循環経済新聞・バックナンバー“2020年8月度”

8月3日号ダイジェストニュース
◇バイオガス発電で新会社
宮城県仙台市に新工場
- 東北バイオフードリサイクル -
 宮城県仙台市でバイオガス発電事業を行う東北バイオフードリサイクル(仙台市、田村輝雄社長)が設立、2022年春から営業を開始する。新工場は東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台市蒲生北部に建設。首都圏でバイオガス発電を展開するJバイオフードリサイクルの東北版として注目される。

◇ベールは軟質、汚れなし
PETボトル粉砕物にも規制/バーゼル法該非判断基準(案)をパブコメ
- 環境省 -
 環境省は7月22日、「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準(案)」をパブリックコメントにかけた。産業廃棄物処理・リサイクル業界でその位置付けが注目されていたベール状のものの規制対象外については、「内容物が均質な軟質プラスチックであり、かつ輸送の過程でプラスチックに汚れがつかないように、外側が透明なフィルム等で覆われているものに限定される」などとされた。8月20日まで関係者からの意見が募られる。

◇ブラジルで環境事業を開拓
JICA調査団に参加
- 甲陽興産 -
 PCB廃棄物の全数調査をはじめ、産廃収運など環境ソリューション事業を手掛ける甲陽興産(滋賀県甲賀市、北角治太社長)は、ブラジル連邦共和国での環境事業開拓に乗り出す。JICA調査団に参加し、現地行政や企業などと交流。新たな環境ビジネスを掘り起こし、同国の環境保全やSDGs達成に貢献していきたい考えだ。

◇発酵処理装置で実証実験
有機系地域資源リサイクル
- ウエルクリエイト/NTT西日本/NTTフィールドテクノほか -
 ウエルクリエイト(福岡市)、NTT西日本、NTTフィールドテクノ、立命館大学、(一社)SOFIX農業推進機構、アサヒバイオサイクルは、生ごみ発酵処理装置を活用、ごみの減量のみならず、堆肥の高機能化や安全安心な農作物の供給を実現し、ごみゼロを目指す「有機系地域資源リサイクルによる循環型社会構築のための実証事業」を本格化した。

◇全国9地域まで事業所を拡大
石綿除去実績が25万m2
- マルホウ -
 外壁塗材・下地調整材のアスベスト除去などで実績を重ねるマルホウ(愛知県東郷町、日比裕己社長)は、東京都や福岡県、石川県など全国九つの地域まで事業所を拡大、増加を続ける除去ニーズに対応できる体制を進める。

◇仮置き場に優先レーン導入
災害廃受入の迅速化へ初の試み/令和2年7月豪雨
 7月の豪雨で甚大な浸水被害を受けた熊本県人吉市の仮置き場で、災害廃棄物の迅速な受け入れを目指し、全国初の試みが行われている。「畳のみ」「家具のみ」といった単一品目での持ち込み車両を優先的に受け付ける「ファーストレーン方式」の導入により、搬入路の渋滞解消や滞留時間の短縮を実現。各方面から注目を集めている。

◇着るロボットをIoT化
2030年までに実現目指す
- ATOUN -
 ATOUN(奈良市、藤本弘道社長)は、作業時の負担軽減につながる着用型ロボット「パワードウェア」のIoT化に乗り出した。動作データを独自のクラウド上に集積し、専用のアプリケーションなどからダウンロードして使用。インターネット上に登録した他者の動作や技能を反映できるようにする。2030年までに実用化し、性別や年齢、身体能力などによる力の差を解消して自在に体を動かせる社会を目指す。

◇需要増加で新規施設計画
廃プラ関連の搬入が続く/経済縮小による影響に懸念も
焼却事業の傾向

 焼却施設では近年、中国をはじめとしたアジア各国での廃プラスチック類の受入停止・制限によって、搬入依頼が増加する傾向にあった。需要増加に応じて処理料金も値上がり傾向にあり、全国各地での新規施設設置に向けた計画も増えていた。当初は2020年に入ってもこの傾向が続くかと思われてきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて商業施設の停止や働き方の変化、生産工場の休止など経済活動が縮小しているため、その影響が懸念されている。

◇感染性廃棄物が増加傾向に
新型コロナ拡大で変化/マスク等の取り扱いにも注意が
感染性廃棄物処理の動向

 今年に入り、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大したため、医療従事者の活躍が注目されている。それにともなって感染性廃棄物が増加傾向にあり、受け入れ先の処理施設への搬入量も増えた。一般家庭では、マスクの着用が増えたことで廃棄の仕方などについて、感染症対策の観点から対応が求められている。

◇新たに見つかるPCB廃に対応
点検済の施設・倉庫も再確認必要/認定施設での処理対象範囲拡大も
PCB廃棄物の無害化処理

 かつて、その化学的に安定した物性で熱媒体や絶縁油等として広範に使用された化合物「ポリ塩化ビフェニル(PCB)」は強い毒性を持っている。有害なPCBを含有する廃棄物の処理期限が迫っているなかで、各自治体が行っている掘り起こし調査でPCB廃棄物が新しく見つかる場合や、PCBを含有している可能性がある対象(橋梁塗膜など)が新たに発見されるなど、当初の予定よりもPCB廃棄物が増加している傾向がある。

◇インタビュー 木質バイオマス利用の現状と課題
バイオマス利用は木材業界を下支え
- 日本木質バイオマスエネルギー協会 副会長 加藤鐡夫氏 -
 FIT(固定価格買取制度)がスタートして8年、木質バイオマス発電のコスト削減が進む中、燃料となるチップの質が問われることも多くなってきた。燃料利用の現状と課題について(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会(東京・台東)の加藤鐡夫副会長に話を聞いた。

◇乾燥、粉砕などチップ高品質化対応へ
FIT後見据えた備えを/バイオマス関連機器 活用事例紹介
 国内には100を超える木質バイオマス発電施設が稼働している。また、2018年のデータによると、木質チップの使用量は約930万トン(絶乾:林野庁ホームページより)となっている。特にFIT(固定価格買取制度)において最も高額な森林からの未利用材への需要が高い。その一方で一口に森林未利用材と言っても伐採された状況や材そのものによって形状や水分など状態が異なる。

◇オフィス、現場などさまざまな作業環境改善へ
新しい生活への対応商品やパンク防止、熱中症対策など
 新型コロナウイルスはその直接的な害のみならず、多くの人の生活に大きな影響を与えている。現在「新しい生活様式」という言葉の下に、テレワークやウェブミーティングなどが仕事やライフスタイルを適応せざるを得ない状況になりつつある。またその一方で、地球温暖化の影響か、夏の暑さによる熱中症の被害は例年大きくなっており、今後、さらに拡大する可能性もある。またこれまで同様、特に処理業界の現場作業ではホイールローダーなどの車両が多数使用されており、現場によっては非常にタイヤなどに多くの負荷がかかることも多い。

◇マニフェに続き電子化次々
携帯端末も利用広まる/廃棄物処理とITの進化
 電子マニフェストで広がった廃棄物処理・リサイクル事業でのIT導入が、配車管理や受発注、契約、発火監視などさまざまな分野に拡大している。
 奇しくも、コロナ禍により、処理業者や排出事業者で在宅勤務を導入するケースが増えており、それも契機として関係業界での電子化が進んでいる状況もあるが、効率的なシステムとして新たな潮流になりそうだ。
 さまざまな電子システムの最前線をみてみよう。

◇輸出規制強化、樹脂安、コロナ
国内循環をどう進めるか/再生利用と燃料化の行方
高度な取り組みも着々/廃プラスチックのリサイクル

 廃プラスチックのさまざまな再資源化が、バーゼル法改正による輸出規制強化やバージン樹脂の低価格、新型コロナウイルスショックなどを背景に新たな局面を迎えている。再生利用(マテリアルリサイクル)は一層の国内循環ルートの再構築、燃料化(RPF、エネルギーリカバリー)は需要家企業の動きが鍵を握る。このような厳しい状況の中で、国が昨年打ち出した「プラスチック資源循環戦略」の目標は達成できるのか。本紙編集部独自の視点で展望する。

---- 8月10日号は休刊です。----
8月17日号ダイジェストニュース
◇食リで青森初、80t/日規模
消化液利用も視野に
- 県南環境保全センター -
 青森県十和田市を拠点に、浄化槽保守点検・清掃業や産廃・一廃収集運搬処分業を展開する県南環境保全センター(同市、佐藤正樹社長)は、食品汚泥や動植物性残さなどを原料にしたバイオガス発電施設「バイオガスエネルギーとわだ」を市内で竣工した。バイオガス化では県内初となる食品リサイクル施設で、8月1日には、県知事、衆議など来賓多数を集めて竣工式を行った。

◇6月6万tは前年3割減
ベトナム急浮上、韓国減に/廃プラ輸出動向
 6月の廃プラ輸出量は、6万770トン(金額21億7298万円、3万5757円/トン)。前年より30%減で、2万5575トン少ない。金額は42%減、バージン価格が下がったこともあり、6月のみで金額は43%減の16億1809万円の減少となった。コロナ感染が止まったベトナム、マレーシアで荷が動き始めた。

◇小売と収運をマッチング
家電R収集プラットフォームを提供
- SGホールディングス -
 運輸大手のSGホールディングスは7月30日、グループ子会社のSGムービングとして、家電リサイクル回収マッチングシステム「SG―ARK」の提供を開始した。家電の小売業者と全国の収運業者をオンライン上でマッチングさせ、家電リサイクル関連業務を円滑化させる。

◇オンサイト処理のニーズ増
食残を排出現場で飼料に
- 環境テクシス -
 食品残さの飼料化事業を手掛ける環境テクシス(愛知県豊川市、高橋慶社長)は、食品製造工場で保存処理を行い、飼料として活用できるようにするオンサイト処理システムの受注を伸ばしている。脱水や乾燥、濃縮、減菌、酸処理などニーズに応じた処理方法を提案。今後も複数の案件があり、さらに導入先を開拓していく考えだ。

◇圧縮機を導入、事業を効率化
積極的に混廃を受け入れ実績重ねる
- ナカタツ環境 -
 家屋解体や建設廃棄物の処理、サーマル原料の製造などを手掛けるナカタツ環境(岐阜県揖斐川町、中村好江社長)は、大垣工場(同県大垣市)の圧縮機を入れ替えた。これにより、破砕後に出荷するサーマル原料の運搬効率を上げるなど業務の効率化を図る。

◇災害廃棄物の処理が全て完了
岡山・広島・愛媛3県計190万t/西日本豪雨
 岡山県は7月25日、西日本豪雨により県内で発生した災害廃棄物約44万トンの処理が6月17日をもって完了したと発表した。広島県と愛媛県を含め、この災害で特に大きな被害を受けた3県計約190万トンの災害廃棄物の処理が全て終わったことになる。

◇サブフレームレスのダンプ車
「Pa Dunp」を発表
- 小平産業 -
 各種運輸用車両の製造・販売を手掛ける小平産業(栃木県小山市、小平武史社長)は6月、サブフレームをなくしてテレスコピックシリンダーを採用したダンプ車のコンセプトモデル「Pa Dunp(パ・ダンプ)」を発表した。

8月24日号ダイジェストニュース
◇61万m3の安定型が完成
水銀汚染土壌の処理施設等を増設
- 山﨑砂利商店 -
 山﨑砂利商店(滋賀県大津市)は、大津市内で増設のために建設してきた安定型処分場が完成して、9月から受け入れを開始する。容量は、約61万立方メートルで埋立面積が約4万平方メートルの規模。調整池が2872立方メートルあり、集中豪雨にも対応できる大きさ。総工費は、約10億円。また、同社は、水銀含有の特定有害物質の汚染土壌の処理施設も増設しており、早ければ10月に完成できる見込み。

◇6月にフレーク13円急落
飲料と車動くと価格戻る
- PET価格が急落 -
 PETくず輸出価格が急落した。今年6月のPETフレーク輸出は、39円/キロで昨年同月よりも10円も低い。PETプレス他は、27円で昨年よりも13円下げたことになる。

◇新たに比重選別ラインを新設
金属資源回収量をさらに増加/ミックスメタルの品質向上へ
- 東港金属 -
 東港金属(千葉工場・千葉県富津市、福田隆社長)はこのたび、千葉工場に新たな建屋を構えてミックスメタル等を比重選別する設備を新設、稼働を開始した。ミックスメタルから不純物をこれまで以上に多く取り除くための設備。現在は有価で買い取った低品位ミックスメタルを処理しているが、申請中の産業廃棄物処理業許可が下りてからは廃棄物処理後に発生するシュレッダーダスト(SR)の選別も行う計画がある

◇食Rループ認定を取得
複数の外食連携では全国初
- ワタミ -
 ワタミは、名古屋市内でセブン&アイ・フードシステムズ、トリドールホールディングス、松屋フーズ、リンガーハットジャパンと連携し、食品リサイクル法に基づく「再生利用事業計画」の認定を取得した。店舗で生じた調理残さを飼料化し、養鶏場に供給。生産された鶏卵を外食事業者が買い戻し、商品に加工して顧客に提供することで食品リサイクルループを構築している。複数の外食事業者が連携した同認定は全国初という。

◇バイオマス発電や処分場事業好調
増収増益を達成/廃タイルカーペットライン設置
- タケエイ -
 タケエイは8月7日、第1四半期決算報告を行い、連結での売上高は90億3500万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は6億5000万円(前年同期比38.2%増)と大きく業績を伸ばしたことを明らかにした。決算発表については前回と同様、新型コロナウイルスの感染防止を考慮し、インターネット上で行った。

◇災害廃撤去でマニュアル作成
自衛隊の役割分担を明確化
- 環境省/防衛省 -
 環境省と防衛省は、「災害廃棄物の撤去等に係る連携対応マニュアル」を共同で作成し、8月7日に公表した。自衛隊は幹線道路からの撤去など応急の活動を担い、その後は民間事業者に移行するといった役割分担を明確化。関係者に周知し、災害廃棄物の発生に円滑かつ迅速に対応できるよう態勢を整備していく。

◇リチウム電池リユース事業化へ
三菱マテと資本業務提携で合意
- CONNEXX SYSTEMS -
 次世代型蓄電池の開発を行うCONNEXX SYSTEMS(京都府精華町、塚本壽社長)は、三菱マテリアルと資本業務提携で合意し、使用済みの車載リチウムイオン電池(LiB)のリユース・リサイクルの事業化に乗り出した。両社の技術やノウハウを持ち寄り、共同で資源循環システムの構築を目指す。

8月31日号ダイジェストニュース
◇広島市内に処理拠点を開設
中部・関東方面にも営業拡大
- NRS -
 廃石膏ボードリサイクルなどを手掛けるNRS(北九州市、中山卓社長)は、広島市内に新たな処理施設「NRS広島DEPO」を開設した。石膏粉をセメントメーカーへ安定供給していくとともに、運搬コストの削減やパートナー企業含む自社車両を積極的に活用した営業展開を図っていくことが主な目的。施設は、建設廃棄物の処理を手掛ける企業の事業を継承し、既存機器の入れ替えなどを進め、受け入れ可能な体制に入った。

◇コロナ禍で片付け相談急増
フランチャイズ化を推進
- リリーフ -
 リリーフ(兵庫県西宮市、赤澤健一社長)は、コロナ禍の7月の不用品や遺品整理の相談件数が昨年の倍となった。特に関東では3倍以上になってきたこともあり、フランチャイズ計画で全国組織化を推進する。

◇産廃処理の業許可を取得
LiBリサイクルの範囲拡大
- VOLTA -
 エンビプロHDグループのVOLTA(静岡県富士宮市、呉旻宰社長)はこのたび、使用済みリチウムイオンバッテリー(LiB)の処理に対応した産業廃棄物処理業許可を取得した。これまでは希少金属を多く含有する使用済み電池を有価で買い取って再資源化を行っていたが、希少金属含有率が低い廃電池の取り扱いが可能となり事業領域が拡大した。

◇観光バスにバイオ燃料
JR東日本グループで初
- ジェイアールバス関東 -
 ジェイアールバス関東(東京・渋谷)とユーグレナ社(東京・港)は8月22日から、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)と廃食油を原料とする次世代バイオディーゼル燃料「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の定期観光バスへの導入を開始した。バイオ燃料による観光バスの運行はJR東日本グループでは初めて。

◇キックオフミーティングを開催
現状改善しリサイクル推進を/グレーゾーン解消なども議論
- 生コン・残コンソリューション技術研究会 -
 建設現場での「残コン」や「戻りコン」について、十分な有効利用がされていない現状から、積極的なリサイクルの推進を進めるため、産官学の関係者が集い「生コン・残コンソリューション技術研究会」を設立するためのキックオフミーティングが都内で8月19日に行われた。当日は、環境省、国土交通省、経済産業省など政府関係者や研究者、ゼネコンや生コン業者、廃棄物処理業者など多岐にわたる関係者が100人以上参加した(ウェブ、会場合計)。

◇現行方式を点検・評価
第1回目の会合を実施
- 支障除去等に対する支援に関する検討会 -
 環境省を事務局とした「2020年度支障除去等に対する支援に関する検討会」の第1回会合が8月5日に実施された。現行の支援の在り方の点検・評価を行い、必要に応じて見直しを図ることが目的で、今年秋頃に報告書を取りまとめる。

◇廃プラや食残を熱分解処理
活性炭やエネルギー生成可能に/第1号機の導入決まる
- アルパ -
 アルパ(大阪市、中村信一社長)は、廃棄物の熱分解炭化装置「PWCD」を開発した。廃プラスチックや廃木材、竹、食品残渣を熱分解し、再利用可能な炭化物や電気エネルギーを生成するもの。処理費用の削減につながるとして、樹脂成型工場や食品工場、中間処理施設などに幅広く提案を進める。2026年までに主力製品の高濃度廃液処理システム等を含め100億円の売上を目指す。

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