法令

>

告示

>

廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第三条及び第六条に規定する廃棄物の処分の基準等の改正について
(昭和52年3月26日)



本則


(各都道府県知事・各政令市長あて環境庁水質保全局長通達)
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令(昭和五二年政令第二五号)が、昭和五二年三月九日に公布され、昭和五二年三月一五日から施行された。
 本政令においては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律(昭和五一年法律第六八号)の施行に伴う改正とあわせて、燃えがら及びばいじんに係る処分の基準を整備する等のため廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四六年政令第三〇〇号。以下「廃令」という。)第三条及び第六条に規定する廃棄物の処分の基準が改正されるとともに、附則において海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令(昭和四六年政令第二〇一号。以下「海令」という。)の関係規定が改正されたところである。
 また、これに伴い、有害な産業廃棄物に係る判定基準を定める総理府令等の一部を改正する総理府令(昭和五二年総理府令第三号)、産業廃棄物に含まれる有害物質の検定方法の一部を改正する告示(昭和五二年三月環境庁告示第四号)、有害な廃棄物の固型化に関する基準(昭和五二年三月環境庁告示第五号)及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第三号に規定する海洋投入処分を行うことができる産業廃棄物に含まれる油分の検定方法の一部を改正する告示(昭和五二年三月環境庁告示第六号)が、昭和五二年三月一四日に公布され、昭和五二年三月一五日から施行された。
 ついては、左記の事項に留意され、これらの円滑かつ適正な運用を図られたい。

第一 廃令に規定する廃棄物の処分基準の改正
 一 一般廃棄物の処分基準
  (一) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正により、一般廃棄物の最終処分場に関する規定が整備されたことに伴い、一般廃棄物の埋立処分の基準のうち埋立地の構造及び維持管理に係るものについて所要の整理をしたこと。
    なお、最終処分場に関する規定が適用されない一定規模以下の埋立地において埋立処分を行う場合においても、当然のことながら、埋立地からの浸出液によつて公共の水域等を汚染するおそれがないように必要な措置を講ずること(廃令第三条第四号ロ)等の埋立処分の基準が適用されるものであるので留意されたいこと。
  (二) 可燃性の一般廃棄物を焼却したものの海洋投入処分は、認めないこととしたこと。
 二 産業廃棄物の処分基準
  (一) 産業廃棄物の埋立処分の基準についても、一の(一)と同様の趣旨から所要の整理をしたこと。
  (二) 燃えてから及び廃令第一条第一二号に掲げる産業廃棄物(以下「ばいじん」という。)の処分基準を次のように整備したこと。
   ア 埋立処分
     廃令別表第一の第二欄の掲げる施設において生じた燃えがら及びばいじん並びに同表の第三欄に掲げる施設において生じたばいじん並びにこれらの産業廃棄物を処分するために処理したものであつて、総理府令で定める基準を超えて水銀等の同表の第四欄に掲げる物質を含むものの埋立処分に当たつては、有害汚でい等に係る従来の規制と同様の規制を行うこととしたこと。
     廃令別表第一の第二欄に掲げる施設として、同表の第四欄に掲げる物質ごとに別表第二の中欄に掲げる施設を有する工場等において生じた汚でい、廃酸若しくは廃アルカリ又は指定下水汚でいの焼却施設及び廃令第七条第八号に掲げる施設が、また同表の第三欄に掲げる施設として、同表の第四欄に掲げる物質ごとに大気汚染防止法施行令(昭和四三年政令第三二九号)別表第一に掲げる金属精錬施設等が定められたこと。
     なお、別表第二の中欄に掲げる施設を有する工場等において生じた汚でい焼却により生じた燃えがら及びばいじんについては、従来、総理府令で定める基準を超えて有害物質を含む汚でいの焼却により生じたもののみを、汚でいを処分するために処理したものとして有害物質規制が行われてきたところであるが、別表第一の第四欄に掲げる有害物質に関しては、総理府令で定める基準に適合する汚でいの焼却により生じたものであつても、焼却により基準に適合しなくなるものがあることから、これも含めて廃令第六条第一号イ(一)及び(二)により包括的に有害物質規制を行うこととしたこと。従つて、別表第一の第四欄に掲げられていないPCBを総理府令で定める基準を超えて含む汚でいの焼却により生じた燃えがら及びばいじんについては、廃令第六条第一号イ(四)により従来どおりの有害物質規制が行われるものであるので、留意されたいこと。
   イ 海洋投入処分
     廃令別表第一の第二欄に掲げる施設において生じた燃えがら及びばいじん並びに同表の第三欄に掲げる施設において生じたばいじんであつて、総理府令で定める基準を超えて水銀等の同表の第四欄に掲げる物質を含むものの海洋投入処分は認めないこととしたこと。ただし、鉛若しくはその化合物、六価クロム化合物又はひ素若しくはその化合物に係るものであつて、環境庁長官が定めるところにより固型化したものは海洋投入処分することができること。
  (三) 有害汚でい等の固型化の方法について、従来、通知により対処してきたところであるが、これを環境庁長官が定めることとし、より適正な固型化処理を確保するとともに、今後の固型化技術の開発にも対処できることとしたこと。
    なお、今回の改正に伴い、「有害汚でいのコンクリート固型化処理に関する基準について」(昭和五一年五月二八日環水企第八二号及び昭和五一年八月一六日環水企第一二四号通知)は廃止すること。
  (四) 海洋投入処分することができる令第一条第四号に掲げる産業廃棄物について、油分の除去の基準を定めたこと。
    なお、当該基準の運用については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令及び海洋汚染防止法施行令の一部を改正する政令の施行等について」(昭和五一年三月一七日、環水企第三八号、環整第一八号通知)第三の一によられたいこと。
  (五) 別表第二に掲げる特定施設として水銀に係るカーバイド法アセチレン誘導品製造業の用に供するアセチレン精製施設等の施設を追加したこと。
    なお、特定施設については、今後とも、新たなデータ等に基づき、検討していくこととしているので、貴職におかれても、その実態等のは握に努められ、当庁に連絡されたいこと。
第二 海令に規定する排出方法等の基準の改正
  (一) 第一の二の(二)のアの廃棄物の船舶から埋立場所等への排出に当たつては、有害汚でい等に係る従来の規制と同様の規制を行うこととしたこと。
  (二) 第一の二の(二)のイただし書の海洋投入処分することができる廃棄物の排出海域をA海域としたこと。