包装タイムス・バックナンバー“2000年10月度”


10月2日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇関東下館工場が本格稼動
透明PS・発泡PP容器の生産増強/ともに月産700t体制に

- エフピコ -

エフピコ(広島県)は、関東下館工場(茨城県)の第1期・第2期設備工事を9月25日に完了し、高透明ポリスチレン容器「クリスター」と新型耐熱性PP製発泡食品容器「ハイスター」の本格生産を開始した。工場ベースではともにシート換算で月産700t体制となり、同社全体ではクリスターが月間2千数百t 、ハイスターが1,000t超の供給体制が整ったとみられる。



<その他容器>
◇次世代型ボトルデザインシステム開発
「ソリッドカーネル」採用で作業の大幅効率化も

- 日本山村硝子 -

日本山村硝子(兵庫県)は、アルモニコス(静岡県)と共同で高精度の三次元ボトルデザインシステム「NEO-YDS」を開発した。多様なデザインニーズに従来型よりも迅速に対応できるほか、システム内部の演算処理にツールキット「ソリッドカーネル」を採用したことでボトルメーカー側にとっても使い勝手が大幅に向上。設計・製造など他部門とのデータ共有化も可能になった。



<紙器・段ボール>
◇Fフルート用シングルフェーサーを設置
A段用を切り替え10月から生産開始

- 幸洋ダンボール工業所 -

幸洋ダンボール工業所(奈良県)では、Fフルート用縦型ノーフィンガーシングルフェーサー(SF)を導入、10月から生産を開始した。同社はこれまでAフルート用 2台、B 、E 用各1台の計4台のSFで片面段ボールの生産を行ってきたが、このうちA用1台を F用に切り替えた。段ボール業界ではG ・F といったマイクロフルートの注目が高まるのに伴い一部でコルゲーターの導入も進んでいるが、SF単体での設置例はほとんどない。



<フィルム・軟包装>
◇自動張力設定装置付の巻き取り機
モデルチェンジで機能大幅アップ

- トミー機械工業 -

トミー機械工業(横浜市)は、自動張力設定装置付の4軸ターレット自動巻き取り機「モデル TWBH-1500」を大幅にモデルチェンジした。需要家の要望に応え、独自開発の各種新技術を取り入れることで機能を飛躍的に向上。その中心は自動張力設定装置で、自動テンションコントロールに加え、巻径や巻き上がり時間を計算表示する機能を付加した。また、フィルム温度センサーにより温度変化を連続的に捕らえてテンションの補正を行うほか、第1ピンチロールまでのテンション制御も可能とした。



<フィルム・軟包装>
◇吸水紙とLL不織布を複合
ウェットバック性解消/ラミネート品を電子レンジ用として展開

- 睦化学工業、出光ユニテック -

睦化学工業(名古屋市)と出光ユニテック(東京都)はこのほど、吸水紙とLL不織布(LLDPE )を複合させた新包材「ストラマイティ吸水グレード」を共同開発した。睦化学は、同包材をラミネート加工した電子レンジ対応包材「POCKET KEEP (ポケット・キープ)を本格展開する。吸水ムラがなく、吸水物がほとんど逆流(ウェットバック)しないなどの特性がある。



<外装機器・資材>
◇生分解性フォームの販売開始
物性はEPS とほぼ同等/ポリ乳酸系発泡ビーズを使用

- 小倉貿易 -

小倉貿易(東京都)はこのほど、ボードや二次加工品など、生分解性の発泡成形体「ラクトロンフォーム」を成形加工メーカーと共同で開発し、販売を開始した。トウモロコシ由来のポリ乳酸を原料に使ったビーズ発泡体で、製品物性では発泡スチロール(EPS )とほぼ同等、加工性ではEPS より優れるという。天然素材を原料とする環境配慮型の製品としてEPS 代替需要を狙う。



<外装機器・資材>
◇3アイテムを同時発売
エア緩衝材製造システム2機種と廃棄物圧縮用の手結束PETひも

- 司化成工業 -

司化成工業(東京都)はこのほど、エア充填緩衝材の製造システム2機種と国産化は初めてという廃棄物圧縮梱包用のPET製手結束ひもを同時に発売した。前者はすでに販売している2機種に加え需要家の要望に応えて品揃えを強化、後者は今後の市場拡大を見込んで国内生産を開始したもの。



<紙系緩衝材>
◇紙製緩衝材製造装置を開発
新聞古紙をジャバラ状に/緩衝性が大きくアップ

- 神戸工作所 -

神戸工作所(神戸市)は、紙製緩衝材製造装置「ペーパースペーサー(APM-X )」を開発し、家電業界などに向けて販売を開始した。同装置は、新聞古紙をジャバラ状に圧縮してクッション性を高め、紙やOPPフィルムでピロー包装するまでの工程をすべて自動で行う。新聞古紙を使用するため緩衝材1個当たり4円程度のコストで製造できるという。



<環境・包材リサイクル>
◇ISO14001を認証取得
総合印刷工場では国内初

- 共同印刷 -

共同印刷(東京都)の五霞工場(茨城県)および隣接する共同印刷製本は、「オフセット・活版・グラビア印刷による出版・商業印刷物の印刷並びに製本」に関してISO14001の認証を取得した。刷版から三方式による印刷、製本までの一貫した総合システムを有するサイトでの認証取得は国内では初めて。



<印刷・印字>
◇電子彫刻機「オハイオ」、レーザーイメージングシステム「デジラス」
アルテックが販売・サービス引き継ぐ


MDC社(スイス)の日本総代理店であるアルテック(東京都)は、この5月にMDC社が米オハイオ・エレクトロニクス・エングレーバー社と独シェパーズ・オハイオ社を事実上傘下に収めたのに伴い、8月中旬からオハイオ社製電子彫刻機「オハイオ」とシェパーズ社製レーザーイメージングシステム「デジラス」の販売・サービスを引き継いだことを明らかにした。



<印刷・印字>
◇解像度500 ドットを実現
産業用IJP で最高水準

- 紀州技研工業 -

紀州技研工業(和歌山県)はこのほど、大文字用インクジェットプリンター(IJP)で 1ヘッド 500ドットの高解像度印字を実現した。これまでの最高レベル同256ドットの約2倍の解像度を備えるもので、産業用IJPでは最高水準という。最大70mmまでの文字を印字でき、枠付きの多行文字や大きめのロゴ、グラフィックにも対応する。



<特集・東京パックNo.2>
◇各社の出展製品・見どころを紹介


10月3〜 7日、東京ビッグサイトで開催される「2000東京国際包装展(東京パック2000)」(主催・日本包装技術協会)の出展各社の製品・見どころを紹介。




10月9日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機>
◇全角度から視認可能に
ドーム型透明チャンバーを採用/デザイン一新の新型真空包装機

- 東静電気 -

東静電気(静岡県)は、すべての角度から包装物を視認できる卓上型真空包装機「クリアドームシリーズ」を10月から発売した。同機は“顧客ニーズの徹底した取り込み”を開発コンセプトにデザインを一新し、操作性・メンテナンス性・衛生管理性などを追求したもの。あらゆる角度からパック状態を目で確認できる全面透明チャンバーを採用し、さらにドーム形状にすることで真空スペースの有効活用を図っているのが最大の特徴。



<シート・プラスチック容器>
◇プラボトル分野に本格参入
CVD法活用の高機能透明ボトル量産化/トレーなど複雑な形状を持つ成形品への展開も

- 凸版印刷 -

凸版印刷(東京都)はこのほど、ボトルの内面に酸化ケイ素(SiOx)の薄膜をコーティングした透明ハイバリアボトルの量産化技術を確立、拡販に乗り出し、プラスチックボトル分野に本格参入する。2次加工におけるCVD法の活用により、非コーティングに比べ20倍以上のバリア性能を誇る透明ボトルの量産を実現した。将来的にはボトル分野だけでなく、トレーなど複雑な形状を持つ成形品への展開にも乗り出す予定。



<フィルム・軟包装>
◇自動溶着機を本格展開
PO系軟質材を超音波加工

- キョウエイ -

キョウエイ(大阪府)はこのほど、超音波シール方式により各種フィルムやシート素材を簡単に精度よくシール加工できる自動溶着機「OP-400型」を開発、本格展開に乗り出した。開発が進むポリオレフィン(PO)系軟質フィルムや単層・多層PPフィルム、シートの溶着加工がスムーズに行える型プレスシール機で、クリアケースやカードケース、アルバムなどの幅広い加工用途にも対応する。



<シール・ラベル>
◇熱転写ラベルプリンター発売
デジタルでフルカラー印刷

- 神谷ビジネスコーナー -

神谷ビジネスコーナー(東京都)はこのほど、米・ASTRO-MED社製の熱転写デジタルカラーラベルプリンター「QLS-4000」の販売を開始した。4ヘッド搭載のフルカラープリンターで、305dpiの高密度印刷を実現。4色のプロセスカラーとスポットカラー(単色)が選択でき、50.8〜127mm/秒の高速印刷が行える。



<物流関連>
◇発泡PPケース開発
段ボ並みの折り畳み性/リターナブル用に期待大

- 日野屋貿易 -

日野屋貿易(大阪市)は、発泡PP製折り畳みケース「EPケース」を開発した。従来困難とされていた発泡PPの内側に罫線を施し、段ボールケース並みの折り畳み性を実現。プラスチック段ボールと比べて耐候性や再使用性、コスト性に優れることからリターナブル分野での需要が見込まれている。



<物流関連>
◇独リンデ社製品を販売
3年以内にシェア2%確保/新規需要家層開拓に注力

- 小松フォークリフト -

小松フォークリフト(東京都)は、5月に販売基本契約を締結した独・リンデ社のフォークリフトの販売を10月1日から開始した。エンジン式21機種とバッテリー式12機種の計33機種で、今後さらに販売機種を拡大していく方針。リンデ社製品では、高稼動・大口顧客を販売の主要ターゲットに新規需要家層を開拓していく計画で、3年以内にシェア2%確保を目指す。



<物流関連>
◇PP板状発泡体を再上市
高剛性や積層タイプを追加/洗浄適性で食品分野の通函需要を狙う

- JSP -

JSP(東京都)は、各種仕切り材やパット用で需要のある無架橋ポリプロピレン板状発泡体「Pボード」のラインアップに、新タイプを加え再上市した。約4倍発泡の高剛性タイプ「PボードH」や、高発泡PP無架橋発泡シート積層し、より高い表面緩衝性を加えた「PボートSOFT」などを追加投入した。中仕切りから外装用途まで幅広く展開するほか、食品分野で必要となる洗浄システムの開発も進め、他のプラスチック製通い函からの代替需要を狙う。



<物流関連>
◇日通と特約店契約締結
積載ソフトなどの販売で

- 東京デックス -

東京デックス(東京都)は、同社が販売する混載シミュレーションソフト「Maxload」と積載シミュレーションソフト「TOPS」に関し、日本通運・東京国際運送支店と特約店契約を契約した事を明らかにした。豊富な国際輸送の経験とノウハウを持つ日通と連携することで、販売優位性に優れた両ソフトの拡販力を増強し、需要家層への浸透を加速させたい考え。



<環境・包材リサイクル>
◇パソコン環境ラベル制度化へ
検討委員会設け来春にも

- 日本電子工業振興協会 -

日本電子工業振興協会はこのほど、「パソコン環境ラベル制度」の概要について発表した。パソコンが来年4月から資源有効利用促進法(改正リサイクル法)の対象に指定されるのを受け、パソコン環境ラベル基準検討委員会を設置し、来春には制度化が正式決定する見通し。製品ライフサイクルを通しての環境負荷最小化を目的に、一定の基準をクリアしたパソコンに対してISO14021に準拠した同ラベルを貼付する認証制度を発足させる。



<包材流通>
◇資材サプライヤー向けVAN立ち上げへ
資材調達から決済まで標準化・効率化

- ファイネット -

ファイネット(東京都)は、資材サプライヤー向けVANの立ち上げに向けて準備を進めている。昨年2月から主要食品メーカー、サプライヤー12社の協力を得て検討に乗り出し、今年6月に第1フェーズのシステム開発を終了、年内にはすべての開発を完了する。業界標準フォーマットとしては計画から調達、決済の分野で計10データを含む。従来のホスト系Webシステムもリンクした総合ネットワークを使用しており、業種の規模を問わず活用できることなどが特徴。



<国際総合物流展2000特集>
◇21世紀のロジスティクスシステムが一堂に
アジア地域で最大規模の総合展/15万人の来場者見込む


日本産業機械工業会、日本産業車両協会、日本パレット協会、日本運搬車両機器協会、日本ロジスティクスシステム協会、日本能率協会の 6団体が共同主催する「国際物流総合展2000(LOGIS-TECH TOKYO 2000)」が、10月17〜21日の5日間、幕張メッセで開催される。今回は「豊かなる21世紀へのロジスティクスイノベーション−ネットワ−ク化と環境対応」をメ−ンテーマに、ロジスティクスの高度化・効率化を提案する新製品・技術・サービスなどが一堂に会する。物流・ロジスティクスの総合展としてはアジア地域で最大規模(289社1,684小間=9月6日時点)で、会期中は15万人の来場が見込まれている。




10月16日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇PSPシート生産に着手
原反メーカーと合弁の新会社/製造〜販売の一貫化で競争力強化へ

- 中央化学 -

中央化学(埼玉県)が押出発泡ポリスチレン(PSP)シート生産に着手する。原反メーカーの三菱化学フォームプラスティック(東京都)と、合弁の新会社設立に関して合意したもので、来年1月の事業開始を目指している。プラスチック食品容器メーカーとPSP原反メーカーの合弁事業は業界初。中央化学は、中国での展開と同様、国内においてもシート製造から加工、販売までの一貫体制を確立し、価格面も含めた事業の競争力強化を図るのが狙い。



<シート・プラスチック容器>
◇耐熱・軽量化容器をフードテックで公開
PP発泡とPS発泡3層型の2タイプ

- スミ -

スミ(愛知県)は、断熱・耐熱型PP発泡容器「エコロンP」と3層型耐寒・耐熱容器「エコロンM」(いずれも仮称)を、先ごろ大阪で開催されたフードテックで公開した。ともに優れた耐熱性を備えるほか、PPフィラー容器と比較して 3〜4割の軽量化を達成しており、容リ法対応にも有効な容器として注目を集めた。



<紙器・段ボール・紙包材>
◇段ボ荷扱いマーク案などを発表
ユニバーサルデザインを採用

- レンゴー -

レンゴー(東京都)は、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた段ボールの荷扱いマーク案と内容物表示マーク案を発表した。同社の方針でもある「人とパッケージのより良い関係」の実現に向けた具体的な取り組みの1つ。荷扱いマーク案は、誰にでも分かり、親しみやすく、目につきやすいことを配慮したデザインに。一方、内容物表示マーク案は、従来のケアマークにはなかった内容物情報を属性ごとにマーク化し、内容品の把握と適切な取り扱いを促すのが狙い。



<紙器・段ボール>
◇自動刃曲げ機を発表
低価格、高性能を発揮

- イデオン -

イデオン(大阪市)は、低価格・高性能の自動刃曲げ機「ABS-302FA」を発表した。抜き型加工時に、刃材の曲げ加工を行うもので、曲げ加工と同時にブリッジ、切断仕上げまでを全て自動で処理できる。精密小型の強力なプレス型は耐久性に富み、正確な仕上がりを実現。小型、シンプル機構でコストダウンも図っている。



<フィルム・軟包装>
◇滅菌紙などの国内販売権取得
米の医療用包材メーカーから

- 旭・デュポンフラッシュスパンプロダクツ -

旭・デュポンフラッシュスパンプロダクツ(東京都)はこのほど、米国の医療用滅菌包材メーカー、パーフェックシール社製品の日本における独占販売権を取得した。主な販売商品は、不織布「タイベック」にヒートシール剤をコートした「コート済タイベックCR-27/CR-90」や未コートのタイベックを組み合わせた「タイベックパウチ用フィルム」、コート済滅菌紙「PS-41/PS-55」「オートクレープ紙」など。



<環境・包材リサイクル>
◇「紙容器リサイクル装置」を発売
回収紙パックを破砕・洗浄

- シブヤマシナリー -

シブヤマシナリー(石川県)は、OTTO社製の「紙容器リサイクル装置」の販売を開始した。牛乳パック、飲料用紙パック、ベンダー用紙コップなどの回収製品、飲み残し製品、空パック容器などを、受け入れホッパー→投入コンベア→破砕機→洗浄コンベア→受けかご排出の一連の工程で処理する。再生利用を目的に、細かく裁断しすぎない1軸破砕機を採用していることなどが特徴。



<環境・包材リサイクル>
◇技術支援テーマ決まる
3件に総額950万円

- プラスチック処理推進協会 -

プラスチック処理促進協会は、平成12年度の「廃プラスチックのリサイクル技術開発等の技術支援テーマ」について3件を選出、総額950万円の支援を行うことを決定した。選ばれたテーマは、テラの「発泡スチロールのマテリアルリサイクル・システムの開発」、神戸製鋼所の「マイクロ波による塩化ビニルの脱塩素処理技術の開発」、岡山大学・田中義之助教授の「固気流動層による廃プラスチック連続比重分離技術の開発」。3件ともに“リサイクル技術の開発”がテーマで、マテリアルリサイクルに関連するものとなった。



<包材流通>
◇不良在庫を経営資源に蘇生
独自の業界間取引システム/ネット端末使わず、匿名性保持

- アロン・トレーディング -

包材商社のアロン・トレーディング(東京都)はこのほど、食品軽包装業界における不良在庫を経営資源として蘇らせることを目的に、業界間取り引きの活性化を促す会員登録制システム「DSDエコシステム」を同業界に提案することを明らかにした。業界でネット端末の普及が遅れている状況に配慮し、ネットを使用せず、FAXで取り引きを行う点などが特徴。入会金や会費は一切無料で、会員企業には商品情報が随時配付される。売却についても出所のメーカーやディーラーの名前を匿名とし、取り引きの秘密性を確保する。



<印刷・印字>
◇マージナル発生を防止
新開発のフィルムマスターで実現

- 日本バーコード -

日本バーコード(大阪府)はこのほど、フレキソ印刷用フィルム版「ハイファイ・マスター」を開発した。印刷用樹脂版に「インキ溜まり」という凹部を設けることで、印刷面からはみ出たインキを吸着してマージナルの発生を防ぐ。これにより、確実に読み取れるバーコードが印刷できる。インキ溜まりの面積は、インキの粘度や印圧などに応じ指定できる。



<DSJ2000 特集>
◇第4回ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン
10月20、21日、大阪で初開催/セミナーと展示会で打ち抜き技術の向上目指して

2年ごとに過去3回、東京で開催されてきた「ダイカッティング・シンポジウム・ジャパン」の第4回「DSJ2000」(主催:日報、ラーソン・ワールドワイド)が10月20、21日の両日、初めて大阪地区(マイドームおおさか)で開催される。紙器、段ボール、シール・ラベル、プラスチックの抜き型に関する最新技術を集め、関連機器・システムや資材の展示と、全18テーマのセミナーが会場で同時に催される。




10月23日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇スイス・SIG社と提携
年内にも共同出資で新会社

- フジキカイ -

フジキカイ(名古屋市)は、スイスの大手包装機メーカー、SIGパックシステムズ社と販売代理店契約を締結し、年内にも両社折半出資による販売会社を設立することを明らかにした。今後SIG 社の製品をフジキカイが日本で販売するが、将来的には製品の開発やアジア市場の開拓に共同で取り組む考え。



<シート・プラスチック容器>
◇防虫型鶏卵・食品容器を開発
簡易密封し、進入防止/環境配慮型3層シート採用

- ダイヤフーズ -

ダイヤフーズ(大阪府)は、安心・安全・リサイクルをコンセプトとする鶏卵・食品用樹脂製「防虫パック」を開発した。容器全周の上下のフランジ(突出部)に凹凸を設けて簡易密封型にし、虫などの進入を防止するとともに、環境にも配慮してバージン/再生/バージンの3層シートを使用した。従来のパックより鮮度保持効果も高い。



<シート・プラスチック容器>
◇シート送り部分改良
主力の連続真空圧空成形機で/高耐久性グリップも自社開発

- 浅野研究所 -

浅野研究所(愛知県)は、プラスチック容器・カップ用の高速連続真空圧空成形機で、シート送り部分に新機構“グリップ方式”を採用した新製品を発売した。シール送りの行程を、従来のスパイク状の持具による突き刺し型から、底部が球状に設計されたグリップによる掴み型に改良したのが特徴。これによりシート粉の発生がなくなり、A-PETやHIPS素材の加工にも威力を発揮する。



<フィルム・軟包装>
◇業界初のハイブリッドシステム
シール&カットと溶断シールの1台2役

- 藤田機械 -

藤田機械(岐阜県)は、シール&カット法とサイドウェルド法(溶断シール)を1台で完全に兼用できる業界初の「ハイブリットサイドシール製袋機HSC型」を開発し、販売を始めた。5サーボシステムの採用により、熱刃の動きを完全に溶断シールに切り換える(逆も同じ)ことが可能になり、シール&カットで100ショット、溶断シールで130ショットまでの高速化を実現した。



<外装機器・資材>
◇新型ガムテープディスペンサーを発表
ケース自動採寸し、最適長で繰出/来年1月から発売予定

- パックウェル -

パックウェル(東京都)は10月3日、東京ビッグサイトでガムテープディスペンサー「HELPER 555」の発表会を行った。米・ベターパッケージ社の新製品で、米国での発表に先駆けて日本で先行発表した。特徴は、ケースサイズをセンサーで自動検知して最適な長さのガムテープを繰り出す「ADMシステム」を搭載している点など。来年1月発売予定。



<外装機器・資材>
◇新送り方式の帯封機を発売
100mm幅・厚さ50μmに対応

- バンテックス -

バンテックス(大阪市)は、100mm幅のテープの装填が可能なオランダ製帯封機「B-32型」の販売を開始した。特殊ベルトドライブ方式の採用により、従来の送りローラー方式では難しいとされていた広幅・薄手フィルムテープの装填を実現したもので、幅 100mm・厚さ50μmのフィルムテープが使用できる。



<シール・ラベル>
◇容器首部ラベル掛け機開発
キャンペーン用ラベラーシリーズの新製品

- トッパンレーベル -

トッパンレーベル(東京都)はこのほど、容器首部ラベル掛け機「ネックハンガーTLN600」の販売を始めた。飲料業界が行うキャンペーン向けラベラーシリーズの新製品。ラベルを自動で高速かつ正確にPETボトルやビンなどの容器首部に掛ける。毎分600枚の処理能力を持つ。



<シール・ラベル>
◇投与記録ラベルなど開発
医療現場での事故防止を狙い

- 岩田レーベル -

岩田レーベル(愛知県)は、医療現場での事故防止を目的とした「投与記録ラベル」と「誤投与防止ラベル」を開発した。投与記録ラベルは、製品名や製造番号など同じ内容が印字されたラベルを複数枚持つもので、輸液バッグやカルテにこれらを貼付することで投与記録の転記作業を軽減するとともに転記ミスを防止する。一方の誤投与防止ラベルは、同じく製剤名や力価(容量)を印字したラベルを複数枚持ち、これらを容器に貼付することで随時内容物を確認できる。



<物流関連>
◇国際標準対応の新ソフト
効率化促す物流ラベル向け/プラネットと提携し、開発

- アイニックス -

アイニックス(東京都)は、ソフトウェアハウスのプラネット(横浜市)と提携し、今年 4月にISOで標準化された国際標準物流ラベル“ISO15394”に対応するバーコードラベル作成ソフト「ラベルスタープロ−バージョン 2・3」を開発、9月から販売を開始した。同ISOに対応するラベル作成ソフトの開発は日本では初。



<物流関連>
◇リーチ型バッテリーフォークをフルモデルチェンジ
安全追求の防爆タイプ

- 日本輸送機 -

日本輸送機(京都府)は、1.0t積みから3.0t積みまでのリーチ型バッテリーフォークリフト「プラッター防爆シリーズ」をフルモデルチェンジし、10月10日から発売した。爆発の危険がある作業環境でも安全に使用できる防爆タイプで、平成9年度グッドデザイン賞選定機種「プラッター」とシリーズ化し、基本性能、操作性を向上させるとともにデザインを一新した。



<包材流通>
◇本格離陸「最後で最大の包材ディーラー」/話題沸騰「リブネット」、狂騒曲化へ
業界活性化への「特効薬」か、沈没を決定付ける「徒花」か

北海道から沖縄までの全国ネットを誇る法人組織の包材ディーラー「リブネット」が誕生し、このほど本格的に稼働した。新会社の離陸はただちに包材ディーラー業界内外を刺激し、関連企業さらに小売流通業までを巻き込み、すでに業界最大級の話題へと沸騰している。「最後で最大」とも宣伝される業界初の包材ディーラーが、どこまで業界活性化の起爆剤となるのか、あるいは“背水の陣”ともいわれる業界の「沈没」にとどめを刺す徒花となるのか。高まる関係者の期待は“狂騒曲”を奏でてもう止まらない。



<特集・容器成形機産業の最前線>
◇主要プラ成形機、需要動向NOW
設備投資に回復基調の兆し/一部需要業界で“残業対応”脱却の機運も

ここ数年は設備投資に慎重だった各種容器成形業界も、今年に入ってからその意欲が少しずつだが回復傾向にあるようだ。この背景には、長引く景気低迷でやむなく続けてきた“残業対応”がいよいよ限界に達したから───との見方がある。いきおい関連装置には、従来以上の付加価値が求められるようになってきた。そこで、21世紀に向け躍進が期待される主要メーカー各社の展開や、全般的な需要動向を紹介する。



10月30日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇無菌包装米飯市場が急拡大
H11年生産量、対前年53.1%増


無菌包装米飯が急速な市場拡大を続けている。食糧庁加工食品課が先ごろ発表した平成11年の加工米飯生産量によると、無菌包装米飯の生産量は対前年比で53.1%増加した。電子レンジで温めるだけの手軽さや、より“炊きたて”に近づいた食味が消費者に認知され、日常の食卓で利用されるケースが増えていることが主な要因で、平成9年実績の約2倍、同6年の約5倍の水準となっている。



<シート・プラスチック容器>
◇騎西工場に分析研究センターを開設
従来施設の検査機器を一新

- 中央化学 -

中央化学(埼玉県)はこのほど、騎西工場(埼玉県)内に「分析研究センター」を開設した。衛生試験室、分析試験室、物性試験室などで構成される施設で、食品容器の原料として使用されているプラスチック材料をはじめ、各種原材料の衛生・安全性の試験をするほか、新素材、新製品の物性などの基礎研究や開発も行う。検査機器は、従来施設で使用してきたものを一新し、各種試験の精度を向上した。



<シート・プラスチック容器>
◇サイクルタイム大幅短縮の改良機発表
射出型の開閉に同時作動回路採用

- 青木固研究所 -

青木固研究所(長野県)は、従来からプラボトルの“多品種・多様化”を前提に「省エネ」「高品質」「生産効率化」の視点で成形機の改良を進めていたが、これらのニーズが顕著になってきたことなどを背景にベストセラー機「SBV-250LL-50」を大幅に改良を加え、このほど発表した。ボトルプリフォームを成形する射出型の開閉に“同時作動回路”を採用し、サイクルタイムを従来機に対して30%短縮したほか、多品種成形への対応をより高度化したのが特徴。



<紙器・段ボール・紙包材>
◇葛飾工場でG段生産開始
広い汎用性踏まえ拡販は慎重姿勢を

- レンゴー -

レンゴーはこのほど、葛飾工場(東京都)に三菱重工業製の段ボール製造装置「60Gシングルフェーサ」を導入し、Gフルート段ボールの生産体制を整えた。9月末にテスト運転を終えており、態勢が整った段階から営業運転していく。当面、ダイレクトオフセット印刷を採用する。汎用性が高いマイクロフルートの特性を踏まえ、今後慎重に事業の柱に育てていく考え。



<紙器・段ボール>
◇ズンド社製品をOEM供給
新工場建設し、量産化も

- レザック -

レザック(大阪市)は、スイスのズンド(ZUND)社との間に日本の総代理店契約を締結し、同社の製造するサンプルカット機のOEM供給(ノックダウン方式)を開始した。同社は世界的に実績のあるズンド社のサンプルカット機を国内で独占販売する。現在、専用工場(大阪府八尾市)を建設中で、量産化によるコストダウンの実現に向け意欲を示している。



<紙器・段ボール>
◇2動作で簡単組み立て
身蓋一体箱の新製品開発

- タマヤ -

タマヤ(京都府綾部市)は、2動作で簡単に組み立てられる手組み式の印刷紙器「SAT-BOX(サットボックス)」(特許申請中)を開発し、本格展開を開始した。新製品は本体と上蓋が一体となった身蓋箱状の印刷紙器で、作業効率の向上を実現する。同社はこうした利点を踏まえ、工業分野のほか、食品分野など幅広い用途展開を図る方針。



<フィルム・軟包装>
◇シール部カット位置制御開発
シール幅、シール下一定カット/内容量変えずに包材重量を削減

- トタニ技研工業 -

トタニ技研工業(京都市)は製袋機業界で初めて、シール位置をCCDカメラで直接検出し、シール幅を一定にカットする新システムの開発に成功した。シール目と呼ばれるフィルム表面に付くグラスウールテフロンなどの編み目模様をCCDカメラで取り込み、そこからシール幅の位置検出を行う仕組み。シール幅不良を防止するほか、余分なシール幅をなくしてフィルム使用量を確実に低減できるため、内容量を変えずに包材重量を削減することができる。



<フィルム・軟包装>
◇交渉本格化の兆し
インフレフィルム値上げ


インフレフィルムの値上げは、10月に入ってようやく動きが活発になり、値上げ交渉も熱を帯びてきている。すでに陥没の著しい産業用の一部では決着をみたケースもあるが、全体的な底上げにまで至るかどうかは、今後1カ月くらいでどこまで具体的な成果を積み上げられるかにかかっている。



<フィルム・軟包装>
◇兵庫県龍野市に新工場
チャック袋生産、従来の2〜3倍の能力

- ハイパック -

昭和高分子(東京都)系列のフィルムコンバーター、ハイパック(東京都)の新工場がこのほど、兵庫県龍野市の昭和高分子・龍野工場内に竣工した。印刷から製袋、チャック付けまでを一貫して行える工場で、同工場の完成により同社全体のチャック袋生産能力は2〜3倍に。寝屋川工場(大阪府)は閉鎖の予定。



<パッケージ印刷>
◇リアル校正システムを発表
美粧印刷のプロセス色校正が迅速処理へ

- サカタインクス -

サカタインクス(大阪市)は、段ボール業界向けの「リアル校正システム」を発表した。同システムは、ICCプロファイル対応のインクジェットプリンター用ソフトRIP「ベストカラー」でカラーマネジメントをすることで、印刷物の仕上がりイメージが確認できるほか、美粧印刷のプロセス色校正が迅速に処理できるなどの特徴を備えている。印刷立会いの軽減などの工程の簡素化から、印刷機の稼働率アップや生産性の向上、納期の短縮を図ることができるという。



<物流関連>
◇独・アスクマン社製品を発売
低コストの高速仕分装置

- 岡村製作所‐

岡村製作所(東京都)は10月17日、今年2月に販売提携した独・アクスマン社製高速仕分装置「クロスベルト・ソーター」の国内販売を開始した。同ソーターは、本体で旋回用モーターを1つしか使用せず、各キャリアでのベルト回転(払い出し)部にはモーターやマイコン類を使っていないため、低コスト・省エネ・メンテナンス優位性を実現できる。最大15kgの搬送物で毎時 1万2,000個を仕分ける能力があり、特に小物対応に適する。



<環境・包材リサイクル>
◇主廃PET大量リサイクル実現
キャップ・ラベル取り外し無用/再生成形品は鉋掛けも可能

- 清田商店、大金合成 -

清田商店(茨城県)と大金合成(埼玉県)はこのほど、ラベルやキャップ(蓋材)を取り外さずに廃PETボトルをボードやシートに成形するマテリアルリサイクル技術を確立、商業化を目指している。廃PETボトルと熱可塑性樹脂を混合させてリサイクルするもので、同じく熱可塑性のキャップやラベルが含まれている方が加工性に適した成形品になるという。



<環境・包材リサイクル>
◇食品包材リサイクル高度化技術の開発事業で
大学・企業の16課題に委託決定

- 日本食品科学工学会 -

日本食品科学工学会は、平成11年度から農水省の助成を受けて実施している「食品容器包装リサイクル高度化技術の開発事業」で、企業および大学の応募の中から選考した16課題に対する技術開発の委託を決定した。事業実施期間は平成13年度までの3年間で、今年度予算額は1億4,580万円となっている。



<環境・包材リサイクル>
◇廃 EPSの塗料化に成功
菊水化学など3社と共同開発/「自己完結型リサイクル」完成

- エコ・ファクトリー -

エコ・ファクトリー(東京都)、菊水化学工業(名古屋市)、バイオベンチャーバンク(東京都)、丸長(静岡県)の4社はこのほど、減容し餅状にした廃発泡スチロール(EPS)を建築用の塗料として再生することに成功した。エマルジョンの原材料としてアクリル系モノマーの重合時に混入し、充填剤・顔料・添加剤を加えて塗料化する。地域内で排出された廃EPSを塗料として地域の建設現場で使用する、という理想的な「自己完結型のリサイクルシステム」を構築できる。



<環境・包材リサイクル>
◇木片と廃プラで再生ペレット
ウッド・プラパレットも商品化

- ケー・イー・シー -

ケー・イー・シー(三重県)は、廃プラ70〜90%と木クズ・木片10〜30%を混合し、既存の押出機や射出成形機で成型品ができるペレット「WPペレット」を商品化した。また、回収された廃PPやPEと木クズや木の繊維を混合したペレットを使って成形したウッド・プラスチック製パレット「イン・パレット(En・Pallet)」を開発。同パレットの販売および委託(受託)再生事業を展開する。



<包材流通>
◇プラ包材業界に地殻変動の可能性
原油価格高騰の余波/収益悪化で各社対応策を模索


原油価格の高止まりがプラスチック製包材サプライヤー各社の経営を圧迫しはじめている。原油価格がここ1年半で3倍にも跳ね上がる反面、トレーやボトル、ラップフィルムなどの末端製品は、おおむね小売流通業の価格破壊の影響で価格を下げ続けている。川上からは値上げを、川下からは値下げを迫られ、一方では開発コストがからむ高付加価値化までが要求されている。この異常な状態が長期化すれば、包装業界に地殻変動が起こる可能性もある。



<プレ・九州包装産業特集>
◇九州ユーザー最前線
環境保全の取り組みも活発に


九州の響灘に面した総合環境コンビナートで北九州市がエコタウン事業を推進している。九州全域でみても環境保全に取り組む企業は多く、産、学、官、民が連係をとりながら研究開発を進めているテーマも少なくない。特に包装を使うユーザーが商品開発において環境保全を視点にした事例も数多い。次週号掲載予定の「九州包装産業特集」に先駆け、同地域の包装ユーザーの最新動向を紹介する。



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