循環経済新聞・バックナンバー“2020年1月度”

1月1日・6日合併号ダイジェストニュース
◇資源循環がさらに変わる!
海外見据えて国内体制再編を/適正処理の視点が重要に
 否応なく、長きにわたり続いてきたビジネスモデルを変革していく時代の到来だ。
 「廃プラスチックや雑品スクラップでの処理・リサイクルの混乱から始まり、今度は段ボールを含む古紙、さらに廃タイヤなどにまで混乱が広がる懸念が出てきた。古紙は輸出先だった中国による輸入の絞り込みが要因だが、廃タイヤなどは国内の再資源化事情によるところが大きいだろう。一斉にやってくる課題に一つずつ対処していくしかない」(西日本の産業廃棄物処理業者)

◇新春インタビュー 環境面でも優れた東京オリ・パラに
事前に災害時協定の締結を
- 環境省 環境再生・資源循環局 局長 山本昌宏氏 -
 2019年は過去最大級の広域にわたる台風被害への対応が求められた。環境省環境再生・資源循環局の山本昌宏局長は、事前に災害時の協定を結ぶ重要性に言及。市町村には「初動対応のマニュアルでもよいので実効性のある計画を早急につくってほしい」と望んだ。20年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、環境面でもさまざまな情報を発信していく重要な年と位置付け、「環境面でも優れた大会だと言われるようにしたい」と述べた。

◇新春インタビュー プラスチックの処理円滑化へ
業界振興策も引き続き検討/PCB廃棄物の制度も改正
- 環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制課 課長 成田浩司氏 -
 2019年には、5月10日に閉幕したバーゼル条約第14回締約国会議(COP14)で「汚れたプラスチックごみ」を条約の規制対象とすることが決まった他、中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)の北九州PCB処理事業所でトランス・コンデンサ等の処理が完了するなど、変化を迎える年となった。一方でプラスチックの国内循環体制の確立や有害物質対応、産業廃棄物処理業界の振興等の対処するべき課題が残っている。これらの課題にどう対処していくのか、環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課の成田浩司課長に話を聞いた。

◇途上国等でチャンスが広がる
民間企業の調査・検討が進む/日本国内市場は縮小も
循環産業の海外展開

 産業廃棄物の排出量が将来的に減少すると予想されている中、日本国内でも業界再編の動きが起こりつつある。国内市場が縮小していく一方で、途上国・新興国を中心に廃棄物の管理が不十分な地域があり、日本の循環産業にとってはビジネスチャンスが広がっている。民間企業では、海外でのリサイクル・適正処理事業の実現化に向けて調査・検討が始まっていて、環境省や経済産業省でもそうした企業を支援するための事業を展開している。

◇廃ガラスを土木農業資材に
医療系の有害物を回収して安全処理/中国環境規制で生活ごみ分別も
海外で活躍する処理事業者

 世界に進出するリサイクル・廃棄物処理事業者が増えた。背景には、海洋プラの増大や環境汚染などグローバルな課題の山積がある。さまざまな視点で海外で活躍する処理事業者の動きを追ってみたい。

◇「SDGs」の視点が必要
ドローンが運ぶ再生発電燃料/会場内の電気を全量生み出す
万博会場のごみ処理は未来創造

 2020年の東京五輪の次は、25年の大阪関西万博が待ち受ける。5年後といっても今年が準備の最重要年と位置付けられる。大枠の提案は、今月中に迫った。前回の大阪万博は、1970年で50年前のこと。会場内では「月の石」に行列ができ、「太陽の塔」は、万博のシンボルとして今も生き続ける。万博会場では未来の生活を垣間見ることができた。2025年に開催する万博会場では、どのような廃棄物処理や循環資源、再生エネルギー活用の社会を構築しているのか「未来予想図」を見学してみたい。

◇増えるバイオマス発電に比例
市場は成長の途上/石炭灰の発生率11%
灰・ばいじん・鉱さい処理の最前線

 FIT制度による木質バイオマス発電施設は、2012年以降、87件になった。石炭による火力発電のフライアッシュは増加しており、セメント利用は、限界を迎えている。管理型処分場も全国で不足している。焼却灰(燃え殻)やばいじん、鉱さいといった焼却炉やボイラー、電炉や高炉、鋳物などから発生する産廃の処理費用は上昇している。

◇新しい価値観をビジネスに
“SDGsウォッシュ”陥らないために/成果の可視化に課題
SDGsとCEの進展

 2015年以降、新たなビジネスチャンスとして急速な拡大を見せる国連・持続可能な開発目標――SDGs。一般生活者での認知率が25%に迫る一方、中小企業での認知は約18%にとどまり、具体的な事業や経営計画にまで導入したケースはまだまだ少ないのが実状だ。また、G20サミットなどで議題となった資源効率性(RE)やサーキュラー・エコノミー(循環経済/CE)といった視点も登場している。ここでは、SDGsを中心に環境ビジネスの新たな視点について紹介する。

◇2020年末に全面禁輸へ
古紙の輸入は当面継続/雑品問題は小康状態に
中国輸入許可の動向

 資源循環分野で大きな関心を寄せられる中国の固体廃棄物の貿易規制。世界一の資源需要国として、これまで古紙、廃プラスチック、金属スクラップなどを積極的に輸入していた中国は2017年以降、環境保護を背景に強力な輸入規制を展開し、20年末には全面禁止を表明している状況だ。特に19年は、廃プラや雑品の排除、高品位金属スクラップの制限対象化など、規制が一気に進んだ。ここでは、中国政府が公示する固体廃棄物輸入許可リストをもとに、各資源の許可量の推移と規制の動向をまとめた。

◇「J―Brand」が商標登録
中国輸入ライセンスは昨年の6~7割/日本の古紙
 品質の高い古紙を「J-Brand」として認定する優良性評価事業。その名称が昨年11月、商標登録された。製紙原料である古紙を国内外の製紙メーカーに供給、資源循環型社会の構築に寄与する古紙業界にとって追い風といえる。一方、近年、輸出では中国の環境規制に振り回された。古紙問屋は国内の余剰古紙を赤字覚悟で海外に輸出、荷物の滞留は回避できたが、まだまだ楽観はできない。特に中国の2020年度の輸入ライセンスは昨年の6~7割とみられており、今年も中国の動向に振り回されそうだ。とはいえ、世界に誇る日本の古紙リサイクルシステムは持続可能な社会のシンボル的存在でもある。維持継続に向け、古紙問屋のみならず、製紙メーカー、行政、回収業者など関係者が一体となっての取り組みが重要となっている。

◇米中貿易協議が市況を翻弄
鉄輸出は新たなステージへ/非鉄在庫の減少が価格支え
鉄・非鉄金属市況年間動向

 2019年のリサイクル金属市況は、米中の貿易摩擦に端を発する世界経済の減速懸念に翻弄された。加えて、米国と中東諸国との関係性、欧州でくすぶるブレクジット問題なども影響し、低調に推移した。鉄ではトルコ情勢などを要因として世界的なスクラップ安環境が出現。非鉄では中国の景気減速観測が台頭し、米中協議の行方に市場が右往左往する結果となった。ここでは、19年内の鉄・非鉄それぞれの市況動向を取りまとめた。

◇ボトル to ボトルが増加
高品質フレークなど需要増/新材の価格安がネック
PETボトルリサイクル/東日本

 東日本、その中でも、関東エリアでの2019年のPETボトルリサイクルを振り返ると、“ボトル to ボトル”や“ボトル to トレー”を手掛けるリサイクル業者・メーカーがシェアを伸ばし、いわゆる事業系についても中国化繊企業と国内リサイクル企業の合弁企業が大規模工場を本格稼働させ、集荷競争が激化した1年だったと言える。一方、足元を見ると、PETのバージン原料(新材)の価格が安くなったことで、リサイクルPETを使う側にとっては悩ましい事態が一部に生じた。リサイクル企業にとっては、難しい舵取りが求められる。

◇関西進出メーカーが多数
プレス品からフレーク状に/アジア各国が受け皿に浮上
PETボトルリサイクル/西日本&輸出

 西日本のPETボトルのリサイクル回収は、受け皿が多岐にわたる。アジア各国への輸出や国内メーカーの原料利用、高品質の再生フレークもスタートした。日本のPETボトルの品質の良さと人気の裏付けとなっている。

◇27道府県1市/産廃税の使途
 産廃税は現在、全国27道府県と1市で導入されている。課税方式は大別して「事業者申告納付」「最終処分業者特別徴収」「最終処分業者課税」「焼却処理・最終処分業者特別徴収」の四つ。税収使途を中心に運用状況をまとめた。

1月13日号ダイジェストニュース
◇県最大級の再生砕石プラント竣工
利便性と環境配慮を両立/地域密着型企業として成長を
- 明盛宏産 -
 再生砕石や木くずのリサイクルを行う明盛宏産(群馬県太田市、山野井清朗社長)は、藪塚で行っていた再生砕石事業を、木くずのリサイクルを行っている太田リサイクルセンターに一本化し、1月20日から県内最大級となる再生砕石プラントの本稼働を開始する。

◇「対象外をわかりやすく」
ガイドライン策定、7月施行/レジ袋有料化の合同会議
- 中環審/産構審 -
 中央環境審議会レジ袋有料化検討小委員会と産業構造審議会レジ袋有料化検討ワーキンググループは昨年12月25日、東京都内で第4回合同会議を開き、「プラスチック製買物袋有料化ガイドライン」を明らかにした。11月6日から12月6日まで環境省と経済産業省が実施した「有料化のあり方について(案)」「(容器包装リサイクルに係る)判断基準省令(案)」に関するパブリックコメントの意見を反映する内容になっている。今回の合同会議で最後の審議となり、今後、環境省と経済産業省が詳細の検討や広報活動を進め、今年7月からレジ袋有料化が施行される。

◇簡易パネル解体機を開発
有価物を効率回収
- エヌ・ピー・シー -
 太陽光パネルの製造装置メーカーのエヌ・ピー・シー(東京・台東、伊藤雅文社長)は、太陽光パネルの循環ビジネス展開を加速する。従来のホットナイフ分離法を搭載したパネル解体装置に加えて、簡易型のパネル解体装置を開発。有価物の回収に特化した可搬型の装置で、オンサイト処理や災害対応のニーズを捉えていきたい考えだ。

◇堆肥、副産物の活用推進
改正法成立で品質確保へ
- 肥料取締法 -
 肥料取締法の一部を改正する法律案が昨年11月27日成立し、12月4日付で公布された。改正法では、堆肥などの特殊肥料を普通肥料と配合した肥料を届出で生産できる制度が新設されることから、今後、食品リサイクル肥料化事業への影響が注目される。

◇積み込み装置を導入
業務の効率化を促進
- メイコウ工業 -
 廃石膏ボードリサイクルを手掛けるメイコウ工業(愛知県みよし市、篠原秀則社長)は、新たに「ジェットパック積み込み装置」を導入した。固化材を素早くバラ車(ローリー車)に投入することができるようになり、業務の効率化を進める。

◇2020年度予算案は1兆円超
補正の総額は2839億円に
- 環境省 -
 環境省の2020年度当初予算案と19年度補正予算案が19年12月に固まった。当初予算案の総額は、19年度当初予算額の115%にあたる1兆174億円に上った。

◇廃プラ対応焼却炉2機種を開発
紙・木くず向けと同時発売
- DAITO -
 小型焼却炉の製造・販売を手掛けるDAITO(愛知県瀬戸市、井上滋樹社長)はこのほど、廃プラ対応の「ISRモデル」と「SPRモデル」、紙・木くず向けの「AGZRモデル」を同時発売した。前者の2機種は、高まる廃プラ処理へのニーズを受けてラインアップに加えた。3機種とも、初年度は20台の販売を目指す。

◇新春インタビュー 今年、業界誕生から50年の節目に
業界の振興推進で、地位向上へ
- (公社)全国産業資源循環連合会 会長 永井良一氏 -
 今年12月、産業廃棄物処理業を規制する廃掃法の制定から満50年を迎える。この節目に当たり、(公社)全国産業資源循環連合会は、次の半世紀を見据えた業界の振興方策をさらに推し進めていく方針だ。適正処理で培った技術と経験を生かし、資源やエネルギーを製造する「創り手」へと変革する流れの中、どのような取り組みを実行していくか、永井良一会長に聞いた。

◇新春インタビュー 6月に設立20周年、新たな一歩へ
地域や業種を越えた“交流”進む
- 全国産業資源循環連合会青年部協議会 会長 沖川学氏 -
 全国産業資源循環連合会青年部協議会は、この6月に設立20周年を迎える。業界を取り巻く状況が日々変化する中、次世代を担う若きリーダーたちへの期待はますます高まっている。第7代目の沖川学会長は、「交流」をテーマに掲げ、地域や業種を越えたネットワークを積極的に広げてきた。その取り組みにかける思いと、今後の青年部の在り方や展望を聞いた。

◇新春インタビュー 女性の活躍、さらに
国内全ブロックで「つどい」も開催
- 全国産業資源循環連合会 関東地域協議会 女性部会 部会長 二木玲子氏 -
 全国産業資源循環連合会における各都道府県協会では、現在9都県に女性部がある。そして女性部では毎年全産連の全国大会に合わせて「つどい」を開催し、各地域での意見交換や情報共有を進め、結束を高めてきた。女性の割合が低いと言われる廃棄物処理業界だが、女性の力を生かすには何が必要か、女性が活躍することでどう変わっていくのか、関東地域協議会女性部会部会長の二木玲子氏に話を聞いた。

◇廃棄物対策で独自方向性
塩素対策等で受入量上昇へ/災害廃棄物の処理にも積極協力
セメント産業の再資源化

 2017年末より起こっている、諸外国の廃プラスチック等輸入規制問題。これにより、国内で処理すべき廃プラスチックが大量に出回るようになった。その中でも品質にばらつきがあり、マテリアルリサイクルが不可能なものは熱エネルギー代替として各地で利用されている。資源の有効活用にはセメント製造工場も一役買っており、国内での再資源化・廃棄物処理体制を力強く支えている。

◇2020年に海外で開催される主な環境展示会
◇新春インタビュー 処理・リサイクルからさらに一歩を
タケエイ 代表取締役社長 阿部光男氏
 処理・リサイクル事業に加え、再生可能エネルギー事業なども手掛けており、総合環境企業として成長を続けるタケエイグループ。現在の事業内容と今後の展望について、昨年6月に新社長に就任した阿部光男氏に聞いた。

◇求められる解体由来への対策
課題残る木くず・建廃プラの行方/受け皿不足で受注控えも
建設廃棄物の現状と課題

 急増する自然災害や建築物の経年劣化、外国人旅行者の増加などの影響で、建物の解体・改修工事の需要が続く。それに伴い、建設・解体工事で建設廃棄物の発生量が増加する中、木くずやがれき類といった特定建設資材は全量リサイクルに近づきつつあるものの、廃石膏ボードや混合廃棄物については、なかなか難しい状況にある。その上、中国が廃プラ輸入制限を発して以降、国内の建廃プラの流れが激変。多くの建廃プラが滞留している。

◇混廃処理現場の今
IoTなどの機器で人手不足を補う/建設混合廃棄物の現状と課題
 老朽化の進む建物の解体や改修工事をはじめ、相次ぐ自然災害への対策など工事の影響で発生量が増え続けている建設廃棄物。解体・改修工事の需要が高止まりしている中、廃石膏ボードや建設混合廃棄物といった処理困難物の処理について多くの課題を抱える。特にふるい下残さへの対応は待ったなしだ。今後も、十数年以上にわたって解体需要が続くとされており、解体工事業者にとっては千載一遇のチャンスと言われる一方、廃材を受け入れる処理業者の確保が難しくなっている。また、排出・処理側の双方で人手不足が常態化しているなど、さまざまな課題を抱える。打開策として、政府は昨年4月に改正入国管理法を施行した他、AI(人工知能)を搭載した選別ラインや自動化した重機、ドローン(無人航空機)などを現場に導入。作業効率を上げる取り組みを試みている。今号では、建設混合廃棄物を取り巻く環境はじめ、市場規模などについて紹介する。

◇物性生かす用途開発や独自施工
産学連携の研究盛んに/廃瓦・規格外瓦のリサイクル動向
 全国で発生する廃瓦は、関連団体の推計によると、年間150万~200万トンに上る。その多くはリサイクルされておらず、最終処分場へ運ばれるケースが多い。細かく砕くことで砂利に代わる骨材として有効活用でき、路盤材に使用すれば舗装の隆起や構造物の倒壊防止を促すなど、産学連携による研究結果が出ている。保水・透水性に優れる他、さまざまな特性を持つため、2次製品の開発・普及が進めば、さらなる市場が期待される。

◇2030年頃に発生量ピーク
大気汚染改正で規制強化/アスベスト最前線 ~現状と展望~
 アスベストは、耐熱性や絶縁性、保温性に優れているという特徴から、建築資材はじめ工業材料などさまざまなものに利用されてきた。特に、高度経済成長期に建てた多くの建築物に吹付け材料を積極的に使用していた。その特徴から「奇跡の鉱物」とまで言われてきたアスベストだが、吸い込むことで悪性中皮腫やアスベスト肺などといった重篤な健康被害をもたらす。その中、2005年の「クボタショック」を皮切りに、恐れていた健康被害が顕在化し始めた。これまで、労働災害として認定を受けた人は2万人を超えた。

1月20日号ダイジェストニュース
◇自社廃材の内製化と新規受入
工業団地内に新施設竣工
- いずみ産業 -
 解体工事と廃棄物処理兼業のいずみ産業(宇都宮市、熊本範章社長)は、宇都宮市の平出工業団地内に産廃の破砕中間処理施設を竣工した。約5000坪の広大な敷地に屋内の設備群および鉄・非鉄スクラップの買取施設を設けたもので、収集車両の駐機場や放射線センサー付きトラックスケールなども、ゆとりあるレイアウトで設置している。

◇230件で前年度の2倍ペース
リチウムイオン電池対策急務/プラ容リ業者での発煙発火
- 日本容器包装リサイクル協会 -
 (公財)日本容器包装リサイクル協会によると、2019年12月末時点でのプラスチック容器包装の登録再生処理事業者での発煙・発火件数は230件となり、18年度通年の130件の約2倍のペースで発生していることが明らかになった。17年度は56件で近年激増しており、その背景には加熱式タバコ、モバイルバッテリー、掃除機のバッテリーなどリチウムイオン電池を内蔵した小型電気製品が家庭から排出されるプラスチック製容器包装に混ざるケースが増えていることが考えられている。

◇国内発生の約10万tに暗雲
日本製紙、日本製鉄が重要拠点停止/廃タイヤ動向
 日本製鉄広畑製鉄所(兵庫県姫路市)のタイヤガス化リサイクル施設は、年間約6万トンと国内でも多くの廃タイヤを処理してきた重要な拠点だったが、統合・再編成を区切りにして2020年3月末で廃タイヤの受け入れを終了する。14年から行ってきた製鉄事業競争力の強化を図った施策の狙いとして、「組織一体化による業務運営の効率化」が掲げられていた。

◇登録業者の減少止まらず
施設偏在は解消可能か?/飼料化参入に障壁も
食リ制度

 食品リサイクル法に基づく登録再生利用事業者制度で、国が公表している登録事業者数は昨年12月20日現在、163社で推移し、依然減少傾向にあることがわかった。アフリカ豚コレラの国内侵入リスク増加に伴い、最優先の再生利用手法である飼料化に係る新たな加熱処理基準が検討されるなど、食リ事業への参入障壁が高まることも危惧される状況で、再生利用施設の偏在という課題がいっそう浮き彫りになっている。

◇廃棄物と鉄・非鉄を精選
選別・破砕施設を開設
- 築館クリーンセンター -
 焼却処理が主力の築館クリーンセンター(宮城県栗原市、柏木裕社長)は、新たに同社再生砕石プラントの隣接地に、屋内式の選別・破砕施設を竣工。昨年12月18日付で宮城県から産廃処理業、同23日付で栗原市から一廃処理業の業許可を取得した。地域貢献の一環で、建廃など地元からの廃棄物を広く受け入れていく。

◇台風への対応状況を説明
災害廃のシンポジウムを開催
- 環境省 -
 環境省は1月14日、東京都内で「災害廃棄物対策に関するシンポジウム」を開催した。昨年発生した台風第15号・第19号の対応状況等が明らかとなった。

◇トップインタビュー 海外の売上比率が向上
発電効率向上等へ技術開発
- JFEエンジニアリング 取締役 専務執行役員 環境本部長 関口真澄氏に聞く -
 JFEエンジニアリングでは昨年、海外での廃棄物発電プラントの受注が好調で、環境本部としての海外の売上比率が向上した。技術開発の分野では、環境本部として開発センターを整備。発電効率の向上やプラント運営の自動化に向けた研究開発を進めている。国内・海外市場でどのように事業を進めていくのか、取締役専務執行役員環境本部長の関口真澄氏にその方向性について話を聞いた。

◇再生可能エネルギー活発化
FITに廃棄物由来の燃料/SDGsと震災廃対応にも
産廃処理業の新規ビジネス

 近年の産廃処理業者は、変革期を迎えている。今の処理業者の新規ビジネスがどこに向かっているのか。2030年までに国際社会が実現すべき17の開発目標を定めたSDGsは、世界の企業や投資家を巻き込んでいる。事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄う国際的な企業連合「RE100」に参加する企業は日本でも30社を超えた。再生可能な発電施設を産廃処理業の新規ビジネスの視点で探求してみたい。

◇新春インタビュー 循環経済ビジョンの策定進む
自主的な取り組みを後押し
- 経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課長 横手広樹氏 -
 国際社会では海洋プラスチックごみ問題が注目を集めるなかで、国内では廃プラスチック滞留問題が取り沙汰されている。そこに、小型家電等に含まれるリチウムイオンバッテリー(LiB)の発火問題が起こるなど、資源循環を巡るさまざまな課題が併発している状況だ。こうした中で、経済産業省はどのような方針を定め、実行していくのか。資源循環経済課長の横手広樹氏に話を聞いた。

◇新春インタビュー プラスチック国内循環を推進
資源循環戦略に沿って取組強化/被災家電なども極力リサイクル
- 環境省 環境再生・資源循環局総務課 リサイクル推進室長 冨安健一郎氏 -
 中国によるプラスチックくずや雑品スクラップの禁輸政策や海洋プラスチックごみが世界的な問題になる中、日本国内で廃プラスチックなどの処理・リサイクルをいかに進めていくのか。災害の頻発に対して、リサイクルはどのように進めるのか。環境省リサイクル推進室の冨安健一郎室長に話を聞いた。

◇新春インタビュー バイオマス活用推進計画は順調に進展
発電以外にも焦点を当てていく
- 農林水産省 食料産業局 バイオマス循環資源課長 片貝敏雄氏 -
 バイオマス活用推進基本法の策定から昨年で10年の節目を迎えた。この間、バイオマス事業化戦略(2012年9月)に基づき、農林水産省など関係7府省の連携で推進してきた「バイオマス産業都市」などの施策はどこまで進捗したのか。農林水産省バイオマス循環資源課長の片貝敏雄氏に話を聞いた。

◇国内発生量は年間643万t
国民運動として取組を本格化/2019年に削減推進法が施行
食品ロス対策を巡る動向

 まだ食べられるのにも関わらず廃棄される「食品ロス」削減に向けての機運が高まっている。国内においては2019年5月、満を持して「食品ロス削減推進法」が成立し、官民挙げての取り組みがより一層活発化した。法制度を中心に、近年の動向を整理したい。

◇バイオガス化事業が進展
優良業者認定制度が始動/食品リサイクル事例 東日本
 近年、飼料化や肥料化に向かない食品廃棄物のリサイクルの受け皿としてバイオガス化事業が進展。東日本では首都圏で新たに開設されたJバイオフードリサイクルのバイオガス化施設が順調に稼働、社会的ニーズの高まりを示した。一方、不正転売事案を教訓に業界内外の注目を集めた「食品リサイクル優良業者認定制度」が昨年始動。3社の優良業者が誕生している。

◇R事業の付加価値向上へ
地域や環境への貢献が鍵に/食品リサイクル事例 西日本
 SDGs推進などの機運が高まる中、企業の社会的責任や環境への取り組みが改めて注目されている。ここでは、「地域と環境への貢献」をテーマに各事業者が独自の視点で付加価値を生み出している事例を紹介する。

◇再生やセメント向けに活路
「何とかやりくり」からの脱出へ/新材プラ安値にどう対応するか
特集プラスチックリサイクル

 中国のプラスチックくず輸入禁止政策の本格施行から約2年が経った。この間、日本国内では東南アジアなどへの輸出シフトもあったが、「廃棄物」となった廃プラが再資源化先・処理処分先を探してさまよう事態になった。(一社)プラスチック循環利用協会の最新データである2018年の状況と、今年以降の展望を見てみよう。

◇グレードが良いものがほしい
再生からRPF、セメント、焼却まで/ペレット化は新材と競り合い
廃プラスチック処理・リサイクル 東日本

 中国によるプラスチックくずの禁輸政策が抜本的に強化されて約2年が経った。この間、日本国内の一部地域で廃プラが滞留する一方で、東南アジアなどへのプラスチックくず輸出シフト、中国などへの再生ペレット輸出の増加などの動きがあった。関係業者はグレードの高いプラくず・廃プラを求めているが、扱いが難しい廃プラの処理は依然厳しい状況が続いている。

◇容器や建設系など混合系が増加
アジア各国の協力で輸出量確保/バーゼル条約は21年1月開始
廃プラスチック処理・リサイクル 西日本&輸出

 年間900万トンの日本国内の廃プラは、西日本エリアでは、半分の数量が処理されている。西日本の港ではアジアが近いことから窓口として貿易を活発化する企業も多い。最近の廃プラ再生処理の傾向と設備投資、事例を紹介する。

◇容器包装8品目のリサイクル状況 3品目で2020年度目標達成
18年度活動実績を公開
- 3R推進団体連絡会 -
 2020年は容器包装リサイクル法の完全施行から20年の節目の年となる。現在でも家庭ごみの6割(容積比)は容器包装廃棄物が占めており、これは同法制定当時から変わっていない。各種の容器包装に係る関係団体はメーカーや自治体などと連携を密に取り、容器の軽量化(リデュース)や再資源化(リサイクル)を通じて、環境負荷の低減に努めている。

◇トップインタビュー
環境ビッグバンで魅力を次世代に/Fintechが実現する架け橋
- 新東京グループ 代表取締役社長 吉野勝秀氏 -
東日本で3拠点体制を整備/排出事業者の要望に応える
- 東武商事 代表取締役 小林増雄氏 -
乾燥・炭化装置を開発し半世紀/公害をなくしたいとの強い思い
- オカドラ 代表取締役社長 金井正夫氏 -
さらなる業務・作業効率を目指す/新技術を積極的に導入
- 高俊興業 代表取締役社長 高橋潤氏 -

◇都市部をはじめ、4カ所を訪問
市の活動やMRF施設を紹介/リサイクル・埋立処分が主に
米国視察レポート

 本紙では、2019年10月末から11月初頭にかけて米国4都市(ニューヨーク州、マサチューセッツ州、メリーランド州、ワシントンD.C.)を視察した。今回は米国屈指の大都市ニューヨーク市の清掃局とメリーランド州ボルチモア郡の中央受入施設でのそれぞれの取り組みを紹介していく。

◇他産業の3倍以上
産廃業の労災は増加傾向/廃棄物業界と労働災害
 平成の30年間を通じて、国内の労働災害は大きく減少した。昭和末期には死傷者21万人、死亡者2500人を数えたものが、近年はそれぞれ12万人、950人前後で推移している。1972年の労働安全衛生法施行からまもなく半世紀を迎え、労災も時代に応じて変化してきた。廃棄物業界では、(公社)全国産業資源循環連合会(全産連、永井良一会長)が音頭を取り、労災防止のためのさまざまな対策を講じている。

◇新春インタビュー 時代におけるリスクをチャンスに
「革新的な人づくり」に注力/ESG経営と働き方改革
- 大栄環境ホールディングス代表取締役社長 金子文雄氏 -
 同一資本24社と共同出資12社でネットワークを構築し、国内最大級の廃棄物処理・再資源化能力を保有する大栄環境ホールディングス(神戸市)は、2019年度から「第8次経営計画」をスタートした。国内外情勢の変化に対応すべく、ESG(環境・社会・ガバナンス)を意識した施策を打ち出し、23年度までに売上高1000億円、経常利益180億円、自己資本率65%の達成を目指す。その取り組みと人材づくりにかける思いを金子社長に聞いた。

1月27日号ダイジェストニュース
◇混合飲料容器を高度選別
日量30tの新ライン完成/最新鋭の各種選別機導入
- 彩源 -
 彩源(本社・埼玉県深谷市、武笠行男社長)ではこの度、同社リサイクル工場(埼玉県熊谷市)に混合飲料容器を高度選別する新たなラインが完成した。処理能力は1日(8時間)当たり30トンで、2016年から稼働している第1号ライン(1日当たり45トン)と合わせて、関東で有数の規模になる。搖動式選別機や光学選別機、PETボトルラベル剥離機などを備えており、ポリ袋と各種飲料容器を高精度で選別する。

◇情報交換会に約100人が参加
持続可能な衣服の生産と消費へ
- 繊維リサイクル技術研究会 -
 アパレル関連企業や故繊維業者、学識者などで構成する(一社)日本繊維機械学会・繊維リサイクル技術研究会(委員長・木村照夫京都工芸繊維大学名誉教授)は2019年12月11日、京都市の同大学内で、第135回情報交換会「繊維製品はいかに作られ、いかに処分されようとしているのか!」をテーマに開催した。100人以上が参加し、活発な議論を行った。

◇加熱式たばこRを開始
年内に全国展開目指す
- 日本たばこ協会など -
 (一社)日本たばこ協会、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)、日本たばこ産業(JT)は2月、共同で使用済み加熱式たばこのリサイクル事業を開始する。加熱式たばこ機器のうち、BATが販売する「glo」(グロー)、JTが販売する「Ploom」(プルーム)製品が対象。回収エリアは首都圏をはじめに、2020年内にも全国へ拡大する。

◇注目集める改正法
食リ肥料の品質安定化も/説明会に400人超が参加
肥料取締法

 肥料取締法の一部を改正する法律が昨年12月4日付で公布されたことを受けて、農林水産省は1月16日、肥料制度の見直しに関する説明会を東京都内で開催し、400人を超える関係者が集まった。説明では、制度見直しを行った背景の一つに、食品リサイクルによる肥料利用率が低く、活用の余地があることを明確にしており、食リ業者も当面は、改正法の施行に向けた詳細規定の動向から目が離せなくなりそうだ。

◇がれき破砕施設が本格稼働
試験稼働経て、受入開始
- 南部開発 -
 産業廃棄物の収集運搬や処理、建設土木工事などで実績を重ねる南部開発(高松市、杉田数博社長)は、解体や改修工事で発生するコンクリートがらの破砕機を導入、試験稼働を経て本格稼働に入った。

◇21年度までに搬入完了へ
来年度の事業方針を公表/中間貯蔵施設
 環境省は1月16日、2020年度の中間貯蔵施設事業の方針を公表した。21年度までに帰還困難区域を除いて県内に仮置きされている除去土壌等のおおむね搬入完了を目指す他、19年度と同量程度の中間貯蔵施設への輸送を実施していく。

◇28地域と災害時運用協定締結
災害廃処理に貢献
- ドローン撮影クリエイターズ協会 -
 ドローン撮影や操縦技術の向上、安全運航管理者の育成などを手掛ける(一社)ドローン撮影クリエイターズ協会(京都市、上原陽一代表理事)は、行政と「災害時等における無人航空機の運用に関する協定(災害時運用協定)」の締結を進める。

◇インタビュー 発電事業者の全国組織を創立
技術や課題共有し長期安定稼働へ/木質バイオマス利用の現状と今後
- バイオマス発電連携協議会会長 稲垣欣久氏 -
 FIT施行後、木質バイオマス発電所の建設が全国で相次ぐ中、未利用材を主燃料として活用する内地型の発電所が、運営における課題や改善点を情報共有するために集い、立ち上がったのが「バイオマス発電連携協議会」だ。現在、全国から約30社が参加している。立ち上げ時のメンバーの一人で、現在、協議会の会長を務め、岐阜バイオマスパワー(岐阜県瑞穂市)と共同で木質バイオマス発電事業を営むバイオマスエナジー東海(同市)常務取締役の稲垣欣久氏に、木質バイオマス利用の現状と今後について話を聞いた。

◇インタビュー 木質バイオマス利用の現状と今後
輸入材も含め広い視野で/エネルギーの質考慮し、高効率実現を
- 森のエネルギー研究所 代表取締役 大場龍夫氏 -
第4世代地域熱供給と日本の現状/世界が注目するデンマークの最新システム
- 環境エネルギー政策研究所 (ISEP)主席研究員 松原弘直氏 -

◇未利用材、剪定枝、林地残材、欧州製CHPなど
木質バイオマス利用の最新動向
 木質バイオマス利用が国内で進むほど、施設の数も多くなる。これらが燃料として山林の未利用材などを収集し、使用することで林業や地域経済の活性化、山林の管理を進めることができるが、燃料に適した材を求めて、競争が起こる。計画林が豊富で、林業家も多い地域なら問題ないが、そうではない地域も多い。また数多くの施設が稼働しているなか、それぞれ特徴的な集材や利用方法を行う事業者が出てきている。昨年本紙で紹介した数々の取り組みから、先進的な取り組みを振り返る。

◇投入チップの傾向と推移
62事業所の稼働状況/全国木質バイオマスボイラーアンケート
 2019年12月初頭、全国で木質バイオマスボイラー、もしくは同燃料を活用した火力発電所を運営する企業を対象にアンケートを実施した。1年以上の稼働実績を持つ168事業所へ解答を依頼したところ、62事業所から有効回答があった。今回で8度目の調査となっており、例年通り設置時期や稼働率、チップ使用量・由来別の割合、ボイラーメーカー、様式(熱利用・発電)、発電出力、FITを導入した事業者向けに制度の対象期間(20年間)終了後、事業を継続するかどうかを聞いた。
 チップ種別は、aを林地残材などの山林未利用材、bを製材廃材などの一般木質バイオマス、cを家屋解体材といったリサイクル材、dのその他は木質ペレットやPKSなどとし、区分けした。

◇全国で計画される木質バイオマス発電
木質バイオマス発電所マップ
 2012年7月、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)が施行されて以降、木質バイオマス発電施設が全国で立ち上がっている。山林未利用材とされる間伐材・林地残材にスポットが当たり、林業家や素材生産業者による原木の全幹集材やチップ化事業の動きが活発化。未利用材由来の木質チップ市場が生まれ、発電所を軸に全国で流通するようになった。また、多くの木くず処理業者の生木チップ加工業参入を促している。
 ここでは、全国各地で計画される発電事業(石炭混焼や非FIT電源含む)をマップ化・一覧化し、どの地域でどれほどの規模の発電計画が進んでいるのかを紹介する。

◇ベトナム産がカナダ産を上回る
海外産増加続き、なお増加へ/輸入ペレットの動向と問題点
 現在国内では非常に多くの木質ペレットが使用されている。その大半は外国産の木質ペレットだ。海外産の方が国産より輸送コストもかかり、品質も劣るのではないか、そう考える人も多いだろう。しかし、現実はそうではなく、海外産のペレットの方が国産よりも工業的に使用されているケースが多く、日本での国産ペレットの使用量は驚くほど少ない。
 実際の輸入量、そして日本での使用状況について、輸入貿易統計や林野庁公表のデータから読み解く。

◇年12万tの木質ペレットを生産
日本のFIT発電所/向けに工場建設
ベトナム視察レポート

 2019年11月7~10日、日通旅行が企画・実施した「ベトナム木質ペレット製造を中心とした最新再生処理調査」に参加し、ベトナムの現地法人「TAN KY サービス&貿易」(クアンチ省、ボー・スヮン・ダン社長)が建設した木質ペレット工場を視察した。

◇常態化する台風・大雨
必要となる平時の警戒/処理・復旧作業が長期に
東日本の災害廃棄物処理

 近年、台風や大雨、地震による大規模災害が常態化しつつある。東日本では昨年、9月と10月に台風第15号と台風第19号がそれぞれ大きな被害をもたらした。大規模な停電や浸水被害によって人的被害や建物被害が拡大している。それに伴う災害廃棄物処理や復旧作業は長期的に実施されることとなり、今後さらなる災害の発生も含めて警戒が必要な状況にある。

◇西日本の災害廃棄物処理
地震や豪雨の発生が毎年続く/円滑な処理体制構築が急務に
 西日本では、2016年4月の熊本地震以降、17年7月の九州北部豪雨、18年6月の大阪北部地震、同7月の西日本豪雨、19年8月の佐賀県を中心に被害をもたらした大雨など、大規模な自然災害に連続して見舞われてきた。ここでは、計200万トンもの災害廃棄物が発生した西日本豪雨の被災地の処理進捗の他、九州北部大雨での状況についてまとめた。

◇全国の新たな策定状況を総覧
民間事業者との連携が重要に/自治体の災害廃棄物処理計画
 近年、地震や大雨による大規模災害が頻発する中、復旧・復興の第一歩である災害廃棄物の処理対策の重要性はますます高まっている。県を越えた協力体制の構築や廃棄物処理事業者など民間の力を生かすためには、平時からの連携が肝要だ。その指針となる自治体の計画のうち、昨年新たに策定された各県・政令指定都市の概要をピックアップした。

◇製紙業界の減産影響続く
ボイラー延命化傾向で利用量均一/有事を想定した事前の報告も
転がる廃タイヤ 新春2020

 国内では数多くの自動車が走り回っている。消費者の移動だけでなく産業間での陸送を支えるタイヤは、使用期限を迎えて排出されると再使用可能なものはリユース用途で取引され、それができないものは処理費用をかけてリサイクルされる。昨今では90%以上の廃タイヤが有効利用されており、加工して作るタイヤチップや切断品として燃料利用されることが多い。そんな廃タイヤを取り巻く環境にある変化が起こっている。

◇トップインタビュー
Webマーケティングで新たな顧客を開拓する/情報廃棄物処理に特化
- 竹下産業 代表取締役 竹下敏史氏 -
圧縮機一筋で業界に貢献/現場で生きる装置開発に邁進
- 渡辺機工 取締役会長 渡辺善政氏 -
第4期処分場が開設、次は中間処理/地域共生も重要な事業テーマ
- 仙台環境開発 代表取締役社長 櫻井慶氏 -
業界一の小型・中型のあき缶圧縮機/作業者の体の負担を軽減すべく開発
- 油圧綜合 代表取締役 武藤透氏 -

◇適正処理の社会的要請高まる
PCB処理は次のステージへ/情勢変化で新たな課題も
処理困難物の最新動向

 近年、産業の高度化や社会構造の変化などを受けて、次々と課題となる処理品目が現れている。処理期限が迫るPCB廃棄物をはじめ、雑品スクラップに代わって問題化したリチウムイオン電池などの小型二次電池、廃棄物処理法の改正で扱いが厳格化した水銀廃棄物など――。ここでは、それら処理困難物の最近の動向について紹介する。

◇循環ビジネスへの関心高く
リユース・リサイクルを両輪に/大量廃棄に向けた備えを
太陽光パネル循環の進展

 使用済み太陽光パネルの循環利用の取り組みは、急速に進みつつある。処理技術を確立した事業者が全国にネットワークを拡大し、ビジネス化の気運が高まっている状況だ。一方、昨年は台風による洪水と浸水被害でパネルの大量廃棄が問題となった側面もあり、処理システムの確立は社会的なニーズでもある。こうしたなかで、太陽光パネルの循環ビジネス事業化に向けた取り組みを紹介する。

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