循環経済新聞・バックナンバー“2018年9月度”

9月3日号ダイジェストニュース
◇“焼酎かす”でバイオガス発電
大分県宇佐市にオープン/出力600kW、消化液利用も
- 未来電力 -
 エネルギー総合企業の未来電力(大分県宇佐市、末宗秀雄社長)が、焼酎かすを活用できる「宇佐バイオガス発電所」(同市)の稼働を開始させた。7月27日には落成式を開催。発電(出力600キロワット)だけでなく、消化液利用も行う循環型施設として注目を集めている。

◇PETなど主体の選別進む
酷暑での大量排出を教訓に/高速化、効率化で対応
関東の事業系廃飲料容器

 酷暑に見舞われている今夏、使用済みの事業系飲料容器の選別、再資源化が例年になく注目されている。機械化を進めて扱うボリュームを増やそうとする業者やPETボトルを巡る国際的な規制に積極的に対応する業者が出ている一方で、少ロットを扱う業者は効率化に向けた検討に迫られている。背景には、自販機や小売・商業施設など事業系ならではの課題がある。

◇生産方式更新を検討
ゴムチップの固結抑制を狙う/現場での作業効率向上へ
- 東洋ゴムチップ -
 エンビプロHDグループの東洋ゴムチップ(前橋市、桑原厚二社長)は、ゴムチップの生産方式を改良する考えがあることを明らかにした。一定温度で発生するゴムチップの固結(ゴムチップ同士がくっつき、固まってしまうこと)を抑制し、現場での使いやすさを向上しながら、生産効率と品質が高い製造ラインを新たに構築する構想だ。

◇埼玉でバイオガス事業構想
食廃対象に40t/日規模/2020年4月開始へ
- 三菱マテリアル -
 三菱マテリアルは、埼玉県富士見市、ふじみ野市、三芳町で構成する入間東部地区事務組合の敷地内で、2020年4月をめどに食品廃棄物を対象としたバイオガス発電事業を開始する。事業化に向けて、新会社「ニューエナジーふじみ野」(天海泰成社長)を同敷地内に設立したと発表した。

◇バイオマス発電の電力を地元で
大仙こまちパワーを設立
- タケエイ -
 建廃大手のタケエイは、再生可能エネルギーによる電力の小売事業を行うため、8月17日、小売電気事業者大仙こまちパワー(秋田県大仙市、輿石浩社長)を設立したことを明らかにした。現在、秋田県大仙市にて発電所建設工事を進めている秋田グリーン電力において、発電した電力を地元に供給して利用を促進し、エネルギーの地産地消をより一層推進するため、新電力会社として同社の設立に至った。

◇災害廃処理2年で完了目指す
西日本豪雨の基本方針で
- 岡山県 -
 岡山県は8月21日、西日本豪雨により発生した災害廃棄物約41万トンについて、2年間での処理完了を目指すとする処理基本方針を公表した。ただし、損壊家屋の解体・撤去の進捗等を踏まえて適宜見直しも行う。また、既存の県内廃棄物処理施設で目標期間内での処理が困難な場合には、広域処理や仮設処理施設の設置も検討する。

◇雑品・小家電の処理に
竪型破砕機を発売
- モリタ環境テック -
 モリタグループで環境装置の製造を手掛けるモリタ環境テックは、雑品スクラップや小型家電などのリサイクル処理に最適な竪型破砕機「バリクラッシャー」を発売した。複合素材でできた小型製品を効率的に破砕。各種金属やプラスチックなどの資源循環に貢献する。

◇国内第2位の経済圏
産業構造から見る産廃排出/化学・電機・鉄鋼などのウエイト高く
近畿エリアの概況

 京阪神大都市圏を擁し、国内第2位の人口規模を誇る近畿地域。古代から日本の中心地として人口や商業資本の集中とそれに伴う大消費地の形成、水運を中心とした交通、淀川の用水を背景に発展してきた。現在では、阪神工業地帯が事業所数ベースで日本最大の規模を誇り、製品出荷額でも中京工業地帯に次ぐなど、有数の産業集積地となっている。ここでは、近畿地域の産業構造ならびに産廃の排出動向をまとめた。

◇先駆的な取り組みを紹介
資源循環・エネルギー創出へ/近畿/挑戦企業の注目事例
 廃棄物の適正処理だけでなく、付加価値の高い資源循環・エネルギー創出の担い手としての役割が求められる今、業界の事業者にとって重要な転換期を迎えている。ここでは、近畿エリアで長年培ったノウハウや設備を活用し、新規事業や先駆的な事業に挑戦する企業の注目事例を紹介したい。

◇最新の課題解決への挑戦
ネットワークで適正処理/技術開発や人材育成も
近畿/処理困難物最前線

 近畿エリアは、他の地域に比べて電子部品製造業や化学産業が集積しており、関連する先端素材や化学薬品などの発生も多い。ここでは、そうした処理困難物の適正処理に取り組む事業者の取り組みを紹介する。

◇半数が稼働、安定した燃料需給
残る計画は京都・和歌山・兵庫で7件
近畿エリアの木質バイオマス発電

 近畿エリアでは、FITが施行されて以降、新設もしくは建設(計画)中の木質バイオマス発電所が13件(当社調べ)あり、すでに6件が稼働。残す計画は、▽林ベニヤ産業▽フォレストエナジー▽エフオン第五▽DSグリーン発電和歌山合同会社▽大栄環境▽相生バイオマスエナジー▽日本海水(赤穂第二発電所)――の7件となった。

◇増え続ける建廃発生量
RCと残土対策を重点課題に/処理・解体業者でBCP策定、導入の動き
近畿エリア建廃最前線 ~現状と課題~

 1950年代半ばからはじまった高度経済成長期では、建設投資や社会インフラの整備が積極的に行われ、多数の建造物が建てられた。それから50年以上経過。老朽化した建造物が現れ始めた。近年は短時間で局地的な豪雨、“ゲリラ豪雨”や地震などの大規模災害が相次いでいる上、インバウンド影響で外国人旅行者の増加も重なり、老朽化した建物の解体や耐震化、改修・改築需要を押し上げている。

◇頻発する地震や豪雨に備え
新たに策定された計画等を総覧/近畿/災害廃棄物処理対策の進捗
 近年、地震や台風、豪雨といった大規模な自然災害が頻発しており、自治体にとっては、近い将来に発生が予想される南海トラフ地震などを想定した災害廃棄物処理計画の策定とともに、民間の廃棄物処理業者との連携など平時からの取り組みがますます重要になっている。政府は6月19日の閣議で、同計画策定率を2025年度に都道府県で100%(16年度末57%)、市区町村で60%(同24%)に引き上げる目標を新たに定めた。ここでは、近畿エリアで今年公表された2県5市の計画の内容を総覧する。

◇和歌山でRPF工場が稼働
受け皿完備で処理拡大に/エコ商品の利用が循環型を構築
地域発! 活躍する元気な企業

 近畿エリアでは、新しい動きが始まってきた。和歌山県でも初めてRPF工場が稼働した。中国の環境規制によって廃プラの処理動向は大きく変化した。焼却や最終処分場事業者も含めた、地域で活躍する事業者を紹介する。

◇指定法人ルートの落札結果を抜粋
中国輸入禁止措置の影響大きく/近畿/PET・プラ再資源化動向
 (公財)日本容器包装リサイクル協会(東京・港)によると、2018年度のPETボトルリサイクルに係る市町村年間申込量(契約量)は、17年度の年間申込量19万7394トンに比べて4164トン増の20万1558トンとなり、初めて20万トンを超えた。上期の落札数量は17年度上期比2296トン増の11万1177トンだった。指定法人ルートの落札結果によると、加重平均落札単価は、有償で1トン当たり3万1044円、17年度上期に比べて1万799円逆有償化が進んだ。有償見通し額は約36億円となり、17年度上期で約10億円下回った。

9月10日号ダイジェストニュース
◇概算要求1兆430億円に
プラの事業等を新規に実施
- 環境省 -
 環境省の2019年度の概算要求額が明らかとなった。一般会計とエネルギー対策特別会計、東日本大震災復興特別会計の合計額は1兆430億円に上った。「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」(50億円)などの新規事業も予定している。

◇アジア各国で検査厳しく
マレーシア急上昇も不透明/廃プラ輸出動向
 貿易統計の2018年7月は、8万4692トンで前年の12万2137トンより3万7445トン減、前年比69%で減少幅は、前月に引き続き60%台となった。

◇年100tの輸入許可を取得
ニュージーランドから受入/廃乾電池をリサイクル
- 東京製鐵/海平金属 -
 普通鋼電炉最大手メーカーの東京製鐵と製造業発生の加工スクラップ取扱業の海平金属(神奈川県秦野市、海平永浩社長)は8月、ニュージーランドから輸入する廃乾電池のリサイクルを開始した。海平金属が日本への輸入を担い、東京製鐵岡山工場(岡山県倉敷市)に搬入する。

◇堆肥複合肥料の可能性
公定規格改正から6年/食リで魅力的な製品に
- 埼玉で研修会 -
 「食品リサイクルでつくる魅力的な堆肥・肥料」をテーマにした研修会が8月30日、埼玉県内で開かれ、2012年の肥料取締法改正で公定規格が設定された「混合堆肥複合肥料」の施用効果について、県農業技術研究センター生産環境・安全管理研究担当部長の山﨑晴民氏と、朝日工業農業資材本部開発部長の浅野智孝氏が報告した。18年度農山村バイオマス活用推進研修会として、県農業ビジネス支援課と県食品バイオマス資源循環推進研究協議会が会を主催した。

◇中間処理業者など会員数最大に
建設系中心に多数取り組み
- 泥土リサイクル協会 -
 (一社)泥土リサイクル協会(愛知県稲沢市、木村孟理事長)は、8月24日総会を開催、会員企業数がこれまでで最大の66社となったことを報告した。木村理事長は「中間処理業者などの入会が進み、最大の会員数となった。多岐にわたり建設リサイクルに取り組んできた成果だが、泥土リサイクルはいまだ停滞状態。さらに多くの取り組みを進めていく必要がある」とあいさつした。

◇女性限定の参加型研修会
日常業務で抱える疑問を意見交換
- 大阪循環協 -
 (公社)大阪府産業資源循環協会(片渕昭人会長)は8月29日、大阪市内で、2018年度第1回目の「なにわサンパイ塾」を開催した。今回は参加者を女性に限定。女性社長によるプレゼンテーションやグループディスカッションなどの研修を通じて、「産廃女子」14人が活発な意見交換を行った。

◇小型の自走式木材破砕機を発売
ニーズ対応で開発、竹破砕も可能
- 日本フォレスト -
 木質燃料の製造・供給事業や木質リサイクルシステムプラントの設計・販売などを行う日本フォレスト(大分県日田市、森山和浩社長)は、間伐材・林地残材・バークなどを切削チップ化する破砕機「LOG BUSTER」シリーズに新製品を追加し、自走式小型木材破砕機「LB‐S205C」の販売を開始した。竹専用ナイフの装着により、竹の破砕も可能。小規模な伐採現場やチップ化に対応する。

◇登別で管理型最終処分場開設など
北海道エリア特集/北海道の廃棄物処理動向
 北海道の廃棄物処理業界では「適正処理」が中心だったが、リサイクルもより重視される傾向があると言われている。実際昨年から今年にかけても登別などでいくつかの処分場の開設が進められており、多くの事業者が適正処理を進めている。リサイクルを進める傾向も強くなってきており、プラスチックのサーマルリサイクル需要などを受け、廃プラスチックを利用した固形燃料の製造なども増えてきている。

9月17日号ダイジェストニュース
◇一部で操業を停止する施設も
被害状況等が明らかに/北海道胆振東部地震
 9月6日午前3時頃に発生し、最大震度7を観測した「平成30年北海道胆振東部地震」は、死者が40人以上に上る甚大な被害をもたらした。土砂崩れや液状化などが発生し、現在も電力需給に不安が残る状態が続いている。環境省では災害発生当日から廃棄物処理施設の被災状況や支援体制などについて情報発信していて、全容が明らかとなりつつある。

◇多様な形で燃料化推進
フラフ加工、固形燃料化が発展/韓国のSRF関連企業視察(その1)
- 日本RPF工業会 -
SRF利活用と国際潮流
 本紙第1面の通り、(一社)日本RPF工業会(長田和志会長)は9月3~5日、廃プラスチックなどの可燃性廃棄物燃料化を進める韓国のSRF(Solid recovered fuel=廃棄物固形燃料)関連企業を視察した。

◇設備等の減価償却負担が軽減
震災から7年、業績順調/無事故・無災害を目指す
- オイルプラントナトリ -
 オイルプラントナトリ(宮城県名取市、武田洋一社長)は2011年3月の東日本大震災により壊滅的な被害を受けたが、事前に策定していた事業継続計画(BCP)の取り組みを通して早期復旧を図り、各メディアからの取材が多く入った。震災から7年が経過し、業績も順調に推移している。復旧投資(処理設備など)の減価償却負担が軽減し、損益分岐点が改善され、利益が確保しやすい体質になった。

◇8月から受入開始
一廃の許可も取得
- Jバイオフードリサイクル -
 Jバイオフードリサイクル(横浜市、蔭山佳秀社長)は8月からバイオガス化施設への食品廃棄物(産業廃棄物)の受け入れを開始した。9月1日に一般廃棄物の許可を取得、順次、受け入れを増やす。

◇再生資源の利用41万t超に
「あいくる材」公共工事で47億円
- 愛知県 -
 愛知県は、県の公共工事で2017年度、「あいくる材」の使用による再生資源の利用量が41万トンを超えることを明らかにした。県発注工事で「あいくる材」の使用を指定するなど、愛知県庁の建設部等の取り組みによる効果は大きく、利用相当金額は約47億円に上った。

◇埋立処分の安全性確保へ
実証事業を2町村で行う/除去土壌
 除去土壌の処分に関する検討チーム会合(甲斐倫明座長)が9月3日に東京都内で行われた。茨城県東海村と栃木県那須町での実施が予定されている除去土壌埋立処分実証事業について、概要や技術的項目を確認した。

◇創立30周年記念フェア
“日本の清掃に革新を”
- ケルヒャージャパン -
 ケルヒャージャパン(横浜市、佐藤八郎社長)は9月6・7日の2日間、東京国際フォーラムで創立30周年記念単独イベント「ケルヒャーフェア」を開催した。少子高齢化や労働人口減少などの課題解決に向け、最新のロボットテクノロジーを使った清掃マシンなどが出展された。

9月24日号ダイジェストニュース
◇沖縄で再び大型プラント稼働
島内で焼却溶融の処理
- 倉敷 -
 沖縄県は、日量200トンの処理能力を持つ焼却・溶融プラントの事業主体を倉敷環境から新会社である「倉敷」に移した。倉敷は、本格的に事業を始めた。倉敷に営業許可が下りたことで、内地まで船積みで運んでいた可燃性の産廃は、再び島内で処理することができるようになった。

◇固形燃料発電所は稼働率向上
日本でも利用途拡充へ/日本RPF工業会
韓国のSRF関連企業視察(その2)

- 画期的な電力会社による利用 -
 このWonju Green社などからRPFやRDFを燃料として購入し、専焼ボイラで発電事業を行っているのが大手電力会社KOMIPO社のSRF専焼火力発電所だ。

◇使用済み溶剤を再生
R需要の取り込みへ
- 豊田化学工業 -
 溶剤リサイクルや洗浄剤などを取り扱う豊田化学工業(愛知県豊田市、杉浦敏夫社長)は、使用済み溶剤の再生を担う山口工場(山口県美祢市)を新設し、中国・九州エリアの営業体制を強化する。今後3~5年を掛けてさらに設備の追加し、再生加工から調合まで可能な生産拠点として整備する予定だ。

◇小型プラントが実証稼働
メタン発酵でガス化発電/地元密着型の食リシステム
- 共栄 -
 総合資材商社の共栄(福島県いわき市、加賀屋正之社長)は10月から、食品残さを原料にメタン発酵ガス化発電を行う小型バイオマスプラント「共栄バイオマスいわき南発電所」で、発酵槽2基による実証稼働を開始する。同プラントをモデルケースとして、2020年度までにいわき市内に数基販売し、地元密着型の循環型食品リサイクルシステムの構築を目指す。

◇多用途でのリサイクル促進へ
産官学の協力など/再資源化シンポジウムで
- 石膏再生協同組合 -
 環境省の認可団体である石膏再生協同組合(東京・中央、市川學理事長)は9月6日、第7回廃石膏ボード再資源化シンポジウムを開催し、市川理事長は「廃石膏ボードの排出量の増加は続いており、農業以外の新たな用途についても検討が必要だ。産官学の英知を結集して取り組まなければならない」とあいさつした他、来賓として環境省・廃棄物規制課課長補佐・上野洋一氏があいさつに立った。

◇ネットワーク連携が有効
東部開発とゆうびを見学/大分での研修、災害廃棄物対策で
- エコスタッフ・ジャパン -
 安心安全の廃棄物処理・リサイクルの全国ネットワークづくりを進めるエコスタッフ・ジャパン(ESJ、本社・東京、田部和生社長)が8月24~25日に大分市内で開催した第46回研修会で、認定企業である有価物回収協業組合石坂グループ(熊本市、石坂孝光代表理事)の石坂広徳事業本部長は熊本地震での災害廃棄物処理に関して、熊本県災害廃棄物処理事業連合体が軸となり、同業者でつくる九州環境ネットワークなども大きく貢献したことを強調した。

◇暑さ対策製品が都認定に
溜まった熱や湿気を排出
- 空調服/セフト研究所 -
 空調服(東京・板橋、市ヶ谷透社長)とセフト研究所(東京・板橋、市ヶ谷弘司社長)は9月5日、溜まった熱や湿気を排出し、暑さ対策・熱中症対策で有効な「空調リュック COOL PACK」が東京都トライアル発注認定商品として認められた。

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