廃棄物新聞・バックナンバー“1999年10月度”


10月4日号ダイジェストニュース

◇2010年に埋立処分量を半減
廃棄物の減量化目標値示す

- ダイオキシン対策閣僚会議 -

 政府は9月28日、ダイオキシン対策閣僚会議で廃棄物の減量化目標量について、一廃・産廃ともに埋立処分量を2010年度までに96年度に比べ半減させることを決めた。目標量は2010年度を目標年度として96年度の排出量に対する減量化目標値を設定し、2005年度を中間目標年度とした。再生利用量を一廃で1,200万t(全体の24%)産廃で2億3,200万t(同48%)に設定することで埋立処分の目標量達成を図る。



◇焼却炉新設に厳しいまなざし
新処理法に基づく手続きで不許可

- 埼玉県 -

 新廃棄物処理法に則った焼却施設の新設許可申請について、おそらく全国では初めて不許可とする事例が埼玉県で出た。県は9月14日、県北の工業団地内に焼却施設の建設を計画している東京都内の業者に対して、燃焼室や排ガス処理設備が廃棄物処理法施行規則で定める技術基準に適合せず、塩化水素濃度も排出基準を超える可能性が高いとして、申請について不許可処分とした。



◇環境事業団から融資業務引き継ぎ
規模拡大で対応能力アップ

- 日本政策投資銀行 -

 前通常国会で成立した環境事業団法の一部を改正する法律で10月から環境事業団の融資業務が廃止された。代わって、10月1日に設立された日本政策投資銀行が全面的に融資制度を引き継ぎ、業務をスタートした。日本政策投資銀行は、日本開発銀行と北海道東北開発公庫が統合して設立されたもので、99年度下期の事業規模は1兆4,578億円にのぼる。日本政策投資銀行は、環境事業団の融資制度をすべて引き継ぐことを基本としているが、すでに融資の契約が締結されていたものに関する資金交付や債権回収等の業務は、環境事業団が行う。



◇その他プラで1,348市町村が参加
今後の分別収集見込み量集計

- 厚生省 -

 厚生省は9月24日、容器包装リサイクル法に基づく2000年度以降の5年間の分別収集見込み量の集計結果をまとめ、2000年度は新たに再商品化対象品目になる紙製容器包装で全国803市町村、プラスチック製容器包装で1,348市町村が分別収集に参加することを明らかにした。紙製容器包装は、2000年度には803市町村で8万7,000t回収し、2004年度は1,680市町村で21万3,000tを回収する見込み。プラスチック製容器包装の見込み量は2000年度が1,348自治体の23万9,000tで、2004年度は2,283市町村で70万1,000tとなっている。



◇300万m3以上の木くず自ら利用へ
第一段で法面保護工の生育基盤に

- 熊谷組 -

 熊谷組は9月末までに、北は北海道から南は九州まで全社的に同社工事で発生する木くずを今後原則として全量自らリサイクルに向ける方針を固め、第1ステップとして抜木・抜根材をチッパーで15p以下の針状チップに加工し、発生土等をブレンドして法面保護工の一つとして機械的にまき出し、廃棄物等の発生現地で法面保護工の一つとして植生工の生育基盤材に活用する同社土木技術=ネッコチップ工法を推進することとした。



◇PCB処理を2000年に事業化
分析から無害化まで一貫体勢整う

- 神鋼パンテック -

 神鋼パンテック(本社・神戸市)は2000年中に、電力会社や小口の保管事業所からPCB廃棄物を引き取り、無害化する処理事業を立ち上げる。現在、処理施設を設置する場所の選定を急いでいるところで、処理方法や容器の洗浄など、技術的な面はほぼ完成した。PCB処理技術は、10数社が環境庁および通産省の技術評価を終了し、その約半数が厚生省での検討を終えているが、国内で処理事業化を明らかにしたのは初めて。



◇脱臭装置内蔵の生ごみ処理機
微生物や担体の追加不要に

- 三洋電機 -

 三洋電機(本社・大阪府)は9月、業務用生ごみ処理機「ごみナイスグレート」の中小型タイプを発売した。脱臭装置の内蔵、微生物および担体の追加が不要など、様々な点で使い勝手を高めている。今回発売したのは、日量15sおよび30sのタイプ。30sのタイプは、安定した処理を実現するため2つの独立した処理槽を採用した。生ごみを1日ごとに、それぞれの処理槽に交互に投入することで、一次分解が不完全になるのを防いでいる。



◇PCBも処理できるカナダ製廃油熱分解精製装置
日本・中国での受注開始

- 東邦リソース -

韓国の東邦リソースはこのほど東京事務所を開設し、ユートピアコリア社(本社・カナダ)製の高性能廃油精製装置「エコテックシステム」を本格的に販売することになった。多様な廃潤滑油などを混合して精製し、エンジン用と暖房用の二種類のディーゼル油を生産するほか、PCBの無害化処理が可能。現在欧米・アジア・豪州などの17社で数10基が稼働。さらに6社で建設中だ。



◇透水係数が10マイナス7乗/cm2/秒以下
鉛直遮水壁工で土壌・廃棄物分野に参入

- ESE -

 エコシステムエンジニアリング(ESE、本社・東京)はこのほど、透水係数が10マイナス7乗/cm2/秒以下と、廃棄物処理法における管理型処分場整備にあたってしゃ水シート不要の土質地盤の基準値を10倍以上上回る鉛直しゃ水壁工=ESE工法の活用で、土壌汚染浄化や最終処分場の汚染漏れ防止事業に本格参入した。ESE遮水壁を不透水層のある深さまで貫入することで、土壌汚染現場や構造等が不適格な最終処分場から汚染物質が周辺土壌や地下水に拡散するのを原位置で防ぐことができる。



◇ディーゼルに実用可能
廃食油の燃料化で報告書

- 政策科学研究所 -

 財政策科学研究所はこのほど、「98年度廃食用油高度利用検討推進事業研究成果報告書」をまとめた。この研究は農林水産省の委託で94年から行われたてきた廃食用油の活用研究事業の一環として、特に自動車のディーゼルエンジン用にメチルエステス化した場合の性能・課題点を研究した。同報告書は機関性能、排気、燃焼形式などの別に検討を加えた上で、実際の使用が可能と評価するとともに、実用化に向けた課題点を指摘した。



10月11日号ダイジェストニュース

◇PFIの円滑推進に向け船出
合理的なシステム構築など模索

- 日本PFI協会 -

 日本でPFI事業を本来あるべき理想的な姿で推進することを目的とした日本PFI協会(本部・東京都会長・海野恒夫元経済企画庁企画審議官)が先月発足した。同協会では事業像の構築や適切な事業の早期整備を図るため、全国の市町村等の地方自治体にも会員としての参加を呼びかける。現在は民間企業21社が会員だが、企業関係は来年8月末までに120社の加入をめざす。



◇分別解体など4つの戦略
建築解体でリサプログラム

- 建設省 -

 建設省は10月4日、資源循環型社会の構築に資する建築解体廃棄物の分別・リサイクル推進に向けてと題して建築解体廃棄物リサイクルプログラムを策定し、建築物の新設時、建築物の分別解体促進、建築解体廃棄物の再資源化促進、リサイクル市場の四項目で戦略を示した。各戦略のうちリサイクル市場の形成では、再生資材の利用促進、再生資源の利用用途の開拓と再生資材の品質基準の策定、リサイクルおよび再資源化施設の情報交換システムの構築、民間の技術開発に対する支援などを挙げている。



◇廃材受け入れ高値続く
燃料需要はいっそう厳しく

- 関東木くずチップ -

 関東地方の各チップ工場での木くずの受け入れ価格は4,000円/tが標準の所が多く、ここ4カ月ほど数年前に比べ2倍程度の高値が続いているが、総合中間処理工場で木くず破砕も併せて行う所では、5,000円/tを標準とするケースも出てきており、価格上昇はまだ天井に届いてない。不況で燃料・製紙・パーティクルボードの3大需要が低迷しているのに加え、木くずの総リサイクル量の8割を占めると言われる燃料用は老朽化した木くず焚きボイラーの更新期や工場閉鎖に伴う廃止で需要が大打撃を受けている。



◇廃棄物焼却炉特定施設へ、水質環境基準でも具体案
関連規定で報告相次ぐ

- ダイオキシン類特別措置法 -

 ダイオキシン類特別措置法が来年1月15日までに施行されるのを控えて、事実上同法の施行令や施行規則の内容の基になる報告が中央環境審議会の部会で続いている。9月28日には大気部会排出抑制委員会と水質部会ダイオキシン類環境基準専門委員会が開かれ、製鋼用電機炉や廃棄物焼却炉を特定施設に位置付けることや、水質環境基準値で1ピコg−TEQ/lとする案が示された。



◇廃プラ高炉原料が対象に
再生利用の認定制度で告示

- 厚生省 -

 厚生省は9月30日、廃プラスチック類の高炉還元剤での利用について廃棄物処理法で定める再生利用認定制度の対象にすることを決め、同法の施行規則に則って告示した。告示では用途等の基準について▽異物の除去、破砕、脱塩素、検査、分級、その他の処理で廃プラスチック類から高炉で用いる還元剤が製造されるもの▽廃プスチック類から製造される還元剤が高炉で鉄鉱石を還元するために利用されるもの──と示している。



◇他産業からの再生材利用を評価
試験施工でマニュアル案

- 建設省 -

 建設省は9月末までに「公共事業における試験施工のための他産業再生資材試験評価マニュアル案」を取りまとめた。他産業で排出された廃棄物等からの再生原料を建設省の直轄工事で試験施工し、資材としての有効性を評価するための受け入れ・利用基準等の案を明示したもの。個別資材のマニュアル案として、一廃焼却灰の溶融スラグの路盤材や骨材化等々が列挙されており、今後はこれらの品目・用途の可否について可能な限り評価していく。



◇低コストで排水浄化
COD改善、汚泥も減少

- 三石耐火煉瓦 -

 三石耐火煉瓦(本社・岡山県備前市)は9月、既存の排水処理施設に追加して浄化効果を高める多孔質セラミックス「スリーストーンW」を発売した。同製品は、直径1cm、長さ3cm程度の円柱状。無数の微細な孔が開いており、微生物の固定化によって浄化効果を高める。特に効果の高い排水はデンプン系やタンパク質系、染色排水など。BODおよびCODの改善に加え、気候による水質の変化を抑えることができる。また、バルキングの防止も期待できるという。



◇濁水SS濃度を自動監視
省メンテ型センサを発売

- オプテックス -

オプテックス(本社・滋賀県大津市)はこのほど、工場排水などの低濃度懸濁物質量(SS量)を高精度に24時間自動連続監視するセンサー「SSセンサ」を開発、発売した。独自の洗浄システムで長期メンテナンスフリーが特長となっている。初年度120台、3年後には年間300台の販売を見込んでいる。主な用途は、排水処理施設の異常値監視や予測、ISO14001 企業の自主管理、凝集剤などの薬剤投入制御、洗浄ライン工程の洗浄水管理など。工場における環境管理の効率化や省力化が図れる。



◇高濃度DXN排水を低コスト処理
高温燃焼装置を開発、拡販

- フジタ、旭エンジニアリング -

 フジタはこのほど、旭エンジニアリング(本社・東京)と共同で高濃度ダイオキシン類を含む排水の高効率な処理が可能な「排水高温燃焼法(共同特許出願済)による燃焼装置」の開発に成功。本格的な販売を開始した。開発した処理技術は、高温に加熱した焼却炉内に排水を微細な霧状にして吹き込み。急激に冷却することでCO2とH2O等に酸化分解させる高温燃焼分解法。焼却炉は上下に長い円筒形で、上部に加熱用のバーナー、下部に急冷器を配する。



◇嫌気性排水処理で汚泥発生量50分の1に
酒造等へ昨年から納入増

- IHI -

 石川島播磨重工業(IHI、本社・東京)では、98年から少汚泥・省エネのUSAB方式嫌気性排水処理装置の納入数が増加。今年度はすでに日本製紙江津事業所(島根県江津市)に世界最大級の能力をもつ設備の納入も決まっており、10基・30億〜40億円の売り上げを目指している。同方式はメタン生成菌などの嫌気性菌からなるペレット状のバイオマスで高BOD排水をメタンガスと二酸化炭素、処理水にするもので、ガス、処理水、嫌気性グラニュール汚泥の三相分離器を縦型に配した構造になっている。



10月18日号ダイジェストニュース

◇回収PETボトルの再商品化担う
札幌市のリサイクル団地に施設竣工

- 北海道ペットボトルリサイクル、エコシート札幌 -

 札幌市のリサイクル団地内に建設中だった北海道ぺットボトルリサイクル(藤田榮社長)とエコシート札幌(土屋雅男社長)の工場が、このほどともに竣工した。市町村で分別収集されるPETボトルをフレークとして再商品化、シート化まで行う一貫ラインとしては、東北以北で唯一の事業となる。北海道ペットは、総合リサイクルサービス(札幌市)と丸紅(東京都)の出資で昨年10月に設立。エコシート札幌は、丸紅の100%出資で昨年十一月に設立した。



◇古紙利用拡大へ新施設
加須営業所(埼玉)オープン

- 三弘紙業 -

 古紙卸売業の三弘紙業(本社・東京都文京区、社長・上田雄健氏)はこのほど、埼玉県加須市の流通団地内に二百馬力のベーラーや自動背糊細断機を備えた営業所をオープンした。再生紙ブームを背景に、古紙の長期的な市場拡大が見込めると判断、新たな施設設置に踏み切ったもので、古紙の選別回収に取り組む収集運搬業者にとっても新たな受け皿となる。原料としては、各種古紙以外にそのままでは製紙での使用が困難な返本雑誌の選別、加工にも対応。将来的に月間1,200tの受入れを目指す。



◇オフィスの飲食ごみ受入れを開始
日量200tの予定、中防&京浜島処理センターで

- 都清掃局 -

 東京都清掃局は、10月1日からオフィスビルなどで飲食の際に発生するごみの一般廃棄物としての取り扱いを開始した。都が従来から取り扱ってきた事業系を含む一廃の量が減少し、受入れに余裕が出てきたためで、これまで産業廃棄物として扱ってきたオフィスなどから出る弁当容器などのごみを一廃として取り扱うことにした。中防処理センターと京浜島処理センターで合わせて日量200tの受け入れを予定しており、清掃車の搬入台数は、中防処理センターが同約180台、京浜島が同約40台としている。



◇建設副産物対策求める
大阪都市計画高速鉄道第8号線

- 環境庁 -

 環境庁は、大阪都市計画高速鉄道第8号線の計画に関して、運輸および建設大臣から環境影響評価法に基づき意見を求められていた件について、9月30日付けで環境庁長官名の意見書を両大臣へ提出。建設副産物に関しては「工事に伴う発生土については、事業及び工事間における再利用を促進し、海面埋立処分量を最小限に抑制する必要がある」とし、大阪府が定めている建設副産物利用の定量的な目標を定めた建設リサイクル行動計画を念頭に、発生土の再利用率を事業着手後、具体的な目標を定めるよう求めている。



◇南陽事業所でRDF活用
地元市から3,600t/年受け入れ

- 東ソー -

 東ソーでは、南陽事業所(山口県新南陽市)におけるRDFの燃料活用が軌道に乗っている。事業所の立地する新南陽市は、かねてから計画中だたRDF化施設(新南陽市臨海町)を三月までに完成。試験稼働を経て、これまでに月間約380tの製造ペースに乗せている。南陽事業所では、セメント製造の燃料としてうち、300tを受け入れて活用している。



◇県内でR製品の循環を
新たに3品目、県が認定

- 石川県 -

 廃棄物の地域型リサイクルとグリーン購入の啓発を積極的に進める石川県ではこのほど、99年度第3回「石川県リサイクル製品認定審査委員会」の結果報告を発表した。今回はPETボトルの再生製品が新たに3品目加わり、認定製品は累計11企業14品目となった。今年7月に行われた募集に申請したのは、新木プラスチック工業所と馬場化学工業の二社。前者はPETボトルを再生した溶接機把手「トーチハンドル」と小物入れ「こまめ」で、後者は同じくPET製の工業用部品入れ「トレーコンテナー」を開発した。



◇発泡スチロール減容化の液体開発
シトラスオイル利用、短時間で50分の1に

- バイオベンチャーバンク -

 バイオベンチャーバンク(本社・埼玉)はこのほど、発泡スチロール(EPS)を常温・短時間で50分の1に減容化する液体「エコカトン50」(特許出願中)を開発した。EPSを天然原料の液体を利用、減容化することで回収コストを低減し、再びEPS成形品として再生する完全リサイクルシステムを実現するというもの。エコカトン50は、グレープフルーツの皮から抽出した油であるシトラスオイルを主体に100%植物原料を利用しており、環境に影響を与えることなく、EPSを減容化する。



◇大気・土壌環境基準で考え方示す
DXN特措法の規定案論議進む

- 中環審部会 -

中央環境審議会の大気部会第3回ダイオキシン類環境基準専門委員会と土壌農薬部会第2回土壌専門委員会がともに10月6日、東京・霞が関内で開催され、ダイオキシン類特別措置法に基づく環境基準等の考え方等について審議した。土壌については暴露頻度から勘案してすべての土地で一様に1,000pg−TEQ/gの基準値を設定するのは適当ではないとの考えがあり、居住地以外では1,000pg−TEQ/gに比べ大きな数値を対策要件とする可能性がある。



◇全国先駆、燃料チップをボード用に改質
茨城に精選別重視の木くずチップ工場

- ヤマゲン -

 全国でおそらく初めて、異物の混じった燃料チップを木くずチップ業者から引き取り、精選別で品質向上を図った上でパーティクルボード用として出荷するチップ業者が茨城に現れた。大阪に本社を持ち、西日本を中心に山林業や建材の輸入・製造・加工・販売等を手掛けてきたヤマゲン(社長・山本陽一氏)で、今年6月に茨城県つくば市内に日量処理能力160tの木くずチップ工場=つくば・ウッドリサイクルセンターを整備した。



◇建廃系で総処理能力2,500t/日
千葉市内に総合中間竣工

- 共同土木 -

 首都圏建廃の主力会社、共同土木(本社・埼玉、社長・岡林満氏)はこのほど、千葉市内に約3万uと建設混廃系では首都圏最大級の広大な敷地内に混廃等の破砕・選別ライン(混合物選別)、プラスチック圧縮、木材破砕、骨材再生、紙くず・繊維くず等の再生原料圧縮、混練等の設備を備えた総合中間処理工場を竣工、10月末までに本格稼働を始める。処理能力は混合物選別や骨材再生などトータルで2,500tを超える。



10月25日号ダイジェストニュース

◇年内に処理法改正論議実質まとめへ
廃棄物対策の検討課題案示す

- 生環審廃棄物処理部会 -

 生活環境審議会の廃棄物処理部会が10月12日、東京・霞が関の合同庁舎五号館内で開かれ、事務局を務める厚生省は事実上次期通常国会に提出する廃棄物処理法改正案の検討ポイントを示す「当面の廃棄物対策の在り方についての検討課題案」を取りまとめた。産廃処理への公共関与の強化、処理施設の立地にあたっての生活環境保全への配慮についての基準化、市町村単位で一廃処理が困難な時の広域処理やPFI導入、減量化やリサイクル促進での他法令との関わりや自主取り組みを促す仕組みなどが議論の的になる。部会や厚生省は今後の廃棄物対策のあり方についての中間報告の策定と前後して、今年末まで次期国会に提出すべき法案内容を検討する。



◇戻りコン、スラッジを自ら資源化
赤江製破砕機導入で砕石に

- 泰伸生コン -

 泰伸生コン(本社・いわき市、社長・磯上泰孝氏)はこのほど、リサイクル用クラッシャーを生コン施設内に整備し、生コン事業で発生する戻りコンや生コンスラッジを廃棄物にせず養生・破砕で再生砕石を生産し、原則として全量資源化に向けるシステムを確立した。同社では毎月推定で15−16m3の戻りコンと5m3ほどの生コンスラッジが発生し、今回導入したシステムでは、戻りコン三立方メートルに対して生コンスラッジを一立方メートルの割合で混練し、一週間の養生の後に固化した塊をブレーカーで粗破砕し、クラッシャーに掛けて四十−〇の再生砕石を生産して、近隣の土木建築業に有価商品として出荷する。システムの要となるクラッシャーには赤江機械工業(宮崎県東諸県郡綾町入野 4879-1、TEL:0985−77−3000)製のワニコングを採用した。



◇調査、浄化、土地利用まで一貫対応
土壌汚染対策で経費・工期縮減

- 清水建設 -

 過去10年間の土壌汚染の浄化が96件、処理土量160万m3と日本でもトップクラスの実績を持つ清水建設は10月初旬までに本紙取材に応え、浄化事業の受注について、ユーザーの管理・コスト面の負担を低減するため、対象になる土地の調査・評価・計画から浄化、モニタリング、工事後の活用に至る一貫エンジニアリングで請け負う方針を原則としていることを明らかにした。土壌汚染の一般的な調査から修復までのフローは、調査、評価、修復計画、土壌および地下水の浄化、モニタリング、再評価、工事後の土地活用と続くが同社の場合、建設業のノウハウを生かしてすべての事業に自社で一貫して取り組める体制にある。一貫システムを請け負う方が経費・工期ともに削減できる。



◇大手・準大手の5社が完了
着実に拡大浸透するEMS導入

- 建設業界環境ISO認証取得状況 -

 廃棄物新聞ではこのほど、大手ゼネコン5社および準大手11社についてIS014001の認証取得状況を調査。大手ゼネコンでは、清水建設、大林組、竹中工務店の三社がすでに認証取得を完了。大成建設も99年までに残り5支店すべてを、また鹿島は今年度末までに全支店の認証取得を目指しそれぞれ作業を進めている。登録形態別では、清水建設と大林組が全社一括形態をとっており、ほか3社については支店、部門別の取得となっている。



◇フロン回収の協力店制度
来年4月めどに施行へ

- 鹿児島県など -

 鹿児島県フロン対策推進協議会はこのほど、使用済みフロン・ガスの適切な回収・処理を進めるための「フロン回収推進協力店(仮称)」制度の新設を決定した。来年四月の施行をめどに調整作業に入る。「フロン回収推進協力店」は、同協議会が定める基準をもとにフロン回収を行う事業所や店舗などを認定し、名簿を公表するという仕組み。認定事業所は、適正処理のほか、消費者への啓発や回収量の報告などの義務がある。



◇PET再生技術、実証へ
「固相重合」装置を新設

- ホソカワミクロン -

 ホソカワミクロン(大阪市)ではPETボトルの「ボトルtoボトル」リサイクル研究の一環として、このほど、同社技術開発センター(大阪府枚方市)内に「PETフレーク専用固相重合装置」を新設。近く、実用化に向けて実証事業を本格的に立ち上げることを明らかにした。同社と三井化学エンジニアリングが共同で提案する再生PETフレークの「超洗浄・固相重合技術開発」テーマが98年度の通産省NEDO補助事業に採択されたもので、総研究事業費は約8,000万円。半額が補助される。研究期間は来年3月末をめどにしている。



◇バイオG施設を訪問見学
生ごみ処理に関心高く

- 京都府グリーンベンチャー研究交流会-

 環境産業の育成と異業種交流を進める京都府グリーンベンチャー研究交流会(事務局・京都リサーチパーク、京都市)では10月7日、同市内で生ごみバイオガス化施設の見学会を開催。処理業者や環境機器メーカーなど約30人が参加し、リサイクルの仕組みなどを学んだ。はじめに、タクマの新エネ・環境本部の益田光信部長がバイオガス化技術に関する講演を行い、生ごみからのメタン回収プロセスやエネルギー収支、海外の稼働状況などを説明した。中でも、下水汚泥やし尿の処理と比べた場合、「生ごみの方が有害な硫化水素の発生量が少なく、さらにガス回収量は10倍多い」とし、エネルギー利用の観点から実用性の高さを指摘した。



◇リサイクルと産廃処理業で株式を店頭公開
貴金属リサイクルと処分事業軸に

- アサヒプリテック -

貴金属リサイクル・産業廃棄物処理のアサヒプリテック(本社・神戸市、寺山満春社長)は10月14日、日本証券業協会から店頭登録銘柄として承認され、株式の売買を開始した。増資後の資本金は27億3,000万円。同社は1952年朝日化学研究所として創業し、写真廃液からの銀回収を手始めに、貴金属・希少金属リサイクル、産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の収集運搬・処分、宝飾品販売、化成品製造販売、各種エンジニアリングなどに事業を拡大。マレーシアの現地法人設立など、海外での事業にも乗り出している。98年3月期の売上高は157億2,000万円。



◇都水道局浄水場発電でPFI事業
蒸気はスラッジ加温や発生土乾燥に

- 電源開発 -

 電源開発と石川島播磨重工業、清水建設は、東京都水道局金町浄水場常用発電PFIモデル事業に関し7月、事業予定者として選定を受け、近く都と本契約を交わし事業をスタートさせる。事業の運営は、3社で事業会社を設立して行う。 事業内容は、東京都水道局金町浄水場内(葛飾区)にコジェネレーション設備を設置・運営し、電力および蒸気を20年間にわたり供給していくというもの。電力は、平常時や震災時に東京電力からの電力供給が万一停止した場合でも、供給。蒸気は、排水処理施設で発生するスラッジの加温用、発生土の乾燥用として使用していく。



◇古紙再資源化で中部に新会社
国内外四拠点体制へ拡大

- 日本紙パルプ商事 -

 日本紙パルプ商事は10月7日、中部地区における古紙再資源化事業の新会社「中部紙パ資源(本社・愛知県犬山市、社長・紅末真一氏)を設立、2002年3月の営業開始を目指し準備に入った。同社では四月、九州地区の拠点である九州紙パ資源(本社・福岡市)を設立しており、全社的には国内3社、米国1社の計4社体制で古紙再資源化事業を展開していくことになる。



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