包装タイムス・バックナンバー“1998年12月度”

※12月14日が最終号です


12月7日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>

◇「シーファイン」の生産能力増強

 新工場の第1期工事完了で、年末需要の対応
- 中央化学 -
中央化学(埼玉県)が北埼玉郡騎西町にある配送センター内に建設を進めていた新工場が第1期工事が完了し、11月から稼働を開始した。低発泡PSシート「シーファイン」の生産能力とその容器成形加工能力の増強のほか、配送センターの物流機能の効率化・能力拡大を図るのが目的。

<シート・プラスチック容器>

◇間伐材製食品トレーを開発

森林資源を有効利用
- フクパ -
総合包装企業フクパ(管理本部=福岡県)は福岡県工業技術センターインテリア研究所と共同で、杉などの間伐材を使用した食品トレー「森林(もり)のとれい」を開発、来年1月から本格発売する。間伐材を製材し、何枚かを集成材として組み合わせ、0.5o以下の薄板にスライス。これを3枚張り合わせプレスして容器状に成形する。資源を有効利用したものとして注目される。

<その他容器>

◇金属缶溶接部をPE樹脂で補修

 ラミ缶内の完全被服を実現
- ラミネート工業 -
金属缶ラミネート加工を手がけるラミネート工業(大阪府)は、金属缶溶接部分を棒状のPE樹脂で圧着して被覆する新しい補修システムを開発した。同補修システムとPEラミネート缶内面被覆技術とを組み合わせれば、中身と内面金属部との直接接触が完全に遮断できることから、従来の金属缶ラミネート加工技術の課題を克服するものとして注目される。

<フィルム・軟包装>

◇OPPフィルム1系列を増設

 8m幅、1万2,000tの大型設備
- 二村化学工業 -
二村化学工業(名古屋市)は、大垣工場に増設した大型OPPフィルム生産設備の来春からの本格稼働を目指し、この11月末から試運転を開始した。昨年12月から同工場内でOPP専用工場棟建設に着工し、先ごろ建屋が完成、生産機を設置したもの。導入したのは三菱重工製8m幅1系列で、生産能力は年産1万2,000t。

<樹脂原料>

◇衝撃強度改質剤を開発

 再生PET樹脂を強度アップ/射出成形も可能に
- クラレ -
クラレ(大阪市)は、リサイクルPET樹脂の強度をアップするアクリル系衝撃強度改質剤「パラフェイス・ME-120」を開発した。従来は強度不足から使用が限定されていた射出成形分野への展開を可能にするもので、使用済みPETボトルの再生分野を拡大する期待も持たれている。

<物流関連>

◇入出荷検品工程を自動化

 独自開発のシステムを大手流通企業が採用
- 第一工業 -
第一工業(搬送システム本店=埼玉県)は、パソコンで入出荷管理からラベル発行、移載まで自動で行える入出荷検品システム「DIC-SYSTEM」を発売した。入出荷検品の基となるEOSからの発伝情報をネットワーク上から取り込み、入出荷商品の引き落としを自動化するもので、従来なら人手がかかっていた入出荷作業の簡素化や時間短縮、ミスの縮小が図れるという。

<環境・包材リサイクル>

◇環境報告書まとめ相次ぐ

 包材削減など具体的に表示/取り組みを詳細に紹介
西友や宝酒造、キリンビール、サントリー、ライオンなど、企業による環境報告書編纂の動きが相次いでいる。環境に対する関心が高まるなか、自社の取り組みを公開して企業イメージアップにつなげる狙いのほか、環境管理システム国際企画のISO14001取得の流れも、こうした傾向に拍車を掛けているといえそうだ。

<環境・包材リサイクル>

◇容器包装ガイドライン改定へ

 包材を加工した業者に負担が/プラ容器包装協議会の原案通りに
- 通産省容器包装リサイクル小委員会 -
通産省の産業構造審議会廃棄物処理・再資源化部会容器包装リサイクル小委員会は、11月26日に会議を開き、容器包装に関する基本的な考え方などを承認した。容器と包装の基本的な考え方については、プラ容器包装協議会の原案通りに、包材を加工して中身メーカーに納入したところが、特定容器等製造事業者になるのが事実上確定した。

<ISO関連>

◇関東工場がISO9002取得

 キャスト、インフレ、ドライラミを対象に
- 大化工業 -
大化工業(大阪府)は、茨城県笠間市の関東工場で11月2日、ISO9002の認証を取得した。関東工場でのキャストフィルム、インフレフィルム、ドライラミネートフィルムの製造および印刷業務がその範囲。需要家に対する安定した品質保証、営業活動支援、社員の意識改革とモラル向上がその狙い。

<HACCP関連>

◇コンテナ用洗浄機を共同開発

 細菌やカビなども除去
- 三共技研/ピュア/全農 -
三共技研(千葉県)、ピュア(東京都)、全農中央鶏卵センター(東京都、TEL:03-3950-1181)は、鶏卵ラック(輸送用コンテナ)や台車、その他の金属・プラスチックコンテナなどを簡単に洗える「ボックス型洗浄機」を開発、本格展開を開始した。ピュアが開発したアルカリ性の洗浄剤「ピュアガード」を使い、通常の洗浄では除去しきれない細菌やウイルス、カビなどを確実に除くことができることから早くも引き合いが活発化している。

<HACCP関連>

◇流通HACCP導入協議会が発足

 整合性の採れた衛生管理視野に/安全検査の指針策定へ
スーパーや百貨店などの小売流通業55社で組織する「食品流通におけるHACCP導入協議会」がこのほど発足した。農場から加工、小売、食卓の各段階で、HACCP方式の導入手法を提言するのが目的。近く、下部組織として「食品安全技術研究所」を設置し、HACCP導入が遅れているといわれる流通業で整合性の取れた衛生管理システムの導入を進めていく。

<21世紀のニューリーダーS>

◇生き残りへ“頭の良い会社”を目指す

 スピードアップがキーワード/バリアフリーに力点
───旭創業社長・渡辺慶二氏

<記者の眼>

◇新規分野で需要伸ばすチャック袋

 単体フィルムに自在に機能付与/コスト提案にユーザーの期待高まる


12月14日号ダイジェストニュース

(98年度最終号です--99年度は1月4日号からです)
<ユーザー>

◇牛乳びんの自主回収検討

 リユースびん、拡大の可能性
- 首都圏コープ事業連合 -
各種包材の自主回収に取り組んできた首都圏コープ事業連合(東京都)は、牛乳びんの自主回収・リユースにまで踏み出す可能性を明らかにした。同事業連合は、すでに調味料やジャムなどのガラスびんを自主回収し、リユースして実績をあげているが、昨今の組合員の消費動向と継続性を考慮し、その対象を牛乳にまで広げられるかの検討に入った。

<包装機・関連機器>

◇サイドシーラーが好調

ベンダー数社から30台受注
- 小坂研究所 -
小坂研究所(東京都)が今年八月に市場投入したサイドシーラー「CS-600」が順調に需要を伸ばしている。サラダカップや弁当、惣菜容器などの両サイドをフィルム粘着テープで同時にコの字貼りする装置で、年内納入予定の10台を含め、大手コンビニのベンダーなど数社からすでに約30台を受注。主にサラダカップの封緘用途で多くの引き合いを得ているもので、同社では引き続きこの市場での販売を強化するとともに、他分野でも需要の開拓を図っていく方針。

<包装機・関連機器>

◇1枚ずつ正確に高速で

 薄物ポリ袋用カウンター/はがき大からA3サイズまで
- 東洋特殊工業 -
東洋特殊工業(大阪市)は、薄物プラスチックフィルム袋の枚数を正確に読み取ることができるカウンター「AFC-1000」を開発、販売を始めた。PP、PE、ビニールシートなどのプラスチックフィルムのワークで厚さ30μm前後といった薄物を高速処理する。すでに食品メーカーなど3社に納入。来年2月からは商社などを通じて大量販売に踏み切りたい考え。

<フィルム・軟包装>

◇部品調達・加工の新会社「株式会社富士マシン」設立

 コスト競争力や対応迅速化を視野に
- 富士機械工業 -
富士機械工業(広島県)は11月1日付で、印刷機械の部品調達と加工を行う新会社「株式会社富士マシン」(本社=広島県東広島市)を設立。これまで社内で行っていた業務を発展的に独立、移管させたもの。品質や価格面から他社製品との競争力を高めるのが狙いで、部品調達の迅速化も期待している。他社からの注文にも応じ、初年度10カ月で約17億円の売上げを目指す。

<紙器・段ボール>

◇滋賀県に大型工場完成

 重量物包装などに対応
- 山田ダンボール -
山田ダンボール(東京都)の滋賀工場(滋賀県蒲生郡)がこのほど完成した。従来の大阪工場が手狭となり、拡張が難しくなっていることから建設・移転したもの。名古屋工場も来年初めには設備を新工場に移す予定となっており、大阪、名古屋の2工場を新工場に集約したかたちとなった。新工場は敷地面積3万9,253u、建物面積は 1万5,647uで、独BHS社製大型コルゲーターや市川機械工業製のジャンボ・プリンター・スロッターを新たに導入した。

<フィルム・軟包装>

◇インフレフィルム市況/弱含みも底値は維持

 販売減と原料高の製品安で採算悪化
インフレフィルムの市況は底値の部分では比較的維持されてきたが、その少し上の価格帯では軟化傾向に完全には歯止めが掛からないまま推移している。大手ユーザーからは一律10%ダウンなど資材コスト削減への一方的な協力要請も多く、多少は受け入れざるを得なかったのが実情。したがって全体としては弱含みで、昨年と比べ平均単価は間違いなく下落している。

<パッケージ印刷>

◇新開発のグラビア印刷機を納入

 小ロットで抜群の稼働率アップ
- オリエント総業 -
オリエント総業(愛知県)は、小ロット印刷・高稼働率を実現するグラビア印刷機「OSG-SUPER-X」の1号機を小牧市内のグラビア印刷加工企業に納入した。1つの印刷ユニットに3本の版胴が取り付けられる構造で、印刷中でもユニット内の版胴洗浄や新旧版の自動入れ替えができる新システムを搭載。すでに納入先では本格的な稼働を始めており、今後の販売動向に注目が集まっている。

<シール・ラベル>

◇ラベル作成システム「ラベル工場」を発売

 印刷からカス取りまで同時進行
- グラフテック -
グラフテック(情報機器統括部=神奈川県)は、多品種少量ラベル需要に対応する一体型のラベル作成システム「ラベル工場TL1004」を開発し、10月から受注を開始した。パソコンからのデータにより簡単にラベルを作成するシステムで、1台で2色印刷からラミネート加工、型抜き(ハーフカット)、カス取りまでを同時進行で、自動的に行えるというもの。

<環境・包材リサイクル>

◇緑色輸入びん受入れ停止検討

 ワインブームで激増が要因/容器包装リサイクル法破綻の恐れ
- 日本びんカレットリサイクル協会 -
日本びんカレットリサイクル協会(杉山嘉一会長)は、近く緑色輸入ガラスびんの受入れ停止を検討する。このところのワインブームで、輸入される緑色ガラスびんの数量が激増していることから、カレット商では保管場所に苦慮する現状。杉山会長は、日本輸入洋酒協会に緑色輸入ガラスびんの処理について協議の場を設けるよう要請しており、同協会が協議に応じない場合、首都圏を中心に同ガラスびんの受入れを停止する方針。受入れが停止されれば、輸入ワインびんの行き場がなくなり、処分場に埋め立てられる結果となることから、社会問題化する恐れがある。容器包装リサイクル法では、収集した包材の再商品化製品の利用は義務づけられておらず、ワインブームが思わぬかたちで同法の破綻のきっかけをつくりかねない。

<環境・包材リサイクル>

◇北海道に再生PETシート会社「エコシート札幌」を設立

 3,800t体制でスタート
- 丸紅 -
丸紅(大阪市)は、札幌リサイクル団地内に再生PETシート製造・販売会社「エコシート札幌」(ESS)を設立。来春完成を目指し、年内にもシート製造工場の建設にも着手し、来年上半期には操業を開始する意向だ。シート成形ラインなどの設備が完成すれば年間3,800tの生産能力を持つ。東北・北海道地区では初めての再生PETシート製造・販売企業で、資本金は丸紅全額出資の2億5,000万円。

<包材流通>

◇地域物流の相互補完が拡大

 「ショップヘルパー」すでに6件の成約
- タツミ産業 -
タツミ産業(東京都)が“包材卸売業の地域密着型営業”のテーマで提案している新戦略「ショップヘルパー」の成約件数が、小売流通分野ですでに6件にまで達していることが明らかになった。中小のローカル包材ディーラーが地域の有力エンドユーザーとの密着度を強めながら、相手先の広域展開をパートナーとなる他地域のローカルディーラーと協力し、商流を維持しながら地域物流だけを相互補完するというもの。相手先の進出地域に拠点を置くディーラーの物流システムがそのまま活用できることから、無理のない物流が可能となるほか、アイテム数の絞り込みも行えるため、一層のローコストオペレーションが提供できる。

<再商品化義務量の算定に係る量、比率等(案)について>

◇1999年度の委託料算定に必要

 近く、告示として発表
先ごろ開かれた通産省産業構造審議会の容器包装リサイクル小委員会で、1999年度の特定事業者の再商品化義務量算定に係る量、比率などについての案が承認された。厚生省、農水省、大蔵省の各審議会を経て正式に成立、近く告示する。特定事業者が来年度負担する再商品化費用がこれによって決まるが、2000年度から特定事業者の対象となる中小事業者やプラスチック、紙関係の包材を製造、利用する事業者にとっても参考になるはず。


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