包装タイムス・バックナンバー“1999年8月度”


8月30日号ダイジェストニュース

<包装機・関連機器>
◇毎分 300本の高速機を発売
同25本の少量生産向きも投入/ノルデン社のチューブ充填機

- ガデリウスパック -

 ガデリウスパック(東京都)はこのほど、スウェーデンのノルデンパックマシナリー社が開発、発売した新型チューブ充填機の国内販売を開始した。今回発売されたのは、最大で毎分 300本充填が可能なノルデン社最速の「ノルデンマチック3002」と、逆に毎分25本という少量生産向けの「同 250」の 2機種。同社では、すでに販売展開している機種と合わせてチューブ充填機のラインアップは 7機種となり、生産規模などユーザーニーズに合わせた柔軟な対応が図れるようになった。



<シート・プラスチック容器>
◇食品保存容器にEM加工
抗酸化力で鮮度保持に効果

- ホワイトマックス -

 ホワイトマックス(大阪府)はこのほど、生鮮食品の鮮度保持効果を備えた食品保存容器「エンバランス・パック」の本格販売を開始した。EM(有用微生物群)から生成された低分子の抗酸化波動を持つ抗酸化物質「EM-X(液体)」を原料樹脂中に混入し、成形加工したもの。酸化による生鮮食品の腐敗・劣化を抑制するという。容器がPP、蓋はPE製。すでに自然食品、有機野菜向けで採用が活発化しており、今後の展開が注目される。



<シート・プラスチック容器>
◇高透明PPシート開発
コンビニ弁当の蓋材用途など期待/成形技術セットで提案、レジン展開も視野に

- 日本ポリケム -

 日本ポリケム(東京都)は、従来品に比べ透明性と剛性に優れる食品包装用 PPシート「エコロビューシート」を開発した。コンビニ弁当の蓋材など、これまでBOPS(二軸延伸ポリスチレン)シートが主流の食品包装用分野で、各種社会的ニーズを背景に代替需要を狙う。同社・鹿島工場(茨城県)を拠点に現在、需要家層への技術面も含めたアプローチを進めており、一部で限定発売もスタートした。これを踏まえ同社は、PPレジンの将来的なマーケット拡大に弾みを付けたい考え。



<その他容器>
◇来年 4月完成めざし着工
間伐材利用の食品トレー工場

- いわて森のトレー生産協同組合 -

 いわて森のトレー生産協同組合(岩手県久慈市)は来年4月完成を目指し、同市久慈地区拠点工業団地内に間伐材を利用した食品容器の製造加工工場を建設する。同工場は敷地面積 2万5 00u、建屋面積5 00uの規模で、製材機 1台と集成機 2台、単板製造機 4台、成形機16台を導入する予定。1日最大60万枚の木材レーを生産可能な、日本最大規模の木材トレー成形加工工場が誕生することになる。生産される容器は、納豆容器、深絞り容器、精肉・鮮魚トレー、キャンプ用皿からスプーン類などを予定しており、販売は岩手林材(岩手県)が「キサラ」の商品名で全国展開する。



<フィルム・軟包装>
◇次世代ハイブリッドバリアフィルム
サンプルワークを開始/ガスバリア性に湿度依存性ない

- ダイセル化学工業 -

 ダイセル化学工業(東京都)は、次世代のハイバリアフィルムとして開発中の「ハイブリッドバリアコートフィルム」の実用評価を目的に、このほど試作品サンプルの供与を開始した。サンプルは、ハイブリッドバリアコートOPP#20/CPP#50と同OPP#20/メタロセン L-LDPE#40ドライラミ構成の三方シール製袋品。ガスバリア性に湿度依存性がないのが最大の特徴で、画期的ともいえる耐久性を実現。しかも柔軟性、加工性に優れていることから今後脚光を浴びる可能性は高い。



<フィルム・軟包装>
◇CPP単体でボイル対応
不織布応用の間仕切り袋に新タイプ/みそ漬を簡単にみそ煮に

- 青戸製袋 -

 青戸製袋(京都府)はこのほど、 CPPフィルム単体でボイルに対応した不織布間仕切りの「味噌漬・粕漬専用床袋」を発売した。袋内部をPP不織布で仕切り、食材(主に魚類)とみそを分離して包装できる構造に加え、袋の素材に厚さ 100μmのレトルト用 CPPを使用することでボイル対応を可能にしたもの。これにより、みそ煮や酒蒸し風料理が簡単、短時間で調理できるようになった。袋のままボイルする調理済み食品の包装袋には、輸送や加熱時の強度保持、耐熱水性などの性能が求められるため、ナイロンベースのラミネートフィルムを用いるのが一般的だが、 CPP単体でボイル対応というのは同社が今回開発したものが初めてとみられる。



<外装機器・資材>
◇生分解性気泡シート上市
昭和高分子と共同開発

- 川上産業 -

 気泡入りフィルムシート(気泡シート)大手の川上産業(名古屋市)は、昭和高分子(東京都)と共同で進めていた生分解性気泡シートの製品化に成功し、「グリーンプチ」の商品名で販売を開始した。主原料に昭和高分子の生分解性プラスチック「ビオノーレ」を採用したもので、土壌に埋めれば微生物により 3〜 6カ月ほどで細かく分解され、最終的には水と二酸化炭素に完全分解されるという。価格は標準グレードの 2倍程度となるため、当面は輸出用梱包や農・水産業分野など生分解性という性質が必要となる用途分野から営業展開を図る。



<外装機器・資材>
◇分解性シート緩衝材発売
高発泡とソリッドの2タイプ/製袋など二次加工性にも優れる

- 東京パック -

 東京パック(営業所/工場・埼玉県)は9月から、分解性という特性を付与したPEシート緩衝材「スーパー・シート」(仮称)を発売する。高発泡タイプとソリッドタイプの 2種類で、ともに原料のPE樹脂に汎用プラスチックの光分解と微生物分解を誘因・促進するという添加剤「デグラノボン」を配合したもの。分解性を備えながら従来品と同等の機能性を持つほか、二次加工性にも優れることから注目を集めそうだ。



<パッケージ印刷>
◇レーザー製版装置を本格展開
フレキソ樹脂・ゴム版に対応

- ライザマシナリ -

 ライザマシナリ(東京都)は、フレキソ印刷用の樹脂版やゴム版をレーザーで製版する装置「レーザー・プロ L-100」の本格展開を開始した。無溶剤でフレキソ印刷版を製版できるため、今後注目を集めそうだ。レーザー発振装置に米国シンラッド社の密閉型炭酸ガスレーザーを採用し、高精度な加工を実現。小型紙器やラベルなど、小型のフレキソ印刷物の製版加工に最適の装置だ。加工値は 0.1o単位で設定できる。



<パッケージ印刷>
◇新方式のスポットコーティング用プレート
露光後、転写部分をカッティング/誰でも容易に製版が可能

- 日本電子精機 -

 日本電子精機(奈良県)は、新方式のスポットコーティング用プレート「ジェムブラン」を開発した。寸法安定性に優れたポリエステルフィルムとフレキシブルな共重合体(印刷版材)からなる二重構造の版材(プレート)で、版材面の上側をカットし、不要な部分をはぎ取る方式で製版する。 CADに取り込んだデザインデータを使い、カッティングプロッターで版を作ることができるため、熟練者でなくても、高精度のニス引き用刷版の製版が可能。印刷前の準備時間を短縮でき、生産効率を高めるものとして現在、注目を集めはじめている。



<シール・ラベル>
◇「E-プリント」最新機来春発売へ
色数、スピード、コスト性とも大幅向上

- 東洋インキ製造 -

 東洋インキ製造(東京都)は、インディゴ社(イスラエル)製オンデマンド印刷機「E-プリント」の最新機種「ウルトラストリーム」の販売を来年 4月から開始すると発表した。従来の 4色に特色を 3色加え 7色印刷ができるもので、印刷スピードも従来の倍と、より生産性を高めた。また、従来の水性トナーから半固形状のトナーに変更されたため、ランニングコストも従来に比べ約30%低減できる。



< ISO関連>
◇ ISO9000取得支援ソフト
中小向けにCD-ROM版販売/チェックリストと絵で分かりやす

- 日本規格協会 -

 日本規格協会(東京都)はこのほど、品質保証の国際規格「ISO9000」シリーズ取得の具体的実務をサポートする中小企業向けCD-ROM版ソフトの販売を開始した。同シリーズに基づく品質システムの構築と、その維持・管理に不可欠な要求事項の「品質マニュアル」「内部品質監査」に関する実務を支援するソフトで、推進事務局員用「文書作成と管理の達人」と内部品質監査員用「内部品質監査の達人」の 2種類。販売価格は税別で12万円。初年度各 500本ずつ計1 00本の販売を目指す。



< HACCP関連>
◇HACCP承認に清涼飲料水加わる制度の対象は合計5製品に

- 厚生省 -

 厚生省が定めた総合衛生管理製造過程(HACCP)の承認制度の対象に清涼飲料水が加わった。先ごろ政省令が一部改正され、7月22日付の官報で告示された。これで承認制度の対象製品は、食肉製品、乳・乳製品、レトルトパウチ製品、魚肉練り製品、清涼飲料水の 5製品となった。もっとも、 HACCPシステム導入には、コスト負担が少なからず生じるため、中小企業が大多数を占める食品業界にとっては体力的に厳しい面もある。



<21世紀のニューリーダー(33)>
◇顧客本位で高付加価値を創造
企画室と営業部の統括指揮で


 アンゼン・パックス取締役営業部部長・尾関勇氏



<記者の眼>
◇包材ディーラーに転嫁するな
容リ法完全施行時の懸念/気になるスーパーなどの出方





8月23日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇カップごとレンジで加熱
新形態のパスタソース発売/賞味期限、常温で1年間に延長

- キッコーマン -

 キッコーマン(東京都)は 8月18日、電子レンジ調理対応のインモールドラベルカップ入りパスタソース「デルモンテ・パスタベローチェ」を首都圏限定で新発売し、パスタソース市場に参入した。パスタソースは従来、缶入り商品か、あるいはレトルトパウチ商品が一般的だったが、利便性の高い電子レンジ対応カップ入り商品の投入により、後発ながらパスタ市場に第三のカテゴリーの創出を目指す。新商品のパッケージに採用されたインモールドラベルカップは、同社と大日本印刷とが共同で開発したもの。バリア性と耐熱性と兼ね備えており、常温での賞味期限を1年間に延ばしたほか、電子レンジでカップごと加熱調理できるものとなっている。



<ユーザー>
◇のりにスタンディングパウチ採用
卓上パックシリーズで/包材重量を3分の1に

- 日本生活協同組合連合会 -

 日本生活協同組合連合会はこのほど発売した「卓上パックのりシリーズ」にスタンディングパウチを採用した。ボトルからの切り替えで容器コストを削減したほか、包材重量も個包装タイプの約3分の1にまでの削減に成功。来年度から完全施行となる容器包装リサイクル法では、包材重量によって再商品化費用の負担が決まることから、包材を薄肉化させ、重量を削減するスタンディングパウチの採用の動きが、今後も活発化しそうだ。



<包装機・関連機器>
◇8種類の包装形態を1台で
イタリア製最新チョコ包装機を発売

- サマック -

 菓子用包装機械を輸入販売するサマック(東京都)は、8種類の異なる包装形態に1台で対応するチョコレート包装機「ジオバ020型」の輸入販売を開始する。10月に開催される日本国際包装機械展で日本初公開し、本格的に販売活動を開始する予定。同機は、チョコ包装の分野では世界的なメーカーの伊ノーバ・フィーマ社の最新鋭機で、すでに欧州では納入実績をあげているが、日本では初登場となる。



<包装機・関連機器>
◇縦型シール機に脱気式が登場
袋移動に合わせてノーズも移動

- ユニバック -

 ユニバック(大阪市)はこのほど、「ノーズタイプ脱気式縦型シール機」の販売を開始した。食品添加物などのように大きなフィルム袋に充填して段ボールケース詰めされる製品向けのバンドシーラーで、袋に内容物を充填したあと、袋口からノーズを差し込み、脱気、シールする。袋がシールされながら移動するのに合わせて脱気ノーズも移動するのが特徴。シールの最後の部分でノーズがはずれて、その部分をシールするため、内部の空気を十分に脱気することができる。縦型で脱気できるバンドシーラーは、同分野では初めてとみられる。



<フィルム・軟包装>
◇画期的ノントレーパッケージが登場
袋形態でパックと遜色ない機能

- アルパック工業 -

 アルパック工業(埼玉県)はこのほど、革新的な形状のフィルム袋によるノントレーパッケージ「ピュアバッグ−Fタイプ」「同Lタイプ」を開発し、販売を開始した。蓋付きパックやトレーパックと遜色のない機能を有し、代替が可能。両タイプともにOPP防曇フィルムを使用した開閉自在・スタンィングタイプのサイドシール袋で、青果物等の鮮度を際立たせディスプレイ効果が高い。開閉が自在なので消費者は必要な分だけ出し入れでき、他の袋や容器に入れ替える必要はなく、口止めのためのクリップや輪ゴムなども不要。同袋は保存袋として再利用することもできる。トレーパックなどに比べ軽量化・減容化が可能でゴミの減量化が図れる。



<フィルム・軟包装>
◇ナイロンのシリカ蒸着で特許が確立
他社品は抵触の可能性も

- 三菱化学興人パックス -

 三菱化学興人パックス(東京都)はこのほど、二軸延伸ナイロンフィルムをベースとするシリカ蒸着フィルム「テックバリア」で特許が確立したことを明らかにした。特許は公告日の1995年2月15日に遡って効力が発生する。特許の名称は、「ガスバリヤ性の優れた透明プラスチックフィルム」(特許第 2140627号)。要旨は、「120℃での寸法変化率および揮発減量の少ない、延伸ポリアミド系フィルムの片面に、ケイ素酸化物の薄膜層を形成させたフィルム、およびこのフィルムの薄膜層の上に、さらに別のプラスチック薄膜を形成させたフィルム」。なお、ケイ素酸化物(シリカ)を蒸着源とする他社の透明蒸着ナイロンフィルムについては、同社の特許に抵触すると確認できた段階で、特許をどのように行使していくか検討する方針。



<フィルム・軟包装>
◇透明蒸着PETフィルムを事業化
世界初の透明・アルミ蒸着併産設備/OPPベースも早期に上市

- 東セロ -

 東セロ(東京都)はこのほど、透明蒸着フィルムの事業化を決定し、透明蒸着とアルミ蒸着フィルムの併産設備を浜北工場(静岡県浜北市)に新設することを発表した。透明蒸着とアルミ蒸着併産による本格的な商業運転は世界でも初めてとみられる。透明蒸着フィルムは PETフィルムベースでスタートするが、顧客の要望が高いOPPベースの製品もできるだけ早期に上市の予定。初年度はアルミ蒸着9割、透明蒸着1割程度の割合で生産し、以後透明蒸着の増産を図る方針。



<パッケージ印刷>
◇植物油100%インキを開発
VOC1%以下を達成/ソニーの社用封筒に採用

- 大日本インキ化学工業 -

 大日本インキ化学工業(東京都)はこのほど、オフセット枚葉印刷向けの100%植物油溶剤型インキ(ハイソリッド型インキ)「ニューチャンピオンナチュラリス100」シリーズを開発、ソニーの社用封筒の印刷に採用された。インキ中の植物油の含有率を極限まで高めることにより VOC(揮発性有機化合物)の大幅低減を実現したもので、従来型スタンダードインキの印刷適性を保ちつつ、インキ中の溶剤成分としては VOCはゼロ、全体でも1%以下にまで低減することに成功した。



<パッケージ印刷>
◇「トウショウ」に社名変更
アイゼンを吸収合併

- 東旭特殊印刷 -

 東旭特殊印刷(千葉県)はこのほど、企画・販売子会社のアイゼンを吸収合併し、併せて社名を「株式会社トウショウ」へ変更した。この9月に創立30年を迎えるのを控え、印刷加工を中心にそこから派生するあらゆるニーズに迅速に応えるとともに、短納期とコストダウンをさらに追求するための万全の体制を整えたもの。



<物流関連>
◇国内初の保冷パレット
沼津魚市場と共同開発/アルミパレット内部に保冷剤

- トライカンパニー -

 アルミ製パレット(スノコ)内部に保冷剤を組み込み、長時間保冷効果を発揮する「保冷パレット」を、保冷剤最大手のトライカンパニー(静岡県)と沼津魚市場(静岡県)が共同で、このほど開発した。パレットそのものに保冷機能を持たせたのは国内初。市場内での冷凍マグロの陳列に使用される。冷凍マグロは従来、コンクリートの床面に直に置かれていたが、外気に当たって解凍しはじめると著しく商品価値が下がってしまうほか、衛生面でも問題になりかねない。両社が今回開発した冷凍パレットは、そうした問題をほとんどクリアした点で画期的といえる。



<物流関連>
◇包装産業新時代の経営変革とは(1)
/全体最適化へ向けた包装・卸売機能の戦略モデルB

- 日本総合研究所/川辺恭寛研究員 -

 このレポートではこれまで、サプライチェーン・マネジメントの定義とその理論・情報技術の解説を行い、その手法が包装新時代の経営変革においていかに重要であるかを訴えるとともに、実戦にどのように生かしていくべきかを述べてきた。これに続き、今回からは、包装分野において危機的状況にあるとされる卸売業に着目し、具体的な変革へのアプローチを試みる。そこでまず、従来の卸売機能を再確認し、そのうえでサプライチェーン上における卸売機能の戦略モデルの方向性を示す。



<環境・包材リサイクル>
◇プラ包材回収システムなど3件
99年度研究開発事業を決定

- 新エネルギー・産業技術開発機構 -

 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)は8月3日、1999年度の「新規リサイクル製品など関連技術開発」のプロジェクトを決定したと発表した。古紙とガラスびん、プラスチックの3分野を対象に募集していたもので、木村加工機の「余剰古紙を用いた乾式高強度古紙再生パネルの技術開発」、日立製作所の「一般廃棄物の容器包装系プラスチックを対象とした回収システムの研究開発」、太平洋セメントの「廃プラスチック含有塩素と廃ガラスびん含有アルカリの同時回収に関わる研究開発」の3件が今年度のプロジェクトに決まった。



<印字機器>
◇レーザー印字機の常識打破
期間限定も価格100万円切る

- サンクス -

 「プライスリーダー=マーケットリーダー」の図式が鮮明となっているレーザーマーカー市場に戦慄が走った。光電センサー大手のサンクス(東京都、TEL:042-528-2511)はこのほど、期間限定ながら99万8,000円のスキャニング式レーザーマーカー「LP-D10」を発表。レーザーは高いという業界の常識を打破した。種類によって価格が異なるものの、同タイプのレーザーマーカーは通常、定価300〜400万円が相場。平均実勢価格も250万円前後にとどまっており、今回の定価100万円以下はかなり衝撃的だ。



<四国地区包装産業特集>
◇現状変革に期待膨らむ
「三橋時代」がどう影響するか/広がるビジネスチャンス

 本州四国連絡橋・尾道─今治ルート(瀬戸内しまなみ海道)が5月1日、全線開通したことで、開通11年目を迎える瀬戸大橋、昨年4月に開通した明石海峡大橋と合わせ、本州・四国をつなぐ道路網は3本の架橋となった。国内において一大加工基地と位置付けられる四国。この四国が 3つのルートで本州と結ばれたことが、今後の日本の産業界にどのような影響を及ぼすのかはまさに注目されるところだろう。四国には、国内を代表する製紙メーカー、フィルムメーカーをはじめ、フィルムコンバーター、プラスチック加工機メーカー、包装機メーカー、そして一貫システムで製品展開を図る容器成形加工メーカーなど、各包装分野の有力企業が居並ぶ。ここ数年、国内経済の後退と先行きの不透明感から、これら包装関連企業にとっても厳しい状況が続いていたが、最近の景気低迷の下げ止まりを受け、国内市場はもとより国際市場でのシェア獲得を目指し始めた。



※包装タイムス 8月16日号は休刊です


8月9日号ダイジェストニュース

<シート・プラスチック容器>
◇PSP製品を価格修正
8月11日出荷分から 1s当たり25円値上げ

- JSP -

 JSP(東京都)は、8月11日出荷分から、PSP(発泡ポリスチレンペーパー)製品の価格を 1s当たり25円アップで価格修正に踏み切る。ここ数年来、 PSP製品は、末端事情から採算の悪化を余儀なくされていたが、PS樹脂メーカーの原料値上げを受け同社も価格改訂を決定し、需要家との交渉に入ったもの。



<シート・プラスチック容器>
◇8月21日出荷分から値上げ
BOPSシート「サントクリア」で

- 三菱化学 -

 三菱化学(東京都)は、 8月21日出荷分から、BOPS(二軸延伸ポリスチレン、従来の呼称は OPS)シート「サントクリア」の価格を、 1s当たり25円値上げする。需要家渡し価格で約10%アップとなる。原料となるポリスチレン(PS)レジン価格が 7月中旬、同様に値上がりしたためで、コスト増加分を転嫁するのが狙い。



<シート・プラスチック容器>
◇刺身容器の新製品を発売
積み重ね可能でボリューム感も

- デンカポリマー -

 デンカポリマー(東京都)はこのほど、透明蓋付きで積み重ねが可能な刺身容器の新製品を開発した。スッキリしたドーム状の外観や、ラップ掛けへの対応、また従来は蓋付き容器で困難とされていた中身のボリューム感が強調されるなどの工夫も随所に盛り込まれている。すでに製造を開始し、 8月 1日から全国で本格的な発売に入った。



<シート・プラスチック容器>
◇無機物配合率をアップ
秋にワンウェイ食品容器で新発売

- 中央化学 -

 中央化学(埼玉県)は、ポリプロピレン(PP)樹脂に無機物のタルクを混入した「CT容器」で、従来よりタルク配合率が高い新製品を開発した。タルク配合率アップで容器 1個当たりのプラスチック使用量が削減されるほか、焼却時の二酸化炭素発生量が従来品に比べ約25%低減されるなど、環境負荷低減の社会要請に対応していることから今後の需要動向が注目される。



<シート・プラスチック容器>
◇内周面に溝ラインを成形
ネット状緩衝材が安定フィット/錠剤用にプラ製容器を開発

- ピーエムシーコーポレーション -

 容器関係の各種緩衝材を手がけるピーエムシーコーポレーション(大阪市)はこのほど、同社オリジナルのPE製ウェブ(ネット)状緩衝材に対応するプラ製錠剤容器を開発した。ウェブ緩衝材は、少ない内容物でもフィットする機能性で評価を高めているが、従来形状の容器では内側面が滑りやすく、装着時に安定性に欠けるなどの課題もあった。同社は今回、これを解決する目的から、容器内側面に工夫を施すなどして専用の新型容器を開発したもの。



<紙容器>
◇パルプ以外の植繊 100%容器発売
弁当容器やカップなどに商品化/電子レンジにも対応

- エリート貿易 -

 エリート貿易(東京都)は、サトウキビ、アシ、竹などパルプ以外の植物繊維を 100%使用した容器や緩衝材「環境良品」の本格販売を開始した。パルプモールドとほぼ同じ製法で、弁当容器やカップ類、緩衝材、植木鉢などに商品化可能。従来品よりも、耐熱・耐油・耐水性に優れており、冷蔵・冷凍はもちろんのこと、電子レンジにも対応する。すでに大手百貨店の食品売り場で採用が内定しており、スーパーやコンビニ、ファストフード業界などをメーンターゲットに売り込みをかける。



<フィルム・軟包装>
◇ブロー代替の“ソフト容器”
包材重量を半分以下に
- 日本スパウト -

 日本スパウト(東京都)は、 PETボトルやブロー容器に代わるソフト容器「ソフトボトル」を開発した。スタンディングパウチにスパウト(樹脂の口栓)を装填したもので、胴部が軟包装となっているのが特徴。従来のスタンディングパウチは、リジット容器に比べて包材重量の削減が図れる一方で、形状が円錐形になることなどから輸送効率が悪いという欠点があった。「ソフトボトル」は、円筒形のため輸送効率が向上するほか、使用後は丸めて捨てられるためごみの嵩(かさ)を削減できる。



<外装機器・資材>
◇半自動製封緘機を開発
1台で組立・箱詰め・封緘までサポート

- 積水化学工業 -

積水化学工業(包装テープ企画部、東京都)は、 1台でケースの組み立てから箱詰め、封緘までをサポートする省スペース型の“半自動製・封・函・単・機”『ワークメイト01』を開発した。製函から封緘までの工程を 1人の作業者と機械 1台で行えるため、各工程ごとの機器を並べたラインを組む必要がなく作業スペースが有効に使える。さらに、移動用のキャスターが付いているので、工場内のレイアウト変更などの際にも柔軟に対応できるのが特徴だ。



<パッケージ印刷>
◇「ハイブリッドグラビア」の特許確定
水性との併用で溶剤を大幅に削減

- 三洋グラビア -

 三洋グラビア(長野県)はこのほど、かねてから出願していた水性型と有機溶剤型を併用する「ハイブリッドグラビア」印刷方式の特許が確定し、 7月 9日付で登録されたことを明らかにした。特許の名称は「印刷方法及び包装用樹脂フィルム印刷体の製造方法」(特許第 2951936号)。同社の「ハイブリッドグラビア」は、主に食品業界で強まっている包装資材の加工・製造方法の脱有機溶剤ニーズに対応して独自に開発したもの。水性グラビア印刷と従来からの有機溶剤型グラビア印刷を組み合わせることで、印刷品質を落とさずに有機溶剤の使用量を削減できる。



<環境・包材リサイクル>
◇量り売りの推進を明記
容リ法改定基本方針を発表/再商品化計画、施設所在地も

- 通産、厚生など 5省庁 -

 大蔵省、厚生省、農水省、通産省、環境庁の 5省庁は、容器包装リサイクル法の新しい基本方針を発表した。来年度から新たに再商品化義務の対象となる紙製、プラスチック製包材の再商品化方法が示されたほか、新たに「量り売りの推進」を明記した。紙製包材については材料リサイクル優先が示されたが、プラ包材については盛り込まれなかった。また、各分別収集対象包材ごとの再商品化計画と再商品化施設の所在地も告示された。



<環境・包材リサイクル>
◇小型製品の包装を共同で
重量とコストを大幅軽減

- ヤマガタグラビヤ、松下電器産業 -

 ヤマガタグラビヤ(大阪府)と松下電器産業(大阪府)は、携帯ラジオやヘッドホンステレオなど小型オーディオ商品の新パッケージを共同開発した。ごみの排出量削減を目的に開発したもの。従来の紙箱、透明ケースから吊り下げ機能を持つポリプロピレン(PP)製フィルム袋に形状変更することで、包材の重量、材料コストの大幅な軽減も実現した。



<食品加工・関連機器>
◇日本市場向けに専用設計
新型スチームピーラーを発売/根野菜類の皮剥きを歩留り良く
- 日商岩井機電販売 -

 日商岩井機電販売(東京都)は、ジャガイモ、ニンジンなどの根野菜類を高圧蒸気処理し、皮を浮かせて剥き易くするスチームピーラー「 PESC8/ 16S」の販売を開始した。同機は、根野菜類の加工設備機器メーカー大手のキレンコ社が、日本市場向けに処理能力を抑えて設計・開発したもの。一般に皮剥き機とセットでフレンチポテトやポテトサラダの原料製造に使われ、欧州でも高く評価されており、日本でも大手ジャガイモ原料加工メーカーが複数ライン導入している。



<21世紀のニューリーダー(32)>
◇勝ち組への方程式を探る
大阪などへの広域展開が夢
- モリモト社長・森本哲生氏 -



<記者の眼>
◇注目される日包工の「ユーザー招待システム」
大阪などへの広域展開が夢
- プラスαの魅力になるか/不況時こそ展示会に期待する心理も -



8月2日号ダイジェストニュース

<ユーザー>
◇簡単に分離できるキャップ
みりんのトップブランド商品に採用/ PETボトルのリサイクルを容易に

- 宝酒造 -

 宝酒造(京都市)は、みりんのトップブランド商品「タカラ本みりん」の「同・醇良」で、容器本体から完全に取りはずすことができるヒンジキャップを 9月下旬出荷分から採用、全国で本格販売を開始する。ヒンジキャップはヒンジ特性(屈曲強度)上、PE製を使用するため、使用後に PET製のボトル本体と簡単に分別廃棄でき、容器のリサイクルをスムーズにするのが狙い。今後、「タカラ本みりん」「タカラ本料理酒」などにも順次採用していく予定だ。



<包装機・関連機器>
◇対面販売ニーズに対応
新型スケールレジスターを発売

- イシダ -

 イシダ(京都市)は、スーパー、百貨店などの食料品売り場や専門店での対面販売で使用する“スケールレジスター”(計量器とPOSレジスターの2台を1台に集約したもの)で、業界初の害虫忌避加工を施して衛生面に配慮するとともにディスプレーを大型化して消費者からの視認性を徹底追求した「 SR-2000」を 7月12日から新発売した。 HMR(ホーム・ミール・リプレースメント)ニーズの拡大に伴い、「好きなものを好きなだけ購入できる」といった対面販売方式が再評価されつつあり、こうした動きに対応したもの。



<包装機・関連機器>
◇薄い物体を確実に検出
クロスビームでスキャニング

- サンクス -

 サンクス(愛知県)はこのほど、クロスビーム・スキャニング方式の採用により、ハガキのような薄い物体でも確実に検出できる小物・薄物検出用エリアセンサー「NA1-11」を開発し、 7月から発売した。クロスビーム・スキャニング方式は、 1つの投光部から出た光が扇状に広がりながら角度をつけて進み、複数の受光器に入光し検出動作を行うため、薄いものでも検出漏れが起こらないのが特徴。



<フィルム・軟包装>
◇パウチ取り替え式システム
ヘアケア分野などに積極拡販/利便性踏まえ業務食品も視野に

- 小池化学 -

 エアゾール製品などの充填加工を行う小池化学(パッケージ事業部、東京都)は、特殊フィルムパウチとカートリッジポンプを組み合わせた“付け替え”式のディスペンサーシステム「エコインパック」で、ヘアケア分野をはじめ、ケチャップやソースなどの業務用粘体食品分野に向けて展開を拡大する。従来の詰め替え容器タイプに比べセッティングの手間が簡単になる点や、パウチ内の充填物が最後まで使い切れるのが特徴で、需要家層からの評価が注目されるところだ。



<フィルム・軟包装>
◇ロール巻きゴミ袋用製袋機を発売
毎分 200mの超高速を実現

- 塚田樹機 -

 塚田樹機(埼玉県)はこのほど、ロール巻きゴミ袋用超高速製袋機「 WST-850マークU」を開発、上市した。同機は、チューブフィルムにロータリー方式によるボトムシール(底シール)とミシン目加工を行うことで連続製袋し、三つ折りしてロール巻きタイプのゴミ袋を製造する装置。HDPE極薄フィルム製のミシン目ロール袋用製袋機として実績のある WST型をベースに、サーボ仕様とすることで、毎分 200mと世界トップレベルの高速化を実現した。



<フィルム・軟包装>
◇ 0.1o精度で直径計測
軸間測定なども簡単に
- エム・イー開発技研 -

 エム・イー開発技研(京都府)は、シャフトなどロール状の機器、製品の直径が簡単に測れる直径計測用コンベックス(巻き尺)「TRUE・ DIA(トゥルーダイア)」を開発、本格的な営業活動に乗り出した。機械内部の手が届きにくい場所や従来の計測機器では測るのが困難な部分の直径、軸間測定が 0.1o単位の精度の高さで計測できる。このためシリンダーやゴムロールの計測、メンテナンスなど広い分野で需要が見込めるとして積極的に市場展開を図る。



<外装機器・資材>
◇新タイプの紙バンド登場
望月紙業と共同で開発/低価格で潜在需要喚起に期待

- 日本紙パルプ商事 -

日本紙パルプ商事(産業資材営業本部包材部、東京都)と製紙・加工メーカーの望月紙業(静岡県富士市)はこのほど、これまでにない新しいタイプの梱包用紙バンド「MSバンド」(特許出願済み)を共同で開発、サンプル出荷を開始した。同バンドは、クラフト紙の縒(よ)りひもを複数本並べてのり付けした従来の紙バンドとは異なり、 1枚のクラフト紙を折り込んで接着剤をコーティングする方式で初めて製品化に成功したもの。リサイクルしやすく、印刷適性も良好。加えて、従来の紙バンドよりも低価格なのが特徴だ。注目度は高いにもかかわらず高コストがネックとなりユーザー間での採用の動きが鈍かった梱包用紙バンドだが、低価格品の登場でいよいよ採用の動きが本格化する可能性も出てきた。



<外装機器・資材>
◇世界初、発泡 PET樹脂成形品を開発
耐熱温度 150℃で寸法安定性も備える/再生原料も使用可能

- 積水化成品工業 -

 発泡プラスチック総合メーカー、積水化成品工業(大阪市)は、世界で初めて発泡 PET樹脂成形品の基本製造技術と量産化技術の開発に成功したことを明らかにした。発泡体としての特性のほか、 150℃までの耐熱性や寸法安定性、さらには再生ペレットが使用可能などリサイクル性にも優れており、食品用コンテナから家電向け緩衝材など多様な分野での採用が期待されている。



<外装機器・資材>
◇炭酸ガスでプラを直接発泡
技術開発の第 2段階を実施

- 英国ラプラ・テクノロジー -

 ゴム・プラスチック関連の情報とコンサルタント・サービスを行う英国のラプラ・テクノロジーは、複数のクライアントから参加費用を募る“マルチ・クライアント方式”で、「炭酸ガスを使用した押出熱可塑性プラスチックの直接発泡」に関する技術開発をスタートさせた。これは低密度発泡フォームに現在使用されている炭化水素や CFCS 、HCFCS の量を減らし、コストの低減や引火性リスクの軽減、環境汚染の改善を目的としたプロジェクトで、素材的にはPPやPEなどポリオレフィンとPS、また用途では包装やパイプ断熱材、乗用車分野などが対象となる。特に包装用途では、高機能シート製品や緩衝材への展開が期待される。



<環境・包材リサイクル>
◇PETボトル回収率約17%
回収量約 4万8,000tに

- PETボトル協議会 -

 PETボトル協議会の調べによると、1998年の PETボトルの回収量は 4万7 20tとなり、対前年比で 123%増の飛躍的な伸びを示している。一方、同年のリサイクル法(再資源化促進法)第 2種指定 PETボトル(清涼飲料・しょうゆ・酒類)の生産量も、28万1 27tで同28.8%増の大幅な伸びを示し、同生産量に占める回収量の割合は16.9%増(同 7.1ポイント増)となった。



<環境・包材リサイクル>
◇LCA導入製品群をブランド化
「エコパートナーシステム」を展開/環境にやさしい商品を訴求
- 東洋紡 -

 東洋紡(大阪市)は、 LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方を採用した商品を「エコパートナーシステム」というブランドでマーケティングを展開する。“環境にやさしい”をうたい文句にした商品が巷(ちまた)にあふれているが、根拠が明確でないのが現状。 LCAは、手法がまだ十分確立されてはいないものの、 ISO(国際標準化機構)での国際規格化が着実に進められており、今後、“環境にやさしい”商品の基準になってくる公算が大きいことから、それを先取りした取り組みとして注目されそうだ。



<中国地区特集>
◇地域の包装関連企業を紹介/FONT>


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