循環経済新聞・バックナンバー“2019年4月度”

4月1日号ダイジェスト
◇レジ袋有料化など提言
プラ資源循環戦略案で/酒井部会長が原田大臣に答申
- 中央環境審議会 -
 中央環境審議会循環型社会部会の酒井伸一部会長は3月26日、原田義昭環境大臣に「プラスチック資源循環戦略の在り方について~プラスチック資源循環戦略(案)~」の答申書を手渡した。酒井部会長は、リデュース(排出抑制)に関連して「レジ袋の有料化については十分に考えてもらいつつ、スピード感を持って取り組んでほしい」とした。この案をもとに政府として6月までに正式な戦略としてまとめ、G20に向けて打ち出す方針で、原田大臣は「(昨年のG7で打ち出された)海洋プラ憲章(の内容)を上回るものにしたい」と述べた。

◇CO2削減、地域循環を
ステークスホルダー会議で/回収などの拠点拡充必要
- びんリユース全国推進協議会 -
 びんリユース全国推進協議会(代表=安井至東京大学名誉教授)は3月20日、東京都内でステークスホルダー会議を開き、約40人がグループに分かれて地球の持続可能性と利便性・効率性、地域循環共生圏、ガラスびんの特性の三つのテーマについて意見を交わした。安井代表はまとめの講評で、「日本は利便性・効率性を重視して伸びた国。びんリユースとIoTを結び付けるなど大胆な発想をしなければ、(先進的な欧州などの)世界には勝てないし、取り組みが若年層に浸透しない」と述べた。

◇太陽光パネルを適正R
アンチモン無害化で
- 鳥取再資源化研究所 -
 廃ガラスリサイクルを中心に再資源化技術開発に取り組む鳥取再資源化研究所(鳥取県北栄町)は、使用済み太陽光パネルガラスの無害化リサイクル技術を開発した。パネルガラスに含まれるアンチモンなどの有害物質を無害化し、付加価値の高いガラス発泡材「ポーラスα」を製造する。今後の大量廃棄が予想される太陽光パネルの適正処理と、環境負荷低減に貢献する。

◇BDF以外の利用を
暖房用燃料など
- 大崎バイオマス事業所あぐりーんみやぎ -
 宮城県内で家庭や飲食店などから出る廃食油を車両燃料であるバイオディーゼル燃料(BDF)を精製している大崎バイオマス事業所あぐりーんみやぎ(宮城県大崎市)は今年7月、8年目を迎える。地域密着で回収再生利用に取り組む中、BDF以外で暖房用燃料への利用を推進。行政が新たな支援策を決めるなど今後の利用拡大が注目される。

◇用途増で利用拡大
新たなR製品を販売
- 瓦チップ研究会 -
 (一社)瓦チップ研究会(岐阜県富加町、亀井則幸代表理事)は2月22日、名古屋市内で第7回通常総会を開催し、2018年度事業報告や19年度予算案の承認、事業計画を話し合った。昨年4月より、瓦チップを活用した高機能インターロッキングブロック「和(なご)みブロック」の販売を開始し、全国規模での流通を推進。18年度の瓦チップの供給実績は、岐阜県や三重県を中心に約1万5000立方メートルに上ったことを明らかにした。

◇除去土壌等の量が減少
技術開発戦略を見直し/中間貯蔵施設
 環境省は3月19日、福島県内の除去土壌や汚染廃棄物(10万ベクレル/キログラム超)の推計量について、従来の約2200万立方メートルから約1330万立方メートルへと見直す方針を示した。中間貯蔵開始30年後に8000ベクレル/キログラム以下となる除去土壌等は発生見込み量の約8割超に上るという。

◇収集車の安全性を改善
効率化や負担軽減へ
- モリタエコノス -
 モリタホールディングスの連結子会社であるモリタエコノスは、「より安全に使いやすく!」をコンセプトにフルモデルチェンジした「プレス式塵芥収集車 Press Master(プレスマスター)PB7型中型車」を3月22日から、販売を開始した。

4月8日号ダイジェスト
◇バイオメタンガス発電所が竣工
畜ふん尿や食残を有効活用/兵庫・養父で1.4MW
- トーヨーグループ -
 トーヨー養父バイオエネルギー(兵庫県養父市)、トーヨー建設(東京・葛飾)、トーヨーエネルギーソリューション(東京・千代田)のトーヨーグループは3月28日、国家戦略特区(中山間農業改革特区)に指定されている兵庫県養父市で、2017年10月から建設を進めてきた「トーヨーバイオメタンガス発電所」を竣工した。地域で発生する畜ふん尿や食品残さを有効活用するもの。稼働開始は4月中旬の予定だ。

◇世界初の取組をさらに拡大
F to P製造事業で/高品質品の効率的回収が課題
- サントリーHD/協栄産業 -
 サントリーホールディングスは、“PETボトル to PETボトル”のための最新のリサイクルを行う「F(フレーク) to P(プリフォーム)製造ライン」を協栄産業の「東日本F to Pファクトリー」(茨城県笠間市)に増設することを決め、2020年春の稼働を目指すことになった。昨年から開始した世界初の事業をさらに拡大する野心的な取り組みだ。

◇北九州の高濃度PCB廃処理完了
第1期施設を段階的に解体へ/PCB廃棄物
 環境省と経済産業省は3月26日、都内で「第26回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」(永田勝也座長)を開いた。そのなかで、北九州事業地域の変圧器・コンデンサーなどの処理を3月中に完了したことを明らかにした。合わせて、JESCO北九州PCB処理事業所の第1期施設の操業を終了し、段階的に解体・撤去すると発表。建物の撤去は解体撤去マニュアルに準じて行われ、2025年度内に完了する計画だ。

◇消化液を循環、大幅削減に
バイオガス化で売電保証も/新システムを提案
- 幸和商事 -
 幸和商事(千葉県市川市、大吉誠司社長、千葉営業所)は、アグリコア(横浜市、純浦誠社長)が開発した消化液循環装置と、自社が開発した高濃度メタン発酵システムを組み合わせ、バイオガス発電所から排出される消化液の大幅な削減に成功したことを明らかにした。

◇LVL用単板の加工会社を設立
新規事業でカスケード利用推進
- 大建工業 -
 大建工業は3月18日、日南町森林組合(鳥取県日南町)やオロチ(同町)、越井木材工業(大阪市)との4社合弁で、「日南大建」を設立することを明らかにした。オロチが製造するLVL(単板積層材)を高付加価値化するための単板加工処理工場を新設し、2020年春竣工を予定。LVL用単板に防腐・防蟻薬剤を注入するための加工設備を導入し、将来的には不燃LVLや不燃木材に関する設備導入も検討している。新規事業で木材総合カスケード利用をより一層推進するのが目的とした。

◇土壌処分の状況を報告
用地取得の進捗も明らかに
- 環境回復検討会 -
 環境回復検討会(鈴木基之座長)の第20回会合が3月28日に東京都内で行われた。福島県外の除染作業で発生した土壌の処分方法の検討状況、仮置場の原状回復の進捗状況、中間貯蔵施設の用地取得状況などについて報告が挙がった。

◇創業25周年記念インタビュー 「危険な手破袋作業をなくす」
- 大阪エヌ・イー・ディー・マシナリー 力身総一郎社長に聞く -
 大阪エヌ・イー・ディー・マシナリー(大阪市)は今春、創業25周年の節目を迎える。全国に先駆けて破集袋機の製造・販売を開始して以降、リサイクルやごみ減量化の動きを追い風に業界をリードしてきた力身総一郎社長にこれまでの歩みと抱負を聞いた。

4月15日号ダイジェスト
◇廃ガラスを人工軽石に
農業利用や屋上緑化/多孔質の水質浄化力も
- スパット北上 -
 大型の解体工事から舗装・土木工事も手掛け廃棄物の中間処理で実績を持つスパット北上(岩手県北上市、千葉智英社長)は、廃ガラスを原料にした人工軽石の製造工場「まるっとセンターごとうの」を完成した。敷地面積1700平方メートル、建屋657.48平方メートルで、施設は、1日(8時間)25立方メートルの軽石状の多孔質軽量発泡資材(スーパーソル)を生産できる。

◇再生品の付加価値創造へ
デザインや協働の事例紹介
- 繊維リサイクル技術研究会 -
 アパレル関連企業や故繊維業者、学識者などで構成する(一社)日本繊維機械学会・繊維リサイクル技術研究会(委員長・木村照夫京都工芸繊維大学名誉教授)は、京都市の同大学内で、第132回情報交換会「繊維リサイクルの新しい形!」を開催した。デザインの活用や多様な分野の協働による、再生品の付加価値創造について意見を交した。

◇見直し前に課題を洗い出し
小電リサイクル法施行から5年/外的要因や取扱品目の物性も考慮
- 環境省/経済産業省 -
 環境省と経済産業省は3月28日、都内で中央環境審議会循環型社会部会小型電気電子機器リサイクル制度および使用済み製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会と、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会小型家電リサイクルWGの合同会合(中村崇座長)を開催した。2013年4月の小型家電リサイクル法施行から5年が経ち、制度の見直しを図る際に考えるべき事項について活発な意見交換を行った。

◇実態把握で食リ促進へ
定期報告は市町村別に/合同会合で最終議論
- 食品リサイクル制度 -
 食料・農業・農村政策審議会食品リサイクル小委員会と中央環境審議会食品リサイクル専門委員会の第21回合同会合が4月4日開催され、今回の食品リサイクル制度見直しに向けた最後の議論が交わされた。今回の制度見直しで、食品関連事業者による定期報告の様式を、現行の都道府県別から市町村ごとの記載に変更する省令改正が予定されていることを受けて、委員からは市町村の取り組みが進展することを期待する声が上がった。

◇再生石膏粉の用途拡大を
再資源化シンポを開催
- 石膏再生協同組合 -
 石膏再生協同組合(市川學理事長)は4月5日、新大阪丸ビル別館(大阪市)で「廃石膏ボード再資源化シンポジウム」を開催、70人超が参加し廃石膏ボードリサイクルの注目の高さがうかがえた。

◇18年度は4件を助成
採択企業に交付証を授与
- 産業廃棄物処理事業振興財団 -
 (公財)産業廃棄物処理事業振興財団(加藤幸男理事長)は4月4日、東京都内で「2018年度産業廃棄物処理助成事業交付証授与式」を行った。18年度は穴吹ハウジングサービス(高松市)、スズムラ(愛知県豊田市)、ダイセキ環境ソリューション(名古屋市)、東京ボード工業(東京・江東)の4社の申請を採択している。

◇発泡スチロール処理の新型機
小片ブロックに成型カット
- 名濃 -
 発砲スチロールリサイクルシステム「ECOLOBO」シリーズで全国卸売市場のトップシェアを誇る名濃(名古屋市、加藤善久社長)は、小規模システムとして、ピースブロック回収タイプ「FM‐50PB」を発売した。発泡スチロールを減容後、燃料利用可能な小さいブロック状に成型カットしてフレコンで回収するもの。手間が掛からず使いやすいと好評だ。

4月22日号ダイジェスト
◇混廃の選別プラント導入
赤外線センサー2種類も/石膏ボード、RPF原料化
- トスマク・アイ -
 一般廃棄物や産廃中間処理、収運、管理で実績を重ねるトスマク・アイ(石川県白山市、藤井雅之社長)は、建設系廃棄物を対象にした「混合廃棄物選別プラント」を松任リサイクル工場(白山市)に導入した。

◇再資源化などのインフラ必要
戦略(案)の目標は「難しい」/バイオプラの使用で議論
- 廃棄物資源循環学会 -
 廃棄物資源循環学会リサイクルシステム・技術研究部会(加茂徹部会長)が4月9日に東京都内で開いた講演会で、バイオプラスチックのうち生分解性プラスチックの利用拡大について、「(コンポスト化など再資源化の)インフラ整備やイノベーション、啓発、独自の回収などが重要」との意見が出された。海洋プラスチックごみ問題に関連して、産業界で生分解性プラスチックの利用が話題になっているが、今後の議論の必要性が浮き彫りになった。

◇新設備導入で高精度選別
単一素材化で価値を高める/事業効率化・労働環境改善も
- 東金属 -
 ヤマダ電機グループの東金属(群馬県太田市、太田伸一社長)は今春、小型家電リサイクル工場に新たな設備を導入し、選別能力を強化した。調整期間を経て、4月から本格稼働を開始。小型家電を処理して回収できる素材をさらに細かく分離し、純度を高めて資源価値を引き上げた。また、自動コンベア装置の導入により検品業務の効率化や選別能力向上効果も見込めたため、事業全体の質が向上した。

◇生ごみ分別の参加状況を可視化
ICT活用実験で効果確認
- アミタ -
 宮城県南三陸町で家庭や店舗から排出される生ごみをバイオガス施設「南三陸BIO(ビオ)」で発酵処理しているアミタ(東京・千代田)は3月19日、同町でNECソリューションイノベータ(東京・江東)などと共同で実施した「ICTを活用した生ごみ分別の参加状況可視化実験」の結果を公表した。

◇バイオマス発電所稼動に向け
新電力会社を設立
- 横須賀アーバンウッドパワー/タケエイ -
 建廃大手のタケエイは4月1日、建設中の木質バイオマス発電施設である横須賀バイオマスエナジー(神奈川県横須賀市、輿石浩社長)の稼働を見据え、地元横須賀市や神奈川県内へ電力を供給する新電力会社である横須賀アーバンウッドパワーを設立した。

◇新社会人合同セミナーを実施
要望に応え、初めて開催
- エコスタッフ・ジャパン -
 安心・安全の廃棄物処理・リサイクルの全国ネットワークづくりを進めるエコスタッフ・ジャパン(東京・中央、田部和生社長)は4月10~12日に東京都内で新社会人(新規学卒者・転職者)向けの「2019ESJ新社会人合同セミナー」を初めて実施した。認定企業からの要望に応えて実現した取り組みで、10社(約26人)が参加した。

◇AI選別ロボットを新開発
人手不足の解消に貢献
- リョーシン -
 環境機器メーカーのリョーシン(富山市、高野治社長)は、新たに開発したAI選別ロボット「AIBenkei(ベンケイ)」と「AIMusashi(ムサシ)」を発表した。従来は人の手で行っていた廃棄物の選別工程を自動化し、導入により最大8割の省人化を見込む。24時間連続稼働が可能で、ライン全体の処理能力を大幅アップし、人員不足の解消に貢献する。

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