循環経済新聞・バックナンバー“2009年1月度”


1月1日号ダイジェストニュース

2009新春特別号No.1

◇新時代乗切る柔軟経営を
廃棄物処理法は見直しへ/排出者の多様なニーズに対応
処分場、優良性評価も再検討


100年に一度とまでいわれる経済情勢激変の年がやってきた。その波は製造業や建設業、サービス業などのみならず、廃棄物処理・リサイクル業にも間違いなくやってくる。これまで景気変動には比較的強いといわれてきた廃棄物処理・リサイクル業界だが、景気後退の状況の中でさらに進化した企業の形が求められている。



◇新春インタビュー 環境省・谷津龍太郎廃棄物・リサイクル対策部長に聞く
処理施設の温暖化対策を推進/09年は環境省も現場へ
アジア3Rはさらに拡大


昨年、第2次循環基本計画が策定され、地球温暖化対策を盛り込んだ形での循環型社会づくりや地域循環圏の構築など、新たな廃棄物・リサイクル施策の方向性が示された。環境を主要テーマとした北海道洞爺湖サミットも終え、2009年はいよいよこれらのテーマを念頭に置いた施策が具体的に展開されることになる。廃棄物処理法や個別リサイクル法の見直し、廃棄物処理施設整備の推進、市町村の3R拡大施策などについて、環境省廃棄物・リサイクル対策部長の谷津龍太郎氏に話を聞いた。



◇新春インタビュー 環境省・坂川勉産業廃棄物課長に聞く
関連業界の要望を整理/法改正と業界高度化
安定型の再検討も佳境に/電マニは普及率向上
優良性評価も検討必要


昨年9月に中央環境審議会廃棄物処理制度専門委員会で、廃棄物処理法の見直しの検討作業が始まった。当初のスケジュールでは今年度内のとりまとめを目指しており、現在は、関連業界のヒアリングなどであがった現状報告や要望の整理を終え、今後、各論についての議論に入る。一方、来年度事業では安心・安全な最終処分場の確保や電子マニフェストの普及促進、産業廃棄物処理業者の優良性評価制度の見直し、産業廃棄物処理業者からの暴力団排除対策、中小企業のPCB廃棄物処理対策、低濃度PCB汚染物処理実証調査、不法投棄原状回復措置推進、廃棄物処理施設での温暖化対策、アジアにおける適切な資源循環の管理など、さまざまな施策の計画が打ち出されている。第2ステージに入った産業廃棄物処理事業の構造改革のポイントについて、環境省の坂川勉産業廃棄物課長に話を聞いた。



◇廃棄物ビジネスからみた課題
(社)全国産業廃棄物連合会 仁井正夫専務理事
「適正な規制がビジネスの土台」


1997年以降、改正を重ねてきた廃棄物処理法を見直すため、中央環境審議会の廃棄物処理制度専門委員会で検討が行われている。(社)全国産業廃棄物連合会に対しては第3回専門委員会の場でヒアリングが行われた。産業廃棄物処理業者が抱える制度の課題について、仁井正夫専務理事に聞いた。廃棄物ビジネスのためには規制の徹底が必要としながら、「欠格要件は検討の余地がある」と語った――。



◇72の都道府県政令市が回答
安定型見直しなど要望/マニフェ報告は一括集計を
有機物付着など論点に/優良性評価にも様々な意見

- 全国廃棄物関係課長会 -

全国環境衛生・廃棄物関係課長会(会員80)の廃棄物部会が10月28日、さいたま市内で開かれ、都道府県政令市の廃棄物担当課長が安定型処分場の見直しなど国への要望事項を議論した。安定型処分場の見直しを提案したのは九州ブロックの各県で、「安定型5品目の中で有機物などの付着の可能性が高いものを安定型品目から除外する」などが要望事項としてあげられた。(意見調査票の回答率90%で、回答72) 他には、休廃止状態の産業廃棄物焼却施設の解体の促進、中小・零細企業などが保管するPCB廃棄物の処理、産業廃棄物管理票交付等状況報告書、国または第三者機関による優良評価などがあがった。 これら要望事項の中から、産業廃棄物に関連するものを一部抜粋して紹介する。



◇新春対談 廃棄物処理法改正の道のり
(財)日本環境衛生センター特別参与/(社)海外環境協力センター特別参与(前環境省廃棄物・リサイクル対策部部長)由田秀人氏
早稲田大学法学部教授 大塚直氏


現在、中央環境審議会廃棄物処理制度専門委員会で廃棄物処理法見直しの検討作業が進められている。今回の見直し検討は、1997年の法改正の附則で求められた事項の見直しがきっかけだが、これだけにとどまらず、廃棄物処理やリサイクルの現場で問題になっている幅広い事項が議題として取り上げられている。 これまでに続く廃棄物処理法改正と産業廃棄物処理業界の構造改革、排出事業者責任の強化の流れは91年から始まる90年代末までの大改正と00年以降の改正が骨格となっている。 中央環境審議会の委員も務め、鋭い意見を述べてきた大塚直・早稲田大学法学部教授と、兵庫県庁から厚生省、環境省へと廃棄物行政の中で活躍してきた前環境省廃棄物・リサイクル対策部部長の由田秀人・(財)日本環境衛生センター特別参与/(社)海外環境協力センター特別参与に90年代以降の法改正の流れとその背景について大いに語ってもらった。



◇寄稿 廃棄物の定義と排出事業者(中間処理業を含む)責任
行政書士 元埼玉県廃棄物行政OB 北川捷(はやし)
廃棄物とは何か?/廃棄物はなぜ発生し、有価物に変化するのか





◇リサイクルの見える化必要
神戸山手大学教授 中野加都子氏/レジ袋有料化デメリットにも考慮を


環境省の調査によると、2006年度の市区町村等において分別収集により直接資源化された量および中間処理後に再生利用された量の合計は716万トンで、住民団体等の集団回収により資源化された量は305万トンである。 市区町村等による資源化と住民団体等による集団回収とを合わせた総資源化量は1021万トン、リサイクル率は19.6%であり、総資源化量、リサイクル率ともに着実に上昇している。神戸山手大学教授・中野加都子氏にリサイクルの成立要件、レジ袋有料化の課題、レアメタル回収の現状を聞いた。



◇一般廃棄物処理事業実態調査結果を公表
(2008年6月3日公表)/リサイクル率着実に上昇

- 環境省 -

環境省は、全国の市町村および特別地方公共団体(1827市区町村および625一部事務組合)に対し「一般廃棄物処理事業実態調査(2006年度実績)」を行った。 本調査結果は、06年度1年間の実績または、06年度末(07年3月31日)現在の、ごみ・し尿の排出処理状況、廃棄物処理事業経費・人員、一般廃棄物処理施設の整備状況等について、取りまとめたものである。人口については06年10月1日現在であるが、一部は07年3月31日である。



◇ごみ有料化問題の現状と課題
NPO法人集めて使うリサイクル協会 北井弘氏/東京でシンポジウム開催


NPO法人集めて使うリサイクル協会は、2006年度から3カ年事業として「ごみ有料化を恒常的なごみ減量とリサイクル促進に結び付けるためのプロジェクト」と題する事業を行っている。今年度はその最終年度にあたり、これまでの取り組みをおさらいする意味合いで11月26日に東京でシンポジウムを開催した。



◇新名称で法人化へ、大きな節目の開催に
第19回廃棄物学会研究発表会


第19回廃棄物学会研究発表会が11月19日-21日の3日間、京都大学の時計台記念館を中心に、芝蘭会館、総合博物館の3会場で開催された。学会員や学生、登録団体市民、海外からの招待客など、合わせて約1000人が参加。そのほか、無料公開プログラムや市民展示には一般市民も多数来場した。 京都での開催は、02年以来6年ぶり。各方面の学会員から、廃棄物の適正処理や再資源化に関する研究発表が約350編なされたほか、国際シンポジウムや小集会、展示、京都市のバイオ燃料施設見学会など、多彩な行事が行われた。 また今年は、一般公開の特別プログラムを4つ用意。中でも、京都市が先進的な取り組みを行っている「バイオマス利活用」と、昨年設立25年を迎えた「大阪湾フェニックス事業」をテーマにした2つの特別セッションが注目を集めた。 設立から18年を経過する廃棄物学会は、来年から法人として再出発する。名称も新たに「廃棄物資源循環学会」とすることを決定。学会にとっては大きな変革の節目となる発表会について、詳細をレポートする。



◇寄稿 プラスチックリサイクルビジネス2009
エコシス・コンサルティング株式会社 代表取締役 環境プランナーER 平田耕一
資源価格下落時の廃プラスチック処理再生/ビジネスにおける必要要件とあるべき姿





◇ベトナム・タイ環境視察レポート
日系企業の廃棄物リサイクルなどにチャンス到来/有害廃棄物処理とE-Wasteが今後の焦点


2004年のG8シーアイランドサミット(米国)で、3Rを通じた国際的な循環型社会の構築を目指す「3Rイニシアティブ」が合意されてから4年。国レベルで必要な知見の収集が進められている。しかし、アジア地域においては、経済成長に伴う廃棄物発生量の増加や質の多様化、廃棄物を含めた循環資源の越境移動なども顕著になっており、"目指すべき姿"に近づけるには、民間ベースでの取り組みを加速していくことが不可欠となる。 日報アイ・ビーが2008年10月20-25日に実施した「ベトナム・タイ環境視察」のようすをレポートするとともに、現地の廃棄物処理・リサイクル事情を紹介。



◇中国の廃プラ最新事情
金融不況・円高・原油安の影響/原料から熱利用へ移行/日本のサーマル化に懸念の中国


中国の廃プラ市況相場は、2カ月間半で5割以下という大幅な下落を見せた。08年10月の第2週以降、世界金融不況のあおりで、廃プラ中国輸出がストップしたことがきっかけだ。08年10月下旬から11月中旬の0約3週間は、再生PETフレークも下落に歯止めがかからず値が付かない事態が続いた。円高、原油安も加わり、PPやPE、PS粉砕物も需要が緩み下がった。11月に入っても市場の相場下落は下げ止まらない状況が続いていた。 最大市場の中国のPETフレークの建値(メーカー売り値)は、9月時点の1トン当たり約12万円から12月2日時点では、半分の6万円程度になっており、下落を裏付けた。



◇インド廃棄物最新事情
デリー市医療系ごみ処理の実際/基本法揃うが施行に課題も
家庭系と建設系が山積みに


2008年11月25日から30日までの6日間、インドにおける環境ビジネスの可能性の探究を目的とした視察が行われた。旅行主催は、愛知県の加山興業で、コンサルタントの日本総合研究所と視察のサポートとして日報アイ・ビーの記者が随行した。視察の2日目にムンバイでテロ事件が発生して緊張感が走ったが、今回の視察先がデリーということもあり、テロ発生場所から1000キロメートル以上離れていたことから視察は最後までスケジュールに則り行われた。



◇第19回廃棄物学会研究発表会
08年11月19日〜21日開催/研究発表プログラム一覧






1月5日号ダイジェストニュース

2009新春特別号No.2

◇廃棄物コンプライアンス
競争激化で重視される質/処理業も攻めの姿勢で
排出元はシステム構築


世界的な景気後退の中で、廃棄物の排出事業者である一般企業では、本業の持続的な発展のために、地球温暖化防止対策や廃棄物の減量化・適正処理、リサイクルにも取り組まなければならない。競争激化必至の状況では、1つの不祥事が企業の存亡にかかってくる。コンプライアンス重視はうたい文句ではない。それは同時に、廃棄物処理を受託する処理業者にもあてはまる。「大手排出事業者から一手に廃プラスチックを委託されていた処理業者が突然、契約を打ち切られた。他の同業者はその廃プラの争奪に行ったが、うちは他人事ではない」(関東の廃棄物処分業者)。廃棄物処理・リサイクルに必要なコンプライアンスとは何か。



◇産廃処理業のリスク管理
寄稿 攻めのコンプライアンス/環境ワークス代表取締役 黒崎由行
法令順守は前提、より積極的に


2008年の産業廃棄物処理業の許可取消処分は229社708件に上る(環境省ホームページより調査)。その処分理由は名義貸し、積替保管違反、再委託違反などの実務上の違反に加え、傷害、覚せい剤、脱税など役員の欠格要件抵触も多く、改めて廃掃法の厳しさを感じさせる。 経営層にとっては廃掃法の不合理さを嘆いても仕方なく、事業を継続し発展させるための前向きな取り組みが不可欠である。産業廃棄物処理事業とコンプライアンスについて、キーワードをあげてまとめてみた。



◇電子マニフェスト普及
登録件数が急増/08年度登録700万件見込み
少量排出者が団体加入


近年、国の支援を受けて普及促進が図られてきた電子マニフェストシステムが大きな広がりを見せ始めた。3年前には5000者にも満たなかった加入者は昨年11月末には3万8852者に増加。登録(発行)件数も急増し、2008年度通期では約700万件になると見込まれている。



◇減装(へらそう)ショッピング2008
容器包装削減の成果
神戸大学大学院教授 石川雅紀氏


我が国におけるリサイクルは着実に進んだが、ごみ処理量は毎年5000万トンを超えており、ごみはほとんど減少していない。リサイクルに大きな費用がかかることを考えると、今後リサイクルだけでなく、発生抑制が重要課題である事は明らかである。中でも容器包装は家庭系廃棄物の中で大きな割合を占めており、重要である。事業者・生活者が納得でき、有効な対策が必要であり、これまで無かったアイデア、取り組みが求められている。



◇排出事業所レポート 関西国際空港
独自のごみ処理体制を構築/第2滑走路オープンで環境対策も新たな出発


総面積1055ヘクタール、年間離着陸回数12万回――。大阪府南東部泉州沖5キロの海上に横たわる日本初の24時間空港「関西国際空港」が、今年9月で開港15周年を迎える。同空港からもテナントの事務所や飲食店、ホテルなどから大量のごみが発生するが、その処理は一般の「委託処理」とはかなり異なる。自己処理施設「関西国際空港クリーンセンター」を設置し、生ごみなどの可燃ごみ、びん、缶などの資源物を処理。空港島外に搬出されるごみは「焼却灰」とわずかな不燃ごみだけという徹底ぶりだ。第2滑走路の供用開始を節目に、08年度から新たな環境施策「エコ愛ランド推進計画」を掲げて廃棄物削減とリサイクルに取り組んでいる同空港の近況を紹介する。



◇排出事業所レポート コンビニ各社
法改正でハードル高く/試行錯誤で各社取り組みを推進


販売期限切れのお弁当やお惣菜など、コンビニエンスストア1店舗から出てくる食品廃棄物は1日当たり10-15キログラム。店舗総数で考えると、コンビニ業界だけで1日500トン以上の食品が廃棄されている計算になる。07年12月の食品リサイクル法の改正では、再生利用率の低い小売業への規制が強化。達成目標率が20%から45%に引き上げられた。また、フランチャイズ・チェーン全体で一つの事業者とみなし、加盟店の食品廃棄物等の発生量を含めて「食品廃棄物多量発生事業者」と判定されるなど、コンビニ業界にとっては非常に高いハードルとなっている。あるコンビニの担当者は「指をくわえて見ているだけでは、絶対に達成できない困難な目標値。廃棄物処理業者や農畜産業界と連携を強固にし、一歩ずつでも前進したい」と話す。試行錯誤の中、肥料化や飼料化、リサイクルループの確立などに取り組む各社の事例をまとめた。



◇電力業界と循環資源対策
ゼロエミへ向け着実な歩み/一部少量産廃の資源化が課題に


日本のエネルギーの一翼を支える電力事業10社では、産業廃棄物の再生利用が着々と進行している。大量に発生する火力発電所の石炭灰や脱硫石膏に関しては、100%もしくはそれに近い再資源化率を維持している。総体的にがれき類の再生利用、金属くずの資源化も進んでおり、ゼロエミを目指し最後の追い込みに入っている。電力計やバッテリーなど各種資材のリユースシステムの導入など意欲的な取り組みも見受けられた。また、各社の事情によっては碍子(がいし)くずや排水処理汚泥など一部品目でリサイクル手法開発の途上にあるものもあり、今後の課題となっている。各社の2007年度版CSR報告書や環境・社会報告書などをもとに、循環資源にポイントを絞り、概要を紹介する。



◇大手排出事業者の建廃対策の状況
各社が進める取り組みと今後の課題


国内の大手ゼネコン各社では、建設系廃棄物に対する対応策が日々進み、リサイクル率が品目によっては90%を超える時代に入った。最終課題として今後、建設汚泥や建設系の混合廃棄物への対応をどのようにしていくかをより一層、目指す段階に進んでいる。 2008年度版の大手ゼネコン5社のCSR報告書や環境・社会報告書などを基に、リサイクルおよびゼロエミッション化の直近の進ちょく状況を確認。それとともに、取り組みの方向性を検証していく。



◇ハウスメーカーの循環対策
発生抑制から再生利用までの取り組み検証


ハウスメーカー各社では、大手を中心に資源を循環していく試みが年々進んでいる。自社の部材や資材工場とも連携し合い、プレカット加工を徹底するなど施工段階での建設系廃棄物の排出を極小化しようと取り組んでいる。また、建設現場へ搬入される部材・資材の梱包材一つをとっても、簡素化または再使用可能素材に切り替えるなど、さまざまな対策が講じられている。 株式上場中のハウスメーカーのうち、公表されている2008年度版のCSR報告書や環境・社会報告書などから、循環資源に関する部分に着目、現在行われている取り組みの状況を検証する。



◇循環型社会で発展する廃棄物処理業を目指して〜地域中小企業が起こす新たな協業の風〜
規模ではなく「理念追求」志向で
ジームス・アソシエイツ代表取締役社長 有岡義洋





◇廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
前年度比5%の削減

- 環境省 -

環境省は2007年4月1日から08年3月31日までの1年間の全国の廃棄物焼却施設(一般廃棄物焼却施設と産業廃棄物焼却施設)における排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果等について調査し、その結果を取りまとめた。 この1年間に全国の廃棄物焼却施設から排出されたダイオキシン類の総量は、約110グラムと推計された。これは、昨年の調査期間(06年4月1日から07年3月31日まで)における廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の推計排出量約116グラムとの比較では約5%削減したことになり、基準年からも順調に減少している。(環境省発表資料より抜粋)



◇2012年までに原状回復
青森・岩手不法投棄事件/廃棄物総量87万m3


1999年に青森県田子町茂市地内(11ヘクタール)と岩手県二戸市上斗米地内(16ヘクタール)の県境にまたがる野原(27ヘクタール)に全国最大規模の不法投棄事件が発覚し、10年が経過した。現在、青森・岩手両県は2012年までの原状回復に着手するとともに、青森県では跡地利用の公募を行っている。



◇産廃処理業「企業化」への道のり
行政書士エース環境法務事務所代表 尾上雅典氏





◇リスクコミュニケーションの現実
地域と持続的な経営を目指すために/情報公開などHPで/CO2マネジメント


二酸化炭素マネジメントを行う一歩先を行く管理とホームページで徹底した情報公開を行う産業廃棄物収集運搬・中間処理工場をレポートする。



◇リスクコミュニケーション(地域住民との対話)に関するアンケート調査結果


日報アイ・ビーでは、2008年10月16-31日の期間で、弊紙「循環経済新聞」の読者で中間処理業者500社に対し、リスクコミュニケーション(地域住民との良好な関係づくり)に関してアンケート調査を行い71社から回答を得た。住民との関係を良好に保つための方策や社員教育、施設設立時の対応などについて質問し、結果をまとめた。



◇資料紹介 各県で規制強化で相次ぎ条例施行
求められる適正管理・処理の徹底/石綿に関連し解体工事規制拡大も


各県で進む産業廃棄物の規制強化の動向をまとめて紹介している。昨年後半に施行、もしくは2009年前半に施行される条例について、その概要を資料として掲載する。



◇自治体産廃関連規制動向2009
適正処理確保へ新制度の施行相次ぐ


昨年、全国各県では産業廃棄物に関連した条例や要綱、指針などの策定、施行が相次いだ。産廃の適正な保管、移動、処理・処分などについて強化する内容が多く見受けられたほか、施設設置に関する紛争の防止、再生資源の適正な活用を促す制度など、多岐にわたっている。各制度策定の背景、概要などを総覧できる形で紹介する。



◇寄稿 廃棄物由来の新RDF(バイオ燃料)製造技術と今後の展望
環境計画センター・技術士(衛生工学・環境・建設)専任理事 鍵谷司
今春に北海道で本格稼働/新燃料として確立を
旧RDFとの違い/安全な製造手法へ


最近、高温高圧水や亜臨界水による廃棄物の資源化技術が脚光を浴びている。とくに、家庭ごみを破砕することなく高温高圧水で処理することにより粉体のバイオ燃料を製造する技術が実用化の段階にあり、北海道白老町において日量40トンの処理施設が建設中である。 従来のRDF化技術は、家庭ごみを破砕・選別・乾燥・圧縮成形の物理的な方法を組み合せて製造する技術であるが、当該技術は高温高圧水と廃棄物中の有機物を反応させて化学的な方法で粉体燃料を製造する技術である。 生成物は、細粒化された黒い粉体であり、見かけは炭化物だが、燃料特性は従来のRDFに類似しており、新RDFと位置づけられよう。 同技術は、有機系の廃棄物であればなんでも簡単に燃料化できるので、適用範囲が広いこと、かつ従来RDFよりも発熱量が高く、優れた燃料特性を有するなど新RDF技術として爆発的に普及する可能性を秘めている。 本誌では、技術の概要と普及の「鍵」について、長年RDF技術の評価と普及に取り組んできた経験から私見を紹介する。



◇7企業が立地、体制整う
北陸で初のエコタウン事業

- 富山市エコタウン -

富山市は2002年5月に全国で16番目、北陸では初となるエコタウンの承認を受けた。富山市では、エコタウンプランに基づき、地域の独自性を踏まえた廃棄物の発生抑制、リサイクル促進により、「既存の枠にとらわれない」先進的な環境調和型まちづくりを進める考えだ。



◇注目の再資源化施設
環境意識高揚を背景に順調稼働

- 富山市エコタウン -

富山市エコタウンはハイブリッド型プラスチックリサイクル施設から廃食用油リサイクル施設まで幅広く対応したリサイクル施設が稼働している。第1期事業開始から5年、第2期事業開始から3年が経過した今、注目のリサイクル企業の事業内容と現状を紹介する。



◇モーダルシフトとグリーン物流
CO2削減手法の行方/長距離で効果が期待


2008年は京都議定書の約束期間の開始年であり、環境への意識の向上とともに、温室効果ガス削減へ機運が高まる中、従来の輸送手法を転換するモーダルシフトが注目を集めている。大企業でも、2010年時のCO2排出目標値達成への企業活動の一環として、トラック輸送などの陸運から、貨物列車や船舶を使用する海運使用の頻度を増やすなど増加傾向にある。モーダルシフトは海運、貨物鉄道ともに、500km以上の距離の輸送に効果的といわれる。国が進める政策や企業の取り組みをまとめた。



◇廃棄物輸送の取り組み
CO2環境配慮・安全な運搬を/廃棄物輸送の拡大へ/削減に期待


温室効果ガス削減の観点から注目を集めるモーダルシフト。廃棄物輸送を取り巻く実際の現状はどうなっているのだろうか。貨物列車、海上輸送、陸運など各業界に話を聞いた。



◇気になる改正品確法
燃料利用推進協議会が調査/広がるBDF事業の輪
生産量は増加の傾向/廃食用油利用が圧倒的


地球温暖化防止や地域でのエネルギー資源循環の観点から、バイオディーゼル燃料(以下、BDF)への関心が自治体や民間企業、NPO法人などで高まっている。環境配慮を地元に根付かせたい自治体、環境配慮を行う姿勢や新たな営業メニューとして取り組む民間企業など、さまざまな事業者の間で廃食用油回収、製造、利用の取り組みが広がりつつある。 全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会の実態調査の紹介をベースに最近の動向をまとめてみた。



◇砿油リサイクル これまでと今後
再生重油の品質保全を/バイオ再生油にも活路/BDFなど再生多様化


昨年9月頃には1バレル当たり147ドル(WTI価格)にまで高騰した原油価格だが、その直後の10月にはその半値以下に急落し、石油関連業界も混乱が起きた。使用済み潤滑油を原料に再生重油を製造する砿油リサイクル分野では、産業用燃料である石油製品の価格が高かった頃には産業廃棄物処理業の許可をもつ業者のほかに、相当数の処理業許可をもたない業者が廃油の回収に動いた。使用済み潤滑油リサイクルとその業界は今後、どのような方向に向かうのか。



◇バブル過ぎ、市場再形成へ
激動の廃棄物由来燃料





◇環境プラントメーカーの受注動向 (社)日本産業機械工業会の調査から
08年度上期は前年度並み/外需はプラスに/ごみ処理装置は2%減で折り返し


(社)日本産業機械工業会が大手プラントメーカーなどの会員約100社を対象に調査する環境装置受注状況で、2008年度上半期(4-9月)の環境装置受注状況が明らかになった。外需が増加したものの、製造業、官公需が減少したことから、前年同期比99.1%の2649億円で年度前半を折り返した。装置別では、都市ごみ処理装置が前年同期比97.8%の1303億円となっている。同工業会のデータを基に、官公需向けを主力に展開する環境プラントメーカーの受注動向を追ってみた。



◇亜臨界水技術の実用化に向けて
大阪府立大学大学院工学研究科 吉田弘之教授


日本で排出されるごみの7割以上を占める、食品廃棄物や下水汚泥、家畜の排せつ物といった有機性廃棄物。それらを水だけで分解処理し、希少な資源・エネルギーを取り出すことのできる「亜臨界水」が近年、注目を集めている。実用化が着々と進む中、同技術開発研究の第一人者である、大阪府立大学大学院工学研究科の吉田弘之教授に話を聞いた。



1月12日号ダイジェストニュース

2009新春特別号No.3

◇管理・安定型処分場で新施設
総事業費50億円、一廃も受入れ

- オオノ開發 -

オオノ開發(愛媛県松山市、大野照旺社長)は、自社の東温処分場(愛媛県東温市)で管理型および安定型の最終処分場を新たに整備、本格運用に入った。



◇大量CDの処理実現
データ除去と素材再生同時

- キャラバン堂 -

塩ビ管などプラスチックのリサイクル加工事業で実績を重ねるキャラバン堂(静岡県藤枝市、冨田佳和社長)は、CDメディアのデータ消去とリサイクルを同時に環境負荷をかけることなく実現する処理方法を開発した。



◇食リ飼料化事業に参入
低価格の方法を普及へ/和歌山で総合R施設構想

- エコネット環境 -

環境コンサル・機器販売のエコネット環境(和歌山市、梅本将寛社長)は、食品循環資源を乳酸発酵させて飼料化する「シャルシャーシステム」(御池鐵工所製)を軸に、食品リサイクル事業に乗り出す。同システムは、1日当たり500トン処理のプラントで約5000万円という低コストが特徴で、同社が国内外での販売を手掛けるほか、和歌山市内で同システムを組み込んだ総合リサイクルセンターを自ら運営することも視野に入れる。



◇フロン破壊の2号機導入
SF6の無害化処理も可能/年間、120t処理可能に

- 中京フロン -

中京フロン(名古屋市中川区、太等浩二社長)はフロンやハロン、六フッ化硫黄の分解装置2号機を導入した。



◇材料Rは査定値の77%
08年分PET救済措置も

- (財)日本容器包装リサイクル協会 -

(財)日本容器包装リサイクル協会は2009年度の入札で、プラスチック製容器包装(容リプラ)の材料リサイクル業者について、過去3年以内に契約実績のない場合を除き、協会の能力査定値に調整率0.77を掛けたものを落札可能量とする措置を講じた。



◇廃プラ、木くずなどに対応
大型破砕機2基を導入

- 日本ダスト -

NDKグループの日本ダスト(本社:川崎市、吉野建介社長)は、川崎区の工業専用地域にある同社「NDK資源化リサイクル工場」(同白石町、敷地面積5067平方メートル)で新たに破砕設備2基を導入した。



◇固系廃棄物の安全処分へ
燃焼・発電事業などで

- 常州市関連企業共同 -

固形廃棄物は、都市環境に影響を与える汚染の源であり、その安全な処理は、資源の利用を改善するために重要だ。江蘇省常州市は汚泥無害化処理と家庭系の固形廃棄物に対して調査し、効果を達成するための試みを実施する。



◇処分場閉鎖後の適正管理
市が運営基金を創設へ

- 岡山県赤磐市 -

岡山県赤磐市は12月18日、管理型産業廃棄物処分場「エスク岡山」(同市山手)から約1億円の寄付を受け、閉鎖後の維持管理を適切に行う「最終処分場管理運営基金」を創設することを市議会で可決した。



◇全国政令指定都市 一般廃棄物・資源物アンケート調査


本紙編集部では2008年末に全国政令指定市を対象にした一般廃棄物と資源物の排出・リサイクル実態調査を行った。昨今、容リ法の改正議論や家庭ごみの有料化、PETボトルの海外流出、事業系一廃の排出者責任の強化など、一廃と資源物を取り巻く環境は変換期を迎えている。概況の数値ではあるが、調査結果を公表する。



◇使用済み紙おむつを水溶化処理
パルプとプラ、汚泥に分離

- トータルケア・システム -

トータルケア・システム(福岡市、長武志社長)の使用済み紙おむつを水溶化処理しリサイクルする施設「ラブフォレスト大牟田」(処理能力は1日当たり20トン)は2008年度、稼働率約75%、処理量ベースでは前年度より約200トン増加し、約4300トンに達した。



◇建設リサイクル、次の5年に向けて
個別品目、課題克服へ


国土交通省、環境省大臣諮問の合同会合で2007年11月から進められてきた建設リサイクル制度の施行状況についての評価・検討は昨年12月11日、第7回合同会合で取りまとめられ、最終報告が公表された。



◇木くずチップ需給動向
発生量を上回る市場規模/排出量取引がカギか


08年は関東、東北を中心にバイオマスボイラーの稼働が相次いだ。木くずチップは需給がひっ迫する状況が続く。一方、景気の落ち込みなどから、製造業では減産が発表されている。今後の需要動向を探った。



◇千葉県建設リサイクル推進計画2009
2月6日までパブコメ実施


国の建設リサイクル推進計画2008が策定されたのを受けて、千葉県は03年に策定した県推進計画を改め、09-13年度までの目標を定めた「千葉県建設リサイクル推進計画2009」の中間取りまとめ案を公表した。県推進計画は建設リサイクルだけでなく、昨年3月、9月に策定された県環境基本計画、県廃棄物処理計画における具体策としても位置付けられている。策定にあたっては県民参加による実効性のある計画づくりのため、3回にわたるタウンミーティングの場で関係業界などから意見聴取を行ってきた。最終取りまとめは1月9日-2月6日にかけてパブリックコメントが行われた後、庁内ワーキンググループ、関係課長で構成される部会、関係部局各次長で構成される県建設副産物対策協議会の決裁を経て、早ければ今年4月後半にも公表される。



◇建設系混合廃棄物の現状と展望
受け入れ単価は管理型に影響/年間約300万t減少に向かう
各地に大型、高度選別施設も


建設系廃棄物の排出量は、約7700万トン(2005年度・国土交通省)で、建設系混合廃棄物が292.8万トンと全体の3.8%に過ぎないが、処理が困難な点においては重要なポイントとなっている。前回調査(02年度)から13%の削減だ。最近の傾向としては、石膏ボードの混入の有無により処理料金を変えている処理業者もあるようだ。建設系の混合廃棄物の組成や各地の処理単価、再資源化のための最新技術などを中心に紹介する。



◇資料 今後の土壌汚染対策の在り方について(答申) (抜粋)
搬出汚染土対策を明確化/平成20年12月19日

- 中央環境審議会 -

2002年(平成14年)に土壌汚染対策法が制定され、施行から5年が経ち、対策が進捗するとともにさまざまな課題が浮き彫りになっている。これを受けて、昨年5月に環境大臣から中央環境審議会に対して、今後の土壌汚染の対策の在り方について諮問がなされた。中央環境審議会は昨年12月に対策の在り方について答申がなされた。現在は国内の土木工事の減少などにより、セメント原料化などのオフサイト(搬出)処理はやや減少しているとされるが、搬出処理については基準や罰則の面などで不明確なことが多かった。答申の中から特に、掘削された搬出汚染土壌の適正処理についての箇所を抜粋して紹介する。



◇廃石膏ボードのリサイクル最前線
総排出量が年200万tに/市場規模500億円は拡大基調
大手事業者が次々に参入


石膏ボードの生産量が初めて1億平方メートルを超えた1965年以降、70年には2億平方メートル、79年には3億平方メートルを突破し、90年代半ばには6億平方メートルの水準でピークを迎えるまで右肩上がりで伸びてきた。石膏ボードの生産量(重量)は、年間500万トン程度だが、ライフスタイルの変化から石膏ボードは厚くなっており、数年後には約600万トンまで増加すると推測されている。



◇石膏粉の有価物回収の紹介も
炭酸カルシウムの代替品に/前処理に真空乾燥機を活用


中間処理や石膏ボードメーカー、建設業者などで構成する石膏ボードリサイクル推進ネットワーク(藤中秀基代表幹事)は、定期的に「石膏ボードリサイクル推進ネットワーク情報交換会」を開催してきた。毎回の交換会では、回を重ねるごとに会員数が増加している。08年10月17日、12回目を迎えた情報交換会では、全国から30人を越す会員が参加し、各業者が抱えている課題や問題について活発な意見交換が行われた。



◇建設リサイクル、今後のゆくえ
廃石膏ボード、建設混合廃棄物/現状把握へ調査始まる


建設廃棄物のなかで、特に廃石膏ボード、建設混合廃棄物は大きなテーマとなる。建設混合廃棄物の徹底分別、下ごみの精度選別に取り組む動きが活発化し、廃石膏ボードリサイクルの技術開発も進められている。環境省も専門委員会を設置して廃石膏ボードのリサイクル促進に向けた検討に入った。一方、安定型処分場をめぐっては異物混入が指摘されている。リサイクル、適正処理にあたり、処理フローの透明性が求められる。



◇石綿対応策で検討会
ばく露防止へ一層の対策強化へ


アスベスト(石綿)は、その粉じんを吸引することにより肺がんをはじめ中皮腫などといった重篤な健康被害を引き起こすとされている。それを受け、労働安全衛生法施行令の改正に伴い2006年9月に、石綿含有製品の製造などが全面的に禁止されるに至った。 一方、今まで輸入されてきた石綿の大部分は、建材として建築物に使用され、石綿の処理が進んだとされているが、いまだ石綿が使われている建築物は相当数存在しているといわれている。 今後、このような建築物の解体などの作業が増加する傾向があると予想されることから、かかる作業に伴って発生する石綿粉じんへのばく露防止対策を徹底することが重要である。 これらを受け、厚生労働省は建築物解体時におけるアスベストばく露防止対策の実態の把握、課題を整理するため、「建築物の解体等における石綿ばく露防止対策等検討会」(座長、名古屋俊士早稲田大学理工学術院教授)を設置した。 8回にわたり開催された同検討会の報告を一部を抜粋し、検証する。



◇パネルディスカッション 「循環型社会における木質バイオマスの需給展望について」
持続可能な木材利用の可能性を探る

- NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会 -

バイオマスボイラーなどの建設ラッシュが相次ぎ、解体材を始めとする木くずの需要は急激に増加。こうした状況に、関係者はどのように対応していくのか――。 NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会は昨年11月13日、法人設立5周年を記念した全国大会で「循環型社会における木質バイオマスの需給展望について」をテーマにパネルディスカッションを行った。木くずチップの需給動向の現状認識に始まり、林地残材、間伐材を利用するためには国内材需要を喚起することが必要とする意見が挙がった。林野庁は、民間などを巻き込みCO2削減の付加価値づくりに向けた施策を打ち出す。



◇新春インタビュー
環境省 廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室 室長 上田康治氏

"不況は制度安定化の好機"/09年容リ法信頼性確保へ
高度化・透明化・多様化が3課題/レジ袋削減全国大会も
3Rの用途・手法拡大へ


家庭から排出されるごみの約6割を占めるともいわれる容器包装廃棄物。特定事業者、消費者、自治体、再商品化事業者など、多数の主体が関わって3Rの取り組みを進める必要があり、その課題も多い。環境省・上田康治室長に、今後の国の取り組みや容器包装リサイクル法の課題を聞いた。



◇西日本容リプラ業者紹介
事業強化相次ぐ/成型加工工場も竣工


西日本方面では、容器包装プラスチックのマテリアルリサイクル業者の事業強化が相次いでいる。拡大を続けながら、さまざまな取り組みを進める事業者を紹介する。



◇PETボトルリサイクル最前線
設備増設で事業強化も


PETボトルリサイクル推進協議会の調査によると、2007年度のPETボトル回収率は前年度より上昇し、69.2%を達成、世界最高水準をキープしていることが明らかになった。 PETボトルの価格も一時、大幅下落となったが現在では回復傾向にあり、「資源」としての位置づけに変わりはない。近畿圏を中心にPETボトルリサイクル事業の最前線を紹介する。



◇回収率69.2%を達成
2008年度年次報告書を公開

- PETボトルリサイクル推進協議会 -

PETボトルリサイクル推進協議会は2008年10月29日、2008年度年次報告書を公開した。PETボトル回収率は昨年度より上昇し、69.2%を達成、世界最高水準をキープしていることが明らかになった。



◇容リ法・各主体の現場 指定法人に聞く
(財)日本容器包装リサイクル協会 企画調査部長兼広報部長 駒谷進氏

協会を"透明化・見える化"/バランスの取れた再商品化を
09年度PET委託は20万t超


資源価格の大暴落によりPETボトルの追加入札が今回初めて実施されるなど、昨年後半から容器包装リサイクルをめぐる情勢は大きく変化した。(財)日本容器包装リサイクル協会の駒谷進氏に、指定法人としての対応や、今後の計画などを聞いた。



◇容リ法・各主体の現場 特定事業者に聞く
(社)全国清涼飲料工業会 相談役 大平惇氏

容リを世界に誇れる制度に/経済原則との板ばさみも/主体間連携がカギ


容リ法の枠組みの中で再商品化義務を負う特定事業者は、各主体と連携しながらリサイクルや減量化への対応を進めている。とりわけ全清飲は産業界の取り組み推進に大きな役割を果たしてきた。容リ法の立ち上げ当初から策定に関わってきた大平惇氏に、特定事業者が果たすべき役割を聞いた。



◇容リ法・各主体の現場 自治体に聞く
川口市 環境部廃棄物対策課 対策係長 渡部浩一氏

レジ袋有料化を県全域へ/実施店舗で平均80%辞退/市民団体も取り組みけん引


容器包装のリサイクルを進める上で、「減量化」は大きな課題となる。県のモデル事業としてレジ袋の削減に取り組み、今後市外への拡大も狙う川口市に、レジ袋無料配布中止の取り組みと、容器包装リサイクルへの考え方を聞いた。



◇寄稿 容器包装リサイクル法の課題と当面の解決策
NPO法人大阪ごみを考える会 理事長 森住明弘


大阪府箕面市が回収した容リプラがマテリアルリサイクルされている工場を見学した箕面市民が、約半分が産廃として燃やされている!ことに気づいて以来、"業界"常識にどっぷり浸かり、異常と思わなかった自分を反省して、市民とこの問題の解決策を探している(月刊廃棄物2007年1月号掲載)。



◇愛知県を舞台に初の同時開催
全国エコタウン大会・ゼロエミフォーラム


「全国エコタウン大会・ゼロエミッションフォーラム2008inあいち」が2008年11月12・13日にわたり、「私たちの未来は、産業だけでも、環境だけでも成り立たない」をスローガンに掲げ、愛知県常滑市の中部国際空港セントレアホールなどを舞台に開催された。その概要を紹介する。



◇発泡スチロールのリサイクルをめぐる状況
発泡スチロール 再資源化協会専務理事 鈴村洲太郎氏に聞く
今後も主流はインゴットの輸出/国内での用途開発にも注力


発泡スチロール再資源化協会(JEPSRA)は昨年、2007年度の発泡スチロール(EPS)リサイクル率が過去最高の80.9%に達したことを明らかにした。再資源化量が伸長したのは、同年度における中国へのインゴット輸出が好調だったためで、新規参入業者も多く、EPS製品の有価買取を含めた獲得競争が展開されていたことが背景とされる。08年度は輸出向けの資源価格が暴落するなど市場が一変しているが、発泡スチロールのリサイクル市場は今後どう変化していくのか。発泡スチロール再資源化協会専務理事の鈴村洲太郎氏に話を聞いた。



◇リターナブル容器最前線 PETボトル(1)
パルシステム生活協同組合連合会 エコサポート参与 小沢一郎氏に聞く
リユースPETボトル実現へ/消費者団体の力が必要


環境省は昨年、「ペットボトルを始めとした容器包装のリユース・デポジット等の循環的な利用に関する研究会」(座長・安井至国連大学名誉副学長)を設置、5回にわたる審議を経て、7月に中間取りまとめを行った。この中間取りまとめを踏まえ、8月から早速、デポジット制を利用したリターナブルPETボトルの販売・回収・洗浄に係る実証実験がスタート。環境省の委託を受けて直接実験に携わることになったのが、リユースPETボトルの研究に国内で先進的に取り組んできたパルシステム生活協同組合連合会だ。パルシステムグループでこの取り組みの中心的な役割を果たしているエコサポート参与の小沢一郎氏に、活動の成果や今後の展望について話を聞いた。



◇リターナブル容器最前線 PETボトル(2)
PETボトルリサイクル推進協議会 リターナブル分科会委員長 林英一氏に聞く
PETボトルのリユースは難しい/安全性クリアなど課題/リサイクルで環境負荷減る


PETボトルのリユース・デポジットをめぐっては、安全性や採算性の問題、さらに世界の現状などを考慮したうえでの慎重論もある。環境省が昨年開催した「PETボトルをはじめとした容器包装のリユース・デポジット等の循環的な利用に関する研究会」の委員の中で、一貫してこの慎重論の立場を取ってきたのが、PETボトルリサイクル推進協議会リターナブル分科会委員長として参加した林英一氏だ。同協議会専務理事の松野建治氏、同じく同協議会副会長で〓全国清涼飲料工業会専務理事の公文正人氏同席のもと、林氏に話を聞いた。



◇リターナブル容器最前線 ガラスびん編
生活クラブ生協連合会 びん再使用ネットワーク リターナブルびん普及プロジェクト 中村秀次氏に聞く
リターナブルびん復活目指す/"Rドロップス"で実験


生活クラブ生協連合会など全国の6生協で組織される「びん再使用ネットワーク」は昨年、大学生やNPOとともに、リターナブルびん普及プロジェクトに乗り出した。新しいリターナブルびん「Rドロップス」を開発し、大学生協などでのテスト販売を通じてその普及を進めており、第2号のRドロップスも計画中だ。同プロジェクトを担当する中村秀次氏に話を聞いた。



◇2009年度指定法人((社)日本容器包装リサイクル協会)に登録した再生処理事業者





1月19日号ダイジェストニュース

2009新春特別号No.4

◇管理型最終処分場を拡張
大型サーマルリサイクル施設も稼働

- 富山環境整備 -

産廃・一廃の収集運搬、中間処理、リサイクル、最終処分などを総合的に手掛ける富山環境整備(富山市)は、第3期管理型最終処分場を拡張、既存の処分場より面積を約2万平方メートル拡大し、15万7500平方メートルとなった。紙くず、木くず、繊維くず、汚泥についても追加で許可を受け、建設系混合廃棄物の受け入れも可能となった。



◇新社屋で本格受入れ開始
廃プラ原料の国内先も開拓

- ケーイング -

廃プラの再資源化で実績を重ねるケーイング(奈良県天理市、岸森弘樹社長)は、社屋を奈良県天理市に移転し、本格的に受け入れを開始した。



◇汚泥肥料の規制強化?
懇談会で方向性を検討

- 農水省 -

農水省は、汚泥の規制のあり方に関する懇談会(座長・深見元弘宇都宮大学農学部教授)で対象を汚泥肥料とカドミウムに絞り、規制の方向性について検討を行っている。昨年12月に開催した第2回の懇談会で規制の考え方について課題を抽出したところで、今後2、3回の会合で論点整理を行い、年度内にも報告書の取りまとめを行う。



◇手間と知識で高付加価値化
工場系非鉄等を資源化/プラは再生利用、燃料向け

- ニッタ -

非鉄金属や産業廃棄物のリサイクルなどを手掛けるニッタ(山形県鶴岡市、新田善造社長)は、電子電機工場や金属加工工場、建設現場などから排出される多様な非鉄金属などを売却先のメーカー仕様に合わせて細かく分別、採寸加工することで、非鉄などの価格下落や減産の状況下でも堅調な業績をあげている。



◇1万tの緊急備蓄を実施
長期的な見定めが重要

- (財)古紙再生促進センター -

(財)古紙再生促進センターは昨年末、関東地区で段ボール・新聞古紙合計で1万トン規模の緊急備蓄を実施した。



◇安全の象徴、Gマーク
収運業の取得では先駆け

- 黒姫 -

がれき類の収集運搬大手で千葉県船橋市内にクラッシャプラントも稼働させている黒姫(東京・足立、渡辺明彦社長)は、国土交通大臣指定全国貨物自動車運送適正化事業実施機関が認定・交付する安全優良事業所のシンボルマーク「Gマーク」を取得した。一般貨物運送業では広く浸透しているが、産廃収集運搬では先駆けとなる。



◇はさみ式で作業性良い
新型油圧式アリゲーターシャーリング/金属・廃プラ用切断

- 三立機械工業 -

三立機械工業(千葉市、中根昭社長)は、新型の油圧式アリゲーターシャーリング「HAS-400型」の販売を開始した。主にアルミサッシや電線、ラジエーター、ブスバーなどの非鉄金属、ゴムやプラスチックだんごなどの廃プラスチックを対象としており、長尺もの・嵩もの減容や異素材の分別を目的とした切断作業に適している。



◇不法投棄監視・海岸清掃
緊急経済対策に追加

- 神奈川県 -

神奈川県は1月7日、急速に悪化する雇用情勢に対応するため、県緊急経済対策の第4次対策を追加した。



◇裁判事例から見るリスク管理の重要性
(社)産業環境管理協会 環境人材育成センター副所長兼環境リカレント室長 大岡健三





◇カーボンオフセットサービスを開始
自社R製品にも適用

- 山ア砂利商店 -

産業廃棄物のリサイクル、中間処理・最終処分事業などを展開する山ア砂利商店(滋賀県大津市、山ア健二社長)は、タケエイ(東京・港、三本守社長)と提携し、カーボンオフセット・サービスの提供を2009年1月から開始した。



◇新春インタビュー 斉藤鉄夫環境大臣
低炭素社会実現へ向けて/地域の規模や特性に応じた資源循環を


2009年は、電気自動車の発売など、環境ビジネスも変動の年となる。そこで、斉藤鉄夫環境大臣に環境省の政策や今後の取り組みについて話を聞いた。



◇3R施策の新展開
経産省・横山典弘リサイクル推進課長に聞く
3R体制を支援/リサイクル事業をグローバルに


近年、「都市鉱山」という言葉とともに携帯電話、小型家電など多くのレアメタルを含む使用済み製品が話題となっている。 現在、経済産業省が推進している資源有効利用促進法は今後どのような展開を見せるのか。リサイクル事業者に迫る経済市況での資源価格の影響など、今後取り組むべき課題を、経済産業省・横山典弘リサイクル推進課長に聞いた。



◇廃プラリサイクルの行方
中国輸出停止で激震/国内需要探しに模索
リサイクル業者も新たな一手/輸出増加が急転


2008年に起きたサブプライム問題の波がリサイクル業界にも影響を及ぼした。廃プラスチックの中国への輸出が止まり、それまで高値で買い取られていた廃プラスチックは行き場のないまま倉庫に眠っているという。多くのケースで中国輸出再開のめどは立ってはおらず、国内での廃プラ処理業者は買い手を求めて試行錯誤している。現在、日本で発生する廃プラスチックはどのように処理、リサイクルされているのか。リサイクル業者では、どのような取り組みがなされているのか。



◇レアメタル回収のモデル地域
小型家電再生の先駆的取り組み/
都市鉱山から効果的再生へ/産官学の連携と市民協力が鍵に


将来の金属資源の枯渇が現実になりつつある昨今、日本の「都市鉱山」は、世界有数の資源国に匹敵するほど蓄積されており、活用に関心が高まっている。近年、使用済小型家電からレアメタルや貴金属のリサイクルに取り組む自治体や企業が生まれてきた。同様の取り組みはスタートしたばかりで、レアメタルの抽出技術の研究開発については着手されたものの、効率的・効果的な回収方法や適正処理方法等は途上ともいえる。効果的なレアメタルの回収と再生システムの構築をするために、使用済小型家電の回収活動でパイオニアともいえる自治体を紹介する。



◇廃家電リサイクル
引越業者の不適正処理発覚/廃棄物と間違えて処理
リサイクル券のみ残存/正規ルート認識拡大へ


特定家庭用機器再商品化法(以下、家電リサイクル法)は1998年6月に施行され、2003年6月に改正、今年09年4月1日から新たに「特定家庭用機器」に品目が追加することに伴い、同法第57条の規定に基づき、指定法人による再商品化等業務の円滑な実施を図るために必要な経過措置を整備することとなった。しかし、家電リサイクル法は自動車リサイクル法のように自動車購入時にリサイクル券が発行されるのではなく、使用済みとなった廃家電を排出する際にリサイクル券を発行する。そのため排出者(消費者等)の認識は必ずしもすべてが高い訳ではなく、正式な家電リサイクル法としてのルートに乗るのは難しい。 無料回収だとうたって軽トラックなどで回収する悪質業者もあり、回収した使用済み家電は海外に輸出されたり、不正に処理をされるなど、不法投棄されるケースもある。昨年12月に、家電リサイクル法の不適正処理が発覚した。12月24日に環境省ホームページ上に掲載された報道発表資料より経緯、周知事項をまとめた。



◇家電リサイクル法施行例の改正について
液晶・プラズマ式TVと乾燥機が追加/再商品化等の基準引き上げ措置も
代表各社のリサイクル料金横並び


「特定家庭用機器再商品化法施行令の一部を改正する政令」が、2008年12月2日に閣議決定された。この政令は、特定家庭用機器廃棄物の適正な処理および資源の有効な利用を一層推進するため、液晶式およびプラズマ式TVと衣類乾燥機を「特定家庭用機器」に加え、再商品化等の基準を引き上げる等の措置を講ずるもの。政令は、08年12月5日に公布され、09年4月1日に施行される。同政令を受けて、家電関連の各社から品目追加のリサイクル料金について、発表があった。代表的なメーカーの追加されたリサイクル料金を見ると同額ということが見て取れる。



◇寄稿 ピンチの時こそチャンス
中国・亜星(太倉)再生資源開発有限公司 社長 孫自強
(中国プラスチック工業会リサイクル委員会常務副理事長)





◇北九州エコタウン 構想策定から20年の歩みと今後の課題
「環境モデル都市」選定の原動力に
北九州市立大学大学院マネジメント研究科&都市政策研究所
准教授(北九州市エコタウンセンター指定管理者選定委員会委員)松永裕己氏


「環境のことなら北九州市に聞け」――。今、世界の識者からそう評されるようになった同市は、NPOが主催する「日本の環境首都コンテスト」で06年、07年度連続1位受賞。昨年7月には国が指定する「環境モデル都市」の1つにも選ばれ、「アジアの環境首都」を目指している。その原動力ともいえるのが、市全域約500平方メートルをエリアとする「エコタウン事業」だ。礎となった「響灘開発基本構想」で環境産業の育成を打ち出してから20年。世界中から視察に訪れる人の数は年間8万人に上る。同市のエコタウン事業がどのように進んできたのか、また今後どう展開していくのか。研究者として事業に協力してきた北九州市立大学大学院の松永裕己准教授に話を聞いた。



◇OA・PCリサイクル
手分解で資源価値向上/ユーザーに安心を提供
リサイクル証明書なども発行


OA機器やPCのリサイクルは鉄や銅、アルミ、プラスチックなどの素材が使用されており、手分解で資源価値を高めようとリサイクル業者は取り組んでいる。 OA機器といっても一概にコピー機やパソコンだけではなく、オフィスにある椅子や机、その他を請け負うこともあり、リユース品として販売を行っている事業者もいる。 パソコン、コピー機などは2005年4月から全面施行された個人情報保護法により、ハードディスクの取り扱などを徹底し、「見える化」リサイクルを行うべく、排出者に、リサイクル証明書を発行したり、排出者が画面上でどのようにリサイクルが行われているか確認できる仕組みなど、各社は顧客にさまざまな提案を行っている。



◇転機の自動車リサイクル
資源高騰から一転下落/自動車ガラ逆有償化の動きも/処理業者、仕入れ値検討へ


2005年に完全施行された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」(以下、自動車リサイクル法)は使用済自動車の適正なリサイクル、処理を図るために自動車製造者にリサイクル責任を果たすことを義務付けた。 経済産業省と環境省は同法の見直し検討を行うため、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会自動車リサイクルWG中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会自動車リサイクル専門委員会を設置。現在、関連企業などのヒアリングを進めている。 自動車リサイクル法の施行当時に比べシュレッダーダスト(ASR)、エアバッグ、フロン類の処理状況は進んでいるが、現在の使用済自動車リサイクルではどういった処理がなされているのか。



◇自動車リサイクルの現状を探る
国際的に優れた成立の早さ/前払い制度だけでない特徴/中古部品はネットで購入も


100年に一度の不況を増長させた米国の自動車産業は、環境対応の遅れが致命傷となった。日本国内は、いち早く自動車リサイクル法に取り組み、成立のスピードでは欧州をもしのぐといわれる。現在の日本国内の自動車リサイクル法を再度見直して、今後の動向を探究したい。



◇安心安全な安定型処分場へ
環境省専門委が検討開始/建設差し止めの判例も


環境省は昨年11月から、安心・安全な最終処分場の計画的確保について、安定型最終処分に係る調査とともに、最終処分場に係る基準のあり方検討委員会を設置し、作業を開始した。安定型最終処分場については、建設差し止め訴訟に対して、昨年5月と7月に、最高裁判所から設置事業者に「有害物質の混入が不可避」との旨で上告棄却の判決が出され、国としても早急な対応が求められている。



◇インタビュー 安定型処分場のこれから
(独)国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター副センター長 井上雄三氏(工学博士)


安定型処分場が直面する課題点などについて、(独)国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター副センター長の井上雄三氏に話を聞いた。井上氏は課題の整理から将来的な最終処分場新類型への移行の必要性まで言及した。



◇公共関与最終処分場の動向 全国公共関与処分場調査(循環経済新聞編集部)
R率上昇で受入量減少傾向


最終処分場はその建設にあたり、地元住民の反対運動などから民間での新設が困難になりつつある。したがって、公共関与による処分場の存在がより一層、存在感を増している。 残余容量は、一廃・産廃ともに減少し続けているが、年々分別やリサイクルが徹底されていることなどにより、最終処分量が減少、埋立可能年数は微増傾向にある。しかし、大量発生源である都市部周辺で新たに処分場を確保することは、規制の強化と住民の反対運動で新規開業する施設が少なく危機的な状況になっている。 そこで、循環経済新聞の調査で公共関与による処分場の状況を表を使用し紹介するほか、新たに運用開始した処分場を紹介していく。調査表では、各処分場での受け入れ品目や残余年数のほか、個別にアスベスト(石綿)含有廃棄物、廃石綿等の受け入れ料金も記載、総覧できる形とした。



◇公共関与最終処分場の動向 (財)滋賀県環境事業公社
県内唯一の管理型処分場オープン/石綿含有廃棄物の新規受け皿へ


(財)滋賀県環境事業公社(滋賀県甲賀市、嘉田由紀子理事長)は、非飛散性アスベスト(石綿)を含む産業廃棄物の受け皿として期待される、県内唯一となる管理型最終処分場「クリーンセンター滋賀」の受け入れが2008年10月30日より開始した。 同センターの全体埋め立て容量は130万立方メートル、覆土を除いた廃棄物埋め立て容量は90万立方メートルに上る。埋め立て計画期間は15年を予定している。



◇公共関与最終処分場の動向 大阪湾広域臨海環境整備センター
循環型社会への移行が加速、存在感一層高まる/大阪湾沖に新たな処分場
今秋受入れ開始目指す


近畿圏での廃棄物処理を堅実にしていく上で抜きにして語ることができないのが、大阪湾広域臨海環境整備センター(大阪市北区)が進める「大阪湾フェニックス計画」である。現在、「尼崎沖埋立処分場(兵庫県尼崎市)」「神戸沖埋立処分場(神戸市東灘区)」「泉大津沖埋立処分場(大阪府泉大津市)」の3カ所の処分場で受け入れを行っている。大阪湾圏域で生じる廃棄物の適正な処理を長期安定的に実施していくため、既存の3処分場に続く新たな処分場として、2001年7月に埋立許可および免許を取得し、2009年秋の受け入れ開始を目指し「大阪湾埋立処分場(大阪市此花区)」の建設を行っている。



◇インタビュー 彩の国の環境施策について
埼玉県環境部 資源循環推進課課長 田中義彦氏
資源循環工場、第U期へ


埼玉環境整備センターは全国初の県直営処分場として1989年に供用を始めた。この未利用地にリサイクル分野で先端技術を持つ企業を誘致して、彩の国資源循環工場が06年6月にグランドオープンした。構想段階からの住民参加やPFI方式と借地方式による整備、徹底した情報公開と安全管理など新たな手法が導入されて注目されている。県環境部資源循環推進課の田中義彦課長に「彩の国」の環境施策のこれからについて聞いた。



◇2007年度の全国産廃税導入状況 全国の税収総額85.5億円超
産廃の減量、R技術開発・施設整備に活用/不法投棄対策も


産業廃棄物税は産廃に応じて課税される法定外目的税で、産廃の排出抑制、減量化、リサイクルの向上を目的にここ数年で全国に広がっていった。 2002年に三重県で創設されたのを皮切りに、現在では28道府県が導入しており、07年度の全国の税収総額は85億円を超えた。循環経済新聞では、全国47都道府県を対象に導入、未導入別に調査を実施。その結果を基に取りまとめ紹介する。



◇2007年度の全国産廃税導入状況 ゼロエミッション活動を支援
廃棄物R施設設備の整備に充当/産廃の排出抑制、減量化、再生利用を促進





◇無害化処理の現状と展望
過酸化水素で酸化分解法を開発/土壌汚染に効果の原位置浄化手法
ヒ素や重金属を吸着


三菱ガス化学(東京・千代田)と鹿島建設(東京・港)の2社は、揮発性有機化合物(VOC)で汚染された土壌や地下水汚染浄化に効果を発揮する独自の原位置浄化手法を昨年、共同で開発した。



◇寄稿 年頭雑感 環境貢献で次世代への活力維持を
「環境」は重要な次世代のキーワード
NPO法人グリーン環境技術工業会副理事長 大西忠一(工学博士)





◇松山で第6回全国大会
"愛媛の3R企業展"も併催

- (社)全国産業廃棄物連合会青年部協議会 -

(社)全国産業廃棄物連合会(東京都港区、國中賢吉会長)の青年部協議会(浜田篤介会長)は11月15日、「第6回全国大会 地球にエコしょ!ええことしょ!」を松山市総合コミュニティーセンター(愛媛県松山市)で開催した。当日は、全国各都道府県の青年部の代表や子ども連れの一般市民など500人以上が参加した。その全容を紹介する。



1月26日号ダイジェストニュース

2009新春特別号No.5

◇3月に全面リニューアル
新・総合施設が竣工へ/石膏ボは半水・無水生産

- 仙台環境開発 -

管理型処分や中間処理事業で実績を重ねてきた仙台環境開発(仙台市青葉区、渡邊晋ニ社長)は、3月末をめどに青葉区芋沢の既存プラントの隣接地に、総合中間処理施設を全面リニューアルオープンする。既存設備をほぼすべて移設するほか、半水・無水の石膏粉を生産できる乾燥機を備えた石膏ボード再資源化施設を新設する。混廃選別ラインや固形燃料設備なども増強する。廃材や再生材の保管場所も含めて、全面屋内施設として稼働する。



◇物流フィルム回収を継続
リサイクル証明書の発行も

- 日本リソース -

産廃の収集運搬業やリサイクル業で実績を重ねる日本リソース(福岡市中央区、麻生大輔社長)は、廃プラ回収について、物流センターなどから発生するストレッチフィルム(PE製)を従来通り受け入れることを明らかにした。



◇食リループ認定制度
後を絶たない申請/ループの中身は大小多様


改正食品リサイクル法によりリサイクルループを認定する内容に改定された再生利用事業計画の認定制度で、計画の認定申請が後を絶たない。法改正前の認定件数は1件にとどまっていた同制度だが、改正後は昨年5月の第1号認定を皮切りに、昨年末までにはすでに7件の計画が認定された。事業者が活用しやすく、取り組みのインセンティブにもなりやすい制度への移行が功を奏したようだ。



◇廃タイヤ1500t撤去進む
埼玉県、栗橋町、県産廃協が共同で/けやき積立金を活用


埼玉県栗橋町高柳地内(3062平方メートル)に積み上げられた廃タイヤなど1500トンを撤去するため、県、栗橋町、(社)埼玉県産業廃棄物協会(松澤博三会長)は共同で1月8日、撤去作業に着手した。



◇比重選別機を導入
マテリアルR事業強化

- 富山環境整備 -

産廃・一廃の収集運搬、中間処理、リサイクル、最終処分などを総合的に手掛ける富山環境整備(富山市)は、容器包装プラスチックのマテリアルリサイクル事業で湿式比重選別機を導入した。再生品の高品質化を図るとともに処理能力向上を目指す。



◇累計港湾扱い量10万t超過
発生土・汚染土の集荷出荷で/東日本広域の拠点に

- 酒田港リサイクル産業センター -

酒田港リサイクル産業センター(山形県酒田市、加賀谷聡一社長)は、開業した2007年度の建設発生土と汚染土壌の中継拠点としての集荷出荷実績で目標の7000〓を超える約2万5000〓となり、今年1月までの累計の港湾取り扱い実績では10万〓を超えた。現在は保管庫2棟を持つが、扱い量の増加に対応して来年度には保管庫を拡張する計画としている。



◇世界初のハイブリッド機
現行機比20%燃費向上/「LEGEST HYBRID」マグネット仕様機

- 住友建機 -

住友建機(本社・東京)は、油圧ショベルのマグネット仕様では世界初となるハイブリッド機を発売する。マグネット仕様機は、主にスクラップ作業に用いられ、機械の稼働時間が長いことからエネルギーを回収する機械本体の旋回頻度が高く、ハイブリッド化に適している。今年6月1日から販売を開始する。



◇第2処分場建設堅調に進む
2009年度受入れ開始に向け

- 岡山県 -

岡山県は、県環境保全事業団が倉敷市の水島港を埋め立て整備し、2009年度からの受け入れ開始を目指している産業廃棄物最終処分場「水島埋立処分場(第2処分場)」の受け入れ体制が堅調に進んでいることを明らかにした。



◇汚染土壌対策動向
進む汚染土処理技術/複数の技術を併用するものも


土壌汚染対策法が2003年2月に施行、まもなく6年が経過しようとする。土壌汚染の状況の把握や土壌汚染による人の健康被害の防止などを目的とた同法は、これまで大企業の工場や工場跡地、公的な開発に伴い汚染が発覚した場所などの原状回復が多く見受けられた。技術的には揮発性有機化合物(VOC)や重金属、油汚染などについてさまざまな汚染レベルやロケーションを想定したものが出てきた。着実に実績を積んでいる業者と大手ゼネコンの汚染土壌処理技術を紹介する。



◇電マニ活用で効果
建設、医療、外食など/小口・個別の管理にも応用


電子マニフェストの普及拡大に伴い、廃棄物管理情報の本社一元管理や個別追跡システムの構築、管理作業軽減・不適正処理防止など幅広い応用事例があらわれている。



◇食品リサイクル市場の変遷
食リ法改正で市場は変わった?/排出者―農家の橋渡しも重要に
小規模のRループも脚光


食品リサイクル法の2007年度改正を受けて、09年度から食品関連事業者による再生利用等実施状況に関する定期報告が始まる。改正前の緩やかだった法律の規制が強化され、改正法として本格的に威力を発揮するのはこの定期報告以降という見方は強い。一方で規制への対応とは別に、食品リサイクルループ(再生利用事業計画)の認定制度を積極的に活用した新たなビジネスモデルも形成されつつある。こうした状況を踏まえ、食リ法の成立・施行から法改正を経て、食品リサイクルの市場がどう変遷し、今後はどこがポイントになってくるか、食リ法以前の状況、リサイクルの外部委託、オンサイト処理という3つの観点から整理してみた。



◇廃食用油リサイクルの現状
インタビュー 外部へ廃食用油の理解醸成を
全国油脂事業協同組合連合会 専務理事 筒井辰美氏
マニ利用で適正処理推進/有価でも産廃として処理を/約8割が飼料用油脂に


「リサイクルの優等生」と言われる廃食用油。家畜の飼料用、塗料や脂肪酸などの工業用、BDF・ボイラー燃料などの燃料用として、その用途は幅広い。廃食用油の回収・中間処理業者約90社が加盟する全国油脂事業協同組合連合会(全油連)の筒井辰美専務理事に廃食用油をめぐる状況と今後の課題について聞いた。



◇特集 食品廃棄物の発生抑制策
食品ロス削減へ、農水省が報告書/製造・流通と消費の課題抽出
フードバンク利用も浮上


2001年の食品リサイクル法施行以降、食品循環資源の再生利用等実施率は着実に進展したが、発生量そのものは増加基調が続き、発生抑制は進んでいない状況にある。そんな中、農水省は昨年、本来は食べられるにもかかわらず廃棄されている食品ロスに着目。8月に「食品ロスの削減に向けた検討会」を立ち上げ、食品の製造・流通業者や市民団体の関係者を交えて、食品ロスの実態やロスを削減するための方策について全6回の議論を行い、12月26日付で「食品ロスの現状とその削減に向けた対応方向について」と題する報告書を公表した。ここではこの報告書の内容を踏まえる形で、フードチェーンの各段階で食品ロスを削減するためのポイントと、食品を廃棄する前に食品として生かすフードバンク活動の実態について取り上げる。



◇特集 食品廃棄物の発生抑制策
食べられるなら食品に/フードバンク等の事例
食品の第2次市場が浮上


食品ロスの削減に向けた検討会の報告書では、重量や容量、色、形状が標準とは異なっていたり、包材の不良が発生したために通常の流通ルートでは販売が難しくなった規格外食品についても、廃棄する前にできるだけ食品として利用する機会を増やすように求めている。規格外食品の具体的な受け皿として、福祉施設などに無償で提供するフードバンク活動を取り上げており、農水省では09年度予算でその実態調査も予定している。このフードバンク活動をはじめ、販売期限切れでも消費期限が切れていない食品を使って、食堂で安価な料理を提供する取り組みなど、食品ロスの削減につながる食品の第2次市場について、事例を紹介する。



◇食品リサイクルに活用できる各種制度
リサイクル製品や取組を評価/認定・登録・認証の多様な制度
お墨付きで食リ後押し


食品関連事業者から再生利用事業者、農業者に至るまで、食品リサイクルに係る各主体の取り組みやリサイクル製品に対して、認定・登録・認証などの方法で"お墨付き"を与え、後押しをする各種の制度がある。2009年度から本格的な運用がはじまるエコフィード認証制度と食品リサイクル製品認証制度をはじめ、食品リサイクル法の再生利用事業計画認定制度や登録再生利用事業者制度など、食品リサイクルを進めるうえで活用できる関連制度を整理してみた。



◇寄稿 金融危機に立ち向かう
日本廃棄物管理機構(JAAO)木川仁

廃棄物処理業界の今後のあり方/排出者に責任とメリットを提案
事業構造の変化を読み取る





◇ストップ不正輸出
環境省、経産省が税関らと連携/アジア全体の3R推進


昨年、斉藤哲夫環境大臣が横浜税関を訪れ、廃棄物の不正輸出防止を呼びかけた。世界的問題となっている有害廃棄物などの不正輸出をどのように防止していくか、環境省、経済産業省は各税関、関係省庁と連携し不正輸出に取り組む姿勢を見せている。



◇希少金属リサイクルの現状
独立行政法人物質・材料研究機構 材料ラボ長 原田幸明氏に聞く
「都市鉱山」の蓄積ポテンシャル浮上に


資源リスクが叫ばれる中、日本国の「都市鉱山」蓄積ポテンシャルの重要性が急浮上してきた。だが、都市鉱山の「鉱脈」を見つけていないことから、今も多くの使用済製品が回収・再生されることなく回収困難なものとして散らばっている。都市鉱山とレアメタルの回収についてトップランナーの独立行政法人物質・材料研究機構の材料ラボ長でもある原田幸明(はらだ・こうめい)氏に現状と展望を聞いた。



◇資料紹介 低炭素社会への取組との連携の進捗状況を計るための補助指標について
2008年度 第49回循環型社会計画部会/08年12月22日開催


12月22日、第49回循環型社会計画部会が都内で開催された。ここでは、第2次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況や循環型社会形成のための指標および数値目標、循環資源の価格と輸出量などについて、検討・確認された。当日配布された表題資料の全文を紹介する。



◇国内古紙リサイクルの行方
過去・現在から見る将来予測/アメリカ西海岸で価格底打ち/年頭から輸出価格回復か


古紙輸出価格の急落で、国内価格との差が大きく広がった。古紙ジャーナリストの本願靜雄氏(古紙ジャーナル社・社長)に製紙メーカーと古紙問屋の在庫量の現状などについて聞いた。



◇オフィス古紙リサイクル状況調査
総排出量は112万t

- (財)古紙再生促進センター -

古紙利用率62%目標を達成するためには、紙(洋紙)分野での古紙利用の向上、特に印刷情報用紙への古紙利用が不可欠であり、そのためには、原料となる上質系古紙の供給が必要である。その可能性として、オフィス古紙のなかでもシュレーダーした紙(以下シュレッダー古紙)の再資源化率が低いことが、2006年度の調査などで明らかになっており、その有効利用を図ることが期待されている。



◇機密文書リサイクル特集
排出側の「環境志向」で需要増/ニーズに応じサービス拡充
オフセット商品も登場/情報・環境の両立へ


個人情報保護の観点からその市場が伸びた機密文書処理サービスだが、近年は環境意識の高まりから、焼却ではなくリサイクルを望む排出事業者も多いという。古紙の需要が伸び悩むなか、資材としての側面以上に、環境ビジネスとしての側面が浮き彫りになってきた。出張、裁断、溶解など、多様なサービスの事例を紹介する。



◇寄稿 繊維リサイクルの現状と課題
京都工芸繊維大学大学院先端ファイブロ科学部門 木村照夫教授





◇資料紹介 京都府土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例(仮称)の骨子
2008年12月16日公表


京都府は、2005年に発覚した城陽市山砂利採取跡地に建設汚泥由来の再生土が搬入されていた問題などを背景とし、新条例の策定に動いている。08年12月16日から09年1月16日にかけ、意見募集を行った際に公表された骨子案の全文を紹介する。



◇2009年サーマルリサイクル事業の展望
識者解説 (株)関商店代表取締役 日本RPF工業会会長 関勝四郎氏
好不況に左右されないRPF





◇プラスチック処理・リサイクルのこれまでとこれから
マテリアル重視からサーマル重視に移行/4、5年前に比べて進んだ受け皿整備





◇公表市町村数は159
行政と地域が連携体制/適正なバイオマス利活用を目指し
(2008年11月28日公表)

- 農林水産省 -

農林水産省は「バイオマスタウン構想」について、北海道滝上町と秋田県北秋田市の2市町が新たに策定した構想および山形県庄内町の構想改訂を公表した。今回の公表により、全国のバイオマス構想公表市町村は159となる。



バックナンバーに戻る