包装タイムス・バックナンバー“1998年11月度”


11月2日号ダイジェストニュース

<キャンペーン>

◇このままでいいのか「容器包装リサイクル法」

 中小の包材商社も「容器製造事業者」になるという問題
今から1年5カ月後の西暦2000年(平成12年)4月に、紙系およびプラスチック系包材の再商品化(容器包装リサイクル法)が義務づけられる。現在、そのガイドライン(“容器”と“包装”の区分)について、関係省庁では試行錯誤の真っ只中にあるようだ。しかし、ここにきて見え隠れするガイドラインなるものが、どうも一部の業界団体を『利する』内容であったり、官僚は官僚で『公の精神に立って民を利する』立場というより保身と縄張り意識に汲々としたものであるように思えてならない。平成7年6月に公布された容器包装リサイクル法だが、この法律が成立するまでの過程で、本紙では再三にわたりその問題点を指摘してきた。その問題点が現在、ガイドライン策定段階にきて、混乱と障害を招いてしまっている。本紙では、今週と来週の 2週にわたり、「このままでいいのか『容器包装リサイクル法』と題するキャンペーンを実施、同法律の問題点をもう一度浮き彫りにし、再確認することにする。

<ユーザー>

◇パック済み洋食を新発売

 紙容器でテークアウト/テックの包装システム導入で実現
- 千疋屋總本店 -
千疋屋總本店(東京都)は、耐熱紙トレー容器に調理済み食品を入れて密封するテック(東京都)の簡易包装システムを導入。テークアウト食品向けで新たな売り場コーナー「ランチBOX 」を立ち上げ、10月12日から販売を開始した。以前から併設のレストランで出している洋食メニューについては、パックしてテークアウト販売をしていたが、パック済みの作り置き食品にまで幅を広げるとともに、メニューラインアップを強化することで、急増する中食需要に対応し、顧客層の拡大を狙う。

<紙器・段ボール>

◇段ボールケース固定材を開発

 “低コストでゴミが出ない包装”として注目
- キョウエイ -
キョウエイ(大阪府)は、新タイプの「段ボールケース用固定材」を開発した。段ボールケース底面の任意の位置にバンドの通る穴を開けるというアイデアを採用したもので、穴にバンドを通して商品をケースに固定することにより、緩衝材や間仕切りをしなくても商品を輸送できるのが特徴。コストと廃棄物を同時に削減できる包装として注目を集めそうだ。

<紙器・段ボール>

◇紙管製造機を開発、上市

 紙器メーカーからの要望強く
- 二上鉄工所 -
二上鉄工所(大阪府)は、紙管製造機を開発した。同社はこれまでも自動製箱機や紙筒製造機などを製造してきたが、これらの紙加工技術を生かして紙管容器の製造ラインを開発したもの。板紙を供給し筒状の型に巻き付けて紙管を成形する装置と、フチ部分をカールする装置がL型に構成されている。先ごろ行われた本社工場での公開運転には、西日本を中心に紙器メーカーなど約50社が見学に訪れ、注目を集めた。

<フィルム・軟包装>

◇国内で初めてバリア性共押出OPPを開発

 構成はPP/EVOH/PP
- 二村化学工業 -
二村化学工業(名古屋市)は、国内で初めてのバリア性共押出 OPPフィルム「ECO(エコ)」を開発した。非塩素系の共押出2軸延伸フィルムで、構成はPP/EVOH/PP。PVDCコートフィルムに匹敵するガスバリア性能と保管性を有し、食品をはじめ内容物に対し優れた保護機能を発揮する。7月からサンプルワークを開始し、米菓・バターピーナッツ・ソーセージなどの大手メーカーで採用も決まりつつある。

<フィルム・軟包装>

◇口栓付きスタンドパウチで500mlタイプを開発

 需要家の品揃えニーズに対応
- 細川洋行 -
細川洋行(東京都)は、スパウト(口栓)付きパウチ「ニュー・チアーパック」で、新たに 500mlタイプを開発。寸法が袋幅70o、ガゼット幅が65oと正方形に近く、袋高さは 200oまで。需要家の多様な品揃えニーズに対応するもので従来品と同じく主に飲料向けだが、より多くの飲料が充填できるメリットから、行楽やスポーツ観戦など向けに飲料を凍らせる用途での需要が期待されている。

<外装機器・資材>

◇「タイコード株式会社」設立

 羽越・蔵王工場を引き継ぐ
事実上倒産した結束機メーカーの羽越機工が事業継続はできないと判断した宮城県蔵王市の蔵王工場が、ストラパック(東京都)の関連会社「タイコード株式会社」として発足した。資本金は1,000万円で、その約 7割をストラパックが、残りを同工場の社員が出資。社長にはストラパックの藤井健二氏が就任した。タイコードでは、段ボール用両端結束機と標準機などを引き続き製造していき、販売、サービスについてはストラパックの全国の支店営業所が行う。

<紙系緩衝材>

◇古紙パルプのブロック成形技術確立

 保持性とリサイクル性に優れる/緩衝材利用で重量物にも対応
- 王子製袋 -
王子製袋(東京都)は、古紙パルプを主原料としたブロック緩衝材「グリーンパル」の製造技術を確立した。古紙パルプに特殊処理を施して濾水性を大幅に向上させ、これにバインダーとなるパルプを混合、攪拌して乾燥させることで低密度のブロック成形を実現したもの。 EPSのようにブロック状に成形できるため、従来の紙製緩衝材に比べ緩衝性とホールド性に優れ、重量物にも対応できる。加えて、100%パルプ製なので新聞や段ボールなどと同様の古紙回収ルートでリサイクルできるのが特徴。

<ISO関連>

◇ISO14001を認証取得

 会社組織全域を範囲に
- スリオンテック -
スリオンテック(川崎市)は、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」を9月25日付けで認証取得した。登録範囲は、会社組織全域(小淵沢工場、スリオン・サービスを含む)における粘着テープおよび粘着製品の開発、設計、製造までで、認証機関は日本環境認証機構(JACO)。同社としては、平成7年6月の同9001に続くISOシリーズの認証取得となった。

<包材流通>

◇次世代段ボール包装

 特殊収縮シートで商品を保持/緩衝材不要で、分別も容易
- もりや産業 -
もりや産業(大阪市)は、緩衝材を使用せずシュリンクシートで内容物を固定し、使用後は分別できる「ブロックホールドシステム」を東京パック98で公開し、次世代の段ボール包装システムとして大いに注目を集めた。特殊シュリンクシートを段ボールケースの底に固定し、商品充填後シュリンク包装することで商品を保持するもの。使用後はシートと段ボールが容易に分離できる。すでに外資系大手通販会社で採用が決まっており、来春にも流通する予定。

<包材流通>

◇トップ会の共同事業が着実に拡大

 年間取扱高265億円越す見通し
- エフピコ -
エフピコ(広島県)は、有力な包材物流合理化策としてかねてから提案してきたエフピコトップ会ディーラーとの共同配送事業が、立ち上げから3年を経て、年間取扱高265億円を突破する見通しであることを明らかにした。経済環境が悪化し、主力需要家の量販店が物流合理化によるコストダウンを進める中、同社を中心とする共配システムは着実に受入先を増やしていることから、事業としての取扱高も今後さらに増加する公算が強い。

<「インプラント・グレーゾーン判断基準案」(プラスチック)>

◇インプラント問題についての判断基準

 コンバーターも費用負担/中仕切り、台紙も対象に
プラスチック容器包装リサイクル推進協議会(細野正昭会長)はこのほど、インプラント問題とグレーゾーンについての判断基準案をまとめ、関係4省庁に提出した。今後、同案を参考に基準が決められる方針。───同案の内容を掲載

<表示用機器特集>

◇市場はシュリンクぎみ/堅調なのはサーマルのみ

期待集まる鶏卵直接印字需要


11月9日号ダイジェストニュース

<キャンペーン>

◇このままでいいのか「容器包装リサイクル法」

 法律改正の議論をすべき
「包装材」もしくは「包材」という表現で、法律の名称も「包材リサイクル法」にすべきであると、過去再三にわたり本紙は提案してきた。「包装」と「容器」は別物という“素人の理解”から、「容器包装リサイクル法」という名称(略称)で法律が正式に成立してしまった。このため、ここにきて通産省を中心に進められている「容器包装」のガイドラインづくりで混乱をきたしている。スーパーなどで使われるラップフィルムと百貨店で使われる包装紙は「包装」で、キャラメルの包装紙は「容器」か「包装」か(プラスチック容器包装リサイクル推進協議会の判断基準案では「容器」としている)で、包装関係者にはまったく理解できない不毛ともいえる判断作業が進められている。その大変な作業過程で、「容器」と「包装」の線引きがあまりにも難しいので、「包装」はラップと包装紙だけとし、そのほかはすべて「容器」に括ってしまうのでは(紙製容器包装リサイクル推進協議会の案はこうした内容)という不安。あるいは、このままでは包材製造事業者から広くリサイクル費用を徴収すべきだという中身メーカーの思惑と、広くリサイクル費用が徴収できるという行政の思惑とで、ガイドラインが決まってしまうのではという不安。こうした憤りにも似た不安が本紙編集部内にも日ごとに高まっている。これまで入手した複数の案を見る限りでは、その不安通りにガイドラインづくりが進められている。これは道義的にも政治的にも大変な問題だといえよう。同法の問題はこれだけではない。本紙がこれまでに指摘してきたが「容器の製造者にも再商品化義務を負わせる」ことが問題なのか、このことについて論じる。

<ユーザー>

◇環境配慮の包装を積極展開

 時計用容器を再生紙製に
- セイコー -
セイコー(東京都)は、環境保全への取り組みとして「グリーン活動実施プラン」に着手、環境に配慮した包材への転換を図っている。従来の塩ビ製の容器を再生紙製に転換しているほか、持ち帰り用に個包装用の紙箱を製作、すでに時計店に納入している。また、ブリスター容器にポリプロピレンかPETのどちらかを採用する。

<フィルム・軟包装>

◇PO系ストレッチフィルム事業を統合

 11月から三菱樹脂に一元化/市場拡大に対応し販売力を強化
- 三菱化学・三菱樹脂 -
総合化学メーカーの三菱化学(東京都)とプラスチック総合加工メーカーの三菱樹脂(東京都)は、両社の業務用ポリオレフィン系ストレッチフィルム事業を統合し、11月1日から三菱樹脂に一元化した。ストレッチフィルム市場は今後急速にポリオレフィン化が進むと予想されており、このような市場の拡大に対応するため、供給能力の充実、関連技術の集約、販売戦略の統一など事業の強化・拡大を図るのがその狙い。

<紙容器>

◇「ピュアパック」の新アイテム上市

 57o角サイズに口栓装着/バリアタイプの品揃え充実
- 日本製紙 -
日本製紙(東京都)は、バリアタイプのゲーブルトップカートン「バリアカートンBE」を原紙とする紙容器の新アイテムを上市した。同カートンを採用した57o角サイズ(500ml容量)の「ピュアパック・スレンダーミニ」に口栓を装着したもので、チルド流通飲料市場(一部、常温流通も含む)をメーンに受注活動を展開する。

<フィルム・軟包装>

◇生分解性不織布を開発

 トウモロコシなどが原料/カネボウ合繊と共同で
- シンワ -
シンワ(愛媛県)とカネボウ合繊(大阪市)は、ポリ乳酸樹脂を用いた生分解性不織布「Haibon(ハイボン)」を共同開発した。カネボウ合繊のポリ乳酸樹脂「ラクトロン」を使用した長繊維不織布で、使い捨てオムツやティーバッグ、包装資材などの衛生材料や家庭用品、農産資材といった不織布の機能を生かす広い分野での採用が期待できることから、本格的に市場開拓を進める。

<樹脂原料>

◇自然分解プラ添加剤「デグラ・ノボン」

 製造拠点を日本へ全面移転
- ノボン・ジャパン -
米国ノボン・インターナショナルが開発した自然分解プラスチックの添加剤「デグラ・ノボン」の独占的製造・販売権を持つ、ノボン・ジャパン(東京都、TEL:03-3237-9797)は、同製品の製造拠点を米国ニューヨーク州から日本国内に全面移転することを明らかにした。日本での需要が好調に推移しているのを受けて、日米両社の業務見直しの中で決定。米ノボン社は研究開発に、ノボン・ジャパンは全世界向けの生産に機能を特化する。

<外装機器・資材>

◇再生PETバンドに反響

 リサイクル推奨商品にも認定
- 積水樹脂 -
積水樹脂(大阪市)は、使用済みPETボトルを再生した梱包用バンド「エコサイクル」を、先ごろ行われた東京パック98と滋賀環境ビジネスメッセで相次いで公開、優れたリサイクル品として両会場で大きな反響を得た。再生素材ながらPET樹脂の特性を十分に発揮し、引っ張り強度や融着強度では、従来のバージンPET製バンドと同等のレベルを実現。梱包用バンドとしては初めて、PETボトル協議会からPETボトル再利用品の「リサイクル推奨マーク商品」の認定も受けている。

<紙系緩衝材>

◇古紙原料の発泡ビーズ

 既存の成形設備で利用可能/化成品と同等の機能を持つ
- 凸版印刷 -
凸版印刷(東京都)は、古紙を原料とした「パルプ発泡ビーズ」を開発した。ポリスチレンなど化成品系の発泡ビーズとほぼ同等の性能を持ち、既存の成形設備をそのまま利用できるのが特徴。シートやブロックにも成形可能で、ビーズとしての緩衝機能だけでなく断熱や防音機能も併せ持つことから、古紙の新たな利用法として今後の用途開発に期待が高まっている。

<物流関連>

◇パソコン用修理に新梱包材

 「パソコンポ」サービス開始/フィルムフレームで中空固定
- 日本通運 -
日本通運(東京都)は、段ボール枠に強靱なフィルムを張ったフレーム上下2枚で、修理用のパソコンやワープロなどを固定して配送する修理物流サービス「パソコンポ」を商品化、本格展開を始めた。ユーザーと修理センター間の修理品の輸送を同社が受託するサービスで、修理品を中空に吊るした状態で輸送する梱包形態を採用。梱包材のフィルムには突刺強度や弾性などに極めて優れたポリウレタン素材を使用し、中空構造のため輸送中の振動や衝撃から商品を保護する。

<物流関連>

◇立体自動倉庫の高速型発表

 「キャスパック・シリーズ」の新タイプ
- 日本輸送機 -
日本輸送機産業機械事業部(滋賀県)は、立体自動倉庫「キャスパック・シリーズ」に新たに「キャスパック(高速型)」を加えて、10月20日から全国のニチユ販売代理店を通じて発売した。市場の物流高速化と収容効率アップのニーズに応えて、ユニット式自動倉庫ではトップクラスのスピードと高揚高化による保管収容量のアップを実現している。

<環境・包材リサイクル>

◇PETボトルで海水浄化

 名古屋港ガーデン埠頭で実験/PS製鶏卵パックも利用
- 名古屋港管理組合 -
名古屋港管理組合(名古屋市)は、名古屋港内のガーデン埠頭でPETボトルや鶏卵パックを利用した海水の浄化実験を行った。接触酸化方式ににより海水に含まれる有機物を除去し、海水の色や透明度の向上を図ろうというもので、特別な加工も必要ないことからPETボトルなどプラスチック容器の廃材利用として注目されている。

<ISO関連>

◇ISO9001を認証取得

 トレー製造大手では初めて/犬山市の本社工場で
- リスパック -
プラスチック食品容器メーカーのリスパック(営業本部=愛知県)は、競合他社に先駆け、10月1日付で品質保証および品質システムの国際規格「ISO9001」の認証を取得した。認証機関はJQA(日本品質保証機構)で、範囲は本社工場(犬山市)での容器の設計、開発および製造について。“顧客第1主義”の経営理念に基づき、客観基準から品質管理を強化しようとする同社の取り組みの一環。

<21世紀のニューリーダーQ>

◇徹底した現場主義がモットー

新しい時代の課題への意欲
───大東セロファン営業企画部取締役部長・渡邊 宏康氏

<記者の眼>

◇事実に対する正当な認識を

象徴的な「脱塩ビ」の動き/公正な競争で消費者利益を守れ

<「インプラント・容器包装の判断基準案」(紙)>

◇製造段階で使用のものは「容器」

有料のレジ袋は対象外に
紙製容器包装リサイクル推進協議会(宮崎紘一会長)は、インプラントやグレーゾーンなどについての考え方をまとめ、関係4省庁に提出した。8月31日にはすでに、特定容器・包装の分類・判断基準を提出している。───これらの内容を掲載

<HACCP特集>

◇「安全神話」完全に崩壊

食品製造の高度化で基本方針
96年夏の腸管出血性大腸菌0-157事件を境に、日本の食品の「安全神話」が完全に崩壊した。その後もサルモネラ菌や0-157などによる食中毒が後を絶たず、食品メーカーの安全管理および品質管理が問われている。今年に入っても、飲料業界を中心にカビなどの異物混入が多発。こうした状況の中、米国で開発された食品製造の衛生管理手法HACCP(危害分析重要管理点)システムの導入機運が高まっている。ここでは、先ごろHACCP手法支援法(食品製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法)と同時に告示された、「食品の製造過程の管理の高度化に関する基本方針」をはじめ、米国のHACCP事情、さらにはHACCP構築をサポートする機器装置・資材などを紹介する。


11月16日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>

◇バイアル充填・打栓機を公開

 バリア装置を装着可能
- 澁谷工業 -
澁谷工業(石川県)は、GMP対応の高速高精度バイアル充填・打栓機「PEFN型」を開発、11月8〜12日に米国シカゴで開催されたパックエキスポ'98で初公開した。液体状医薬品をバイアルびんに充填し、蓋を装着する装置だが、本体を外部から遮断しクリーンな環境を確保するアイソレーター(バリアシステム)が装着できる。価格は1億2,000万円で、年間5セットを見込む。

<包装機・関連機器>

◇高速・高分解能の錠剤検査機を開発

 微小な欠陥を確実に/毎時17万錠を処理
- 池上通信機 -
池上通信機(東京都)は、毎時17万錠の高速処理を実現するとともに、カラーラインセンサーに5,000素子RGBの採用で錠剤の微小な欠陥や色汚れなどを高精度に検出する錠剤検査装置「TIE-5010」を開発した。対象錠剤は素錠、フィルムコート、糖衣錠、異形錠、割線錠、刻印錠など。検査精度は汚れが表裏で直径80μ(マイクロメートル)以上の黒点相当。価格は4,450万円。

<包装機・関連機器>

◇脱気式自動シール機を発売

 縦型で独自の機構開発し
- ユニバック -
ユニバッグ(大阪府)は、「縦型ノーズタイプ脱気式シール機」を発売した。従来の縦型シール機(KS-12型)の供給部に特殊な吸引装置を取り付け、シールを行う直前に脱気を行う。中身の入ったフィルム袋をコンベア手前に置き、ノズルを差し込んでエアーを吸い込みながら、シール部分へ送り込む仕組み。ノズル先に取り付けられた数pのチェーンで、フィルム袋が崩れないように工夫されている。

<シート・プラスチック容器>

◇ギンポーパックとシバザキ化成品工業が合併

 12月21日付けで新会社発足
食品容器のギンポーパック(東京都)と、シバザキ化成品工業(栃木県)は、12月21日に合併することで合意した。両社の資産の効率的運用と規模拡大での競争力強化が目的。新会社はギンポーパックの名称を継承し、本社機能もそのまま活用する。資本金は8,000万円。新社長にはギンポーパックの神崎長造社長が就任し、売上高100億円規模の企業を目指す。

<フィルム・軟包装>

◇部材不要でも抽出容易

 自立パウチに熱絞り加工を採用
- 大日本印刷 -
大日本印刷(東京都)は、詰め替え用スタンディングパウチで、プラスチックリングなどの別部材を使わずに注ぎ口が向上するタイプを開発した。注ぎ口部分に独自の“熱絞り加工”を採用しているのが特徴。開封直後の自然な開口を促し、注ぎ口の閉塞を防止するとともに、内容物のスムーズな流動性を実現する。加工は福島県・泉崎工場。初年度15億円の売上を見込む。

<フィルム・軟包装>

◇チャック付き特殊フィルム袋

 加工メーカーと共同で展開/エンボス処理で独特の風合いも
- 林一二 -
林一二(大阪市)は、2次加工メーカー数社と共同で特殊フィルム採用のチャック付き袋を開発、本格展開を始めた。同社のPEペースの特殊フィルム「ハイラック透明フィルム」「梨地エンボスフィルム」を用いたサイドシール製袋品にチャックシールを装着したもので、フィルム素材の機能性と風合いを生かし、サイズや印刷も自由に行える。

<フィルム・軟包装>

◇欧州の需要増に対応し

 蒸着機新設し来夏から生産
- 東レ -
東レ(東京都)の関連会社で欧州でPETフィルムの製造、販売を行う東レ・プラスチック・ヨーロッパ(TPEU)社はこのほど、約18億円を投じてPETフィルムの表面にアルミなどの金属を蒸着させる加工装置を新設する。99年7月から生産を始め、加工能力は年産5,300tとなる。年率7%の成長が期待されているEU市場において、在欧他社の増設や輸入品の攻勢に対抗するもの。

<外装機器・資材>

◇“未来型”自動梱包機

 グッドデザイン特別賞を受賞
- ナイガイ -
ナイガイ(東京都)が先ごろ発売した自動梱包機の新製品「バンダマチック7110」が、10月30日に東京・千代田区の赤坂プリンスホテルで行われた1998年度グッドデザイン賞の表彰式で「中小企業庁長官特別賞」を受賞した。同賞の受賞は、包装機械業界では初めて。発売以来の引き合いも高かった機種だけに、同社の営業展開にも一層の弾みがつきそう。

<パッケージ印刷>

◇世界最速フィルムグラビア機を開発

 関西大手コンバーターに納入
- 中島精機エンジニアリング -
中島精機エンジニアリング(東京都)は、毎分400mと軟包装フィルム印刷では世界最高速の最新型6色グラビア印刷機「ニュープロテック-GNT型」を開発、この夏に関西大手コンバーターへ納入した。乾燥能力アップのため「ノズル風速制御」を初めて搭載。またインキの跳ね上がりを防止するため、インキング装置には特殊なバンキング方式を採用している。

<シール・ラベル>

◇DTPソフト4種を発売

 ウィンドウズ用をシリーズ
- 大日本スクリーン製造 -
大日本スクリーン製造(京都市)は、印刷・製版業界向けのウィンドウズDTP(デスクトップ・パブリッシング)ソフト「アバナス」をシリーズ化。新ソフトを開発し、11月末から販売を開始する。新ソフトは、組版処理系ソフト「アバナス・リーフ・パッケージ」、「同・カタログ・パッケージ」、「同・ヘッドライン」と、製版処理系ソフト「同・マルチスタジオ」の4種類。

<環境・包材リサイクル>

◇PS・PVC使用禁止の必要なし

 環境ホルモンの検討会が中間報告/人に影響との知見得られず
- 厚生省 -
厚生省の内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の健康影響に関する検討会は11月9日、食品容器として使用されているポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)について、現時点でただちに使用禁止などの必要はないとの見解をまとめた。近く、中間報告として発表する。これで一連の環境ホルモン報道に一応の終止符が打たれたことになる。

<シート・プラスチック容器>

◇蒸し器対応の複合容器を開発

 用途広がる耐寒・耐熱包材
- オカベ -
オカベ(東京都)は、底部に蒸気を逃がす穴を設け蒸し器対応が可能な、プラスチックと紙との新タイプの複合容器を開発した。冷凍加工・保存から蒸し加熱や電子レンジ加熱にまで対応できる耐寒・耐熱容器で、耐水性と耐油性にも優れる際立った特徴を持つ。一般的に釜飯や混ぜご飯などのテークアウト包装には瀬戸物やワッパなどが使われるが、これに比べ新容器は重量、価格、機能性の面で優位性があるため、この代替品として売り込む。

<秋期・外装特集>

◇日本列島総不況も好機と捉え

 挑戦する企業と開発品を追う/“環境への対応”で、外装は「本格派」時代へ

<埼玉特集>

◇県内の有力包装関連企業を紹介


<群馬特集>

◇県内の有力包装関連企業を紹介



11月23日号ダイジェストニュース

<ユーザー>

◇包材使用量を半分に

 ボタン電池をフィルム包装/省資源型パッケージ採用
- 東芝電池 -
東芝電池(東京都)は、ボタン電池をフィルム袋で包装し、包材使用量が従来の約半分に削減できる省資源型パッケージを採用した。従来はブリスター包装を採用していたが、PETの本体と台紙をきれいに剥がすのは難しく、分別にも手間がかかることから、単一素材を採用したもの。またゴミ量削減から、PP単体でフィルムを採用。包装材の重量を従来のブリスター包装に比べ56%削減した。

<ユーザー>

◇カップめん容器動向

 紙化への動き急停止の公算/コスト重く、販促効果も期待に沿わず
カップめん市場で進展している発泡PS容器から断熱紙カップ容器への切り替えの動きに急停止がかかりそうだ。高い資材コストによる収益への圧迫と断熱紙カップ容器への切り換えで見込める販売数量の増加とを秤(はかり)にかけた結果、あまりにもデメリットが大きく、企業としての存立基盤を危うくするとの判断もあり、慎重な姿勢を崩さないカップめんメーカーがある一方で、先日「全面採用宣言」したカップめんメーカーでも、内部から前言撤回を求める声が出始めており、局面は新たな様相を見せている。

<包装機・関連機器>

◇2サイズ兼用で世界最高速達成

 ゲーブルトップカートン用充填機の新機種
- 大日本印刷 -
大日本印刷(東京都)は、牛乳や酒などで使用されるゲーブルトップカートン型液体容器で、85o角と95o角の2種類のサイズに兼用できる機種としては世界最高速の毎時5,500本を達成した新タイプの充填機「DLA-55M」を開発した。従来機は、高速充填が可能だが対応サイズが1つに限られている専用機種と、複数のサイズで兼用可能だが低速充填しかできない機種の2タイプしかなかった。新機種は、この“高速充填と複数サイズでの兼用の両立”という課題を克服したもの。

<紙容器>

◇再生紙採用の紙トレー開発

 食品用途狙い本格展開へ/愛知県の有力スーパーが採用
- 大日本紙業 -
大日本紙業(名古屋市)は、再生紙使用の食品用紙トレー「DS紙トレー」の本格販売を開始した。果物や干物、肉製品など用途に応じて紙素材の種類を選択できるのが特徴。エコマークを取得済みで、使用後は古紙リサイクルが可能。Aタイプは青果物や乾燥食品向け、Bタイプは比較的水・油分が少ない食品向け、Cタイプは肉類や鮮魚、惣菜など向け。

<紙容器>

◇紙容器の新成形技術を開発

 水とデンプンを加えて射出・圧縮/パルプモールドより高い加工性
- 大宝工業 -
大宝工業(大阪府)は、古紙などの紙原料を射出成形法と圧縮成形法により育苗容器や電子部品用トレーなどに成形する技術を開発した。水と結合剤のデンプンのみを使用して樹脂と同様に成形する画期的な技術で、パルプモールド法と比較して加工工程数も少なく、成形サイクルも20〜60秒と著しく短い。多少の改造で既存の射出成形機や圧縮成形機が使用でき、コスト的にも生分解性プラスチックの3分の1〜5分の1程度。

<フィルム・軟包装>

◇軟包装用新デザインシステム開発

 トータルに得意先をサポート
- 大日本印刷 -
大日本印刷(東京都)は、パッケージの新しいデザインシステムを開発した。新システムは、同社の持つ包装設計用データをネットワークを通じて提供する「パッケージ形態設計サービス」と、薄いフィルムにもプリントできるプリンターとネットワークを活用して軟包装のデザインから見本作成までをサポートする「軟包装デジタルデザインシステム」、パッケージの印刷校正をネットワークを利用して行う「ネットワーク校正回覧システム」の3つ。同社では、オンラインデータベースを基盤とする各種システムと合わせ、得意先企業とのデジタルコミュニケーションをさらに積極展開していく方針。

<フィルム・軟包装>

◇非塩素系のバリア性OPPを発売

 変性PVAをコーティング/KOP並みの透明性とラミ強度
- ダイセル化学工業 -
ダイセル化学工業(東京都)は、非塩素系のバリア性OPPフィルム「セネシXOP」を開発し、販売を開始した。変性ポリビニルアルコール(PVA)をOPPフィルムにコーティングしたもので、他社のPVAコート品と比べ酸素ガスバリア性能に優れる。また、同社が長年培ってきたコーティング技術により、ラミ強度は同社のKOP(塩化ビニリデンコートOPP)並みを確保。透明性もほかのPVA品に比べはるかに高く、経時変化もしない。

<樹脂原料>

◇PP事業で合弁会社設立

 国際的視野で競争力強化/JPOのPPを新会社へ移管
- 昭和電工/日本石油化学/モンテル -
昭和電工(東京都)、日本石油化学(同)、モンテル・ポリオレフィンズ(オランダ・オーフドーフ)の3社がPP事業で合弁会社を設立する。本社所在地、役員などは未定。来年5月1日をめどに営業開始で合意した。資本金が約50億円、出資比率はモンテルとモンテル関係会社で50%、昭和電工と日本石油化学で50%。事業内容はPP、キャタロイ加工製品など。

<物流関連>

◇京都に物流センター完成

 清涼飲料業界では最大
- 近畿コカ・コーラボトリング -
近畿コカ・コーラボトリング(大阪府)は、京都工場敷地内に、京都ロジスティックセンターを完成した。機械化された物流センターでは、建設面積7,436u、能力が毎時6,000ケースと、システム能力、取扱量とも清涼飲料業界では最大規模。今後、搬送システムなどのテストを行い、来年4月から本格稼働を開始する予定。

<環境・包材リサイクル>

◇プラ包材の再生事業体設立へ

 リサイクル事業化研究会が発足
- 大阪商工会議所 -
大阪商工会議所は、容器包装リサイクル法に対応する事業を立ち上げるための「プラスチック・リサイクルシステム事業化研究会」(座長=那嶌孝同志社大学経済学部教授)を11月4日に発足した。2000年4月から法律の対象となるプラスチック包材の再資源化事業体の設立を来年9月をめどとし、検討するもので、プラスチック加工企業の多い大阪地区で第3セクター方式など官民一体で進める考え。

<環境・包材リサイクル>

◇福山地区でも高炉原料化開始

 一廃系廃プラ対象は国内初
- NKK -
NKK(=日本鋼管、東京都)は、使用済みプラスチックの高炉原料化事業を京浜製鉄所に続いて広島県・福山地区でも行うことを明らかにした。京浜製鉄所の同事業は産廃系廃プラが対象だが、福山地区に設置する設備はわが国でも初めての一廃系廃プラにも対応するもの。年間3万tの塩ビを含む使用済みプラを高炉原料化する設備と高炉への吹き込みを行う設備一式で、着工は来年。設備投資額は40億円。

<ISO関連>

◇ISO14001を認証取得

 3月に品質保証も認証済み
- キリンビール・滋賀工場 -
キリンビールの滋賀工場(滋賀県)は、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得した。同社の工場の中では、国内の食品業界で初の取得となった北陸工場、その後の栃木工場、名古屋工場に続いて4番目。同工場は、今年3月には品質保証のISO9002の認証も取得しており、環境・品質の両ISOを取得したビール工場は世界的にもまれ。滋賀県内の食品製造業では初めてという。

<21世紀のニューリーダーR>

◇“老舗”に甘えず新風吹き込んで

 環境をテーマに新製品も/紙製緩衝材なども発表
───浅野段ボール社長・大澤勝弘氏

<記者の眼>

◇模倣を超えた独自性にこそ真価

求められるは改良工夫の努力

<医薬品包装特集>

◇収縮傾向強まる製薬市場

「景気に左右されない」過去のものに
国内製薬業界は、薬価引き下げや医療費の個人負担増、さらには長引く景気低迷などを要因に市場が収縮している。このほど発表された製薬大手9社の98年 9月中間決算でも、山之内製薬、第一製薬など5社が経常減益となった。武田薬品工業、三共など増益組も輸出を含む海外での好調が目立ったかたちで、国内販売は全般に厳しくなっている。旧来、食品業界とともに医薬品業界は「景気に左右されない」といわれてきたが、このような神話は通用しない時代に突入したといえる。これを反映し、医薬品包装産業も各社苦戦もようとなっているが、本紙では医薬品の包装としては最もポピュラーなPTP包装をピックアップし、使用期限表示やPTP包装機市場の動向などを紹介する。

<西日本地区ユーザー特集>

◇環境、衛生から物流まで各対応の取り組みを探る

ユーザー業界はここ数年、リサイクル問題や品質保証におけるISO9000シリーズ、さらには食品衛生問題におけるHACCP(危害分析重要管理点方式)などの課題に直面している。地球環境保護については、ISO14001シリーズの認証取得を進める一方、特に2000年にはその他プラスチックや紙製品が対象となることから容器包装リサイクル法への対応が本格化している。また、食品業界を中心にHACCP対応の動きも活発化し、腸管出血性大腸菌O-157の流行を引き金に、今や大手から中小に至るまで採用の動きが顕著になっている。このほか、流通分野での包装改善・省力化・鮮度保持、アグリ分野での合理化、スーパーでのHMR(ホーム・ミール・リプレイスメント=家庭料理に代わるもの)概念の導入などユーザーを取り巻く環境は大きな変化を遂げている。本紙では、これらの動きに対応する西日本地区のユーザー最新動向を探る。


11月30日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>

◇干物・珍味用容器を発売

 透明でボリューム感あるOPS容器
- スミ -
スミ(愛知県)は、フードパッケージ用容器「エスコンシリーズ」のバリエーションを増やし、5種類の干物・珍味用容器の本格展開を開始した。OPS(延伸ポリスチレン)容器で、本体・蓋(ふた)とも透明。本体も底部が浅く平らになっており、干物や珍味などを詰めてもボリューム感と高級感が出るようになっているのが特徴。

<紙容器>

◇食品用紙容器原紙を販売

 日本市場で本格展開開始
- ペタソン・スキャンプルーフ社 -
ノルウェーの大手製紙メーカー、ペタソン・スキャンプルーフ社は、食品向けの高密度原紙「ツインプルーフ・フードコンテナ」の日本での展開を開始した。食品への直接接触使用を欧米や日本で認可された多層紙で、バリア性(耐熱・耐水性)と耐熱性を持つためベーキングやレンジ食品用途に使える。販売は日本総代理店のノルディック・ファー・イースト・コーポレーション(京都市)。

<フィルム・軟包装>

◇990万円のサイドシール機開発

 低価格、省スペースで新需要開拓狙う/高級機並みの装備と機能
- キョウエイ -
キョウエイ(大阪府)は、小型機(フィルム幅600o)ながら従来機と同等の装備・機能を持ち、しかも1,000万円を切る990万円の低価格を実現したサイドシール機「PP300型AC」を開発、販売を開始した。既存ユーザーの増設用としてはもちろん、ボトム製袋加工業者やフィルムメーカー・コンバーター、さらにはフィルム製品販売業者などの新設用の新規需要も期待される。

<フィルム・軟包装>

◇新タイプのバリア基材開発

 PETベースで寸法安定性も良好
- 呉羽化学工業 -
呉羽化学工業(東京都)は、ハイバリア性のポリエステル系ラミネート基材「ベセーラ」を開発した。PETフィルム表面にバリア性ポリマーをコーティングした有機物系ガスバリアフィルムで、薄層でも優れたバリア性を発現するというもの。基材をPETとしているため、コシがあり、透明性や寸法安定性、耐熱性に優れ、軽包装からレトルトパウチ、ピロー包装などの幅広い用途で活用できる。

<樹脂原料>

◇生分解性製品群を事業化

 ポリ乳酸からフィルム、繊維、スパンボンドなど
- ユニチカ -
ユニチカ(東京都)は、生分解素材のポリ乳酸を原料に用いた新しい自然循環型高機能製品群の開発に成功したことを明らかにした。トウモロコシなどの植物資源から合成したポリ乳酸を原料として、同社独自の溶融押出成形技術によりフィルム、シート、スパンボンドなどに製品化したもの。今後「テラマック(TERAMAC)」の統一商標の下、マーケティング活動を開始し、本格的な事業化を目指す。

<樹脂原料>

◇塩ビ樹脂製造設備を一部停止

 水島事業所の1系列約6万t
- 三菱化学 -
三菱化学(東京都)は、来年3月をもって水島事業所の塩化ビニル樹脂製造設備のうち1系列約6万tを停止することを明らかにした。すでに同樹脂を製造している四日市(生産能力約13万t)と水島(同約16万t)の両事業所で約15%の減産を継続実施中だが、生産コストの上昇に歯止めが掛からないのが現状。今回の製造設備の一部停止は、現段階における適正な生産能力と人員による事業を行うことで収益の改善を図るものだが、同時に塩ビ業界全体で高まっている生産設備の過剰感など構造的問題の改善に先鞭をつける意味合いも強い。

<外装機器・資材>

◇−20℃下で優れた粘着性

 国産初の冷凍用クラフトテープ/ホットメルト方式の無溶剤製法を採用
- ニチバン -
ニチバン(東京都)は、国産初の「冷凍用クラフトテープ」を発売した。常温下ではもちろん、−20℃の低温状況下でも優れた粘着性を発揮するクラフト粘着テープで、価格的には一般クラフト品とほぼ同等。製造段階での環境と人体への影響に配慮し、ホットメルト方式の無溶剤製法を採用している。同社では、冷蔵・冷凍食品などの低温物流市場をターゲットに売り込みを図る。

<パッケージ印刷>

◇“メルトインキ”で鮮明に

 小ロット用サーモスタンプ/スクリーン印刷並みを実現
- イイデス協同組合 -
イイデス協同組合(大阪市)は、特殊“ホットメルトインク”を使用し、スクリーン印刷並みの印刷レベルを可能とした手押しスタンプ「サーモスタンパー」を開発した。固定化した棒状の特殊“ホットメルトインク”を加熱した印面に塗布することで、連続で700〜1,000回印字できるもの。プラスチックフィルムなどへの印刷も可能な小ロット用スタンプとして注目される。

<パッケージ印刷>

◇フレキソでフィルムレス化

 デジタルデータでダイレクトに露光
- アサヒフレックス -
アサヒフレックス(東京都)は、フレキソ印刷分野でのCTP(コンピューター・トゥー・プレート)を可能にしたシステムを発表した。感光性樹脂版作成時にネガフィルムを使用する必要がないフィルムレス製版を実現したもので、フィルムと版の間にエアが残ったり、ゴミが入るというトラブルも避けられる。露光後は従来の装置で刷版を作成できるのも特徴。

<シール・ラベル>

◇ラベル専用のCCMを発売

 高性能で使いやすく低価格設定
- 光文堂 -
光文堂(名古屋市)は、印刷インキのコンピューター・カラー・マッチングシステム(CCM)「KBDカラーワークマン」で、ラベル印刷専用としたタイプを開発した。パソコンにデジタル天秤と分光計が直接接続され、この標準セットだけで調色、計量、データ保存のすべてが行える、使いやすく高精度のCCM。ラベル印刷専用の仕様のため低価格に設定されており、中小のラベル印刷企業でも導入しやすい。

<シール・ラベル>

◇校正刷りをデジタル化

 ラベル業界向けカラープルーファー
- 富士写真フィルム -
富士写真フィルム(東京都)は、ラベル業界向け特別仕様のデジタルカラープルーファー「ファーストプルーフ・タイプM」の販売を開始した。従来はアナログ印刷で行っていた校正刷りを同システムで出力したデジタルカラープリントで代替するというもので、製版、印刷工程の時間とコストをすべて省略できる。カラープルーファーとしては、可能な限りアナログ印刷物に近い仕上がりを実現している。

<シール・ラベル>

◇業務支援システムを発売

 ラベル業界専用に開発
- 創風システム -
創風システム(新潟県)は、ラベル業界向けに専用設計した業務支援システムソフトを開発し、全日本シール印刷協同組合連合会加盟各社を対象に販売活動を開始した。印刷仕様・刃形・材質の管理などラベル印刷業界特有の項目に対応しているほか、作業指示・履歴メモ・受注管理、売上げ履歴管理、請求残・売掛残・元帳管理、各種売上分析帳などの機能を持っている。

<環境・包材リサイクル>

◇生分解プラの高発泡技術確立

 脂肪族ポリエステルを60〜100倍に/梱包用緩衝材として
- JSP -
JSP(東京都)は、生分解性プラスチックでは困難とされていた60〜100倍という高発泡成形技術(国内外で特許出願中)を世界に先駆けて確立。これにより少量の生分解性プラスチックで従来以上の容積の成形品が得られる。同時に同プラ成形品のネックとされる高い原料コストも吸収でき、用途によっては汎用プラスチック成形品に対抗するだけの価格競争力を持ちうるという。

<包材流通>

◇包材流通にコメ混載の可能性/東京グリーンテクノと日本IBMが提案

複合サプライチェーンマネジメント実現で
包材ディーラーと有力コメ卸が結びつき、包材ルートにコメを乗せて販売するという新たな流通の枠組み作りが進展している。メーカーからユーザーまでの商品供給の流れを“サプライチェーン”としてとらえ、流通全体を効率化するマネジメントシステムを包材とコメで共有するという初めての試み。急速に変貌する流通業界で、包材ディーラーが存在感を示し、コメ混載で競争力を保てるようにするのが狙いで、東京グリーンテクノと日本アイ・ビー・エムが共同で提案している。


バックナンバーに戻る