循環経済新聞・バックナンバー“2016年7月度”

7月4日号ダイジェストニュース
◇災害廃推計量を195万tに修正
二次仮置き場の委託事業者も決定
- 熊本県 -
 熊本県は6月21日、熊本地震で発生した災害廃棄物の処理実行計画を公表した。発生量を当初見込みの倍近い約195万トンと推計。再生利用率70%以上、2年間での処理完了を目指す。また、公募型プロポーザルを実施した二次仮置き場の処理業務についても委託事業者を決定した。益城町にある約10ヘクタールの県有地に破砕・選別施設を整備し、今秋初旬からの稼働開始を予定している。

◇CFP、再生品高度化
再生プラ成形品事業の進化/新たな切り口での展開へ
 日本プラスチック有効利用組合(東京・中央、岡田巧理事長)は今年設立40周年を迎え、6月23日に東京都内で記念式典を開催した。岡田理事長はこれまでの経緯について、「円高不況や二度のオイルショック、バブル崩壊、リーマンショック、大震災、中国経済の隆盛と減速など業界を取り巻く状況は厳しかった」と振り返った一方で、業界としてカーボンフットプリント・オブ・プロダクト(CFP)の算定・公表を通じた地球温暖化防止対策、会員各社でのリサイクルプラスチック製品の品質向上・多様化の取り組みなどを着実に進めている。

◇安全・高効率に無害化
トータル提案で処理促進
- かんでんエンジニアリング -
 関西電力グループで電力インフラのエンジニアリングを担うかんでんエンジニアリング(大阪市、畑中利勝社長)が取り組む、PCB廃棄物処理トータルサービスが好調だ。無害化認定を得た、独自の洗浄技術による安全・高効率な処理法に加え、電力機器の保全・メンテナンス等で培ってきた知見を活用。低濃度PCB廃棄物処理のトータルサービスを展開しており、大型変圧器処理の受注実績は近畿エリアを中心に103台を数える。

◇“地産地消”廃天ぷら油発電を開始
家庭からの回収ルート構築目指す
- 大幸産業 -
 動植物油回収やBDF製造・販売事業等を手掛ける大幸産業(沖縄市、大城實社長)は、FITを活用した廃食用油(動植物油)による発電事業をスタートさせた。6月1日から沖縄電力への送電を開始している。1日当たりの発電量は最大7680キロワット時(一般家庭約800世帯分に相当)。同様の発電事業としては、国内で3例目となる。

◇過去最高益を更新
産業レンタル事業部を新設
- レンタルのニッケン -
 レンタルのニッケンは、第52期決算事業説明会を開催し、村山雅彦社長は、2015年の連結として、売上高996億円(前年比4%増)を達成し、営業利益として103億円(前年比2%増)、経常利益として104億円(前年比3%増)となり、これまでで最高となる売上、利益を達成したことを報告した。これについて村山社長は、「ここ数年は東日本大震災等の復旧・復興工事、国内建設投資、民間設備投資による需要が頭打ちになりつつあり、増収率は下がっている」とした。また説明会の始めには熊本地震の被災者に向け、お見舞いの言葉が述べられた。

◇熊本の災害廃撤去を支援
19日間、無償で作業に従事
- (一社)全国清掃事業連合会 -
 (一社)全国清掃事業連合会(三井崇裕会長)は環境省、熊本市、益城町からの要請を受け、熊本地震で発生した災害廃棄物の撤去・運搬のボランティア活動を実施した。連合会加盟社から協力を得て、車両・人員を無償で提供。4月30日から6月3日まで複数回、計19日間にわたって災害廃棄物の撤去・運搬作業に尽力した。

◇ターボデン社のORC導入へ
欧州で300台以上実績
- 第一実業 -
 総合機械商社の第一実業(東京・千代田、山片康司社長)は、三菱重工グループのターボデン社(Turboden s.r.l.、本社:イタリア)のORC(オーガニック・ランキン・サイクルシステム)について5月20日、両社は、第一実業をターボデン社の国内販売総代理店とする契約を締結した。

7月11日号ダイジェストニュース
◇手続き効率化、広域処理の推進
排出者責任の徹底、情報共有
経団連/全都清から要望

- 廃棄物処理制度専門委員会 -
 環境省は6月30日の廃棄物処理制度専門委員会で、(一社)日本経済団体連合会と(公社)全国都市清掃会議へのヒアリングを実施し、経団連は▽手続きの効率化・電子化▽広域認定制度の見直し、県外物流入規制の撤廃・見直しによる効率的な処理推進▽優良産廃処理業者認定制度の改善▽企業が分社化した場合に業許可を不要にすることを要望した。全都清は▽排出者責任の徹底▽廃棄物該当性の情報共有化▽有害物・危険物の自主回収推進などを検討すべきとした。

◇原料3割減の700億円
RPFなど処理需要の伸長/廃プラ市場規模
 原油安の大波に飲み込まれた廃プラ市場は、変化を強いられている。マテリアル利用では、最大市場の輸出量マーケットが昨年760億円(数量160万トン)だった。前年が807億円(数量167万トン)だったため、減少率は6ポイントほどに過ぎないが、今年はさらに25%も金額が減っているため、このペースが続くと最終的には560億円(数量144万トン)まで落ち込むことが予測される。2010年以降では最も低い。

◇社屋を移転、業務効率化
オフィスと車両基地を集約
- 北日本ウエスターン商事 -
 KNWホールディングスの事業会社である北日本ウエスターン商事(仙台市、佐々木克朗社長)は事業拡大に伴い、仙台市若林区から宮城野区に本社社屋を移転する。現社屋の倍近くとなる事業用地を新たに取得し、オフィス機能と車両基地を1カ所に集約することで、業務の効率化を図る。

◇飼肥料化・養豚システムが好調
黒麹発酵で製造物の差別化図る
- 中國開發 -
 建設業・林業・運送業・産廃処理・養豚の中國開發(広島県府中市、池田博道社長)が展開する食品リサイクル事業が好調だ。自社の事業領域を生かして食品残さや間伐材、豚ふんを高品質な飼肥料にするシステムを確立。養豚により製造物の出口も見えるとして排出側の信頼は厚い。

◇新工場好調で年2万t生産へ
剪定枝のチップ化にも注力
- 名古屋港木材倉庫 -
 木質系のチップ化事業で実績を持つ名古屋港木材倉庫(名古屋市、野間順一社長)は、昨年9月に新設したリサイクルチップ工場「エコワールド犬山」(愛知県犬山市)の受け入れが好調で、年間生産量が目標の約2万トンに達するとした。豊橋市や名古屋市にある工場を含めると10万トンに上る勢い。今後は、市から排出される剪定枝の再資源化事業にも注力し、幅広いチップ生産に取り組む。

◇第17回通常総会を大阪で
災害時の対応テーマに勉強会も
- 全産廃連青年部協議会 -
 全国産業廃棄物連合会青年部協議会(仲田陽介会長)は7月1日、大阪市の堂島ホテルで、第17回通常総会を開催した。環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課の中尾豊課長などが来賓として出席。冒頭のあいさつで仲田会長は、「今後も縦のつながり、横のつながりを重視しながら活動していきたい」と呼び掛けた。

◇墺・バイオマスボイラーを販売
自動運転、熱効率最大94%も
- WBエナジー -
 国内でKWB社のバイオマスボイラーの販売を進めるWBエナジー(東京・千代田、梶山恵司社長)は、複数箇所でのボイラー設置を行い、これらをモデルケースとしながら、木質バイオマス利用の推進とボイラーの導入を進めていくことを開始した。

7月18日号ダイジェストニュース
◇ベトナムに新会社設立
現地の資源循環を支援/RPF製造など3事業
- 市川環境エンジニアリング -
 市川環境エンジニアリング(千葉県市川市、石井邦夫社長)はベトナムで資源循環事業を手掛けるため、新会社「DAI DONG ENVIRONMENT SOLUTIONS CO.,LTD」(以下、DECOS)を設立、7月7日に現地で祝賀パーティーを開催した。日本企業の製紙工場や大規模商業施設などから出る廃棄物を原料にRPF(石炭代替固形燃料)の製造、販売を開始。アジアをはじめ、世界の資源循環に貢献する事業モデルとして、各方面の注目を集めている。

◇事業・組織を大幅刷新
リユースで新会社、工事部も強化/CSR徹底、受注増に対応
- 大昭工業 -
 大昭工業(本社・名古屋市、木村諭意智社長)はこのたび、廃棄物収集運搬・中間処理と下水管工事などでの受注増に対応するとともに、社内の法務組織についてCSRなどを包括した社外コミュニケーションも手掛ける組織に刷新した。廃棄物分野では、従来の中間処理での受注増に対応する一方で、新会社「コネクトエコロジー」を設立して不用品の搬出と買い取りによるリユース事業に乗り出した。

◇排出者の順法をサポート
コンシェルジュサービスを展開
- ジャルク -
 OA機器やオフィス備品リサイクルのジャルク(大阪市、正木良昌社長)は、排出事業者向けに産廃処理のコンプライアンス相談などに応える「コンシェルジュサービス」を展開する。管理フローの見直しや行政対応のサポート、環境担当者向けのスキルアップ講座なども企画し、廃棄物管理に関するコンプライアンスの強化に貢献する。

◇不正転売防止措置を議論
ガイドラインの中身は?
省令改正へ合同会合再開/食リ制度

 食品廃棄物の不正転売事案を受けて、再発防止に向けた食品関連事業者の判断基準省令改正とガイドラインの策定を検討するため、食料・農業・農村政策審議会食品リサイクル小委員会と、中央環境審議会食品リサイクル専門委員会の第14回合同会合が6日、農水省内の会議室で開催された。事務局からは、省令改正とガイドラインに盛り込む事項の骨子案が示された。

◇本社工場を大阪市内に移設
建廃事業も開始
- ハーモニックス -
 汚染土壌や無機性汚泥の処理などで実績を重ねるハーモニックス(本社・大阪市、今村浩社長)は、大阪市此花区に本社工場を移設し、今年6月から新たな体制で事業を開始した。敷地面積は、約6600平方メートル。無機性汚泥の処理を手掛ける他、同社として初めて建設系混合廃棄物の処理事業を開始した。近畿圏内の主に新築現場などから発生した廃棄物を受け入れていく。

◇処理スケジュールを公表
居住制限区域などを対象
- 環境省 -
 環境省は7月8日、避難指示解除準備区域および居住制限区域の災害廃棄物等について処理スケジュールを公表した。葛尾村は今年度、南相馬市・浪江町・富岡町は2017年度、大熊町・楢葉町は18年度、飯舘村は20年度に減容化処理等を終了させる。

◇新型フォークリフトを販売
最大9.5時間の稼働が可能
- 住友ナコフォークリフト -
 住友ナコフォークリフト(愛知県大府市、加藤成社長)は、消費電力を低減させることで長時間稼働を可能にしたフォークリフト「QuaPro‐B」の販売を開始した。
 徹底した省エネ構造で、標準モードで8・5時間の稼働を実現。新たに搭載した「ECOモード」に切り替えることで、最大9・5時間の稼働を可能とした。

7月25日号ダイジェストニュース
◇日本最大級のフレーク加工
PET粉砕・洗浄の新工場/事業系、同業から受け入れ
- ジャパンテック -
 協栄産業(本社・栃木県小山市、古澤栄一社長)のグループ会社、ジャパンテック(本社・栃木県小山市)は7月12日、事業系PETボトルや再商品化事業者からのフレークをアルカリ洗浄で高品質フレークに前処理する新工場「東日本PETボトルMRセンター」(茨城県笠間市)を茨城中央工業団地内に立ち上げた。処理能力は国内最大級の年間2万トン。輸出が多い事業系PETボトルなどの国内循環を進め、高度リサイクル向けの幅広い受け皿を目指す。

◇リサイクル率 初の90%超
固形燃料化が伸長
- 発泡スチロール協会 -
 2015年度の発泡スチロールリサイクル率は、過去最高の90.2%となった(前年度89.3%)。発泡スチロール協会(JEPSA、柏原正人会長)が7月12日に開いた会見で明かした。単純焼却と埋め立てが減少するとともに、RPFなどの固形燃料化が進んだことが要因。今後、マテリアルリサイクル先の新規開拓や、JEPSA会員が運営するリサイクル拠点「エプシープラザ」の充実などでリサイクル率の向上を目指す。

◇乾電池を電気炉で再資源化
廃棄物処理業に参入
- 東京製鉄 -
 東京製鉄は廃棄物処理業に参入した。倉敷市から5月9日付で一般廃棄物処理施設設置許可、6月16日付で産業廃棄物処分業許可を取得し、岡山工場(倉敷市)で廃乾電池の処理を開始することとなった。廃乾電池は中四国エリアを中心に集荷し、当面は年間1000トンの処理を計画している。

◇処理法の適正な解釈を徹底
環境大臣に要望書
- 全油連 -
 全国油脂事業協同組合連合会(水野泰幸会長)は7月15日、丸川珠代環境大臣宛てに要望書を提出した。廃食用油は産業廃棄物であり、あいまいな解釈がみられる地方自治体や排出事業者の例をあげ、廃棄物処理法の適正な解釈を文書で指導、徹底するよう求めている。

◇伐採と資源化を両立
良質なチップ製造に注力
- 伊賀林業 -
 伊賀林業(三重県伊賀市、仲晃男社長)は、治山や作農、造成、災害復旧工事等で開発伐採される工事支障木のチップ化事業で実績を重ねており、昨年度は年間1万8000トンの木くずを再資源化した。アメリカのVermeer社製破砕機を備え、発電利用に供する木質バイオマス証明事業者として、中部地方の発電所に良質な燃料チップを供給している。

◇跡地を農地として整備
処分場早期廃止システム
- フジコーポレーション -
 フジコーポレーション(長野県佐久市、山口幸男社長)は7月8日、自社技術「フジ式直壁型ハイブリッド最終処分場跡地利用農地構造体®」(特許第5380626号)を活用した処分場早期廃止システムについて報道関係者に公開した。

◇直近、年間2171万9000件
6月末、電子化率43%
- JWセンター -
 (公財)日本産業廃棄物処理振興センター(岡澤和好理事長、以下JWセンター)は、直近1年間(2015年7月~16年5月)の電子マニフェスト登録件数が2171万9000件となったことを明らかにした。電子化率は43%。6月度の月間登録件数は195万4000件で前年同月比9.8%増となった。

◇適正処理の推進と規制緩和
関連事業者からの要望まとめ/廃棄物処理法見直しの進捗
 改正廃棄物処理法の施行から5年が経過したことに伴い、環境省は「廃棄物処理制度専門委員会」を立ち上げ、5月19日に初会合を開催した。同省は廃棄物処理制度の検討に向けた主な論点案として、(1)適正処理のさらなる推進、(2)廃棄物処理法に基づく各種規制措置の見直しおよび優良な処理事業者のさらなる育成に係る措置、(3)廃棄物の排出抑制および廃棄物処理分野における温暖化対策の強化、(4)廃棄物等の越境移動の適正化に向けた対応の4項目を提示。さらに6月15日の第2回会合と6月30日の第3回会合では、事業者団体や都道府県へのヒアリングが行われた。本特集では、これまでの会合で関係者から出された主な要望や意見を整理した。

◇木質バイオマス発電に影響か
メガソーラーはよりハードルが高く/FIT法改正
 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)等の一部を改正する法律」が、通常国会において5月25日に可決・成立し、6月3日に公布された。2012年7月にスタートした同法の初の見直しとなる。

◇米国の廃棄物処理とリサイクル
米国における廃棄物処理ビジネスの到達点

米国最大の廃棄物処理業者/収集と埋立が事業の中核

- Waste Management本社 -
 Waste Management社(以下WM社)は米国で最大の廃棄物処理業者である。資本はもちろん施設数や車両数においても最大である。総収益は130億ドルで従業員数が4万人以上となる。代替エネルギー車5万1000台、天然ガスステーション数84、稼働中の処分場244、処分場から発生するガスによるエネルギー施設136、基本的な分選別などのリサイクル施設104、輸送施設297、保管施設119、危険物処理施設5など関連するあらゆる規模、施設数が世界最大級となる。

◇安定操業で循環型社会に貢献
生産能力増強へ用地確保を模索
東日本の食品リサイクル事業は今

 食品リサイクル法が施行され、今年で15年。食品リサイクル事業に参入し、排出事業者と連携・協力しながら、安定操業に取り組み、循環型社会の構築に貢献している民間事業者は少なくない。そうした中、排出事業者からの引き合いや利用先の要望に応じた生産能力の増強が共通課題として浮上。しかし、安定した食品リサイクル事業には一般廃棄物の処分業の許可取得は欠かせないが、ハードルは高い。新たな用地確保へ事業者の模索が始まっている。

◇昨年より高温、対策必須
求められる従業員の健康管理/予防不十分で症状悪化も
廃棄物処理・リサイクル事業と熱中症

 気象庁が発表している暖候期(6~8月)の平均気温の予測によると、西日本を中心に気温が平年よりも高くなるという。産業廃棄物処理業界では人手による作業が依然として多く、中間処理施設や最終処分場で働く人の健康管理(熱中症対策)は必須だ。事業主には安全な職場を実現するための対策を講じることが求められている。

◇“廃棄物Web3.0”
ネット活用、新段階へ/SNS、電子取引、IoTとの融合
 廃棄物処理・リサイクル事業でもインターネットはもはやインフラだ。業者がコーポレートサイトを開設するのは当たり前のようになった。しかし、インターネットは業者の利益や顧客増につながっているのか。あえて、「今さら聞けない現在のネット活用法」をまとめてみた。

◇揺れ動くリサイクル現場から
排出者責任と適正価格を再考へ/再発防止策の検討も本格化
中部/廃棄食品不正転売事案の波紋

 今年1月、「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋が、産業廃棄物処理業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)に廃棄依頼した冷凍ビーフカツが不正に転売され、スーパーに出回ったことが発覚。捜査が進むにつれ、その他食品メーカー等の廃棄食品が多数横流しされていた事実も次々と明らかになり、各方面に波紋が広がった。事案の現状を整理するとともに、現場となった中部地域の事業者の声を紹介したい。

◇総出力は20万kWへ
8件中4件が稼働を開始/中部の木質バイオマス発電事業
 中部4県で、FITに基づく木質バイオマス発電所として、新設または建設中の施設は計8件(当社調べ)ある。地方別では、計画最多の九州(17件)、続く東北(14件)、中国(9件)地方に次ぐ件数となった。ここでは、同地方の動向を伝える。

◇国内有数の食リ先進地域
顧客のニーズにいかに応えるか
中部/食品リサイクル推進へ最新事例

 中部は食品リサイクルが盛んな地域として知られる。本特集の対象である岐阜・静岡・愛知・三重の4県だけで見ても、改正食リ法に基づく「登録再生利用事業者」は計35件(2016年3月末)、食リループの「再生利用事業計画認定」は同7件に上る。排出事業者・処理業者・行政が足並みをそろえ、ともに食リ率向上を目指す土壌が育ちつつあるからだろう。ここでは、この先進地域において、独自の強みを生かして事業展開を図る各社の取り組みを紹介する。

◇混廃選別技術がカギ
続く解体需要/求められる再資源化技術
建設系の発生動向と再資源化の現状、そして展望

 1950年代半ばから60年代にかけての高度経済成長期では、積極的な建設投資などが行われ、多くの建物が建設された。それから50年以上が経過。当時、建設された建物の多くは今、老朽化を迎えている。

◇処理完了に向けて体制充実
トータルサービスで貢献/保管事業者への配慮も
低濃度PCB特集

 PCB廃棄物の処理は、高濃度・低濃度ともに一定の進捗を見せつつある。期限内の処理完了に向けたさまざまな方策が広がるなか、特に低濃度PCBは、民間の力なくして処理完了は不可能として、政府は積極的に無害化認定を進めるとともに、処理対象物の掘り起こしを積極的に進めつつある。中部エリアでは、待望の焼却による無害化認定施設が現れ、処理が加速する気配も現れている。

◇手数料高め、R推進しやすい環境
関連ビジネス展開進む
中部エリアの一廃トピックスとビジネス

 横浜、大阪に次ぐメガ都市・名古屋を有する中部エリア。一般廃棄物の分野では、3R推進に向けた先進的な取り組みが展開されている。地域の事業系一廃処分料の目安となる自治体の搬入手数料も、1キログラム当たり15円以上を設定している自治体が少なからず存在。いわゆる地域相場も関東エリアに次いで高い。また事業系古紙など資源ごみを搬入禁止とする清掃工場も多く、関連ビジネスの展開がしやすい環境が整っている。ここでは事業系ごみ搬入動向やごみ屋敷対策条例制定の動きなど中部エリアの一廃トピックス、および資源回収や遺品整理など関連ビジネスの動向をまとめた。

◇原油安から廃プラ市場の燃料化
不用品リユース事業の国内回帰/木質発電が追い風となるRPF
処理事業の明日を発見するビジネス探訪

 原油安や石炭、鉄鉱石など資源の価値が下がると再生品の価格も下がる。それが処理事業を圧迫することもある。中部の新しい事業に目を向けた。

◇大規模地震等への備え進む
広域の協力体制構築へ
中部/災害廃棄物処理計画の策定状況

 大規模災害に備えた災害廃棄物処理の対策が急務となっている。中部エリアでは南海トラフ巨大地震や東海・東南海地震といった甚大な被害を出す地震の発生が懸念されており、それに伴う膨大な廃棄物は被災地だけでは処理しきれないため、県を越えた広域での協力体制の構築が欠かせない。また、廃棄物処理事業者など民間の力を生かすためには、平時からの連携が重要になってくる。本格的な体制づくりに動き出した各県の計画策定状況などをまとめた。

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