包装タイムス・バックナンバー“1998年6月度”


6月1日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇再生PET で仕切り板

 積水化成品と共同開発/PET ボトル用に導入
- キリンビバレッジ -
キリンビバレッジ(東京都)は積水化成品工業(大阪市)と協同で、PETボトル再生樹脂100%利用の仕切り板を開発。従来の厚紙に比べ、耐久性や衛生面にすぐれ、長期使用でのコストメリットも期待される。すでに容器メーカー大手の吉野工業所が、PETボトルを出荷する際に利用。ただし現状、ハンドリング面で改良の課題も。

<シート・プラスチック容器>

◇パルプモールド代替に発泡PP浮上

 トマト出荷用の中敷きトレーで採用も
- JSP -
 JSP(東京都)の無架橋発泡PPシート「P-マット」が、愛知県渥美農協のトマト出荷用中敷きトレーで、従来のパルプモールドの代替素材に採用された。渥美農協が新たに導入した自動選果機で、それまで使用していたパルプモールド製トレーが対応できなかったため。すでに「P-マット」は昨年、150万枚を出荷しているが、さらに今年は上回る見込み。

<フィルム・軟包装>

◇水専用の抗菌包材を上市

 10リットル容量の自立スパウト袋で
- トライカンパニ -
 トライカンパニー(静岡県)は、10リットルと大容量で抗菌効果を発揮する水専用自立スパウト袋を発売した。すでに展開している水専用袋「 M・Pパック」の新シリーズ。カネヒロ、日立化成フィルテック、太洋薬品の技術・ノウハウに、協和商事と日本スパウトのラミネート加工、自立・製袋加工、口栓加工などのノウハウも加わって商品化されたもの。希望小売価格は 1袋1,000 円。近く 5リットルタイプも上市予定。

<フィルム・軟包装>

◇OPP基材の透明蒸着フィルムを開発

 PVDCコート品以上のバリア性/先行のナイロンタイプも順調
−大日本印刷−
 大日本印刷(東京都)は透明蒸着フィルム「IBバリアーフィルム」で、 OPP基材タイプの開発を完了した。すでに先行のナイロンベース品は、大手食品メーカーに採用されるなど順調に推移していることから、より汎用性の高い OPP基材タイプで開発を進めていたもの。各基材のIBバリアーフィルムで、初年度5億円、 3年後30億円の販売を見込む。

<樹脂原料>

◇マレーシアに年間生産能力 3万tのPETG製造拠点

 アジア太平洋地域への展開強化
- イーストマンケミカル -
 米イーストマンケミカルは、包装用フィルム・シート向けの高機能性樹脂として知られるコポリエステル樹脂「PETG」のアジア太平洋地域の展開を強化する。かねてからマレーシア・クアンタンに建設していたPETG「イースター」と「スペクター」の最新鋭製造工場がこのほど完成したため、本格的な製造を開始したもの。新工場は同社がアジア地域に独自に設置した初めての製造拠点で、年間生産能力 3万tで、その50%程度を日本市場に売り込む。

<物流関連>

◇新型プラパレット専用洗浄機を開発

 乾燥装置を一体化
- 坂部梱包資材 -
坂部梱包資材(静岡県)と宇都宮製作所(静岡県)はこのほど、乾燥機付きパレット洗浄機を開発した。昨年春に開発した洗浄機「クリーン・ボーイ」のパレタイザーの下に乾燥装置を組み込んだもので、従来の発想では大型システムになるといわていた洗浄機と乾燥機のコンパクト化を実現している。価格はフルセット仕様で28,00万円。

<環境・包材リサイクル>

◇水の自販機を店頭に設置

 精製水の量り売りで PETボトルをリユース
- 協業組合オー・ド・ヴィ -
協業組合オー・ド・ヴィ(京都市)は、水道水を精製して作ったクッキングウォーターを、客が使用済み PETボトルやポリタンクなどを持参すれば安価で購入できる量り売り自動販売機をこのほど開発。先ごろ京都生協の販売店「京都生協コープパリティー」に第1号機を設置した。 PETボトルのリユースに有効な方法として、スーパーなどと協力しながら利用者層の拡大を狙う。

<鮮度保持関連>

◇ 帯状の脱酸素剤で特許成立

 「脱酸素剤連続包装体とその切断装置」に関して
- 三菱ガス化学 -
三菱ガス化学(東京都)は、同社が申請していた脱酸素剤の包装および切断に関する特許の成立を明らかにした。今回成立したのは「表面がプラスチックからなる脱酸素速度の早い自力反応型」で、「帯状の脱酸素剤連続体が空気が流通しない程度にコイル状に巻き取られた」ことを特徴とする『脱酸素剤連続包装体とその切断装置』(特許名称)に関するもの。

<21世紀のニューリーダーH>

◇人間中心の経営が理念

 人材育成を最大テーマに取り組む 
 ───トタニ技研工業・常務取締役 戸谷幹夫氏

<記者の眼>

◇包装産業も“言う”べき時期

 業界団体の意見広告/企業・個人の積極性も必要 

<広島パック '98特集/広島包装産業特集>

◇「広島パック '98」開催へ/ 6月4 〜 6日、広島県立産業会館東館で

 広島県包装産業の最新動向も紹介  
6月4 〜 6日の3日間、広島県立産業会館東館で「広島パック '98」が「包装・物流・食品加工機械、環境対応包材の最新情報」をテーマに開催される。今回は、76社、 172小間の規模で、特に HACCP関連システム、病原性大腸菌O-157検査装置、環境対応機器・資材、省力化機器など時代ニーズに応じた出展が予定されており、来場者により的確な情報が供給されるとみられる。一方、地元中国経済圏を背景とする広島県包装産業界も不況期ながら、堅調な動きを示しつつある。本特集では広島パックの見どころとともに、広島県包装産業の最新動向を紹介。


6月8日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇ホットメルトで点字を表示

 包材バリアフリー対策装置
- シモン -
シモン(東京都)は、ホットメルト接着剤を使用して各種包材に点字を表示する点字識別表示システム「シモン BIM(ビム)」を開発、 6月から本格展開を開始した。点字材料に EVA(エチレンビニルアセテート)を使用することで、従来のUV(紫外線)硬化樹脂方式に比べ大幅なコスト低減を実現。各種プラスチックや紙、ガラスなどの包材に点字を印字できることから、バリアフリー包材の普及が一気に加速しそうだ。

<包装機・関連機器>

◇かん合容器対応の深絞り包装機を開発

 独・ムルチ社と共同/インラインでドーム蓋も成形
- 東京食品機械 -
 東京食品機械(東京都)は、インラインでボトム(下側)からドーム状のかん合蓋も成形する深絞り真空包装機を、独ムルチパック社と共同開発した。深絞り包装機は通常、ボトムフィルムが成形され、製品充填後にトップフィルムが被さりシールされるのが一般的。一部に落とし蓋を成形するものはあるが、ドーム蓋をインライン成形するタイプは世界初。

<包装機・関連機器>

◇新型サイドシーラー開発

 待望の“コの字”貼りを実現/生産性向上と低コスト化に有効
- 小坂研究所 -
 小坂研究所(東京都)は、サラダカップや弁当、惣菜容器などの両サイドをプラスチック粘着テープで同時に“コの字”貼りする新型サイドシーラー「CS-600」を開発した。テープ貼付工程を全てエアで行うため必要以上の圧力を容器に加えない。今年の 8月から本格発売の予定で、価格設定は 300万円前後。初年度50台の販売を目標に。

<紙器・段ボール>

◇大手コンバーターの朋和産業を傘下に

 フィルム加工分野のすそ野拡大へ
−レンゴー −
 段ボールトップのレンゴー(大阪市)が 6月中旬をメドに、軟包装の大手コンバーター・朋和産業(本社・千葉県)に資本参加する。これに伴う朋和産業の社名と役員などの体制に変更はなく、別個に事業活動を行っていく方向。 8年ほど前から軟包装分野を手がけてきたレンゴーとしては、さらにすそ野を広げた本格展開の意向を持っていただけに、今回の資本参加のメリットは大きい。

<紙器・段ボール>

◇来年 4月にセッツと合併へ

 段シートで23%のシェアに
- レンゴー -
 レンゴー(大阪市)は、来年 4月 1日をめどにセッツ(本社・兵庫県)と合併する。悪化する板紙市況への対応や生産効率向上などが背景。レンゴーが存続会社となり、合併後は段ボールシートで23%、原紙で15.4%のシェアになる。

<フィルム・軟包装>

◇シリーズ最高のバリア性

 透明蒸着フィルムの新製品/ PET基材で薬品などに
- 凸版印刷 -
凸版印刷(東京都)は、 PET基材の透明蒸着フィルム「GLシリーズ」で、従来より高いバリア性を持つとされる新タイプ「GL-AU 」を開発。特殊セラミック蒸着を施し、バリア性と耐性両面の品質アップを図ったもので、酸化防止や水蒸気遮蔽では従来のアルミ箔に匹敵するという。薬品や精密機器など、従来以上に高バリア性を求められる分野で用途拡大を図る方針。

<フィルム・軟包装>

◇UV遮断透明ラミを低価格で

 AC剤混入で貼合にインライン対応
- 藤田ラミ工業 -
藤田ラミ工業(川崎市)は、UV(紫外線)カット機能を持つ透明ラミネートフィルムで、従来より低コストな製造方法を開発した。 2軸延伸のプラスチックフィルム基材に、UVカット剤混合のアンカーコート(AC)液を塗布し、この面に押し出しラミあるいはドライラミ装置で透明フィルムを貼り合わせるというもの。UVカットの別加工や特殊フィルムが不要で、通常のラミ加工とインラインで行えるため低コスト化を実現している。

<外装機器・資材>

◇ 円筒ロール製品向け輸送用補助材

 オール紙製で低コスト化を実現
- エコロジー開発 -
エコロジー開発(東京都)は、グラビア印刷シリンダーやその他重量のある円筒ロール状製品の荷崩れを防止しながら保護する、段ボール製輸送用補助材を開発。強化中芯のK7ダブル段ボールシートを折り込み、糊付けしただけのシンプルな設計で、大幅な低コスト化を実現できることから、従来の木箱コンテナに代わる輸送包装として注目される。

<外装機器・資材>

◇ 再使用できる液体輸送容器

 BIB スタイルで開発/ 外装にプラ製コンテナを使用
- 立花容器 -
立花容器(岡山県)は、 BIB(バッグ・イン・ボックス)の外装にプラ製コンテナ使用の液体輸送容器「 BIC(バッグ・イン・コンテナ)#20」を開発した。内袋の廃棄処理は通常のBIB と同じだが、外装にプラコンテナ使用でリユース可能。洗浄しやすいようにリブは最小限に抑えてあり、形状は内袋を傷付けないように丸みを帯びている。すでに一部ユーザーがテスト採用も。

<シール・ラベル>

◇縦軸型カメラ付き検査機を開発

 細幅ラベルに対応 
- ベルパック -
ベルパック(大阪市)は、細幅ラベルの検査に対応する縦軸型カメラ付きロールラベルチェッカー「YC511-LNTD」を開発。従来型カウンタリバインダーをベースに、新たに監視カメラを取り付けたもので、検査精度は 0.7o以下、0.1 o以上に対応。高速検査でも巻き締まりの恐れがなく急停止可能。また紙管軸の脱着も行える。

<環境・包材リサイクル>

◇「塩ビ工業・環境協会」が発足

 塩ビ協と塩ビ環境協が合体  
塩化ビニル樹脂工業協会と塩ビ環境協会が合体、新たに「塩ビ工業・環境協会」(VEC )が発足した。塩ビ樹脂や製品に対する風当たりが強まる中で両協会は、このままでは塩ビ樹脂事業の存続自体が危うくなると判断、塩化ビニル樹脂工業協会の業務そのものを環境問題への対応を中心とすることにしたもの。 5月26日に設立総会が行われた。

<'98 国際食品工業展特集>

◇3年連続で過去最大規模

 屋内外合わせ 578社、2,376小間  
日本食品機械工業会主催の「'98 国際食品工業展」(FOOMA JAPAN'98)が 6月9〜12日までの 4日間、東京・有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される。21回目の今回は、 3年連続で過去最大となる 578社、2,376小間の規模で「食文化新時代〜アジアから拡がるおいしい関係」をテーマに、東展示棟全 6ホールをフル活用して行われる。今年は、主催・日食工の創立50周年にもあたることから、記念イベントも予定している。

6月15日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇焼酎 2.8リットルでリサイクルしやすい PETボトル採用

 取っ手を外し、ラベルも改良
- 宝酒造 -
宝酒造(京都市)は、リサイクルしやすい PETボトルを採用した「宝焼酎 2.8リットル<エコペット>」を 6月下旬から北海道、東北を除く全国で発売した。 PETボトルリサイクル推進協議会が今年1月に策定したリサイクル法第2種指定PETボトルの自主設計ガイドラインに対応したもので、キャップを樹脂化、取っ手を外し、ラベルも部分糊付けに改良されている。

<シート・プラスチック容器>

◇PTP単一素材化を加速

 製薬大手の採用踏まえ自社生産も
- 藤森工業 -
 藤森工業(東京都)は、医薬品向けPTP包装で、蓋材ならびにボトル材ともPP素材構成の“モノマテリアル化”展開を加速する。蓋材、ボトルとも自社生産は現在行っていないが、大手製薬メーカーでの採用実績などを踏まえ、まずボトル材について社内生産する方向性を固めた。今年度中には最終的な決定を下し、設備を導入する拠点の選定などを進める。

<シート・プラスチック容器>

◇製品情報の電子データ化完成

 CD1枚に3,000アイテム収録/川下に新たな情報発信ツール
- 中央化学 -
 中央化学(埼玉県)は、3,000アイテムに上る自社製品すべての情報を1枚のディスクに集約した「電子カタログシステム '98」5,000枚を、関係する包材ディーラーへ無料配付した。電子データ化により、必要な製品情報がさまざまな検索方法で迅速に得られる上、発注書作成からFAXによる発注までがそのままコンピューターの画面上で簡単に行えることから、同社製品を取り扱う包材ディーラーの業務は大幅に簡便化される。

<シート・プラスチック容器>

◇吸収紙不要の新トレー登場

 ドリップ対応の特殊構造/トータルコストダウン実現
− 第一プラスチック工業 −
 第一プラスチック工業(広島市)は、鮮魚や食肉のドリップ、水分がトレーの底部分に自然落下する特殊構造の「ドリップトレー」を開発した。トレー底部にドリップ収納スペースを備えているので、傾けても逆流しない。吸収紙も不要で、バックヤードの作業負担も軽減されている。トレー素材は単体を使用し、再生利用も可能。

<フィルム・軟包装>

◇製袋用オートスタッカーを開発

 三方シール・ジッパー・スタンディング袋に対応
- 東京ワインダー商事 -
 東京ワインダー商事(東京都)は、三方シール・ジッパー・スタンディング袋など製袋機用に、従来機と比べ一段と機能アップの自動集積装置「プロスタッカー」を開発した。製袋後にバンド掛けなどして箱詰めする際に、袋束を再度整える必要がない。同装置は、製袋機メーカー大手の西部機械とも販売提携している。

<フィルム・軟包装>

◇凹凸にぴったりフィット

 納期、コスト軽減の新包材/収縮フィルムの機能を応用
- ヤマガタグラビヤ -
ヤマガタグラビヤ(大阪府)は、熱収縮するフィルムと通常の非収縮フィルムを用いて皿やガスマットなど凹凸のある製品の形状に表裏面とも密着したかたちで包装できる「パイル包装システム」を開発した。シート成形と違い金型などが不要なので、納期とコストを軽減できる。ヘッダーを付けて吊り下げ販売も可能なことから、関係ユーザーに向け本格的な販促活動を展開する。

<外装機器・資材>

◇再生 PETを基材に使用

 布粘着テープの新製品/今年 7〜 8月ごろ上市へ
- 寺岡製作所 -
寺岡製作所(東京都)は、国内外でも類をみない PETボトルの再生繊維を使用した梱包用布粘着テープ「 PETボトル再生布粘着テープ」を開発した。タテ糸にスフ、ヨコ糸に再生PET を使って折り込んだものを基材に使用しており、繊維比率の約62.3%が再生 PETというもの。粘着剤にも再生ゴムを使用し、製品全体でも60%以上の再生化率を誇る。

<プラスチック系緩衝材>

◇ 発泡PE粘着シートを JSPと共同で開発

 剥離紙レスで低コスト化実現
- オー・ジー -
オー・ジー(東京都)と JSP(東京都)は、高発泡PEシートに特殊ゴム系粘着フィルムをラミネートした粘着シート「クイックパット」を共同で開発し、 5月から本格展開を開始した。従来の粘着シートと異なり剥離紙がなく、低コスト化と作業の効率化を同時に実現できるため、今後の需要拡大が期待される。

<物流関連>

◇ 危険物用 1tプラ容器を国内生産

 独マウザー社から権利取得
- コダマ樹脂工業 -
コダマ樹脂工業(岐阜県)は、独マウザー社から権利を取得し、危険物用大型 1tプラ容器(IBC容器)「リパルテナー」の国内生産を始めた。これまでは輸入販売対応だったが、国内ニーズの高まりから今回、より機能性をアップした形で国産化に踏み切ったもの。ドラム缶に替わる大型容器での需要が期待される。

<環境・包材リサイクル>

◇環境ラベルのあり方まとめる

 環境情報データの公開を/エコマークの認定基準に設定 
- 環境庁 -
環境庁の「21世紀に向けた環境ラベルのあり方に関する検討会」は 5月25日、中間取りまとめを発表。エコマークの認定基準では、製品に原材料の種類、再生原料の使用割合などの環境情報データシートの公開を求めることを提唱しており、将来的には製品の環境情報がラベルに掲載される可能性も出てきた。

<21世紀のニューリーダーI>

◇まず社内整備を推進/コンピューターを積極活用

 21世紀には新工場を着工へ  
────三洋グラビア・原敬明社長

<北海道特集>

◇明治の開拓魂──今、平成に蘇れ

 長引く不況=未経験時代/「楽観主義」で切り開く!  

<JCBM '98 OSAKA特集>

◇6月18〜21日、「JCBM '98 OSAKA」開催へ

 インテックス大阪 4・5号館で/64社、555小間の規模  
「JCBM '98 OSAKA」(全国紙器紙工段ボール機械展)が、平成10年6月18〜21日の4日間、インテックス大阪 4・5号館において、64社、555小間の規模で開催される。厳しい環境の下、今回は前回を下回る開催規模となっているが、新規出展も13社を数え、従来にない新しい分野の機器システムも展示される。また、従来通り大型段ボール製函機の実演展示も予定されており、商談の場としてだけでなく、情報交換、社員研修の目的でも利用価値が高いといえよう。

6月22日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇IP66仕様の計量選別機

 防塵・防水性を向上/HACCP対応を狙う
- アンリツ -
アンリツ(東京都)は、従来品に比べ防塵・防水性を高め衛生性の向上を図った計量選別機「IPシリーズ・オートチェッカ」を発表した。丸洗いが可能なIP66(国際防塵・防水規格)仕様に準拠したもので、厳格さを増す食品業界の衛生管理ニーズに対応している。ハム・ソーセージ業界などに向け、初年度2,000台の販売を目指す。

<包装機・関連機器>

◇X線検査装置が優秀賞

 独自の検査方式に評価/第10回の中小企業新製品賞で
- スタビック -
 スタビック(東京都)のパッケージ内部検査装置「スタビックビジョン」が、あさひ中小企業振興財団と日刊工業新聞社共催の「第10回中小企業優秀新技術新製品賞」で優秀賞を受賞した。超微量のX線照射で包装内部の欠陥検査を可能にし、薬剤など対象物への影響をなくしたことで X線検査装置の応用範囲を拡大させたことが評価された。

<紙器・段ボール>

◇フレキソロータリーダイカッターを発表

 高いコストパフォーマンスに特徴
- ハマダ印刷機械 -
 ハマダ印刷機械(大阪市)は、フレキソ印刷機「ミネルバ-J」の新タイプを発表した。ACサーボモーター採用の単独駆動同調位相制御方式が大きな特徴。印刷精度や抜き精度も向上し、優れたコストパフォーマンスを実現している。同社は従来、フレキソフォルダグルア主体に販売してきたが、今後はダイカッターにも力を入れていきたい意向。

<フィルム・軟包装>

◇PO系多層収縮フィルムを発売

 雑貨用包装分野で PVC素材から代替需要を狙う
- 三井東圧プラテック -
 三井東圧プラテック(東京都)は、PO系多層収縮フィルムの新製品「ハイ・シュリンク」を発売した。高いシール強度や優れたコストメリット、包装の美しい仕上がりから、化粧品や雑貨用包装分野で、 PVC素材からの代替需要を狙う。フラットタイプは2,000m巻きで幅 100〜1,500o、半折タイプは 500m巻きで幅 200〜600o。

<フィルム・軟包装>

◇98年の新製品を発表

 ぼかし効果のチャック袋など多数を
- 生産日本社 -
生産日本社(東京都)は、恒例の東日本ユニパック会で、98年の新製品を発表した。主なものは、チャック付PE袋「ユニパック」系列でグラデーション(=ぼかし)効果の「ユニパックファジー」、把手部分を着色した「ユニハンディ・カラートップ」、サイドシール部分をミシン目シールでつなぎ連続袋にした「ユニパック・ベルトタイプ(仮称)」など。

<フィルム・軟包装>

◇防災用簡易炊飯袋を開発

 ポリエステル不織布素材に
- 東洋紡績 -
東洋紡績(大阪市)は、ポリエステル不織布を素材にした防災用簡易炊飯袋「お袋のワザ」を開発した。また同製品を使用の炊飯方式を東京都葛飾福祉工場と共同開発、8月1日から同福祉工場を通じて防災用品として自治体などに向け発売する。同製品は、コメを研がずにヌカの付いた状態のまま袋に入れて湯炊きすればご飯が炊けるというもの。

<紙系緩衝材>

◇スパイロフィルがエコマーク認定

 バラ緩衝材では初/今後の展開にも弾み
- パックウェル -
パックウェル(東京都)の展開する再生紙製バラ緩衝材「スパイロフィル」が、バラ状では初のエコマーク認定を取得した。古紙を再生したクラフトロールを裁断し、コイル状に巻いて折り曲げたバラ緩衝材で、100%リサイクルができ土に埋めても完全分解されるなど環境負荷が小さいというもの。同緩衝材は現在、環境意識の高揚を背景に需要を伸ばしており、エコマーク認定は今後の展開の弾みとなりそう。

<プラスチック系緩衝材>

◇環境対応の緩衝封筒を発売

 封筒とクッション袋の分離容易
- ユニオンキャップ -
ユニオンキャップ(大阪市)は、オランダ・ピローパック社製の環境対応型エコロジカルクッション封筒「タイタイエコ」の輸入販売を開始した。封筒内側のエアクッション袋を引き出し、簡単に分離できる“ バッグ・イン・バッグ”タイプで、分別容易な製品として日本での需要が期待される。

パッケージ印刷>

◇デジタル・ラベル転写印刷機販売

 ラミ、抜き加工も内蔵
- ヒロ -
ヒロ(東京都)は、小型の小ロット多品種向けラベル印刷機の販売を開始した。米ファーゴ・エレクトロニクス社製のデジタル・ラベル転写印刷機「インプレッサU」がそれで、写真ラベルがリアルタイムで製造できることから注目を集めている。パソコン上のデザインをプリントからラミネート、ハーフカット加工まで行うデジタル・オン・デマンドシステムのため、版下はもちろん、フィルム製版、刷版、抜き型も不要。

<環境・包材リサイクル>

◇金属缶をビスAフリーに

 “環境ホルモン”問題で/製缶メーカー各社が対応
製缶メーカー各社では、金属缶に使用されているエポキシ系塗料から“環境ホルモン”とされるビスフェノールAが溶出することに対応するため、ビスフェノールAフリーへの対策が進められている。金属缶でのビスフェノールA溶出に関する規制はもともとないが、“環境ホルモン”はごく微量でも人体への影響が指摘されている。一部の生協が「ビスフェノールA排除」に動きだしたこともあり、製缶メーカーでは新たな塗料の開発を進めるなどの動きを始めている。

<シュリンクラベル特集>

◇非塩ビの動きがさらに鮮明に

 需給タイトで設備増強も
小型 PETボトル飲料の好調な売れ行きを受けて、シュリンクラベル需要がここにきて急速な伸びを見せている。昨年は各種素材合計で14,000〜15,000tになったと推定され、さらに今年は 1〜4月の段階で前年同月比で10%程度増えていると見られる。これから飲料市場は、需要が本格化する夏、さらに秋の行楽シーズンに向かう。低調な消費動向から包装資材全般が低迷する中で、シュリンクラベル業界では PETボトル成形業界以上に、今年後半に向けての市場拡大にいよいよ期待が高まっている。

<スーパー・CVS特集>

◇新時代の差別化戦略が加速

 激変する包材勢力図の現状
深刻な消費低迷の中で、スーパー、CVSでは、専門スーパーへの転換やPB商品の開発、テーマ別の売り場変革など、差別化可能な独自の戦略をとりはじめている。これら流通各社がさらにどのような展開に踏み出そうとしているのかは今後の包装産業にとって最大の関心事の 1つであることは間違いない。そこで、スーパーとCVSの現状とこれに対応する包装関連企業の取り組みを紹介する。


6月29日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇紙トレーをフィルムで密封

 HMR対象のシール機発売
- テック -
テック(東京都)は、紙トレーをPETフィルムでシールする小型シール包装機「クイックシーラー」を開発。同機と紙トレーおよびシール用フィルムを「ニューパックシステム」の名称で全国発売した。スーパーなどが需要喚起の起爆剤として注目している HMR需要の獲得を狙ったもので、調理済み食品をトレーに入れて簡単にシールできる。紙トレー専用のシール機は少ないことから今後の動向が注目される。

<シート・プラスチック容器>

◇低発泡PS容器増産に拍車

 埼玉県騎西町に新工場建設へ
- 中央化学 -
 中央化学(埼玉県)は、同社独自の低発泡PS容器「シーファイン」の一貫生産工場を埼玉県騎西町に建設することを明らかにした。同容器は、総菜やテークアウト食品分野で急速に需要を増やし、既存設備の生産能力が限界に近づきつつある。昨年、九州工場に生産ラインの増設を行ったが、製品の成長がこれを上回っていることから専用生産拠点の新設で対応するもの。10月に完成予定。

<フィルム・軟包装>

◇家庭用塩ビラップから撤退

 非塩ビ系ラップで攻勢/ダイオキシン問題に対応
- 三菱アルミニウム -
 三菱アルミニウム(東京都)は、来年の 3月をメドに家庭用塩ビラップから撤退する。ダイオキシンの問題から塩ビが問題視されているためで、今後は環境問題を前面に非塩ビ系ラップで攻勢をかける。同社が撤退を決めたことは、家庭用ラップで圧倒的地位を占めているPVDC製品の販売にも影響を与えそうだ。

<物流関連>

◇搬送にホバークラフト応用

 700s重量物も簡単に移送/家具、ピアノ、精密機器搬送に
- エアームービング -
 エアームービング(東京都)は、 700sまでの重量物をホバークラフトの原理でそのまま浮かせて移動することができるマテハン機器「 AIRSLED(エアー・スレッド)」の販売を始めた。床面から約 2.5p浮き上がらせ、少ない人手で簡単に移動することができるもので、大型家電製品や家具・キャビネット、金庫のほか、振動を嫌うピアノやコンピューターなどの精密機器、取り扱いに注意を要する美術品や展示品などの移動に適している。

<物流関連>

◇オールアルミで易リサイクル

 ボックスパレットを本格展開
- ジャック -
ジャック(東京都)は 6月から、パレット一体式の折り畳みボックス「オリカーゴ」の本格展開を開始した。オールアルミ製のため、繰り返し使用すればほかの輸送容器に比べ大幅なコストダウンをが図れる上、リサイクルも容易に行えるのが特徴。抗菌塗装で衛生面にも優れているので食品や薬品分野に適している。

<環境・包材リサイクル>

◇条件付きでサーマルも/ごみ発電、熱回収は認めず

 マテリアルリサイクル基本に再商品化の考え方まとめる
- 通産省容器包装リサイクル小委員会 -
通産省産業構造審議会容器包装リサイクル小委員会は 6月17日、容器包装リサイクル法完全施行に向けた考え方をまとめた。マテリアルリサイクルを基本とするという従来の考え方を踏襲。ごみ発電など熱回収によるリサイクルは認めなかった。サーマルリサイクルについては、条件付きで検討するべきとなっており、用途としてはごみ固形化燃料(RDF)、セメントキルンでの利用が対象となっている。

<環境・包材リサイクル>

◇EPSから EPSに再生

 社内、外注先含めリサイクル/来年 4月までに全国展開
- キヤノン -
キヤノン(東京都)は、EPSを回収し再び EPSとして再生する取り組みを関東地区から開始した。グループ会社の事業所から出るEPSのほか、外注先からも引き取り、再生するもので、自社製品や部品の梱包材として出るEPSを“クローズド・リサイクル”し再び梱包材として利用する。来年4月までに全国展開の予定。

<環境・包材リサイクル>

◇6割が環境商品を購入

 グリーン購入行動調査を発表
- GNP・東京ガス都市生活研究所 -
グリーン購入ネットワーク(GNP)と東京ガス都市生活研究所は、グリーン購入に関する生活者の意識と行動調査の中間報告をまとめた。今年3月に首都圏在住の生活者1,500件を対象に郵送で行ったもので、有効回答数は1,021件、有効回答率は68.1%。この内6割強の人が普段の生活の中で環境にやさしい商品を購入するよう心掛けていることが分かった。

<環境・包材リサイクル>

◇透明PSトレーを回収

 広島と高知のスーパーで/生産した全容器を回収へ
- エフピコ -
エフピコ(広島県)は、広島と高知の県内のスーパーに透明のPS製トレー用の専用回収ボックスを設置、回収を開始した。近く本社のリサイクルセンターにトレーの素材を選別する近赤外線の装置を設置、従来のラインをつなげてリサイクルを行う。同社では同社の製品全てをリサイクルできる態勢の確立を目指しており、2000年をめどに全 7工場に透明トレーの選別装置を設置し、回収を全国に広げていく方針。

<21世紀のニューリーダー>

◇デジタルレボリューション/電脳を駆使するセンスが大事

 時代のパイオニア「リテラショップ」
────横浜リテラ専務取締役・星野匡氏

<記者の眼>

◇軟包装の受注競争が激化

 新商品開発が生き残りのカギ

<山梨県包装産業特集>

◇農産物不振で包材需要縮小の見込み

 天候不順で果物に打撃/小売りの勢力争いに揺れる包材流通形態
山梨県内の包装産業は、長引く消費の冷え込みを反映し、全体的には下降線を描き始めたように見受けられる。同県の主力生産品で膨大な包材需要を生み出すはずの果物が不振の様相を呈していることに加え、地元小売流通業を脅かす大手ナショナルチェーンの台頭により包材需要の県外への流出現象が懸念されているからだ。しかし、これらマイナス材料が影響する度合いは企業間で異なり、むしろこの逆風下で業績を拡大している企業もある。今後、同県内の包装市場はどのような変化を見せるのか。関連企業の動きを追うとともにユーザーの展開にも着目し、県内の包装残業の全貌を明らかにする。



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