包装タイムス・バックナンバー“1997年12月度”

12月1日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇生酒を直接クール便で配送

 専用の保冷ケースに詰め
- 白鶴酒造 -
 白鶴酒造(神戸市)は、純米酒「白鶴特選・蔵元直送便」を数量限定で発売した。ボトル3本入りの専用保冷ケースに詰め、クール宅配便で客先に届けるというもので、生酒のうまさを酒蔵からそのまま直送できることから人気を集めそうだ。ラベルは、使われている酒米が一目でわかるように表示を大きくしてある。ボトルは720ミリリットル、保冷ケースは発泡スチロール容器を使用している。

<ユーザー>

◇電子レンジでポップコーン

 3分間加熱で誰でも美味しく作れる
- ハウス食品 -
 ハウス食品(大阪府)は、12月2日から電子レンジで約3分加熱するだけで、できたてのポップコーンが楽しめる「ハウスマジカルポップ」を北海道、東北、関東甲信越で発売する。米国・ゼネラルミルズ社の技術を用いたもので、電子レンジ専用のポップコーン。1箱3袋入りで、個装に紙系の電子レンジ対応包材を使用している。個装ごとに風味を損なわないようにフィルム袋でさらに密封包装してある。

<包装機・関連機器>

◇脱気、圧縮ユニット、軽量、袋詰めを一体化した粉体軽量包装機を開発

 嵩(かさ)密度の向上で袋寸法の縮小を実現
- 長崎機器製作所/三菱化学エンジニアリング/テクニカ -
 計量・包装の専門メーカー、長崎機器製作所(長崎県)は、三菱化学エンジニアリング(本社・東京)、テクニカ(本社・東京)と共同で各種粉体の自動計量袋詰機「MZ-GS-NTM 型」を開発した。真空脱気ユニットとオーガー(スクリュー)圧縮ユニットに自動計量・袋詰気を一体化し、大幅に粉体嵩密度を向上させ、袋寸法の縮小、粉塵量の現象を実現。作業環境の改善に威力を発揮することから、幅広い需要を期待できるとして本格的な受注活動に乗り出した。

<包装機・関連機器>

◇梱包機の新製品3機種を発表

 細幅対応機など、12月から本格展開を開始
- ナイガイ -
 梱包機メーカーのナイガイ(東京都)は、自動梱包機「F13N」、卓上型自動フィルム帯結束機「F61JP」、同紙テープ帯束機「F61JK」の3機種を開発、12月から本格展開を開始した。「F13N」は最近需要の高まっている5〜6ミリの細幅バンドに対応する梱包機で、薄肉ものや輸入ものなどバンドの品質を問わずに使用できる。「F61JP」は最大で毎分24梱包の能力を持つ帯束機、「F61JK」はこれの紙テープ仕様機。

<プラスチック容器>

◇超小型蓋材用の成形機開発

 多品種少量生産に威力を発揮
- 溝口鉄工所 -
 溝口鉄工所(大阪市)は、透明円筒ケースの蓋材など、絞りの浅い製品用プレス成形機を開発、受注を開始した。コンパクト設計ながら、ロールシートを所定の供給部にセットすると、自動的にシート送り・成形・抜きを一貫で行う。多品種少量生産向きの機械で、1ショットあたり2〜10個の加工ができ、日産2〜3万個の能力を持つ。シートはPVC(塩ビ)をはじめ、PP(ポリプロピレン)、PETなどに対応できる。

<紙器・段ボール>

◇三田工場(兵庫県)でISO取得

 段ボール業界の大規模工場では初
- レンゴー -
 レンゴー(大阪市)は、最新鋭の設備と規模を誇る三田工場(兵庫県)で品質保証に関する国際規格であるISO9002 を認証取得した。段ボール業界の大規模工場としては始めての取得で、同社としてはこれを皮きりに、全国の工場で順次取得活動を進めていく計画。当面は千葉工場をはじめ、拠点となる工場、必要度の高い工場を優先的に取得活動を行う方針。なお、海外に展開している合弁企業のうち、タイの3工場、マレーシアの3工場、シンガポールの1工場の計7工場ですでにISO9002を取得している。

<フィルム・シート>

◇「M.Pパック」の実証データ公開

 水道水も1年間変質せず
- トライカンパニー -
  保冷材大手のトライ・カンパニー(静岡県)は、無菌充填していない水が長期保存できるとして、昨年10月に新開発のナイロンポリ袋「M.Pパック」を上市したが、このほど同袋の製造後1年間の実証データをまとめ、公開した。データは日本食品衛生協会が試験し、客観的に検証したもので、縦型ピロー包装機で同袋に水(1リットル)を充填したところ、1年後も中の水に変質・劣化は見受けられず、そのまま飲料水として使用できることが実証された。

<フィルム・シート>

◇HIPSとPET-G の共押出技術確立

 「PSペットGシート&成形品」を発売
- 竹内産業 -
 竹内産業(埼玉県)は、HIPSとPET−Gを共押出によりシートに成形する技術を確立、同シートと真空・圧空成形による容器「PSペットGシート」&成形品を発売した。シートは、HIPSの成形性・汎用性・経済性などをそのまま生かしながら、強度・透明光沢・耐油耐薬品性・保香性などPET-G の優れた特性を付与した画期的な容器成形用シートとなっている。基本構成は4種類あり、厚みは0.25〜1.7ミリまで。同社では基本的にはシートでなく、容器成形品として販売する。

<シール・ラベル>

◇ノンセパ対応機を発売開始

 ハードを充実して積極展開へ
- サトー -
 サトー(東京都)は、同社の剥離紙レスラベル「ノンセパ」に対応する多機能プリンターとラベラーなど3機種を発売した。「ノンセパ」(登録商標)は、粘着タイプで剥離紙がないラベルで、最近、世界的な環境保護、省資源意識の高まり、ISO1400シリーズ取得の進展などから急速に注目され始めた製品だ。これに印字、貼り付けするプリンター、ラベラーのニーズも高まっていたことから専用機を開発したもの。

<物流>

◇レンタル式折り畳み通い函、農産物で大量に採用

 今期使用枚数700万枚に達する
- イフコ・ジャパン -
 イフコ・ジャパン(東京都)は、同社のデポジット制度によるレンタル式折り畳み通い函の今期レンタル枚数が700万枚に達する見通しであることを明らかにした。同社のレンタル方式は、通い函をデポジット(保証金)制度でレンタルするもので、いったんイフコに預けられた保証金は、通い函を出荷した相手先から返却されるシステムとなっている。このため、実際には保証金の負担は一切ない。デポジット制度の導入でレンタル料金を低価格に設定できることから、通い函の回収率も99%以上になっている。

<環境・包材リサイクル>

◇日本版の循環経済法を目指す

 廃棄物・リサイクルを一体化、再生資源利用義務付け・デポジット化も
- 中央環境審議会 -
 環境庁の中央環境審議会(近藤次郎会長)は、廃棄物・リサイクルが一体となった望ましい物質循環を促進する総合法制樹立の検討を提言した「廃棄物に係わる環境負荷提言対策の有り方について」と題する第1次答申を行った。日本型物質循環社会形勢の方向や課題を示し、ドイツの「循環経済・廃棄物法」の日本版を目指したもので、今後さらに議論を重ね、来年中には日本でも総合的な廃棄物・リサイクル法の制定に向けた具体的な内容が示されそうだ。

<クリーンアップ関連>

◇高性能殺菌冷却装置を本格化へ

 ロスなく均一な加熱を実現、「リップルコンベヤ」が決め手
- 細田工業 -
 細田工業(大阪府)は、殺菌冷却装置「リップルコンベヤシステム」の本格展開に乗り出す。単体ローラーを組み合わせたユニークな搬送装置「リップルコンベヤ」の優れた機能性を生かした高水準型の食品加工装置で、加熱殺菌する際も表面と内部の温度差がなく、均一な熱交換を実現し、安全で高品質な製品作りが可能となっている。このところ需要業界からの引き合いが徐々に活発化し始めたことから、本格的な事業拡大に踏み切ったものだ。


12月8日号ダイジェストニュース
(97年は本号で終了です。)

<包装機・関連機器>

◇食品用X線異物検査機、モデルテェンジ機を新発売

 アルミや石などを正確に検出
- 日新電子工業 -
 日新電子工業(東京都)は、食品用X線異物検査装置「SEEKBIRDモデルEX-1001 」のフルモデルチェンジ機を新発売した。本体内部に組み込んでいたX線管を本体上部に突出させることで、従来機より若干コンパクト化を実現したもので、最先端のデジタル画像処理アルゴリズム(演算法)と、デジタルフィルターの採用で製品の影響を最小限にし、異物を際立たせるようになっている。金属片はもちろん、非金属もインラインで確実に検出する。

<包装機・関連機器>

◇レトルト専用の高性能機開発

 確実で安定した仕上がり
- 古川製作所 -
 古川製作所(広島県)は、レトルトパウチ専用のロータリー式給袋高性能自動袋詰めシール機「FF-220R」を開発、現在テスト販売中で近く本格展開に乗り出す。インパルスシール方式の採用で、万が一シール面に液ダレや異物が付着しても、それに影響されることなく確実で美しいシールができる。フィルムサイクル機構の装備で空袋のロスを最小限に抑え、包材のコストダウンも実現している。

<プラスチック容器>

◇結晶性芳香族樹脂「ザレック」、多成分系高分子材料用途へ本格展開

 包装容器の高性能化も可能
- 出光石油化学 -
 出光石油化学(東京都)は、シンジオタクチックポリスチレン「ザレック」を多成分系高分子材料用途へ本格的に展開する方針だ。特にPS、HIPSなどスチレン系樹脂との混成化で、油脂溶剤への耐性が著しく向上するとともに耐熱性も改善される。加えて耐加水分解性もあることから、油脂性食品用など新しい包装容器の開発はもちろん、エンジニアリングプラスチックとして幅広い用途展開が期待できる。

<プラスチック容器>

◇耐熱PSP容器を発売

 PSフィルムで両面ラミ
- 青葉紙業 -
 青葉紙業(東京都)は、食品容器「アオパック」の新シリーズとして開発した耐熱PSP容器の本格発売に踏み切った。同シリーズが、今年7月に限定販売されて以来、需要家の高い評価を得て順調に引き合いを増していることからコンビニやスーパーの加熱調理食品をターゲットに売り込みをかける。

<プラスチック容器>

◇廃PETボトルを発泡シート化

 部品用トレーナドで製品化、天理向上に月産100トンの設備導入へ
- 積水化成品工業 -
 積水化成品工業(大阪市)は使用済みPETボトルを原料とした再生樹脂発泡シート「セルペットF」の本格製造ライン(月産100トン)を年内に天理工場内に設置し、来年2〜3月にかけて本格生産を開始する。同シートは220℃までの耐熱性や断熱性を備え、すでに農業用育苗ポッドや電子部品搬送用トレーなどで製品化されており、現在、工業用部材、食品容器などへも用途展開を進めている。

<紙器・段ボール>

◇再生可能な無塵紙を開発

 電子部品向け包装用途ほか、多様な分野で展開
- リンテック -
 リンテック(東京都)は、再生紙原料として100%リサイクルが可能な高性能無塵紙の開発に成功、12月1日から全国販売に踏み切った。「クリーンペーパーRN」と「同RC」の2製品で、同社では電子部品などの包装用紙、金属用合紙、ラベル用原紙、各種プリント用などをターゲットに本格展開する方針。

<フィルム・シート>

◇独自開発のパソコン制御システムに評価

 常用で毎分200ショットのスピードを実現
- ムラタ -
  ムラタ(神奈川県)が上市したレジ袋用高速2列掛製袋包装機「NSVシリーズ」は、独自開発のパソコン制御システムによる高速化(常用毎分200ショットを達成)とコストダウンが評価され、大手インフレメーカー中心に着実に実績を上げている。レジ袋の製袋は常用で毎分150ショットが一つの壁となっていた。電磁弁やサーボモターの応答の遅れが高速になると顕著になるからだ。「NSVシリーズ」は、独自のソフトウエアを開発し、市販のパソコンにシーケサーの機能を組み込むことで、これら従来機の課題を克服した。

<パッケージ印刷>

◇枚葉オフ印刷機用粉塵除去装置を展開

 米国・ドイル社と代理店契約結び販売開始
- 東京化成品工業 -
 東京化成品工業(東京都)は、米国・ドイル社と日本・アジアの総代理店契約を結び、同社の枚葉オフセット印刷機用紙面粉塵除去装置「ドイルシートクリーナー」の販売を開始した。従来は不可能だった第1印刷ユニットの直前に設置できる画期的な装置で、印刷用紙用パウダーや紙粉など、紙エッジ部を含めた全紙面除塵できる。紙粉の多い再生紙などの印刷に威力を発揮することから、今後、日本でも大きな注目を集めそう。

<シール・ラベル>

◇非接触型ラベルを量産

 梱包したまま読み取りが可能
- 日本インフォメーションシステム -
 日本インフォメーションシステム(東京都) は、セイコープレシジョンと協力して、ICチップを採用した非接触型ラベルと専用読み取り装置の量産を開始する。このシステムは、無線による通信技術を使用したラベルで、商品などに貼付しておけば梱包外からでも読み取りや書き込みが瞬時にできるという。今後、バーコードに代わる新しい識別システムとして展開していく方針。

<環境・包材リサイクル>

◇地球温暖化防止対策報告書まとまる

 再生資源利用製品選択など、CO2削減策を具体的に提示
- 環境庁 -
 環境庁の地球温暖化防止のためのライフスタイル検討会(座長・大西隆東京大学工学部教授)はこのほど、ライフスタイルからみた地球温暖化防止対策報告書をまとめた。ライフスタイルに関するCO2排出量の現状と将来展望、目指すべき社会像とその実現のための方策を提示。再生資源を利用した製品やリサイクルできる素材を使用した製品の購入、詰め替え容器の利用など、具体策を示している。

<クリーンアップ関連>

◇優れた殺菌効果の手指消毒器

 独自の熱風で消毒、乾燥
- 日本カーヴィング -
 日本カーヴィング(千葉県)は、確かな殺菌効果を持つ手指の殺菌乾燥システムを製造し、病院やホテル、飲食店などに供給している。同社が手がけているのは、自動手指熱風消毒乾燥器「クリアレディ」、手指熱風消毒器「クリアポパイCP-8000」など。どちらも無菌の熱風で手指を消毒、同時に乾燥する装置で、HACCP対策機器として大きく注目を集めている。

<ISO関連>

◇大阪工場、羽生工場でISO9001認証を取得

 船橋工場でもワーキング開始
- サカタインクス -
 サカタインクス(大阪市)の大阪工場(兵庫県)と羽生工場(埼玉県)が、日本品質保証機構(JQA)の審査に合格し、ISO9001の登録・認証を取得した。これで、すでに取得している東京工場と合わせ、主力3工場全てがISO9001を取得したことになる。今回の認証範囲は、インキ(新聞用、一般印刷用、包装印刷用、特殊グラビア用)の設計・開発から製造に関するもの。このほか、現在、船橋工場(千葉県)のトナーなどの記録材料の開発・製造部門で取得のためのワーキングを進めている。


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