法令

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告示

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廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正について
(昭和52年3月26日)



本則


(各都道府県知事・各政令市市長あて厚生省環境衛生局水道環境部長通知)
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律(昭和五一年法律第六八号)第一条等の規定(廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(昭和五二年政令第二五号)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令(昭和五二年厚生省令第七号)及び一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令(昭和五二年総理府令、厚生省令第一号)の施行については、別途厚生省環第一九六号厚生事務次官通知により指示されたところであるが、なお左記事項に留意のうえ、運用に当たつて遺憾のないようにされたい。

一 一般廃棄物処理業及びし尿浄化槽〈そう〉清掃業に関する事項

(一) 一般廃棄物処理業の許可の適正化を図るため欠格条項を設ける等許可基準を整備し、事業範囲の変更の許可、事業の廃止等の届出の規定を設けたほか、一般廃棄物の処理に関する記録の作成及び保存を義務づける等の制度の整備を行つたこと。

(二) し尿浄化槽〈そう〉清掃業に関しても、一般廃棄物処理業に準じ、許可基準を整備し、事業の廃止等の届出の規定を設けたほか、し尿浄化槽〈そう〉の清掃に関する記録の作成及び保存を義務づける等の制度の整備を行つたこと。

(三) (一)及び(二)の改正によつて従来からの一般廃棄物処理業及びし尿浄化槽〈そう〉清掃業の許可の性格に変更をきたすものではないが、これらの改正の趣旨に従い、許可制度の厳正な運用を行うとともに、一般廃棄物処理業者及びし尿浄化槽〈そう〉清掃業者による適正な業務の遂行が確保されるよう指導すること。

(四) 一般廃棄物処理業の事業範囲の変更の許可は、一般廃棄物処理業者がその事業の範囲を拡大しようとするときは、業の廃止届を提出させ、あらためて変更後の事業内容に応じた許可の申請を行わせていたこれまでの取扱いを合理化するために設けられたものであること。

二 一般廃棄物処理施設に関する事項

(一) 一般廃棄物処理施設について、従来からの維持管理に関する規制に加えて、新たに施設の技術上の基準を定め、設置しようとする一般廃棄物処理施設が一般廃棄物の処理を適正に行うことができ、かつ、施設周辺の環境を汚染するおそれがないものであることについて事前の審査を行うこととしたこと。また、一般廃棄物処理施設の構造又は規模を変更しようとするときも届出をさせ、同様の審査を行うこととしたこと。

(二) 一般廃棄物の最終処分場は、一般廃棄物を最終的に環境に還元する場所であり、環境保全上特に慎重な配慮を要するものであるため、一般廃棄物の最終処分場のうち一定のものを新たに一般廃棄物処理施設としてとらえ、他の一般廃棄物処理施設と同様の規制を行うこととしたこと。

(三) 新たに一般廃棄物の最終処分場のうち技術的に高度の維持管理を必要とするものについては、技術管理者を置かなければならないものとしたこと。

なお、施行日において現に存する一般廃棄物の最終処分場については、施行後一年間は技術管理者を置くことを要しないこととしたこと。

(四) 一般廃棄物の埋立処分の用に供する場所であつて、公有水面埋立法(大正一○年法律第五七号)第二条第一項の免許又は同法第四二条第一項の承認を受けて埋立てをする場所(以下「水面埋立地」という。)のうち主として一般廃棄物の埋立処分の用に供される場所として環境庁長官及び厚生大臣が指定する区域以外の区域については、同法に基づく前記の処分に当たつて環境保全にも配慮した規制が行われることにかんがみ廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四五年法律第一三七号。以下「法」という。)の規制を受ける一般廃棄物の最終処分場から除くこととしたこと。

なお、当該水面埋立地において行われる埋立処分であつても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三○○号。以下「令」という。)第三条に規定する一般廃棄物の処分の基準に従わなければならないことはもとより当然のことであること。

(五) 法第八条第二項の規定の運用に当たつては、同項に規定する技術上の基準に従い公正かつ迅速な審査に努めるとともに、技術上の基準に適合するものについては、その設置が円滑に行われるように配慮すること。

三 事業者の産業廃棄物の処理に関する事項

(一) 産業廃棄物の処理に関する事業者の責任を明確化するため産業廃棄物の処理を他人に委託する場合に従うべき基準の設定、事業場内における産業廃棄物の適正な処理を行わせるための産業廃棄物処理責任者制度の創設、産業廃棄物の処理に関する記録の作成及び保存義務について新たな規定を設けたこと。

(二) 事業者は、その産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には、法第一四条第一項の許可を受けた産業廃棄物処理業者その他の産業廃棄物の処理を適法に業として行うことのできる者であつて当該委託しようとする産業廃棄物の処理の業務をその事業の範囲に含むものに委託しなければならないこと。従つて、運搬のみを業として行うことのできる者に対し、当該産業廃棄物の処分をも併せて委託することができないのはもとより、処分を業として行うことのできる者に委託する場合であつても、その者が委託しようとする産業廃棄物の処分の内容をその事業の範囲に含む者に対してでなければ委託できないので事業者等に対しこの趣旨を十分徹底させること。

(三) 有害な産業廃棄物の処分(海洋投入処分を除く。)を委託しようとするときは、その適正な処分をするために必要な事項を記載した文書を交付しなければならないこととしたが、これは環境汚染を生じるおそれの強い産業廃棄物について受託者による適正な処分が行われることを確保するため、委託者がその産業廃棄物の処理に必要な情報を受託者に伝達することを義務づけたものであること。

(四) 産業廃棄物処理責任者は、事業場における産業廃棄物処理に関する責任体制の要となるべきものとして設けられるものであるので、事業場内における産業廃棄物の処理を統括する責任ある立場にある者を選任させるよう指導すること。

なお、産業廃棄物処理責任者を設置しなければならない事業者以外の事業者に対してもその産業廃棄物の適正な処理を確保するための責任体制を整備するよう指導すること。

四 産業廃棄物処理業に関する事項

(一) 産業廃棄物処理業を行う者についても事業者による処理を補完する責任ある処理の主体としてその果すべき役割の重要性にかんがみ、産業廃棄物の適正な処理を行わせるために必要な許可基準の整備、許可に対する期限及び条件の付与、事業範囲の変更の許可、事業の廃止等の届出等の許可制度の整備を行うとともに、産業廃棄物の処理に関する記録の作成及び保存を義務づける等の制度の整備を行つたこと。

(二) また、産業廃棄物処理業の許可を受けた者が委託を受けた産業廃棄物の処理を更に他人に委託することは、その処理についての責任の所在を不明確にし、不法投棄等の不適正処理を誘発するおそれがあるので、これらの者がその産業廃棄物の処理を他人に委託することを原則として禁止することとしたこと。ただし、産業廃棄物の運搬に関しては、その実態を考慮し、事業者から委託を受けた産業廃棄物の運搬に限り令第七条の三に定める委託基準に従つて他人に委託することを認めたこと。

(三) その他一(三)に準じ、産業廃棄物処理業の適正な業務の遂行が確保されるよう適切な運用に努めること。

五 産業廃棄物処理施設に関する事項

(一) 産業廃棄物処理施設に関しても一般廃棄物処理施設と同様の規定の整備を行つたこと。<

(二) 産業廃棄物の最終処分場は、埋立処分する産業廃棄物の環境に及ぼす影響の度合により、有害な産業廃棄物の最終処分場、廃プラスチツク類、ゴムくず、金属くず等その性質が安定しており、生活環境保全上の支障を及ぼすおそれが少ない産業廃棄物の最終処分場及びこれら以外の生活環境の保全上の支障を防止するための措置を講ずる必要がある産業廃棄物の最終処分場を三類型に区分し、それぞれの類型に応じた所要の規制を加えることとしたこと。

(三) 水面埋立地については、二(四)と同様の趣旨により最終処分場の類型ごとに所要の調整を行つたものであること。

(四) その他二(五)に準じ産業廃棄物処理施設に関する制度の適切な運用に努めること。

六 その他

(一) 新たに一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設の設置者に対し当該施設の構造(し尿浄化槽〈そう〉の構造を除く。)に関し報告徴収及び立入りを行うことができることとしたほか、事業者の事務所又は事業場に立入りを行うことができることを明確にしたこと。

(二) 処分基準に適合しない廃棄物の処分が行われたことにより、生活環境の保全上重大な支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときには、当該廃棄物が一般廃棄物の場合には市町村長が、産業廃棄物の場合には都道府県知事がその支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずることができること。この場合において法第一二条第四項又は第一四条第七項の規定に違反した委託により、処分が行われたときには、都道府県知事は、当該処分を行つた者のほか、これらの規定に違反した者に対しても同様の命令を行うことができることとしたこと。