包装タイムス・バックナンバー“1998年9月度”

9月7日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇食材分離シート用自動投入機を商品化

 調理めんメーカーの依頼で
- 高野ベアリング -
高野ベアリング(東京都)は、食材とつゆなどの小袋、薬味、トッピング材の分離のほか、食材の乾燥や上蓋への付着を防止する目的で使用されるポリシートを自動でカットし供給する装置「SHEET-MATE(SM-200型)」を開発した。コンビニエンスストア向け調理めんメーカーからの依頼で商品化したもので、これまで人手に頼っていた煩わしい作業の自動化を実現している。

<紙器・段ボール>

◇角紙管切断機を開発

 簡単操作と切断面の美粧性が特徴/東京パックを機に本格展開
- エル・ケー -
エル・ケー(埼玉県)は自動角紙管切断機を開発、10月開催の東京パックへの出展を機に本格展開を開始する。自動丸紙管切断機では多くの納入実績を誇る同社だが、角紙管切断機の開発は初めて。誰でも簡単に操作ができ、あらゆる形状の紙管を高精度で切断できるのが特徴。最小45o角から最大150o角、厚さ5o、長さ1,500oまでに対応する。価格550万円。

<紙器・段ボール>

◇セッツと合併正式調印

 来年4月1日に新スタート/段シートで23%のシェアに
- レンゴー -
レンゴー(本社・大阪市)とセッツ(本社・兵庫県)は 8月28日、合併に関する契約書に調印した。今年7月24日に締結した「合併に関する覚書」の趣旨に基づき調印したもので、12月18日の臨時株主総会での承認後、来年4月1日に正式に合併する。存続会社はレンゴーで、合併に際して発行する株式の割当比率はセッツ1株に対しレンゴー 0.2株。合併により、レンゴーの業界シェアは、段ボールシートが23%、段ボール原紙が15.4%となる。

<紙器・段ボール>

◇バリア性・耐熱性など同時実現/製紙原料として回収再利用も可能

 電子レンジ・オーブン用紙器を開発
- 長森印刷紙器 -
長森印刷紙器(埼玉県)は、バリア性があり、電子レンジやオーブンに使用できる食品用高機能紙器「 Nシリーズ」を開発、本格展開を開始した。バリア性、耐熱・耐油性、超耐水・はっ水性などを同時に実現するとともに、古紙として回収が可能でリサイクル性を実現しているのが特徴。多様な機能を持った画期的なパッケージとして注目を集め、すでにファミリーレストランでも採用されている。

<外装機器・資材>

◇安全設計の新製品を発売

 「たばねら」シリーズの電動野菜結束機
- ニチバン -
ニチバン(東京都)は、「たばねら」シリーズの新製品、電動野菜結束機「5000V」を全国の農協、包装材料店、種苗店などで8月上旬から発売した。同シリーズで初めて結束アームに安全性を考慮した保護カバーを標準装備。作業者の手などが触れると自動的に作業を停止し、けがなどの事故を防止する。また電動式のため大量・長時間の作業でも疲れないのが特徴。希望小売価格15万円で初年度販売目標は2,000台。

<その他緩衝材>

◇新型生分解性緩衝材を開発

 紙粉とデンプンを混合・発泡/製造システムの販売を進める
- 産業技術研究会 -
産業技術研究会(兵庫県)は、紙粉とデンプンと水を混合し、高温高圧で特殊発泡加工した生分解性緩衝材「バイオ・フォーム」を開発。同製品の製造システムの販売展開を開始する。発泡倍率約30〜33倍で緩衝性能が高く軽量な緩衝材で、紙とデンプンを使用しているので水または土中で完全分解するのが特徴。製造システムは毎時15m3の製造能力を持ち、システム価格は約1億円。

<パッケージ印刷>

◇オフセット向け大豆インキ 2製品発売

 日本環境協会、米国大豆協会の両基準をクリア
- 東洋インキ製造 -
東洋インキ製造(東京都)は、大豆油を原料にした環境配慮型オフセットインキを発売。枚葉用「TKハイエコーSOY」と輪転用「WDレオエコーSOY」の 2製品で、生分解性と印刷適性に優れているのが特徴。日本環境協会のエコマーク認定基準と米国大豆協会の大豆インキ認定基準をクリアしており、両基準をクリアした大豆インキは国内初。

<シール・ラベル>

◇ 1台で多様な素材に印字

 新型サーマルプリンター発売
- 三宝 -
三宝(大阪市)は、サーマルプリンター「サイクロン」を開発、販売を開始した。長さ350o、厚さ0.9oまでのものなら、ラベルやチケット、プライスカード、タグなど、薄紙から厚紙までの多様な素材にこれ1 台で印字できるのが特徴。同社では、機能性重視のプリンターとして販売を強力に推進する方針。

<環境・包材リサイクル>

◇プラ包材の再商品化事業に参入

 PO系樹脂を分離、回収/マテリアルリサイクルを展開
- 荏原製作所 -
荏原製作所(東京都)は、2000年から完全実施となる容器包装リサイクル法に対応し、プラスチック包材の再商品化事業に参入する。市町村で分別収集したプラ包材を遠心分離機にかけ、PO系樹脂を分離・回収、造粒してマテリアルリサイクルを行うもの。2000年までに再商品化事業者と組んでこのシステムを事業化する方針で、年間処理能力1万t規模の設備を検討している。

<HACCP関連>

◇唐辛子成分の防虫剤

 マイクロカプセル化に成功/包装紙などへの展開図る
- 三木理研工業 -
三木理研工業(和歌山県)は、唐辛子成分を利用した防虫剤をマイクロカプセル化することに成功。圧力が加わると成分が漏れだし、一定時間経過すると元に戻るもので、カプセルが対象物と接触する部分で効果を発揮する。食品の包装紙などにすき込んで展開を図る方針で、年内にも本格展開を開始する予定。

<大阪包装資材協同組合創立10周年記念特集>

◇21世紀に飛翔する大包協

 流通業の安定と革新をリード
大阪包装資材協同組合(西川常一理事長)は、平成元年(1989年)12月22日に正式登記・法人化されて以来、今年12月で創立10周年を迎える。大阪の包装流通業界、なかんずく前身の大阪包装資材協議会(昭和40年設立)が宿願としていた法人化を実現したもので、大包協はこの10年間で大きな飛躍を遂げた───。

<栃木県特集>

◇栃木県内の包装産業を担う有力企業を紹介

 


9月14日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇新機能満載の新型IJP発表

 “信頼性の向上”を追求/最大32ドットの高密度印字
- インチケープマーケティングジャパン -
インチケープマーケティングジャパン(東京都)は、英・ドミノ社製小文字用インクジェットプリンター「A300/同200」を発表した。“信頼性の向上”をコンセプトに従来機「Codebox3」の優れた点を継承し、さまざまな先進機能を搭載。最大32ドットの高密度印字を実現するとともに、データ容量の多さから注目されている二次元コードにも標準対応している。

<シート・プラスチック容器>

◇気化性防錆シートの成形トレー化に成功

 電子部品の保管、輸送に威力
- 大洋液化ガス -
大洋液化ガス(東京都)は、防錆製品市場で急速にシェアを拡大している気化性防錆剤「ゼラスト」をプラスチックシートに練り込み、防錆効果を損なうことなく真空成形し、電子部品などを詰める防錆トレーの開発に成功した。主体のPEにPPフィラーが混入した素材で構成され、効果は最大 5年間持続。主力の鉄用ほか、非鉄用と鉄・非鉄両用が揃っており、トレーサイズも豊富。

<フィルム・軟包装>

◇食品向け業務用ラップに参入

 PO系需要の高まり受け開発/弁当など再加熱用途が狙い
- 大化工業 -
パレットストレッチフィルムメーカーの大化工業(大阪府)は、PP系の食品向け業務用ストレッチラップ「タピレン Pラップ(仮称)」を開発、9月中旬から本格上市し同分野に参入する。同製品は、PPをメイン素材に両側から再内層のPEをサンドした構成で、PE系の従来品に比べ耐熱性と自己粘着性に優れていることからCVS弁当類など電子レンジでの再加熱用途向けに積極攻勢をかける方針。

<フィルム・軟包装>

◇不二レーベルが軟包装に進出

 日本パッケージングが営業権譲渡/ DICの関連会社再編の一環か
不二レーベル(埼玉県)は、日本パッケージング(埼玉県)から10月1日付けで営業権の一部を譲渡され、グラビア印刷・ラミネートなどの軟包装加工に進出する。両社ともに大日本インキ化学工業(DIC)の子会社で、このところ業績が低迷している日本パッケージが経営再建を図るため、軟包装の加工営業部門を不二レーベルに譲渡する。

<フィルム・軟包装>

◇ネット袋3種類を発売

 安全性・リパック性に高評価/オクラなど農産物で大量採用
- ユーシー販売 -
ユーシー販売(大阪府)は、針不要の農産物用新型ヘッダー付きラベルネット3種類「ヘッダーテープネット」「2フェイスネット」「ポケットヘッダーネット」の本格販売を開始した。テープで封緘するため封入・開封が安全なほか、リパックも可能なことから、すでにオクラや枝豆の包装用ネット向けで好評だ。開発はヤマガタグラビア(大阪府)と共同。

<パッケージ印刷>

◇フレキソ印刷普及に拍車

 コムコ社から販売代理店権獲得
- ザ・インクテック -
ザ・インクテック(東京都)は、米国のフレキソ印刷機メーカーのコムコ社から直接、日本国内の総輸入販売代理店権を獲得した。同社はこれまでコサリーベルマン(東京都)を輸入総代理店として機械の販売を行ってきたが、今回総輸入代理店権を獲得したことで、機械、インキ、樹脂版および製版システムなどフレキソ印刷に係わるすべてのノウハウを、ユーザーに直接提供できる態勢となった。

<物流関連>

◇コンピュータ画面を台車に装備

 ペーパーレスピッキングを実現/無線LANでアクセスも可能
- 岡村製作所 -
岡村製作所(システム機器事業本部=東京都)は、高機能バッテリー装備の台車にモバイルコンピューター搭載のピッキングカートシステム「MARK-T」および「同-U」を9月30日から全国発売する。ピッキング作業の最も効率のよいルートと順番を、画面上に分かりやすく表示、指示するというもの。現場のペーパーレスが実現できる。初年度の販売目標は 1億5,000万円。

<物流関連>

◇ 液体用コンテナの新タイプ発売

 高品質・低価格を実現
- 共立物流システム -
共立物流システム(大阪市)は、従来の液体用コンテナを大幅に高品質化・低価格化した「タフテナKCC型」を10月から発売する。生産工程でコンテナをユニット化するため、輸送・保管費が少なくてすむ。また組立ロボットの採用で生産コストダウンを図っている。このため各仕様とも10万円を割る価格体系が実現。

<環境・包材リサイクル>

◇廃PETボトルを粉体塗料に

 再生技術を開発/低公害で耐摩耗性に優れる
- セイシン企業 -
セイシン企業(東京都)は、回収した PETボトルの再生ペレットから粉体塗料を製造する技術を開発した。溶剤塗料は溶剤が大気中に発散するなどの問題があったが、粉体塗料はそうした恐れがなく低公害。さらに耐摩耗性に優れており、再生材を使用し、かつ環境にやさしいといった点から、今後注目を集めそうだ。

<環境・包材リサイクル>

◇樹脂名をJIS表示に

 プラスチックの信頼性向上へ/プラ工連が検討を開始
日本プラスチック工業連盟は、材質表示委員会を設置しプラスチック製品の樹脂表示について検討を開始。プラスチック製品に関する信頼性の向上や情報開示を図ろうというもので、10月中にも案をまとめる方針だ。現在PETボトルの表示に使われている米国のSPIコードでは、6種類の樹脂しか表示できず、複合樹脂の場合に「その他」扱いになってしまう問題があった。こうしたことから同委員会ではJIS方式でアルファベットで表示することを提案している。

<環境・包材リサイクル>

◇PS包材、代替を検討

 油脂性、加熱食品優先に/“環境ホルモン”対応で
- 日本生活協同組合連合会 -
日本生活協同組合連合会は、“環境ホルモン”問題に対応するため、PS製包材の代替を検討するなど具体的な対応に乗り出した。食品包材として300点余り使用されているPS製包材について、油脂性食品と加熱食品の包材を優先して代替の検討を開始したほか、ポリカーボネート容器や金属缶についても代替を検討。生協が本格的に環境ホルモン対策を始めたことで、今後スーパーなどでも同調する動きが出そうだ。

<ISO関連>

◇全事業所でISO9000シリーズを取得

 
- 藤森工業 -
藤森工業(東京都)は 8月17日付けで、食品、医療・医薬品および工業用包装材料製造拠点の川崎事業所(神奈川県川崎市)がISO9002を取得した。認証の対象は、包装材料、感光材フィルムの製造から出荷まで。この結果、名張、沼田、静岡、大浜を含む全5事業所でISO9002 を取得したことになる。

<ISO関連>

◇ISO9001を認証取得

 滋賀工場のアルミ箔容器と蓋で
- 東洋エコー -
東洋エコー(大阪市)は、滋賀工場(滋賀県甲賀郡)でISO9001の認証を取得した。品質向上への取り組みの一環で、今回の認証取得は、アルミニウム箔容器および蓋の設計と開発、製造を含む。

<21世紀のニューリーダー>

◇現場第一主義を指針に

 感動呼ぶ顧客満足を目指し
───スタープラスチック工業社長・宮脇誠人氏

<記者の眼>

◇工場作業環境へも着目を

 「段ボール産業安全問題」に思う/事故防止への努力をさらに

<北陸地区包装産業特集>

◇「北陸パック'98」、9月17〜19日開催へ

 「食品の安全と環境対応の包装新技術」をテーマに
北陸地区は大手スーパーの進出が顕著で、地元スーパーや食品小売業との激しい競争を繰り広げている。また製菓・製パンなどの食品加工業からアルミ関連まで多彩な企業群があり、「安全性」「衛生」「省力化」「環境対応」などが緊急のテーマとなっている。こうした中、 9月17〜19日までの3日間、石川県産業展示館1号館で開催される「北陸パック'98」は、これら諸問題解決の絶好の機会となるだろう。本特集では、同展示会の出展傾向および、北陸地区包装産業特集としてトップインタビュー、ニュース、ユーザールポなどをまとめた。

<東北 6県包装産業特集>

◇青森県=「依然低空飛行続く県内業況」
◇秋田県=「包材需要の減少傾向止まらず」
◇岩手県=「大手コンビニの進出相次ぐ」
◇宮城県=「大手系列の進攻に課題急浮上」
◇山形県=「農産物包材の需要増加」
◇福島県=「環境、リサイクルで多角化へ」

 


9月21日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇シャンプー容器を紙化

 トイレタリーでは国内初
- ビューコス -
化粧品メーカー、マンダムの 100%出資子会社、ビューコス(大阪市、TEL:06-767-3007 )は、省資源化と廃棄物対策の観点から国内で初めてシャンプーに紙パック容器を採用。紙容器が採用されたのは、シャンプー、リンス、ボディーソープのトイレタリー商品 3種類で、コンビニ大手のセブンイレブンの店頭で販売する。容量はいずれも100ml入りで、ほぼ1週間分の使用量。

<ユーザー>

◇牛乳パックなどを再利用

 再生紙ノートで本格発売
- コクヨ -
コクヨ(大阪市)は、表紙に牛乳パックなどの再生古紙配合率100%の「再生紙キャンパスノート」を発売。中紙にもオフィス用紙の古紙を80%混入。初年度は100万冊、売上金額で 1億5,000万円を目標にしている。これまでも牛乳パックなど再生古紙原料のノートの商品化に積極的で、ほかにも再生PET100%利用のクリップファイルなどに取り組んでいる。

<包装機・関連機器>

◇印字検査装置を上市

 機能特化し低コスト化/印字機メーカーの強み生かす
- イーデーエム -
イーデーエム(東京都)は、従来機と比べ機能を大幅に向上させながら価格を同程度に抑えた印字検査装置「PC-V100」を上市した。生産管理や品質管理上、重要なポイントとなる日付表示や工場記号などの各種印字内容を、1台のCCDカメラで1文字ずつチェックし良否を判定する。検査機能を印字内容の良否に特化することで高精度な検査とともに、定価120万円と低コストでの供給を可能にした。

<包装機・関連機器>

◇最大4ヘッドまで接続可能

 新型小文字用IJPを発売
- 紀州技研工業 -
紀州技研工業(和歌山県)は、小文字用インクジェットプリンター(IJP)「PCコーダーJET/CM2」を開発、販売を始めた。1台のコントローラーにインキユニット/ヘッドを最大4台まで接続できるもので、大文字用IJP市場でトップを走る同社が、印字作業の省力化を図れるプリンターとして小文字用の販売も強化する。

<フィルム・軟包装>

◇バリア貼合材 3銘柄を発売

 EVOH中間に3種5層で
- 東セロ -
東セロ(東京都)は、バリア性が付与されたシーラントフィルムを規格化し、新たに3銘柄で発売する。バリア材のEVOHを中間層に、シーラント材のL-LDPEまたはPPを、接着性樹脂とともにTダイ共押出で製造する多層フィルム。フィルムのラミネート加工では従来、バリア性を付与させるためにEVOHフィルムラミやPVDCコーティングなどを行うため、コンバーターでは専用の設備や工程が必要だったが新製品はこうした工程の省略が図れる。

<フィルム・軟包装>

◇フィルム用アクリル樹脂発表

 白化せず透明性など抜群
- クラレ -
クラレ(東京都)は、折り曲げても白化しないフィルム用アクリル樹脂の新グレード「パラペットGR-F5」を開発、フィルムおよびフィルム用樹脂の両方を発売した。折り曲げてもまったく白化せず、また耐水性にも優れるのが特徴。主に塩ビ化粧合板・鋼板・壁紙など建装材の積層・ラミネート用として開発したものだが、ブリスターパック・ケース類・シュリンクラベルなどのパッケージ用の市場開発も視野に入れている。

<フィルム・軟包装>

◇超音波式検出器を開発

 ウェブ検出を安定、高精度に
- エム・イー開発技研 -
エム・イー開発技研(京都府)は、超音波方式を採用したウェブ検出器を開発、展開を始めた。基材シートの光の透過性の違いなどで検出器の調整が必要とされた光学式に比べ、超音波式は検出のバラツキを抑え品質の安定化と作業の簡素化を図れるのが特徴。既存の検出器から同方式への代替えも同社でできることから、受注獲得へ本格攻勢をかける。

<パッケージ印刷>

◇ 高速デジタル印刷機開発

 複数台のネットワーク化も可能/ カナダの技術開発企業と共同で
- 東洋インキ製造 -
東洋インキ製造(東京都)は、カナダの技術開発企業エルコーシイテクノロジー社と共同で、A4判サイズで毎分400ページのフルカラー印刷が可能な世界最高速のデジタルカラー印刷システム「エルコグラフ、モデル200」を開発した。印刷中に印刷内容を変更でき、ネットワーク化も可能。最大印刷幅435oで、印刷紙器や高級シール・ラベルなどへの応用も確実。

<シール・ラベル>

◇セパなしラベルを開発

 イージーPOPを第1弾に/剥離紙不要、作業性も向上
- マレー -
マレー(大阪市)は、剥離紙を使用せずゴミが出ない「スッキリラベルシリーズ」で、「イージー POP」「分別ゴミ収集用」「有料ごみ処理券用」3種類を商品化し、本格販売を開始した。「イージー POP」は、簡単に剥離でき作業性が一段と向上することから、スーパー店頭での貼付作業に有効で、引き合いも活発化している。

<環境・包材リサイクル>

◇50種類のプラ判別に成功

 わずか1秒、複合樹脂も可能/近赤外線とニューラルネットを利用
- 通産省工技院物質工研 -
通産省工業技術院物質工学工業技術研究所(茨城県)は、近赤外線とニューラルネットワークを利用し、50種類のプラスチックをわずか 1秒で判別できる技術を開発した。近赤外線を波長を変えながらプラスチックに照射し、吸収される割合を測定して得られた図形(スペクトル)の違いによってその種類を判別するもの。複合樹脂や生分解性プラスチックのほか、アルミ箔を貼り合わせたものも判別できる。

<環境・包材リサイクル>

◇環境ホルモン作用認められず

 日本環境毒性学会など合同発表会で/SM・SD・STの実験データを公表
- 日清食品・中央研究所 -
日清食品・中央研究所(滋賀県)は9月10日に行われた「第4会バイオアッセイ・日本環境毒性学会合同研究発表会」で、環境ホルモンに対する同社が持っている実験データを公開した。被験物質(スチレンモノマー・スチレンダイマー・スチレントリマー)のラットの女性ホルモン・男性ホルモン受容体との結合作用、人間の乳ガン細胞への増殖作用など 6種類の実験結果を公表したもので、「ポリスチレン製カップ麺に微量に残存するこれらの物質の内分泌かく乱作用は認められない」とデータを示しながら強調した。

<包材流通>

◇紙トレーシステムを上市

 惣菜分野からPR開始
- 田井屋 -
田井屋(石川県) は、 TECが販売する紙トレーのフィルム密封システム「ニューパックシステム」を北陸地区で上市した。パルプ100%の紙トレーで、内部にPET加工を施し耐水・耐水・耐熱性を備えている。トップ部分は紙とフィルムの2タイプで、いずれも溶剤を使わず熱圧着している。プラトレーに比べ割高感ながら、環境適性面から、北陸地区での販売に踏み切ったもの。

<98東京国際包装展特集1>

◇10月1〜5日の5日間

 「98日本MH機器展」も同時開催
来る10月1〜5日の5日間、東京・有明の東京国際展示場=東京ビッグサイトの西ホール 1階全会場を使用し、国内包装産業最大のビッグイベント「98東京際包装展──東京パック98」がいよいよ開催される。景気低迷が長期化する中で、出品規模は前回より減少したが、包装産業界各社の同展に対する期待と意気込みは大きい。出展各社の見所や狙い、出品ハイライトなどを紹介する。

<オカベ創業30周年記念特集>

◇はるかなる未来へ船出

 「心ある包装」をモットーに/30周年転機に一層の飛躍期す
食品包装資材の有力ディーラー、オカベ(東京都)は今年8月で創業30周年の佳節を迎えた。同社は、創業者で現社長の岡部佳美氏が協力なリーダーシップを発揮し、「心ある包装」をモットーに1968年(昭和43年)8月創業以来、ユーザーニーズを的確にとらえた機能的で高品位な包装資材を提供してきた。その間、同社は経済環境の厳しい変化や包装業界の急激な変革の波を乗り切り、関東における食品包装資材ディーラーとして、今や不動の地位を築いたといっても過言ではない。創業30周年を転機に同社はどのような飛躍を期しているのか──はるかなる未来を視野に入れ、同社が描く発展の構図は限りなく大きい。

9月28日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇生産管理ソフトを自社開発

 PC1台で20台まで対応/高速充填包装機に使用
- 三光機械 -
三光機械(神奈川県)は、包装機械の生産状況やシール温度などを1台のパソコンで最大20台まで管理できる試作ソフト「重要点監視システム(仮称)」を自社開発した。万一のトラブルもグラフや表で確認できるため、機械が停止した原因などを即座に把握でき、スピーディーな対応も可能。また、これらのデータを記録に残せるようにもなっている。

<シート・プラスチック容器>

◇2枚のプラシートで容器成形

 伊・ユニフィル社開発の新システム発売/充填・シールまで一貫化
- 日本製紙 -
日本製紙(東京都)は10月から、2枚のプラシートを貼り合わせて熱圧着すると同時に空気を吹き込み、メス型の金型内部に押しつけて容器を成形するとともに充填・シールまでを一貫で行えるシステムを発売する。伊・ユニフィル社が開発した「TR86-SC」がそれで、アニメキャラクターなどを型取った複雑な形状の容器成形も可能なため、飲料や加工食品、化粧品業界へ積極的に売り込む。

<シート・プラスチック容器>

◇イクラ容器にリリーフ登場

 ゼオン化成などの協力で開発/HACCP手法も導入
- 紀文商事 -
紀文商事・釧路事業部(北海道)はイクラ向けに、新製品「ライフェル容器」を商品化した。包装資材販売のコバパック(本社・釧路市)、容器メーカーのゼオン化成(本社・東京)が開発に協力。容器はPPフィラー製でバリア性に優れるものを採用。品質の劣化防止、鮮度保持のため容器の底に脱酸素剤、抗菌性のドリップ吸収シートも使用している。

<シート・プラスチック容器>

◇20億円かけ1次容器棟増設

 相模原工場に延べ床面積9,926m2規模で
- 凸版印刷 -
凸版印刷(東京都)は、パッケージ事業本部相模原工場の1次容器(内容物を直接包む包装)棟の増設工事を完了した。総工費20億円をかけて昨年の7月に着工したもので、増築面積3,300m2、延べ床面積9,926m2の規模。同社は、西暦2000年の創業100周年に向けて全国的な生産拠点の再整備を実施。その一環として、同社の成長分野である液体用紙容器や紙製飲料缶などの紙製1次容器の生産体制強化を目的にしたもの。

<フィルム・軟包装>

◇無添加PE100%のラップ発売

 塩素系樹脂と変わらない粘着力
- ジャスコ -
ジャスコ(千葉県)は、無添加ポリエチレン(PE)100%使用の「トップバリュー食品保存ラップミニ」を発売、従来品の「トップバリュー食品保存ラップ」も同時にリニューアル発売した。両ラップとも同じ素材を使用しており、塩素系ラップと変わらない透明度と粘着力を持つのが特徴。トップバリュー食品保存ラップミニは利便性を考え幅22pとなっている。販売は直営とイオングループ各社の約1,500店舗で、両商品合わせての販売目標は年間約2億円。

<外装機器・資材>

◇青果物の袋結束に新方式

 毎分20〜25袋の処理を実現/PPクリップで再封も可能
- マックス -
マックス(東京都)は、青果物の袋物商品の閉じ方で新方式を開発した。新製品のPP製クリップ「コニクリップ」と袋閉じ機「コニクリッパ」を用いるもので、青果物が入ったフィルム袋の口を瞬時に閉じる。従来のテープ方式より作業性が大幅にアップし、ランニングコストの低減も図れるという。再封性もあるため、市場での広がりが期待される。

<外装機器・資材>

◇ガムテープ端材で緩衝材

 廃棄物の再利用で好評
- 三陽工業 -
三陽工業(名古屋市)は、ガムテープの製造段階で発生する端材部分(みみ)を利用した梱包内部の隙間充填緩衝材「サンヨーパック」の一般販売を開始した。ガムテープをスリット加工する際に発生する細長い端材を、適当な長さにカットし、クラフト袋に詰めてガムテープで封をしたもの。半年ほど前から、従来のガムテープ納入先の一部に供給しているが、オール紙製で使用後の処理がしやすいことで予想以上に好評なため本格展開に乗り出したもの。

<物流関連>

◇ 東海工場を増築

 B棟完成、E・F棟も着工/プラパレット生産体制強化
- 三甲 -
三甲(岐阜県)は、プラスチックパレット専用工場である東海工場(静岡県掛川市)の「B棟」が完成、本格稼働を開始した。物流革新と森林資源の保護という社会的ニーズから、木製パレットの代替としてプラスチックパレットの需要が急速に拡大していることを受けてのもの。これにより既存のA棟と合わせて月産20万枚の供給体制を確立した。また、新たにE棟とF棟の建設に着工、E棟は来年2月に完成の予定。

<環境・包材リサイクル>

◇塩ビ代替品、エコマーク設定せず

 “環境に優しい”認めず/エコマーク推進委員会が決定
エコマークの商品類型について検討を行っているエコマーク推進委員会は、検討の必要な商品類型に挙げられていた「塩ビに代わるプラ商品」は、商品類型として設定しないことを決定した。エコマーク事務局による外部委託調査などの結果に基づいたもの。

<環境・包材リサイクル>

◇廃プラ油化実証プラントが完成

 灯油・軽油並みの品質実現/今年12月に営業活動開始
- 川崎重工業 -
川崎重工業(神戸市)は、廃プラスチック処理業者のエクアール(福岡県)と共同で建設を進めていた廃プラ油化システムの実証プラントを福岡県三潴郡に完成させた。エクアールが熊本県菊池市などから収集する一般廃棄物のプラスチックを、灯油・軽油並みの品質を持つ燃料油に生成、リサイクルするもの。処理能力は日量 3.6t。今年12月には実証運転を終了させ、営業活動を開始する予定となっている。

<環境・包材リサイクル>

◇光触媒でダイオキシン分解

 高効率で水、塩素イオンに
- キンダイバイオ研究所 -
キンダイバイオ研究所(神戸市)は、光触媒を用いてダイオキシンなどを分解する「有機物分解光触媒ユニット」(特許申請中)を開発、9月15日から本格販売を開始した。棒状ガラス粒が入ったガラス管の中を、液体や気体を通過させるだけで、有害有機物を高効率で水、塩素イオン、炭酸ガスに分解できる。既存の光触媒に比べ低コストで少量から大容量まで分解できるため、工場廃液や農薬分解、食品製造現場など幅広い用途で使用できる。処理能力(1ユニット)は、約100ppmの濃度のものを24時間で72リットル。

<特集「'98 トラックショー」>

◇「ひと・トラック新時代」をテーマに

 10月8〜10日、東京ビッグサイトで
「ひと・トラック新時代」をテーマに10月8〜10日の3日間、東京国際展示場=東京ビッグサイトの西ホールと屋外展示場で「'98 トラックショー」が開催される。特に今回は、ダイムラーベンツやボルボなどが出展するなど国際的であるとともに、トレーラーの出展が目立つ。そのほか近年のトラック輸送に求められている省力、安全、環境保全、情報化などが包含された展示内容になっている。

<98東京国際包装展特集2>

◇「東京パック98」見どころはここだ

 各社の出品物を幅広く紹介(プレビュー38社、ハイライト 134社)


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