廃棄物新聞・バックナンバー“1998年5月度”

※5月11日号は休刊です。

5月4日号ダイジェストニュース

◇家電リサイクル実証プラントが稼働
 今年度は1万5千台を処理、実証研究のためのデータを集積
- (財)家電製品協会 -
 (財)家電製品協会は、茨城県那珂町に家電リサイクルプラントを建設・竣工し、4月17日から稼働を始めた。使用済み家電製品をリサイクルするための技術開発などの実証研究を目的に、今年度1年間をかけ、データを集積する。施設の処理能力は年間15万台だが、実際の実験では1万5千台程度を処理する。

◇廃液・汚泥・特管産廃など月間7千7百トンを処理
 中間処理工場の処理能力倍増工事が完了
- エヌケー環境 -
 エヌケー環境(本社・横浜)は今年3月、ケミカル事業部の中間処理工場の処理能力倍増化工事が完了。処理能力は品目別に、低COD系及び高COD系廃酸・廃アルカリ約7300立方メートル/月、特管産廃の廃酸・廃アルカリ・汚泥約100立方メートル/月、廃薬品・廃蛍光灯・廃乾電池約300立方メートル/日となった。

◇管理型処分場を大幅に増設へ
 100トン/日処理の焼却プラントも計画
- ケミカルクリーンサービス -
 ケミカルクリーンサービス(本社・島根県松江市)は松江市内の管理型処分場の第三期工事に着手する。50万立方メートルの施設を新たに計画している。処分場に隣接して小型焼却炉を設置しているが、ダイオキシン対策を含め98年9月、建築基準法第51条の位置決定をうける100トン/日能力の大型ストーカー炉を竣工させる計画も進めている。

◇扱い量7000トン超える
 再生PET樹脂、値下げ
- ウイズペットボトルリサイクル -
 ウイズペットボトルリサイクル(本社・栃木)はこのほど、財日本容器包装リサイクル協会による98年度PETボトルの再商品化に関する入札結果で、昨年度の取扱い量をはるかに上回る7000トンを超えることを明らかにした。また、再利用事業者が購入しやすいよう、再生PET樹脂の販売価格を値下げする。

◇機密文書をリサイクル、首都圏で営業活動本格化
 再生紙のコスト低減も
- セキュリティリサイクル研究所 -
 セキュリティリサイクル研究所(本社・新潟)は、これまで焼却処分していた機密文書を再生紙にリサイクルする事業を展開しているが、このほど、東京など首都圏を対象に営業活動を本格化させている。また、再生紙の販売促進に向け、低価格化に取り組み、白色度を10%下げることでコストを低減している。

◇ペーパーリサイクルセンター(仮称)を整備へ
 事業所内で発生する古紙400トン/年を裁断処理
- 京都銀行 -
 京都銀行(京都市、TEL075-361-2292)は事業所内で発生する古紙対策の一環として、今秋にも専用の回収・再資源化施設「ペーパーリサイクルセンター」(仮称)を稼働させる。伝票や内部資料は機密保持のため焼却していたが、同行で運営・管理する再資源化施設により、機密漏洩防止や森林資源の保護、廃棄物の減量化を図る仕組み。

◇低コストの生分解性プラスチックを開発
 塩ビ並みの加工性で安全
- 環境工学 -
 ベンチャー企業の環境工学(本社・兵庫県、TEL0798-46-8608)は、従来の生分解性プラスチックの弱点であった強度や加工性を大きく改善した「ブループラ」を開発。価格が従来品の半額以下のため、環境対応に苦慮していた容器包装業界などで大きな反響を呼んでいる。市場への本格投入は5月から。

◇環境アセスメントでソフトを発売
 イエス・ノー方式で操作も容易
- NEC -
 NECはこのほど、安田火災海上保険と共同で開発したISO取得支援ソフト「環境ぱーとなー・セレクト」のシリーズとして、「セレクト・環境管理マニュアル」や、オフィス系やサービス系企業向けに「セレクト・環境影響評価」の販売を開始した。日本初のイエス・ノー方式を採用、非製造・中小企業でも容易に操作できるとしている。

◇紫外線と微生物でPCBを無害化
 下水道排水基準をクリア 
- (財)鉄道総合技術研究所 -
 (財)鉄道総合技術研究所(TEL042-573-7219)は、紫外線照射と微生物分解を組み合わせたPCB無害化処理法の開発を三菱重工業、三菱商事と共同で進めてきたが、このほど、パイロットプラントを用いた実証試験で下水道法の排出基準の0.003ミリグラム/リットルを達成した。車両用主変圧器用の絶縁オイルとして使用されたPCBの原液が対象。

◇ダイオキシン類分解装置を本格展開
 省エネルギー装置として国も認定 
- 中外炉工業 -
 中外炉工業(本社・大阪市、TEL06-449-3733 )は4月1日、焼却灰溶融炉とダイオキシン類分解装置を扱うエコプラント事業部を新設、ごみ処理装置分野を本格展開する。98年は30億円の売上を目指すとしている。同社の「蓄熱式ダイオキシン分解装置」はほとんど燃料を必要とせず、高性能工業炉として国の補助対象にもなっている。


5月18日号ダイジェストニュース

◇緊急対策値80ナノグラムは全施設クリア
 焼却施設などを排出実態の調査結果まとまる
- 埼玉県 -
 埼玉県は4月28日、県内のダイオキシン類排出実態の解明が不十分な廃棄物焼却施設、金属精錬施設、塩素漂白施設など25施設について排出実態の緊急調査結果をとりまとめた。法律の規制対象となる焼却能力200キロ/時以上の焼却炉六施設の排ガスについては、すべての施設が緊急対策値の80ナノグラム−TEQ/立方メートルをクリアしていた。

◇PCBの処分・再生で告示
 脱塩素化、超臨界水酸化方式示す
- 厚生省 -
 厚生省は4月21日、PCBの処分及び再生の方法について告示した。@脱塩素化分解方式の反応設備により、薬剤と十分に混合し、脱塩素化反応による分解A超臨界水酸化分解方式の反応設備で超臨界水酸化反応により分解。また、廃プラや金属くずのPCB汚染物は洗浄設備で除去するとしている。

◇安定型処分場、150万立方メートル増設へ
 最終埋立目標は3000万立方メートル
- 城東開発 -
 解体から処理・処分までを建設廃棄物の一環処理事業を展開する城東開発(本社・松山市)は、既設の安定型処分場に加え、新たに容量150万立方メートルの増設を計画している。将来的には数十年単位で増設・拡張を図っていき、最終容量にして3000万立方メートルの埋め立てが可能という。

◇再生砕石で新中間処理工場
 総能力1万6000トン/月体制に
- 東武開発 -
 建設廃材(コンクリートがら)のリサイクルを展開する、東武開発(本社・松山市)は、既存の西条営業所(愛媛県西条市)に加えて、松山市福任町で新たに中間処理工場を計画、許可交付を待つばかり。新工場はクラッシャプラントや篩機などを備えており、本格稼働により、再生処理能力は全社で1万6000トンにまでアップする予定。

◇極小ダイオキシン、さらに低減へ
 助燃材変更などの改善実施
- 日本製油 -
 日本製油(本社・東京)は、川崎事業所(川崎市川崎区)の焼却設備について燃焼条件改善による一層のダイオキシン類発生抑制に取り組む計画に着手した。従来の助燃材の利用をやめ、再生重油やアルコール系廃油などに切り換え、設備面では炉内の耐火材とガス冷却室から煙突までを全て更新している。

◇処理施設3ヶ所設置で産廃大幅削減へ
 セラミック乾燥機を導入
- 京セラ -
 京セラ(本社・京都市)は産廃削減策の一環として、98年度国分工場(鹿児島県)に、99年度滋賀工場にそれぞれ中間処理施設を設置する。97年度に川内工場(鹿児島県)で試験的に乾燥機など処理設備を導入したところ、産廃削減に大きな成果が見られ、他工場でも採用することにした。

◇缶・PETボトル処理に着手
 スーパーなど80店舗と契約
- 安山クリーンサービス -
 安山クリーンサービス(本社・兵庫県姫路市)では、主力の建築系廃棄物処理事業に加えて、サービスの一環として缶・PETボトルなど容器包装廃棄物の処理にも着手した。缶びん、PETボトルや発泡スチロールの処理に携わっており、ジャスコ系スーパーなど80店舗以上と契約している。

◇料金問題研究へ
 超低料金に歯止めを
- (社)全産廃連医療廃棄物部会 -
 (社)全産廃連(会長・鈴木勇吉氏)医療廃棄物部会(部会長・渡辺昇氏)は4月27日、第29回運営委員会を開き、懸案とされてきた医療廃棄物処理料金の超低料金振りに歯止めをかけるため、料金算出方法について研究、関係機関に働き掛ける方針を固めた。業界の自主基準に基づく、料金の明示は「目安として提示可能」としている。

◇小型溶融の実証炉竣工
 受注本格化へデータ収集 
- 日本環境保全 -
 日本環境保全(茨城県牛久市、TEL0298-74-4351)は、熊本県人吉球麿広域行政組合の山江ごみ処理場内に「超小型焼却灰高温溶融炉」の実証プラント建設を完成させ、5月6日竣工式を行った。実証プラントは処理能力が毎時1トンの規模。必要なデータを収集し、中小の自治体や行政組合、処理業者を対象に受注本格化を目指す。

◇ダイオキシン類分解装置を本格展開
 省エネルギー装置として国も認定 
- 日立製作所 -
 日立製作所(本社・東京)はこのほど、ISO14001サポートシステム「エコアシスト」の機能アップを行った。同社は全事業所で環境ISOの認証取得を推進中。すでに30以上の事業所で認証取得済み。同製品はこれまでの同社の技術やノウハウを集大成したもので、認証審査準備、認証後の運用、再審査と全サイクルでサポート可能。


5月25日号ダイジェストニュース

◇環境ビジネスシェア、2010年に34兆円
 廃棄物・リサイクルは18兆円
- (社)日本機械工業連合会/(社)日本産業機械工業会 -
 (社)日本機械工業連合会と社日本産業機械工業会埼玉県は5月13日までに「環境ビジネスに関する調査研究」の報告をとりまとめた。企業の環境対策は今後一定の規制強化を前提に、経済基盤の一翼を担う可能性があり、環境ビジネスのシェアは2010年に約34兆円に拡大、廃棄物リサイクル分野では約18兆円になるとしている。

◇改正処理法の法・政令・省令の運用方針示す
 処理施設の設置許可手続き、許可の基準など
- 厚生省 -
 厚生省は5月7日、環境整備課長名等で各都道府県・政令市廃棄物行政主管部(局)長あてに通知、改正処理法の法・政令・省令の運用方針を示した。主な内容は処理施設の設置許可手続き、許可の基準等、維持管理に関する基準、処理施設の維持管理に関する記録の作成及び閲覧、維持管理積立金制度など。(本号10・11面に内容を掲載)

◇国内最大級の溶融炉、99年4月稼働へ
 重金属含有汚泥や医療廃棄物など特管産廃にも対応
- サンエイ -
 サンエイ(本社・愛知県刈谷市、0566-22-2114)は、処理能力が日量150トンと国内最大級のキルン式溶融炉を建設、来年4月から稼働する。排ガス対策は万全としており、でダイオキシン規制値は確実にクリアできる見込み。廃油、廃プラ、シュレッダーダストの他、重金属含有汚泥やシアン含有廃液、医療廃棄物など特管産廃への対応も可能。

◇安定型処分場のモデル施設で実績
 異物混入など搬入チェック、細心に
- 鳥取県環境保全事業協同組合 -
 鳥取県環境保全事業協同組合は、“理想の安定型処分場”をめざし、94年11月に県内大栄町砂浜に処分場を開設、受入れを開始しているが、安定型品目以外の異物混入有無のチェックに細心の注意を払っている。排出事業者など業界関係者の信頼を獲得、モデル施設として実績を積んでいる。

◇リサイクル燃料製造を増強
 関東第2工場を計画
- ダイセキ -
 ダイセキ(本社・名古屋市)は、リサイクル燃料の製造を主体とした関東第2工場(栃木県佐野市)の建設を計画、環境部門の事業の強化・拡張を図る。97年3月98年2月末までで増収増益を達成。その要因として千葉事業所の新設や九州事業所のリサイクル燃料製造設備の増強などを挙げている。

◇オーナーズコンサルタントに注力
 ごみ処理PFIの流れ受け
- オストランド -
 廃棄物リサイクル問題のコンサルタント、オストランド(本社・東京)は、ごみ処理関連のPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)の流れを受け、新たな事業主体を生み出す、オーナーズコンサルタントに力を入れる。特に、先行した具体的事例をつくる。

◇ワインの絞りカスなど有機汚泥を高速発酵
 「バイオメイト」の技術を応用
- 台湾・国営ワイン工場 -
 台湾の国営ワイン工場は、日量28トンのワインの絞りカスなど有機汚泥を発酵処理し、飼料や肥料として活用する生ごみリサイクルシステムを本格的に開始。台湾では有機農業が国策として増えており、農業関係者の関心を呼んでいる。日本のエヌ・アイ・テクノが開発した生ごみ高速発酵処理装置「バイオメイト」の技術を応用した。

◇用度研究会定例会で医療廃棄物問題を取り上げ
 渡辺昇社全産廃連・医療廃棄物部会長が講演
- (社)日本病院会 -
 (社)日本病院会用度研究会は、5月29日と30日群馬県利根郡内のホテルで「平成10年度定例研究会」を開催するが、医療廃棄物問題を取り上げる。渡辺昇社全国産業廃棄物連合会・医療廃棄物部会長が廃棄物の専門家の立場で講演。ダイオキシン対策について医療機関や処理業者のそれぞれの問題や現状などを聞く。

◇ごみ処理装置、97年度合計受注額で5800億円に
 ダイオキシン規制に伴う排ガス処理装置の新設が要因か 
- (社)日本産業機械工業会 -
 (社)日本産業機械工業会が約140社の会員メーカーを対象に調査する環境装置受注状況から、97年度のごみ処理装置合計受注額が5800億円になり、前年度比112.2%に増加していることがわかった。ダイオキシン規制に伴う焼却炉の改造工事でバグフィルターなどの排ガス処理装置の設置が新たに進んだためと見られる。

◇焼却飛灰のダイオキシン無害化へ
 超臨界水の実証試験開始 
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) -
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、焼却飛灰に含まれるダイオキシン類などを超臨界水を用いて分解、無害化する実証試験をこのほど、完成、実験を開始すると発表した。固定式と可搬式の二タイプの処理装置を使って実証試験を行う計画で、飛灰中のダイオキシン濃度で0.005ナノグラム−TEQ以下を目指す。

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