包装タイムス・バックナンバー“1998年4月度”


4月6日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇ビデオデッキにワンピースパック採用

 外装箱と緩衝材が一体化のカートン
- ソニー -
 ソニー(愛知県)は、自社のビデオデッキ梱包用に、外装箱と緩衝材が一体になったカートン「ワンピースパック」(中央紙器工業製)を本格採用。1枚の段ボールブランク(B段)を折り込んで成形したケースで、段ボール使用量を従来の15%削減でき、シート状のまま保管可能な点などが評価されたもの。家電分野での採用はソニーが初めて。

<ユーザー>

◇軽量リターナブルびん2億本に

 3月近畿、6月名古屋で投入
- キリンビール -
 キリンビール(東京都)は、3月から近畿圏に、軽量リターナブルビンを投入。また6月から名古屋でも実施する。年内中にトータルで2億本が市場投入され、同社が使用するリターナブル大びんの43%に達する。2003年までに全ての大びんが切り替わる予定。運送用トラック台数の大幅な削減などが期待される。

<包装機・関連機器>

◇高出力レーザー印字機を発売

 高速ラインでも鮮明印字
- サンクス -
 サンクス(東京都)は、業界最高レベルの高出力を空冷で可能にした CO2レーザーマーカー「LP-120」を発売した。最高毎分60mの高速ラインでも鮮明な印字を実現するとともに、従来機では出力不足で印字しにくかったアルマイト処理の金属板やセラミック基板などへも高品質な印字が可能。

<包装機・関連機器>

◇ノルデンパックを傘下に

 包装機械部門を全て移管/「ガデリウスパック」で新発足
- ガデリウス -
 ガデリウス(東京都)は、スウェーデンの有力チューブ充填封緘機メーカー・ノルデン社の日本国内直販子会社ノルデンパックの全株式を取得してグループ傘下に収めるとともに、チューブ充填封緘機を含む包装機械部門の全ての活動を移管する新会社「ガデリウスパック」の設立に踏み切った。国内マーケティング強化に乗り出した同社重要施策の一環。

<フィルム・軟包装>

◇4種7層の二軸延伸機を導入

 テスト機として4月から稼働/品質競争の激化に対応
- 東セロ -
 東セロ(東京都)は茨城県総和町の開発研究センターに、約5億円を投じ独ブルックナー社の二軸延伸フィルム製造装置のテスト機を導入、4月から稼働に入った。PPやNYなど4種7層の多層フィルムが試作可能。ユーザーニーズを受けた品質競争激化を背景に、新製品開発を加速するのが狙い。

<フィルム・軟包装>

◇事前開封タイプのレンジパウチ開発

 蒸気口に不織布使用/“破裂音”への不安も解消
- セブンツーパック -
 セブンツーパック(東京都)は、事前に背貼り部分から開封、また蒸気が抜ける部分に不織布を二重貼りしたタイプのレンジパウチ「レンジマスター」を開発した。事前開封で、加熱時の“破裂音”に対する不安を解消。また不織布の目付次第で、内容物に合った蒸らし効果が得られる。中華まんやミックスベジタブルなどに展開。

<フィルム・軟包装>

◇共押出多層フィルムを輸入販売

 深絞り用底材など業務分野へ
- サンコー -
 サンコー(横浜市)は、ギリシャのフィルムメーカーFLEXOPACK S.A. 社が開発した非収縮の共押出多層フィルム「サンフレックス」を国内で本格販売する。すでに深絞り型自動真空包装機とのシステムで国内需要家向けに展開を開始。また、食品を低温で急速に冷やす新しい調理保存システムの包材としても採用が進んでいる。

<シール・ラベル>

◇低価格のラベル用凸輪転機を発売

 標準機化で2,100万円(予定)を実現
- リンテック -
 リンテック・印字機械営業部(埼玉県)は、 4月15〜18日に開催される「CMM JAPAN & JSP98」に、ラベル用凸輪転機の新製品「LPM-300ST 」をを出品し、これを機に受注を開始する。同機は、昨年開催のIGAS97に出展以来、好調な販売実績を上げている「LPM-300」を改良、標準機化したもの。4色+マグネットロール1本という仕様のみの生産とし、フレームから徹底した標準化を図ることで2,100万円(予定)という低価格を実現した。

<環境・包材リサイクル>

◇包材と食品残さをリサイクル

 自動洗浄分離機を開発/賞味期限切れ食品を中身と分別 
- スプリング商事 -
 スプリング商事(横浜市)は、包装済み食品で賞味期限の切れたものを中身と分別、包装と食品残さのリサイクルを実現するという画期的なシステムを開発した。包装と中身を簡単に分別し、リサイクルをも可能にしていることから、資源の有効利用の観点からも注目されている。

<環境・包材リサイクル>

◇高濃度脱塩素装置が完成

 塩ビの高炉利用確立へ 
- NKK -
 NKK(=日本鋼管・東京都)と塩化ビニル環境対策協議会、プラスチック処理促進協会は 3月26日、塩ビを高炉利用するための前処理設備となる高濃度脱塩素装置を川崎市のNKK京浜製鉄所内に完成させた。一般系廃プラを破砕後、比重分離し、塩ビのみを産業系の廃塩ビと混合し、塩素と脱塩化水素樹脂に分離。樹脂は高炉でほかのプラスチックと同様に還元材として利用するというもの。

<環境・包材リサイクル>

◇プラスチック化学リサイクル研究会が発足

 リサイクル社会の構築に貢献 
 プラスチック化学リサイクル研究会が 3月27日に発足。廃プラスチックの化学リサイクルに関する研究を学術的・学際的な立場から推進するため、産・官・学の多くの機関に分散している研究者が横断的に結びついて、既存技術の展開、新規技術の開発などの水準を飛躍的に向上させ、リサイクル社会の構築に大きく貢献することを目的としている。

<ISO関連>

◇水島製作所でISO14001の認証取得

 石化部門では川崎製作所に続く 
- 旭化成工業 -
 旭化成工業(東京都)は、水島製造所(岡山県)で環境マネジメントの国際規格「ISO14001」を取得した。同社としては川崎製造所、守山支社に続いての取得で、石油化学部門では水島・川崎という東西2大拠点で取得したことになる。同社では現在、ほとんどの工場地区で ISO9000シリーズを取得しているが、今後はISO14001の全地区の取得を目指す方針。

<蒸着フィルム特集>

◇透明蒸着が脚光浴びる

 蒸着フィルム動向ほか 
 包装用途における蒸着フィルム市場がどのように推移していくのか、業界動向を紹介するとともに、蒸着フィルムを採用するユーザーのパッケージ戦略を探り、現状に迫る。

<'98 中部パック特集>

◇「おいしく造って、やさしく包む、中部からの発信」テーマに

 255社1,025小間の規模で開催 
 中部包装食品機械工業会(名古屋市)主催、中部通商産業局、愛知県、名古屋市、名古屋商工会議所、日本貿易振興会後援による「'98 中部パック」が、来る 4月 8〜11日までの 4日間、名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)で開催される。今回は、「おいしく造って、やさしく包む、中部からの発信」をテーマに 255社、1,025小間の規模で開催される 。

<中部包装産業特集>

 地域の産業を支える包装関連企業を紹介。 
 


4月13日号ダイジェストニュース

<フィルム・軟包装>

◇PVDCコートOPP フィルム包材の使用全廃

 代替品は PVAコート品で
- 亀田製菓 -
 亀田製菓(新潟県)は、この4月から商品の包装に塩化ビニリデン樹脂(PVDC)をコーティングしたフィルム包材の使用全廃に踏み切った。同社ではこれまで、主に油脂分の多いピーナッツ入りの米菓30品目に、酸化防止の必要からガスバリア性が高く安価なPVDCコートOPP フィルム包材を使用してきた。代替品には当面、高防湿タイプのOPPフィルムの片面に PVAをコーティングしたバリア性フィルムを使用する。

<フィルム・軟包装>

◇欠点除去巻替機を開発

 グラビア印刷・ラミネート工程の不良を除去
- ゴードーキコー -
 ゴードーキコー(京都府)は、グラビア印刷、ラミネート工程で発生する各種不良部分を検出し、自動で印刷を合わせてテープ接合まで行う「234A型」欠点除去巻替機を開発した。接合時における印刷模様合わせ精度を前後左右ともに±0.2o以下に抑えたハイレベルな原反編集機能を持っている。

<シール・ラベル>

◇脱色が容易なシュリンクラベル用グラビアインキ

 「ダイエコロSR-F」を東洋紡績と共同で開発
- 大日精化工業 -
 大日精化工業(東京)は東洋紡績と共同で、 PETボトルリサイクル対応の脱色が容易なシュリンクラベル印刷用グラビアインキ「ダイエコロSR-F」を開発した。両社は、 PETボトル再生工場で現在行われている希アルカリ液による洗浄工程に着目し、この操作で簡単に脱離・脱色できるグラビアインキの開発に成功したもの。

<物流関連>

◇ソフト面にも事業を拡大

 パレット在庫管理ソフト「WIN-PAL 」/3月からレンタル開始
- 日本パレットレンタル -
 日本パレットレンタル(=JPR、東京都)は、先ごろ開発した在庫管理ソフト「WIN-PAL 」のレンタルを3月から開始、従来のハード面に加えソフト面でのサービスにも乗り出した。同社が長年のパレットレンタル事業で培った在庫管理のノウハウが集約されており、パレットや物流機器の紛失に威力を発揮するソフトとなっている。

<環境・包材リサイクル>

◇2002年に“廃棄物ゼロ”実現へ

 ISO14001取得は1999年度中に
- 積水化学工業グループ -
 積水化学工業(大阪府)は、2002年度までにグループの国内30事業所で「ゼロミッション化」(廃棄物ゼロ化)を進めるとともに、1999年までに30事業所と4研究所でISO14001の取得を完了する意向を明らかにした。同社ではこれまで、環境問題への取り組みとして廃棄物削減、省エネルギー、包装軽減、ISO14001の取得、有害物対策などを進めてきたが、こうした取り組みを一層強化、徹底したもの。

<環境・包材リサイクル>

◇「容器包装リサイクルビジネス推進会議」発足へ

 プラスチック・紙製包材の再商品化システムなど提言
- NTTデータ研究所など11社 -
 NTTデータ研究所(東京都)はこのほど、同社を含めた計11社参加の「容器包装リサイクルビジネス推進会議」を発足させると発表。4月17日に都内で設立総会を開催する。2000年から包材リサイクル法の対象となるプラスチック製と紙製包材について、社会性・経済性を追求したリサイクルシステムの構築に関する提言を行うのが目的。

<環境・包材リサイクル>

◇PETボトル分別収集の実施を決定

 焦点は事業者自主回収に
- 横浜市 -
 横浜市はこのほど、 PETボトルの分別収集を行うことを決定した。同市では、事業者と PETボトルの自主回収の実施について話し合いを進めてきたが、事業者側から市が分別収集の態度を明らかにしてほしいとの要望が出ていた。今回の分別収集決定で、焦点は今後の事業者による自主回収に移ってきた。

<PL関連>

◇新型プラスチックワイヤを開発

 独自製法で結束性が大幅に向上
- ピィ・アンド・ディ -
 ピィ・アンド・ディ(山梨県)は、手で結束できるプラスチックワイヤ「パドシー(PADC)」(特許出願中)を開発、本格展開を開始した。針金コアの結束ワイヤと遜色がない程度の結束性を持ち、金属検査装置にも通すことが可能なことから、PL法対策用として早くも菓子・化粧品業界から注目を集めている。

<HACCP関連>

◇除湿乾燥剤市場に参入

 シリカゲル系の2〜5倍の性能 
- 信越ポリマー -
 信越ポリマー(東京都)は4月1日から、除湿乾燥剤「カシカ」の本格展開を開始した。海水ミネラルから抽出したマグネシウムを主成分とする新タイプの乾燥剤で、従来品に比べ水分除去や結露防止において2〜5倍の性能を持っている。精密電子部品や食品、医薬品などの分野で高い効果を発揮するものと期待されている。

<包材流通>

◇売上高1,000億円規模の総合包材商社誕生

 「三菱商事パッケージング」が船出/個装材から外装材まで集約 
- 三菱商事グループ -
 三菱商事(東京都)および三菱商事グループ各社は、個装材から外装材までを総合的に販売する新会社「三菱商事パッケージング」を4月1日付で設立した。これにより、三菱商事グループ各社が扱っていたさまざまな包材は1社に集約される。新会社の売上高は1,000億円規模に達するとみられており、包材流通界にかつてない巨大企業が出現したことになる。

<今週の焦点>

◇21世紀のニューリーダーE

 ────岩田真人氏(岩田レーベル社長) 

◇記者の眼

 パルプモールド工業会設立に動き 
 緩衝用の輸送データなど必要/コスト面で厳しい評価も

<特集「西日本食品容器動向を探る」>

◇社会的にニーズ高まる/ライフ変化が需要を生む

 蒸着フィルム動向ほか 
 環境対応など課題克服がポイント

<CMM JAPAN & JSP特集>

◇4月15日、幕張メッセで開幕

 国内外から 222社が一堂に 
 「第5回コンバーティング基材・特殊印刷展───CMM JAPAN & JSP98」が、4月15日からいよいよ日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催される。加工技術研究会の主催、全日本シール印刷協同組合連合会、全国グラビア協同組合連合会、全日本スクリーン印刷協同組合連合会の共催による。


4月20日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇新型デジタルハカリ発売

 包材商社ルートで拡販図る
- エー・アンド・ディ -
 エー・アンド・ディ(東京都)は、一般食品小売店舗など向けに、低価格なデジタルハカリ「SK-D/SL-Dシリーズ」の販売を開始した。「SK-D」は基準適合証印つきで取引証明用、「SL-D」は2,000分の1の高分解能力を持ち、取引証明以外用で高精度の計量に適した製品。同社は全国の包材商社ルートで拡販を図る考え。

<紙器・段ボール>

◇ベルトレスシングルフェーサを発表

 世界初の大径ロール採用
- ISOWA -
 ISOWA(愛知県)は、世界で初めて 600o以上の大径ロールを上部段ロールに採用した「ベルトレスシングルフェーサ」を開発。4月8〜9日、本社工場で延べ 250人を集め公開運転を行った。従来のシングルフェーサに比べ、非常に薄いニップ圧の“キスタッチプレス”で、プレスマークは極めて薄い。最高機械速度は毎分 350m。有効通紙幅1,800 〜2,500o。

<紙器・段ボール>

◇精密機器用の汎用輸送箱を開発

 発泡プラと段ボールを複合化/緩衝部分は取り外し可
- 白石ダンボール -
 白石ダンボール(東京都)は、パソコンなど電子・精密機器用の汎用輸送箱「P BOX (ピーボックス)」を全国一斉に発売。取り外し可能な発泡ポリエチレンと段ボールケース、段ボール緩衝材(クッションボード)を組み合わせたもので、通い箱として10〜20回繰り返し使える強度を持ち、保管のため折りたたみ可能に設計されている。価格は1個1,800円。

<外装機器・資材>

◇「粘着テープ研究所」が完成

 テープ主力の豊橋事業所内に/大型新製品開発を加速
- 日東電工 -
 日東電工(大阪府)は、粘着テープ主力工場の豊橋事業所内で建設を進めていた実験棟「粘着テープ研究所」の完成を受け、粘着テープ技術に関する研究開発事業を開始した。新研究所を、世界に向けた粘着テープ技術に関する情報発信基地と位置づけ、基盤の粘着テープ技術に関する開発の一層の強化を目指す。

<外装機器・資材>

◇低価格シーラーを発売

 「ダブルピラー方式」で耐久性もアップ
- ストラパック -
 ストラパック(東京都)は、デンマークSOCOシステム社製の上下貼りロットランダムカートンシーラー「T-2000」を発売。従来機に替わる標準機で、優れた耐久性・操作性に加え55万円と低価格に設定。国内市場を席巻する廉価な台湾製シーラーへの対抗機として積極展開を図る。

<プラスチック系緩衝材>

◇ポリウレタン発泡液の新製品「ウルトラライト」発売

 発泡倍率280 倍を実現
- シールドエアー・ジャパン・リミテッド -
 シールドエアー・ジャパン・リミテッド(東京都)は、包装用現場発泡ポリウレタンの発泡液「ウルトラライト」を発売。現場発泡フォームインバッグ(ポリ袋入り発泡袋)システム「スピーディーパッカー」と「インスタパッカー」専用の発泡液で、A液とB液を混合、約280 倍の超高発泡倍率を実現している。価格はA液が250s入り28万7,500 円、B液が213 s入り24万4,950 円。

<シール・ラベル>

◇ラベル用にデザインソフト発売

 データを自在にレイアウト
- 日本電子科学 -
 日本電子科学(京都府)は、ラベルデザインソフト「MPウィザード」を発売。表計算ソフトやデータベースソフトなどで作成したデータを自在にレイアウト可能で、ラベルプリンターを使いラベルとして印字・発行する。データベースソフトはウインドウズ95の環境下での作動が条件。価格は本体が14万8,000円。インストール代が1万円、取扱説明料が5万円。

<シール・ラベル>

◇新型のラミネート装置を開発

 糊でフィルムを貼り付け/剥離紙無しでコストダウン
- 三條機械製作所 -
三條機械製作所(東京都)は、ラベル印刷機に搭載する新方式のフィルムラミネート装置を開発した。印刷ユニットの最後列に装備したフレキソユニットで糊を塗布し、ラミネート用フィルムを貼り付けラミする装置で、剥離紙が無いのでトータルコストの削減が図れる。また、剥離紙分が省資源となるほか、ごみとして処理する必要もなくなるというもの。

<環境・包材リサイクル>

◇紙と生分解性プラを複合化

 混合、ラミ、成形加工で環境調和型包材の開発に成功 
- 静岡県富士工業技術センター -
 静岡県富士工業技術センター(静岡県)は、三島製紙開発研究所(静岡県)とコトコ(静岡県)と共同で、紙と生分解性プラスチックの複合化による環境調和型包装材料の開発に成功。混合抄紙、射出成形、ラミネートの3つの方法で技術開発を行ったもので、耐油性食品袋や空気入り緩衝用袋など環境調和型包材を開発した。生分解性プラと紙を複合化することで、新たな機能を持たせることができることから注目される。

<環境・包材リサイクル>

◇生分解性プラスチックの耐熱 150℃に

 放射線で改質技術を開発/汎用包装材に適用可能 
- 日本原子力研究所 -
日本原子力研究所・高崎研究所(群馬県)は、生分解性プラスチックのポリカプロラクトン(PCL)に放射線を照射し、耐熱性を 150℃まで上げることに成功した。耐熱性が向上することで、電子レンジに使用する包材にも適用が可能となるなど、生分解性包材の用途が広がりそうだ。

<包材流通>

◇98年前半・軽包材流通企業動向

 積極果敢な新展開に活路 
一向に景気回復の気配を見せない日本経済の中にあって、軽包材流通業界を取り巻く環境はいっそう厳しさを増している。積極果敢に新たな展開に乗り出すだけの「攻撃精神」が無くては、現在の地位を保つことすら難しい。こうした状況下にあって、軽包材流通企業各社はどう戦ってきたのか、ここでは98年前半の動きを振り返る。

<メタロセン特集/原料編>

◇大型プラント営業生産開始

 本格的なメタロセン時代の幕上がる 
 日本エボリュー(三井化学75%、住友化学工業25%出資のよる生産JV)は、この4月から三井化学の千葉・市原工場内に建設した年産20万t規模の大型プラントでメタロセン触媒による気相法L-LDPEの営業生産を開始した。これにより、日本においてもいよいよ本格的なメタロセン時代のスタートを切ったといえる。

<HACCP特集>

◇品質管理新時代の幕開け

 「安全神話」復活の担い手/最終検査から全工程管理へ 
 食品業界に品質管理・保証の新時代が到来している。95年7月のPL(製造物責任)法施行や、大腸菌O-157による食中毒事件などをきっかけに、各メーカーは食品の衛生管理の重要性を再認識。これまでの最終製品検査から“食”の流れ全体にわたって危害発生を防止・制御し、継続的に管理するHACCP(危害分析重要管理点方式)システムが大きな注目を集め、これからの衛生管理手法として積極的に導入されつつある────。


4月27日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇省資源競争に対応

 再生PET 使用洗剤容器
- ライオン -
 ライオン(東京都)は、本体ボトルに再生PET樹脂を25%使った台所用洗剤「チャーミーコンパクト」(本体容器と詰め替え用)を4月から販売開始した。本体容器は、プラ使用量を32.6グラムから28.6グラムに削減。詰め替え用は、従来より樹脂厚さを薄くし43%も樹脂使用量を削減した。CAD・CAM・CAEシステムを利用し設計したもので、詰め替え容器を巡る省資源競争も、薄肉ボトルで新しい曲面になってきたようだ。

<シート・プラスチック容器>

◇新型超音波シーラー開発、60ミリ径チューブも0.2秒で溶着

 専用共振体の採用で効率化を実現
- 日本エマソン -
 日本エマソン(神奈川県)は、60ミリ径の大型チューブでも0.2秒で強力溶着できる新タイプの超音波チューブシールユニット「マルチチューブシーラー」(特許出願中)を開発した。専用の共振体を採用することで溶着時間の短縮と強度向上を実現した。大型チューブに対応できるうえ、“液中シール”も可能なことから、同社ではこのところチューブシーラー市場でシェアを拡大するホットエア方式への優位性を強調し、本格販売に乗り出す。

<その他容器>

◇DM用ディスク封筒容器を開発

 1枚90円で発送可能に
- 白石ダンボール -
 エスピープロダクツ(東京都)は、CD-ROMやDVDなどの情報ソフトをパックし、そのまま郵送できる包材「ディスクパック」の本格販売開始した。プラシートを真空成形加工した折りたたみ状の4点ボタンかん合式容器で、ディスクをセットして折りたたんだ状態でも厚みが3ミリを超えないので、第1種定型郵便として90円で発送することができる。同社では、発送代行も請け負う。

<フィルム・軟包装>

◇軟包装、昨年来需要の低迷が顕著に

 コンバーターの受注競争は激化の一途/設備過剰での過当競争背景
 軟包装業界では不況の長期化・深刻化に伴う需要の落ち込みという、かつてない事態に遭遇している。食品包装用の印刷・ラミネート包材を中心とする軟包装は、コンバーターの受注が昨年の11月後半から目に見えてダウンし、今年に入ってさらに悪化。3,4月の春需要期になっても盛り上がりは見られず、このままマイナス成長が定着する懸念が出てきた。これに拍車をかけているのが、過剰設備を背景にした価格競争の激化だ。安値での受注競争が主流となってきており、コンバーター業界は、生き残りをかけた厳しいサバイバル時代に入ったといえる。

<フィルム・軟包装>

◇オレフィン系素材を高周波で

 短時間で高品質に安定加工
- 山本ビニター -
 山本ビニター(大阪市)は、オレフィン系フィルム、シートの高周波溶着を、短時間で高品質に行う「ハイブリット高周波ウェルダー」シリーズを開発した。包装袋の素材をPVC系からオレフィン系に、素材変更を求める需要家業界が増えているのに対応したもの。全自動から半自動まで4機種を揃え、それぞれの適正にマッチした需要分野向けに本格展開に乗り出した。

<フィルム・軟包装>

◇袋のインサイドにフック

 取り付け自動で店頭有効利用
- ヤマガタグラビヤ -
 ヤマガタグラビヤ(大阪府)フック部分がフィルムから突出せず、袋面積内にフックを持つセリースパック「インサイドフック」と、同製品の自動フック取付システムを開発した。ディスプレーの際にフック部分のスペースも有効活用でき、既存の袋面積のまま簡単に低コストでフックが付けられる。ピロー袋を使うユーザーに、積極的に拡販していく。

<物流関連>

◇国内唯一の物流EDI

 標準JTRN第2版完成
- 物流EDI推進委員会 -
 物流EDI推進委員会は、国内統一の物流EDI標準JTRN(ジェートラン)第2版(2A版)は承認した。JTRNは昨年6月に通産大臣と運輸大臣の連盟で告示された「国内貨物取引及び輸送・保管の分野において荷主及び陸上運送事業者等が行う電子計算機の連携利用に関する指針」(連携指針)により、国内唯一の物流EDI標準として定められた。今回の承認で、同標準集を出版し、広く産業界に配付できる運びとなった。同委員会では物流EDI標準が完成したことで、国内における物流EDIの一層の普及促進になるものと期待している。

<環境・包材リサイクル>

◇OKコンポストラベルを推進、日本事務局として活動開始

 生分解性材料の普及に弾み
- DJKインターナショナル -
国際研究試験・コンサルティング会社のDJKインターナショナル(東京都)は、コンポストプラント処理向けを対象とした生分解性材料プラスチックに関する評価基準「OKコンポストラベルシステム」を推進する日本事務局として本格活動を開始した。同ラベルの添付製品は、世界自然保護基金(WWF)の北欧支部から環境適応材料として適当との推薦を得ているほか、欧州諸国の市町村や第3セクターの後援、推薦を得つつあるなど、世界的に認知される公算が強まっている。DJKは、このラベルの申請代行や試験依頼などのほか、広報、マーケティング、フォローアップと市場サンプリング調査を行い適正監督する日本事務局として活動を開始したものだ。

<環境・包材リサイクル>

◇プラ容器包装リサイクル協が設立

 36団体、49社で発足し、2000年に向けシステム構築/プラ包材の再商品化に弾み 
 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会が4月15日設立した。プラスチック製包装材の利用・製造事業社らが参加、正会員36団体、維持会員49社でのスタートとなった。@プラ包材の再商品化システムの具体的構築の必要な制度整備への低減A再商品化手法の調査と施設設備B分別基準、分別収集についての調査と提言C再商品化製品の用途拡大D再商品化についての普及・啓発と情報収集活動E日本容器包装リサイクル協会との連携・協力や国内外関係機関との交流──などの事業を行う。

<環境・包材リサイクル>

◇環境にやさしい包装アンケート

 「詰め替え容器望む」4割超える/事業者回収推進も3分の1 
- 東京都生活文化局 -
東京都生活文化局が行った「環境にやさしい容器・包装」の消費生活モニター・アンケートによると、詰め替え容器入り商品を増やしてほしいが4割、使用後の包材を事業者自ら回収してほしいと望む人が3分の1を超えていることが分かった。また資源回収に積極的に協力するとした回答も61・3%あり、消費者の関心の高さがうかがえる。その他興味深い、多くの回答が寄せられている。

<特集>

◇「カートナー特集」

 各社とも需要低迷打開へ/新分野模索し機種開発急ぐ 
カートナー市場の頭打ち需要を打開するため、機械メーカー側では新分野への進出を模索し、これらの需要を獲得するための機種開発を急いでいる。こうした中での最近のトレンドはユーザーの製品や工場規模にもよるが、ライン化の一環として捉える高速機と低コストで購入できるシステムへの二極化が鮮明になっている。

<特集>

◇「外装特集」

 キーワードは「人にやさしい」機器、「環境にやさしい」資材 
長引く景気低迷で外装機材の国内の需要動向は冷え込んでいる一方で、円安で輸出は好調に推移している。機器では、作業者(人)への配慮がなされた新機種が相次いで発表されている。資材では、紙系緩衝材の動きが好調となっている。機器は「人にやさしい」、資材は「環境にやさしい」が、いまの時代のキーワードになっているといえよう。


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