循環経済新聞・バックナンバー“2015年2月度”

2月2日号ダイジェストニュース
◇筑波で廃プラ新工場が稼働
汚れ異物も対応可能/圧縮梱包やペレット化も
- 亜星商事 -
 廃プラの原料利用で実績を重ねる亜星商事(東京・荒川、孫自強社長)の筑波工場(茨城県つくば市)が、本格稼働を始めた。汚れたフィルムを粉砕・洗浄・ペレット加工する一貫生産ラインは導入して1年が経過。PETボトル回収のごみ袋や食品工場から発生する残さ付きフィルムなどを有価で仕入れ、再生ペレットを国内外に販売している。
 同工場は、敷地面積が約1000坪。建屋がトータルで500坪程度。箱、ポリタンク、バンパーなどの硬質プラスチック廃材の粉砕も行っている。

◇シーズ生かして事業展開
再生プラ事業を柔軟に/技術力に新たな発想付与
- HI-TO -
 HI-TO(本社・広島県呉市、岩本真継社長、環境事業部竹原工場)は、飲食や型枠、廃棄物管理など自社で手掛ける事業で得た発想をプラスチックリサイクル事業に柔軟に応用していくこととなった。同社は、「再生プラスチック原料加工とともに、さまざまな成形加工ができるのが当社の強み。これにサービス業や建設業など他分野の発想やニーズを反映させていきたい」と述べている。

◇カスタマーセンター開設
処理の「見える化」推進
- 大和エネルフ -
 大和エネルフ(愛知県春日井市、峠貴斗社長)は、愛知県春日井市内にカスタマーセンターをオープンした。センター内には成分分析機を設置。センター内で処理システムの確認やサンプル品の分析、リサイクルの提案等もできる。自社リサイクル・処理事業の「見える化」推進で、顧客のCSR向上のサポートにつなげていく。

◇「食リ支える市の熱意」
自治体の役割浮き彫りに/生ごみRフォーラム
 NPO法人生ごみリサイクル全国ネットワーク(松本聰理事長)の「2015生ごみリサイクルフォーラム」が1月23日、東京都内で開催され、自治体や市民、企業関係者など193人が集まった。事例発表では、事業系生ごみの減量に成果を上げている東京都武蔵野市ごみ総合対策課の菅野詩郎氏や、全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会の松岡力雄事務局長らが登壇。食品リサイクルの推進には、自治体の役割が重要なことを浮き彫りにした。

◇重油代替にバイオマス発生タール
副産物利用を含めたモデルを/地球温暖化対策技術開発成果発表会
 1月22日、都内で環境省主催の地球温暖化対策技術開発成果発表会が行われ、埼玉県にて木質バイオマス発電計画を進めている早稲田環境研究所(東京・新宿、壺内良太社長)の取締役である小野田弘士氏が講演し、ガス化発電に伴って発生するタールによるA重油への代替や混焼について実験を進めていることを明らかにした。
 同社はバイオマス発電を行いながらバイオオイルや熱の供給を行うビジネスモデルの構築を目指しており、現在埼玉県の秩父地域でバイオマス発電計画を進めている。

◇ばいじんの保管状況改善
施設の調査結果を公表/指定廃棄物処理
 環境省は1月26日、都内で「第2回放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会」を開催し、指定廃棄物や特定一般・産業廃棄物の処理の現状について言及した。283施設を対象とした調査を実施した結果、一時的に続いてた焼却灰(ばいじん)の保管状況が改善傾向にあることが明らかになった。

◇5-7基の受注目指す
ニッチな分野で勝負を
- キンセイ産業 営業本部長 大沢佳典氏 海外企画本部長 金子啓一氏に聞く -
 キンセイ産業(群馬県高崎市、金子正元社長)は同社の強みである乾溜ガス化技術を前面に出し、独自のコンセプトによる発電システムの提案に力を入れている。同システムは安定した燃焼で得られる温水などで高効率に発電でき、発電量はユーザーの希望にあわせ設定。得られた電力はユーザーが自社電源として使い、維持管理コストを低減する。同社の大沢佳典・営業本部長、金子啓一・海外企画本部長に今後の営業戦略と目標を聞いた。(聞き手=本紙・加藤)

2月9日号ダイジェストニュース
◇災害廃処理の迅速化へ
施設設置等で国に改善求める/制度上の問題点を指摘
- 全国産業廃棄物連合会 -
 (公社)全国産業廃棄物連合会(石井邦夫会長)は1月29日、「災害廃棄物対策に係る今後の制度的なあり方」に関する意見書を環境省に提出した。広域処理を想定した制度設計や、一般廃棄物処理施設の特例措置、仮置き場での迅速な施設設置などで改善を求めている。

◇廃棄物か否かでまず判断
都・古澤係長、複合品の判断示す
- 東リ協 -
 東京都リサイクル事業協会(上田雄健会長)が1月27日、東京都内で開催した研究集会で、東京都環境局資源循環推進部計画課係長の古澤康夫氏は、「専ら物の判断以前に、まずは、廃棄物か否かが重要。ただし、有価物であっても廃棄物処理法の対象外とは限らないので、総合判断説に基づき各々で慎重に判断してほしい」と述べた。

◇社会全体で目標達成へ
不法投棄半減、スクラップ低減
- 家電リサイクル法 -
 経済産業省と環境省は、家電リサイクル制度の合同会合を1月30日に都内で開催した。昨年10月に取りまとめた「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」の提言に沿い、家電リサイクル法の対象品目合計の回収率目標を示した。不法投棄割合の半減、国内外スクラップの割合をできる限り低減させることで、2018年度までに回収率56%達成を目指す。

◇都市ごみをエタノール化
メタンも製造し高効率
- 日立造船/京都市ほか -
 環境プラント大手の日立造船は1月28日、京都市内に新設した都市ごみからのバイオエタノール・メタン二段発酵技術実証プラントの見学会を開催した。京都市、熊本大学との産学公連携で進めるもので、紙ごみを含む一般廃棄物のエタノール化は世界初の試み。廃棄物の高効率なエネルギー回収、資源循環に貢献する。

◇静岡にチップ工場新設
2月稼働、年間3万6000t生産
- フルハシEPO -
 木質チップ製造事業などで実績を持つフルハシEPO(名古屋市、山口直彦社長)は1月22日、静岡県掛川市内で建設を進めていた木質バイオマスチップ製造施設「静岡第一工場(掛川)」の竣工式を開いた。2月以降の稼働を予定しており、年間3万6000トンの木質バイオマスチップを供給する。

◇8県で300万m3以上保管
除去土壌等の現状を公表
- 環境回復検討会 -
 環境省は1月30日、都内で開催した「環境回復検討会」で市町村が除染を行う汚染状況重点調査地域における除去土壌等の保管状況を公表した。福島県、岩手県、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県の8県では333万2682立方メートルが保管されている。

◇バイオマス、製紙で納入増
林地残材も押さえて粉砕
- シーケイエス・チューキ -
 シーケイエス・チューキ(本社・広島県福山市、河田格至社長)は、未利用間伐材や剪定枝向けの「ウルトラマルチチッパー(UMC)」、丸太や建設廃材向けの定置式粉砕機「ウルトラチッパー(UTC)」を木質バイオマス発電施設向け燃料チップ加工業者、製紙用チップ加工業者、製紙会社などに納入を増やしたことを明らかにした。全国各地の業者で使用されている。笠原恒久常務は、「さまざまな木材を粉砕するとともに、チップをいかに乾燥させるかが重要。ユーザーの要望に応じた機種を提案する」と述べている。

◇運用上の解釈ますます難解に
過去の指導・助言事例を厳選集約
- 廃棄物処理法のQ&A -
廃棄物の性状や発生場所は多種多様であり、現場では毎年のように新たな問題が顕在化している。必然的にその適正処理を目的とした廃棄物処理法も改正を繰り返して非常に複雑なものとなり、運用上の解釈は年々難解さが高まってきた。

2月16日号ダイジェストニュース
◇公共関与の処分場が開設
被覆管理型で60万m3規模
- 鹿児島県 -
 鹿児島県は、上部を覆った産廃の管理型最終処分場(被覆型)「エコパークかごしま」を昨年末に完成。容量は、約60万立方メートル。覆土を含む容量は、約84立方メートルで、面積は約4万平方メートルだ。

◇茶殻パレットをレンタル
環境貢献とコスト削減/伊藤園など3社で開発
 伊藤園と日本パレットプール(本社・大阪市、有田栄一社長)、ウッドプラスチックテクノロジー(本社・東京、中山東太社長)は2月4日、とっとり・おかやま新橋館(東京・港)で、共同開発した茶殻入りリサイクルパレットのレンタル事業を開始すると発表した。ウッドプラスチックテクノロジーの中山社長は、「茶殻利用という環境負荷低減と、レンタルによるコスト削減とを両立した。多くの方々に利用してもらいたい」と述べている。

◇法的な位置付けが曖昧
鉛蓄電池の再資源化めぐり/高濃度の鉛含有排水を流出か
 鉛蓄電池の再資源化工場で発生する排水に対し、懸念が生じている。NPO日本地質汚染審査機構(楡井久理事長)が昨年11月までに実施した調査結果によると、国内のある工場で高濃度の鉛とその化合物を含む排水の公共用溝渠への流出が確認されたという。同機構では「鉛蓄電池の解体工程で回収される電解液の洗浄に使われた汚水が排水に混入している可能性がある」としているが、一方で鉛含有排水への法的規制に曖昧さがあることが問題になっているようだ。

◇自己処理の取組拡大
165店舗から自社便回収/物流効率化進める
- ワタミグループ -
 居酒屋チェーン「和民」などを展開するワタミフードサービス(東京・大田、清水邦晃社長)は、都内区部を中心にグループの店舗が排出する資源物を、同社の「足立リサイクルロジスティックセンター」(RLC)に搬入し、分別・仕分けしてリサイクルする取り組みを強化している。昨年7月にRLCを開設当初、66店舗だった搬入店舗数は現在、165店舗まで拡大した。

◇木質B発電所向けにチップ工場
4月稼働、年2万3000t生産
- 中山リサイクル産業 -
 廃木材を軸とした再資源化事業で実績を持つ中山リサイクル産業(福岡県須恵町、中山智社長)は、大分県杵築市に木質バイオマス発電所向けのチップ生産工場を建設しており、4月から稼働することを明らかにした。主に林地残材といった山林未利用材を破砕し、燃料用チップに加工する同社の拠点は、大分県内では3カ所目。年間生産量は約2万3000トンを目指す。

◇廃棄物処理法の枠組み活用
弾力的な特例的措置を実施/巨大災害廃棄物対策
 環境省は2月3日、東京都内で行った「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」で対策スキームの基本的な考え方を示した。災害廃棄物処理の制度的仕組み・枠組みについて、廃棄物処理法の枠組みを活用しつつ、特例的措置を弾力的に講ずる方針を説明した。
 特例的措置は通常災害時にも必要かどうかを検討する。委託関係では、JV(共同企業体)の活用を含め、適切な能力を持つ事業者に再委託を認めることが想定されている。

◇6-8tフォークリフト発売
オフロード法11年基準に適合
- コマツ -
 建機大手のコマツは2月1日、環境性能と経済性を向上した新たな6-8トンクラスの油圧駆動式フォークリフト「FH60-1」「FH70-1」「FH80-1」の販売を開始した。特定特殊自動車排出ガス規制法(オフロード法)2011年基準をクリアするだけでなく、燃料消費量も従来機種より最大30%の低減を図った。3機種合計で、年間150台の国内販売を目指す。

2月23日号ダイジェストニュース
◇小口の壁紙廃材再資源化へ
壁装協会が取組本格化/新築・リフォーム系対象に
 (一社)日本壁装協会(東京・港、日比祐市理事長)は、廃棄物処理法の広域認定取得を視野に、塩ビ壁紙廃材の小口回収・再資源化システムを構築することになった。昨年12月に環境大臣への広域認定申請を行っており、2月からは回収の実証実験を始めて年内に報告書をまとめる予定だ。

◇廃プラ発電収入13%増
廃プラ燃料加工は13%減/太陽光は関東などにシフト
- サニックス -
 サニックス(本社・福岡市、宗政伸一社長)は2月12日、2015年3月期第3四半期連結決算発表で、廃プラスチック燃料加工や廃プラ燃料発電などの環境資源開発事業部門の業績について、売上高は前年同期比7.5%減の111億5200万円、営業利益は前年同期比34.9%減の7億800万円となったことを明らかにした。

◇環境事業の中心拠点を開設
リユース・リサイクル最適化/油化技術の実証研究も
- リコー -
 リコーは環境事業の拡大・創出を目指し、静岡県御殿場市に「リコー環境事業開発センター」を開設する。OA機器リユース・リサイクル技術発展の中心的な拠点と位置付け、対象製品・領域の拡充を図る。使用済みトナーボトルやカートリッジなどの廃プラスチックの油化技術の実証研究も進める。

◇メタン化ループ支援へ
農水省が公募開始/住民との合意形成も対象に
15年度食品ロス削減等総合対策

 農水省は13日、2015年度農山漁村6次産業化対策事業のうち食品ロス削減等総合対策事業の枠で、メタン化による新たな食品リサイクルループ構築等に関する事業実施候補者の公募を開始した。食品廃棄物のメタン化により、分別の負担を削減しながら、再生可能エネルギー創出と農業生産に寄与する新たなループの構築を推進する。民間団体などを対象に、3月2日まで応募を受け付ける。

◇新たな地域交流施設を設置へ
教育訓練講座、取引先に開放も
- 石坂産業 -
 石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)は2月13日、本社で取引先などを対象に新春セミナーを開催し、今年の秋から「多世代コミュニティくぬぎの森環境塾環境交流プラザ」を本社ビルの隣に設置し、養護学校の生徒を招いてカフェなどの運営を行いながら地域との交流を深めていくことを明らかにした。石坂社長は「現在、予約していただいた上で、工場見学などで当社の業務を見学し、理解していただく機会を設けている。今後はいつでも見ていただけるような体制をつくっていきたい」と述べた。また今後、社員教育向けに行っている教育訓練講座「石坂技塾」を取引先などに向け開放する予定であるという。特にマナー講座や安全衛生講座について取引先から要望があり、それに応える形となる。

◇対策強化へヤードを刷新
建屋内に新設備を導入
- サンエコサーマル -
 一般・産業廃棄物の中間処理事業を展開するサンエコサーマル(栃木県鹿沼市、本橋時男社長)は昨年末、安全対策の一環として保管ヤードを改築した。建屋内を4つ(A、B、C、D)に間切り、各エリアに出入り口を設置、搬入時期が古い順から搬出できるようにシステム管理を改善した。
 さらに、搬入した廃棄物による自然発火等何らかの異常を未然に察知するためサーモグラフィーを4台導入、監視カメラも設置し、各エリアにおける状態を24時間監視、映像としても記録している。

◇4カ所目の工場設置
新規向け実演に注力
- 伸和機械産業 -
 破砕処理再資源化装置の製造・販売を手掛ける伸和機械産業(埼玉県越谷市、飯塚勝一社長)は、栃木県に4カ所目の自社工場を設置、新規ユーザー向けの実演を強化する。
 同社の主力製品、「スーパーラウンドミル」「スーパーエンドミル」は、冷蔵庫や洗濯機、OA機器、自動車部品など大小さまざまな廃家電を破砕し、高効率に分別、リサイクルできるのが特長。分級選別に必要な粒度を保ち、相互のカラミなく、一工程で破砕、排出する。問い合わせの多い大きさの機械の場合、処理能力は基板で1日当たり30トン。産廃業者やスクラップ業者に93台納入している。

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