◇廃瓦リサイクル、最優秀賞を受賞
SDGsビジネスコンテストで
- エコシステム -
 エコシステムは、11月5~6日に広島県の広島国際会議場で行われた「2018国際平和のための世界経済人会議」のSDGsビジネスコンテストで、最優秀賞とSDGsグローバルイノベーター賞を受賞した。建物解体現場等から排出される廃瓦や、メーカーの瓦生産時に発生する規格外瓦は年間100万トン程発生。同社は、そうした廃材を舗装材にリサイクルするノウハウを有しており、全国21社で共有(フランチャイズ化)し展開している。瓦・レンガは、欧州や中南米でも広く使われており、「世界の都市を循環型未来都市へ」をテーマに発表し、全国の応募者の中から最優秀賞に選ばれた。

◇第3回さんぱいフォーラム開催
SDGsをテーマに総括
- 大阪循環協 -
 (公社)大阪府産業資源循環協会(片渕昭人会長)は11月22日、大阪産業創造館・イベントホールを会場に「第3回さんぱいフォーラム」を開催した。“地域社会の持続可能性を産業廃棄物業界の視点で考える”をメーンテーマに、会員や一般消費者など約260人が参加した。

◇発泡スチロールを高品質ペレットに
有価買取し、国内外に販売
- 名濃 -
 発砲スチロールリサイクルシステム「ECOLOBO」で全国卸売市場のトップシェアを誇る名濃(名古屋市、加藤善久社長)では、中国の廃プラ輸入規制の影響を受け、同シリーズの次世代型機「ペレタイズシステム ホットカットタイプ」に注目が集まっている。発生場所で高品質のPSペレットを製造でき、処理品は同社が買い取りを行う。需要が急増する中、年間20台の販売を目指す。

◇首都圏で新たにバイオガス発電
廃食油を発電燃料に/地域発! 資源循環
 首都圏で地域発の資源循環の取り組みが伸展している。本紙では、地域密着で食品廃棄物の飼料化などを手掛けるジェイ・アール・エス(埼玉県所沢市)、新たなバイオガス発電施設として注目を集めるJバイオフードリサイクル(横浜市)、廃食油の新たな利用用途として発電事業を開始した吉岡製油(埼玉県入間市)の事例を紹介する。

◇国内で貴金属資源を確保
年間844億円を生かせ/小型家電リサイクル法と促進取組
 2013年4月に施行された小型家電リサイクル法では、事業者は再資源化事業計画を作成し、主務大臣の認定を受けることで廃棄物処理業の許可が不要となる。一般消費者の排出する小型電子機器などを対象としており、自治体などが回収した小型家電の再資源化を促進する制度として位置付けられている。その主なターゲットは金属、貴金属だ。

12月10日号ダイジェストニュース
◇廃プラ許可量は97%減
雑品は70%超の減少/中国廃棄物輸入規制
 中国生態環境部の固形廃棄物・化学管理技術センターは11月28日付で、今年第25回となる固形廃棄物の輸入許可リストを公表した。廃プラスチック類の許可量は年内累計約10万トンで、前年の約3%という低水準となった。

◇将来のプラ再生も視野に
学校向け机販売などで信頼深め/カンボジアでの基盤強化
- 日の丸合成樹脂工業 -
 髙六商事グループの日の丸合成樹脂工業(本社・宮城県大郷町、髙橋昇社長)は1965年の創業以来、東北エリアを中心に新材プラスチックの着色事業などを手掛けている。新材供給とともに、プラスチックスクラップの再生受託加工にも力を入れてきた。

◇金属スラッジRが好評
トータル処理へ技術開発も
- JEMCO -
 金属含有スラッジからのリサイクルに取り組むJEMCO(愛知県刈谷市、神谷政光社長)が好調だ。これまで最終処分されてきた汚泥中の貴金属やレアメタルなどを、独自に開発した技術で再資源化しており、年間2500トンほどを扱う。さらなる技術開発で、無機汚泥リサイクルの高度化や、有機系汚泥も含めたトータル処理も進めていきたい考えだ。

◇複合乳酸菌で悪臭除去
全国の食リ施設に提案
- M's JAPAN -
 M's JAPAN(横浜市、富田嵩壱社長)は、食品リサイクル施設向けに、悪臭除去に効果のある複合乳酸菌の普及拡大に乗り出した。昨年、実証試験で良好な結果を得た農事組合法人百姓倶楽部(茨城県下妻市)が、同社の乳酸複合菌を堆肥化施設で正式に採用したのを機に、全国の食リ業者にニーズがあるとみて販売を強化している。

◇破砕瓦を用いた国土強靭化
ガイドライン改訂や活用事例
- 愛知県陶器瓦工業組合 -
 愛知県陶器瓦工業組合(愛知県高浜市、野口安廣理事長)は10月26日、高浜市内で「新しいリサイクル材『破砕瓦』を用いた国土強靭化への挑戦」などをテーマとする講演会を開催した。来賓の国土交通省中部地方整備局・港湾空港部の田村誠技術課長からは、2018年4月に改訂された「港湾・空港等におけるリサイクルガドライン」や、同局が作成した破砕瓦の利活用技術資料について解説があった。

◇災害廃の迅速な処理へ協定締結
県内10市町村目の広域連携
- 高知市/大栄環境ホールディングス/田中石灰工業 -
 高知市と大栄環境ホールディングス(神戸市、金子文雄社長)、田中石灰工業(高知県南国市、田中克也社長)は11月19日、「災害時における災害廃棄物処理等に関する協定」の締結式を同市役所で行った。南海トラフ地震などが発生した際、2社は連携して災害廃棄物の広域処理を行うとするもの。岡崎誠也市長は、「全国で災害が頻発する中、災害廃棄物の処理は非常に大きな課題だ。協定の締結を心強く思っている」と期待を寄せた。

◇AI・ICT開発の新会社設立
省人化へ装置とセットで提案
- ウエノテックス -
 破砕機など各種環境機器の製造販売で実績を持つウエノテックス(新潟市上越市、上野光陽社長)は、AIやICTを主軸としたソフトウェア開発会社「Rita Technology」(東京・新宿)を新たに設立した。顧客の課題に合わせて最適な技術を取捨選択し、実際に駆動する装置を設計する。業務の効率化や省人化につながるシステムとして提案を進めている。

◇写真で振り返る
<2018年1~11月>
 平成最後の年となった2018年、中国・東南アジア(一部)での廃プラスチック類輸入停止を受けた行政・民間企業の対応が問われる一年となった。夏から秋にかけては西日本豪雨等が発生し、甚大な被害をもたらしている。企業同士の連携・事業再編に関しても新たな展開をみせている。

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