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廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令に規定する廃棄物の収集、運搬、処分等の基準及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令に規定する埋立場所等に排出する廃棄物の排出方法に関する基準の改正等について
(平成11年7月1日)



本則


(各都道府県知事・政令市市長あて環境庁水質保全局長・厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成一一年政令第一六一号。以下「改正政令」という。)により、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三〇〇号。以下「廃掃令」という。)に規定する廃棄物の収集、運搬、処分等の基準(以下「処理基準」という。)及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和四六年政令第二〇一号)に規定する埋立場所等に排出する廃棄物の排出方法に関する基準については、その一部が改正され、平成一三年四月一日から施行されることとなった。また、特定家庭用機器廃棄物の再生又は処分の方法が、特定家庭用機器一般廃棄物及び特定家庭用機器産業廃棄物の再生又は処分の方法として厚生大臣が定める方法(平成一一年厚生省告示第一四八号。以下「告示」という。)により定められ、平成一三年四月一日から適用されることとなった。ついては、左記事項に留意のうえ、その円滑かつ適正な運用を図られるとともに、各都道府県においては管下市町村に周知されたい。

第一 改正の趣旨
  特定家庭用機器廃棄物の再商品化等については、特定家庭用機器再商品化法施行令の一部を改正する政令(平成一一年政令第一六七号)により、特定家庭用機器の製造業者等が行う特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の基準及び再商品化等と一体的に行うべき事項が定められ、平成一三年四月一日から製造業者等による特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の実施が開始されることとなった。
  今回の改正は、この政令改正を踏まえ、特定家庭用機器廃棄物の適正処理の一層の確保を図るため、特定家庭用機器廃棄物の処理について、当該再商品化等の基準及び当該再商品化等と一体的に行うべき事項を実施した場合と同程度以上の効果を有する再生又は処分の方法として厚生大臣が定める方法によることとしたこと。
第二 改正の内容
 一 今回の改正の対象となる廃棄物
   今回の改正の対象となる廃棄物は、特定家庭用機器再商品化法(平成一〇年法律第九七号。以下「再商品化法」という。)第二条第五項に規定する特定家庭用機器廃棄物であるものをいうこと。具体的には、ユニット形エアコンディショナー(ウィンド形エアコンディショナー又は室内ユニットが壁掛け形若しくは床置き形であるセパレート形エアコンディショナーに限る。)、テレビジョン受信機(ブラウン管式のものに限る。)、電気冷蔵庫及び電気洗濯機の四種の家庭用機器が廃棄物となったものであること。
   なお、特定家庭用機器の定義の詳細その他の再商品化法に関する事項については、生衛発第九八三号厚生省生活衛生局水道環境部長通知を参照されたいこと。
 二 特定家庭用機器廃棄物の再生又は中間処理について
   特定家庭用機器廃棄物の再生又は中間処理については、告示に規定する方法により再生又は中間処理を行わなければならないこと。なお、再生されたものについては、適切に原材料又は部品として再度利用されることを確保することが求められること。
   告示の具体的内容及び留意事項は次のとおりであること。
  (一) 告示中第一号について
    特定家庭用機器廃棄物について、当該廃棄物の解体を行い、鉄、アルミニウム又は銅を使用する部品のほとんどを取り出し、これを金属として回収し再生するための設備及び工程を有し、必要な作業を行っているものであること。あるいは、このような作業を行った場合と同程度以上の金属が回収され再生されるための設備及び工程を有し必要な作業を行っていると認められるものであること。
  (二) 告示中第二号について
    特定家庭用機器廃棄物のうち廃テレビジョン受信機の解体を行い、ブラウン管を廃テレビジョン受信機本体から分離し、当該ブラウン管の前面部と側面部を切断等することにより分離しカレット化することにより、それぞれのガラスの材質に応じたガラス又はガラス原材料として再生するための設備及び工程を有し必要な作業を行っているものであること。あるいは、このような作業を行った場合と同程度以上のガラス又はガラス原材料が再生されるための設備及び工程を有し必要な作業を行っていると認められるものであること。
    なお、ブラウン管を構成する鉄、アルミニウム又は銅を使用する部品については、(一)によること。
  (三) 告示中第三号について
    特定家庭用機器廃棄物のうち廃テレビジョン受信機の解体を行い、変圧器等が取り付けられた電源回路を有するプリント配線板及びこれの付属部品(以下「主たるプリント配線板等」という。)を廃テレビジョン受信機本体から分離し、主たるプリント配線板等に含まれる金属を金属精錬等に用いられる溶融加工の工程によりその種類に応じた金属材料として再生するものであること。溶融加工以外の方法による場合については、廃テレビジョン受信機本体から主たるプリント配線板等を分離し、溶融加工を行った場合と同程度以上の金属を回収し、回収された金属が適切に再度金属材料として利用されるものとなると認められるものであること。
  (四) 告示中第四号について
    特定家庭用機器廃棄物のうち廃エアコンディショナー又は廃電気冷蔵庫の冷媒として使用されていたフロン類を回収するものであること。回収に当たっては、回収作業中にフロン類が発散しないよう必要な機材を用いこれを回収するものであること。
    なお、再商品化法に基づき特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に必要な行為を行う者については、別途、再商品化法の規定の適用があること。
  (五) 留意事項について
    特定家庭用機器廃棄物の再生又は中間処理を行う施設と同一の施設において、特定家庭用機器廃棄物以外の廃棄物を処理する場合、当該廃棄物について特定家庭用機器廃棄物に係る処理と同様の処理が行われないときは、それぞれの廃棄物について別に処理を行う、特定家庭用機器廃棄物の再生又は中間処理に伴い生じるもの(処理残さ)を分別して取り扱う等特定家庭用機器廃棄物が告示に規定する方法により再生又は中間処理されたことが識別できるよう必要な措置が講ぜられていること。
    特定家庭用機器廃棄物の再生又は中間処理を複数の者が分担して行う場合、それぞれの者が行う再生又は中間処理が告示に定める方法に照らし適当であるとともに、これら全ての者による再生又は中間処理が完了した時点において、告示に定める再生又は中間処理が行われた状態になっていなければならないこと。
    特定家庭用機器廃棄物に係る処理基準及び告示の規定は、特定家庭用機器の製造業者等、指定法人又はこれらの者の委託を受けた者が再商品化法の規定に基づき実施する再商品化等に必要な行為について適用があること。また、これらの者以外の市町村、廃棄物処理業者等が行う特定家庭用機器廃棄物の処理についても同様であること。
    再商品化法に定める特定家庭用機器廃棄物の再商品化等の基準は毎年度ごとの製造業者等の特定家庭用機器廃棄物の引取り総重量と再商品化等されたものの総重量の割合を定めたものであり、処理基準及び告示で規定する方法は個別の特定家庭用機器廃棄物の処理について適用されるものであること。したがって、特定家庭用機器の製造業者等(製造業者等の委託を受けた者を含む。)が行う特定家庭用機器廃棄物の再商品化等が当該再商品化等の基準を満たしている場合であっても、処理基準及び告示で規定する方法に適合しない場合があること。
 三 特定家庭用機器廃棄物の埋立処分について
   改正政令において、特定家庭用機器廃棄物の埋立処分を行う場合には、あらかじめ、告示に規定する方法により再生又は中間処理を行った状態とすることとしたこと。具体的には、次に掲げる状態となっているもの以外の特定家庭用機器廃棄物(再生又は中間処理に伴い生じる残さを含む。以下同じ。)については、埋立処分を行ってはならないこと。
  (一) 全ての特定家庭用機器廃棄物について、当該廃棄物に含まれる鉄、アルミニウム及び銅について告示に規定する方法により回収された結果として、これらが概ね取り除かれた状態となっていること。
  (二) 特定家庭用機器廃棄物である廃テレビジョン受信機について、当該廃棄物のブラウン管に含まれるガラス及び主たるプリント配線板等に含まれる銅、鉛等の金属について告示に規定する方法により回収された結果として、これらが概ね取り除かれた状態となっていること。
   なお、特定家庭用機器廃棄物の埋立処分に当たっては、当該廃棄物の搬入や埋立処分を行う際に、告示に規定する方法により再生又は中間処理された結果として(一)及び(二)に示した状態となっていることを、当該廃棄物の埋立処分を行う者が確認する必要があること。特に、特定家庭用機器廃棄物と、自動車等破砕物(特定家庭用機器廃棄物であるものを除く。)その他同様の性状や形状を有する廃棄物が同一の埋立地において同時に搬入され、埋立処分される場合であって、当該家庭用機器廃棄物が適正に再生又は中間処理されていない疑いがあるときは、あらかじめ埋立処分を行う者が当該搬入する特定家庭用機器廃棄物について、その再生又は中間処理を行った者及び施設における処理方法及び能力等の必要な情報を把握すること等の措置が求められること。
   また、(一)及び(二)に示した状態となった特定家庭用機器廃棄物については、その性状や形状に応じて、自動車等破砕物その他の廃棄物として従前どおりの埋立処分の基準が適用されるものであること。
 四 海洋投入処分の基準について
   特定家庭用機器廃棄物は、廃掃令第三条第四号イ及び第六条第一項第四号イに掲げる船舶から海洋投入処分を行うことができる廃棄物のいずれにも該当しないため、海洋投入処分を行ってはならないこと。
 五 船舶から埋立場所等に排出する廃棄物の排出方法に関する基準について
   海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令に規定する船舶から埋立場所等に排出する廃棄物の排出方法に関する基準についても、廃掃令と同趣旨の改正を行ったこと。
第三 経過措置
  改正政令の施行(平成一三年四月一日)の際既に収集、運搬又は処分が行われている特定家庭用機器廃棄物については、平成一三年九月三〇日までの間、適用を猶予する旨の経過措置を設けることとしたこと。ただし、平成一三年一〇月一日以降は、たとえ改正政令の施行の際既に収集、運搬又は処分が行われていた特定家庭用機器廃棄物であっても、改正政令による改正後の廃掃令の適用があること。