循環経済新聞・バックナンバー“2021年1月度”

1月1日・4日合併号ダイジェストニュース
◇資源循環の転換、待ったなし
コロナ禍への対応さまざま/改正バーゼル発効で体制再編か
 廃プラスチック分野でのバーゼル条約附属書改正の発効(バーゼル法省令改正の施行)や中国への古紙輸出停止、廃タイヤの国内資源循環のピンチなどの一方で、コロナ禍もあり、木くずなどの産業廃棄物や飲食系などの事業系一般廃棄物、プラスチックくずなど一部の再生資源が減少するという近年まれにみる変革期を迎えている。
 個々の廃棄物や再生資源によって「排出量が多くて捌けない」と「排出量が少なくて苦戦している」というまだら模様の体をなしており、一様の対策はない状況だが、資源循環事業や処理事業での新たなビジネスの舵取りが必要なことに違いはない。ピンチをしのいで、チャンスをつくろう!

◇新春インタビュー 新目標、カーボンニュートラル
- 環境省 環境再生・資源循環局 局長 森山誠二氏 -
 廃棄物行政にとって、2020年は新型コロナウイルス感染症にかかる廃棄物対策に始まり、プラスチック資源循環戦略を踏まえた具体的な議論がスタート。菅総理の「2020年カーボンニュートラル宣言」で地球温暖化対策を重視した施策の方向性など話題の多い年となった。一方、福島第一原発事故と福島復興事業の開始から丸10年という節目も迎える21年に環境省はどのような施策で臨むのか。昨年7月に環境再生・資源循環局長に就任した森山誠二氏に話を聞いた。

◇新春インタビュー 新型コロナウイルスに対応
- 環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制課 課長 神谷洋一氏 -
 2020年は、新型コロナウイルス感染症という未知の脅威への対応を求められる年となった。21年1月のバーゼル条約改正附属書の発効に備えた「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準」の策定やPCB廃棄物の着実な処理などが進展した一方で、有害廃棄物の処理や産業廃棄物処理業の振興、カーボンニュートラルやデジタルガバメントの実現などの残された課題も多い。こうした課題への対応・考え方について環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課の神谷洋一課長に話を聞いた。

◇新春インタビュー 次の半世紀へ新たなスタート
一致団結して振興法案成立目指す
- (公社)全国産業資源 循環連合会 会長 永井良一氏 -
 産業廃棄物処理業界の誕生から満50年が経過し、今年は次の半世紀に向けて新たなスタートを切る。(公社)全国産業資源循環連合会は、振興法案の重要性をさらに強く訴えていくとともに、低炭素化や人材育成、労働災害防止、災害廃棄物処理における取り組みを加速。社会の期待に応える資源循環の担い手として、業界の認知度向上を目指す。永井良一会長に、これまでの活動の進捗と今年の展望を聞いた。

◇新春インタビュー 20周年の先を目指し、“絆”深化へ
コロナ禍にオンライン交流を展開/柔軟な発想で新時代を切り開く
- 全国産業資源循環連合会青年部協議会 会長 大前慶幸氏 -
 全国産業資源循環連合会青年部協議会は、昨年6月に設立20周年を迎えた。この大きな節目で第8代会長に就任した大前慶幸氏は、活動のテーマとして「絆」を掲げ、さらに30周年、40周年へと、先を見据えた会員相互のネットワークの深化を目指す。コロナ禍においても、オンラインツールを駆使し、積極的な交流を展開。柔軟な発想と行動力で、新たな時代を切り開いている。その取り組みの進捗や今後の目標について聞いた。

◇世界視線で持続可能な社会構築
JICA認定のパートナー/バッテリーや医療廃棄物など
産廃処理のSDGs

 国際協力機構(JICA)は、日本政府(SDGs推進本部)が決定する実施指針やアクションプランの進展のため「JICA―SDGsパートナー」制度を創設。SDGs推進に取り組む団体で、要件に合致し、希望する団体を「JICA―SDGsパートナー」と認定した。
 産廃処理業界からも愛知県の加山興業と大阪府の浜田が認定された。両社とも日本の廃バッテリーの循環システムや医療系廃棄物処理という専門的な技術やノウハウを現地で使えるようにして、高評価を受けた。両社の取り組みから紹介してみたい。

◇新興国での実証事業が進む
民間企業が参入を検討/コロナの影響で先行不透明も
循環産業の海外展開

 近年、日本国内での産業廃棄物排出量減少や業界再編の進行などを受けて、途上国や新興国で新たなビジネスチャンスを模索する動きが活発となりつつあった。多くの企業が海外でのリサイクル・適正処理事業の実現化に向けた実証事業を展開してきたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で世界各国での経済活動が停滞しているため、その先行きが不透明になりつつある。

◇競争力の強化を鮮明に
持続可能な製品政策に力点/気候中立性と資源効率性もカギに
EU・CE新行動計画を考える

 欧州政府(EU)は2020年3月、新たにサーキュラー・エコノミー(CE)行動計画を公表した。15年12月に出した行動計画を改善したもので、ここ数年の議論の進展を踏まえ、より具体的な指針を打ち出しただけでなく、EUがCEに関する国際的な枠組み作りをリードする狙いもあると見られる。その一方、日本におけるCEへの関心は、基本的な考え方を知りたいという声もあれば、すでにビジネス化に向けて走り出した事例もあるなど、共通した認識が無い状態と言っても過言ではない。ここでは、EUにおけるCEの基本的な考え方と変遷、そしてEUの新行動計画と日本での先行事例について紹介する。

◇固体廃の輸入全面禁止へ
非鉄スクラップは新制度に/国内回収へシフト進む
中国輸入許可の動向

 中国の固体廃棄物輸入が、ついに全面禁止を迎えた。2020年末をもって固体廃棄物の輸入許可制度は廃止となり、ライセンス発行も停止。今年から中国は再生原料としての輸入か、もしくは他国へ迂回・原料化したうえでの輸入のみを認める形となった。ここでは、最後にライセンス対象品目となった古紙、鉄スクラップ、非鉄スクラップについて、中国政府が公示した固形廃棄物輸入許可リストをもとに、各資源の許可量の推移と規制の動向を振り返る。

◇コロナ禍が変えた金属市場
鉄輸出はベトナム主体に/思惑に翻弄された非鉄相場
鉄・非鉄金属市況年間動向

 2020年のリサイクル金属市況は、何と言っても新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大(パンデミック)によって、大きくかき乱された。都市封鎖(ロックダウン)や活動自粛など、感染症対策によって産業・経済活動の停滞を余儀なくされ、各金属市況は例年と全くかけ離れた動きを呈した。鉄スクラップでは貿易制限と日本国内の発生減が価格を押し上げ、非鉄では経済活動の停滞による下落とファンド筋の思惑による高騰が価格を形成する結果に。ここでは、20年内の鉄・非鉄それぞれの市況動向を取りまとめた。

◇“ボトル to ボトル”が台頭
高度なリサイクル工場揃い踏み
PETボトルリサイクル/全国動向・東日本

 PETボトルのリサイクル事業が転換期を迎えている。コロナ禍による再生原料需要減少や新材PET樹脂価格安、バーゼル法省令改正による輸出規制強化などでリサイクル業界を取り巻く環境が大きく変化する一方で、“ボトル to ボトル”や“ボトル to トレー”を手掛けるリサイクル事業者が着実に地歩を固めている。全国の動向と、東日本の状況をまとめてみた。

◇関西進出、再生メーカー多数
ボトル・シート再生大波来襲/コロナ禍で貿易不透明さ残る
PETボトルリサイクル/西日本&輸出

 西日本のPETボトルの回収とリサイクルに異変の兆しがある。昨年までは、輸出も含めて受け皿は、繊維やトレーが中心だったが、「ボトル to ボトル」の大波が押し寄せてきた。国内利用は、純度の高いフレークが確実にできた。激動の西日本と輸出動向を見てみたい。

◇コロナ禍で乱気流の貿易
国内回収が停止する自治体も/中国古紙輸出がゼロ事態
古紙と古着の海外動向

 2020年から21年にかけて、コロナ禍は世界の国々を巻き込んでいる。無関係でいられる国や産業はない。古紙や古着も例外ではなく、特に輸出は乱気流に突入していた。古着の輸出先最大のマレーシアは、コロナ禍で人や物流が動かずに、一時輸入が止まり、日本の古着回収の自治体が7割も回収を停止した。古紙は、価格が動きすぎて疲弊した古紙問屋も多かった。中国が古紙輸入を止める21年1月が来た。どうなるのか探求してみたい。

◇燃料需要の低下止まらず
年間10万t以上が行き先探す/ORは最悪の場合、埋立処分へ
転がる廃タイヤ/新春2021

 自動車が走るにはタイヤが不可欠だが、重量な車体を支える強度を持つそれは使用後には廃棄物処理法が定める「適正処理困難物」となる。その再資源化方法として、マテリアルリサイクル向けのゴムチップや弾性舗装材、サーマルリサイクル向けのタイヤチップ・カットタイヤとして利用されるのが主流だ。その廃タイヤをめぐるサーマルリサイクル状況に大きな変化が起こっている。

◇高齢化社会の問題解決へ
実証事業や装置開発進む/紙おむつリサイクルの進捗
 環境省のデータによると、国内での紙おむつの生産量は、2018年で合計約235億枚(乳幼児用151億枚、大人用84億枚)に上る。高齢化が進む中、介護向け紙おむつの消費量は、今後も増大が見込まれる。使用済みの紙おむつは現在、市区町村が焼却・埋立処分するケースが多く、リサイクル体制の構築が急務となっている。ここでは、その現状と、実証事業や装置開発を通じて社会課題の解決に挑戦している事例を紹介する。

1月11日号ダイジェストニュース
◇竹迫工場リニューアル完了
新社屋も落成
- 星山商店 -
 金属スクラップや建造物の解体工事、産廃収集・中間処理で実績のある星山商店(熊本市北区、星山一憲社長)は、本社社屋新築工事と、熊本県合志市の竹迫(たかば)工場の増築工事が完了した。

◇全国のボランティア集まる
プラスチックリサイクルでセミナー/海洋プラの製品化も実演
 プラスチックリサイクルプロデュースと関連機器販売などを手掛けるMSC(本社・仙台市、麦谷貴司社長)は2020年12月12日、仙台市などでリサイクルに関する公開セミナーと現場見学会を行い、全国から約20人の若い環境保全ボランティアが参加した。海洋プラスチックごみ問題やプラスチックくずの輸出規制強化など社会的な関心が集まる中、リサイクルの知識を学び、SNSなどを通じて見分を広めてもらうことが目的。麦谷社長は、「私自身も環境保護を支援する活動に取り組んでいる。プラスチックそのものが悪いのではなく、その使い方やモラルが問題だ。正しいリサイクルには大きな可能性があることを感じてほしい」と述べた。

◇リサイクルセンターが本格稼働
テント5棟でリユース循環/輸出コンテナ積込設備も完成
- トライシクル -
 サイクラーズグループのトライシクル(本社:東京・品川、福田隆社長)はこのたび、千葉県富津市の「ReSACO リサイクルセンター」で、テント5棟とコンテナの積み込み設備を完成させた。立ち上げ時点で予定していた機能が全てそろい、同施設は本格稼働を開始。昨年12月には商品の海外輸出も開始し、広域的なリユース・リサイクルによる持続可能な資源循環の実現に貢献する。

◇高純度燃料の製造を開始
経産省の補助事業に採択
- ビルド商事 -
 一般・産業廃棄物の収集運搬・中間処理や廃食油再生事業(バイオディーゼル燃料製造)を展開するビルド商事(福島県西郷村)は、経済産業省の2018年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助事業」の採択を受けて、高純度バイオディーゼル燃料の製造を開始した。

◇プラットホーム式で安全性に配慮
がれき類破砕施設を新設
- 井上工業 -
 解体工事と建設リサイクルの井上工業(山形県寒河江市、井上尚会長・佐々木勝則社長)は、寒河江市の松川山事業所内にがれき類の破砕・再生砕石製造プラントを新設した。1日8時間稼働で日量760トン(1時間当たり95トン)の処理能力を有する。

◇愛知県初「体験の機会の場」認定
ごみ再生過程や養蜂場見学
- 加山興業 -
 加山興業(愛知県豊川市、加山順一郎社長)の二つの施設は、環境省が推奨する「体験の機会の場」として、昨年12月1日に認定された。全国24カ所となったが愛知県の認定は初めてとなる。

◇新製品5機種を顧客に紹介
開発中の機械も披露
- 諸岡 -
 諸岡(茨城県龍ケ崎市、諸岡正美社長)は昨年12月7~11日に実施した新製品発表会で、クルクルキャリアシリーズ(全旋回式キャリア)の「MST-4000VDR」「MST-3000VDR」「MST-700VDR」、林業・環境向け機器の「MRC-3000」「MST-1500VDL」を顧客向けに紹介した。発表会では現在研究開発中のバッテリー式小型不整地運搬車「MST-200VDR-e」も披露している。

◇プラくずの輸出規制強化
バーゼル法省令改正が施行
- プラスチックの国際資源循環 -
 「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分に関するバーゼル条約」(以下、「バーゼル条約」)の附属書の一部改正の発効に伴い、日本の国内法である「特定有害廃棄物等の輸出入等に規制に関する法律」(以下、「バーゼル法」)の省令改正が今年1月1日から施行された。プラスチック(プラスチックくず)の国際資源循環が変わるとともに、日本の国内資源循環も変わる兆しがある。バーゼル条約附属書改正と日本のバーゼル法省令改正、プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準をあらためて振り返ってみる。

◇プラを包括的にリサイクル
中環審・産構審の「あり方」を読み解く/現行制度の見直しも必要か
廃プラスチックを巡る動向/中環審・産構審合同会議

 2019年5月に国が策定した「プラスチック資源循環戦略」は非常に野心的な目標を掲げた。これを実行に移すため、中央環境審議会と産業構造審議会は合同会議を重ね、昨年11月に「今後のプラスチック資源循環政策のあり方について(案)」(以下、「あり方(案)」)を公表し、パブリックコメントにかけている(12月中旬現在)。この「あり方(案)」を現状に照らしながら読み解いてみた。

◇輸出規制と樹脂安、コロナ禍
発生量減少、業界はまだら模様/再資源化・処分の総合力試される
廃プラスチックを巡る動向/東日本

 2017年末を期限とした中国によるプラスチックくず輸入規制の抜本的な強化で、東日本でも多量発生地域を中心に廃プラスチックが大量に滞留したことは記憶に新しいが、直近では20年初来のコロナ禍の影響で廃プラスチックの発生量が急に減少した。マテリアルリサイクル(材料リサイクル)とケミカルリサイクル、RPFやセメント原燃料化、焼却エネルギー回収などを手掛けるそれぞれの業者が高品質のプラスチックくず・廃プラスチックを求めて競り合うとともに、再資源化が難しかった廃プラスチックをリサイクルしようという動きも出てきた。年初からはバーゼル法改正省令の施行で輸出規制も強化される。関係業界はまだら模様だ。

◇新しい枠組みは民間活用を重視
海洋プラ減らす陸上回収の徹底/RPFや発電利用も認知される
廃プラスチックを巡る動向/輸出&西日本

 年間900万トンの日本国内の廃プラは、数年前まで160万トンが輸出でマテリアル利用していた。今年は、バーゼル法改正で最高時の半分になると推定される。西日本エリアでも輸出が困難になり、日本の原料化が増えた。西日本の港ではアジアが近く、貿易を活発にしていた企業も多いため対応に苦慮するケースも。最近の廃プラを巡る動向を海外と輸出の視点で探求してみたい。

◇産廃税の使途/27道府県1市
 産廃税は現在、全国27道府県と1市で導入されている。課税方式は大別して「事業者申告納付」「最終処分業者特別徴収」「最終処分業者課税」「焼却処理・最終処分業者特別徴収」の四つ。税収使途を中心に運用状況をまとめた。

◇今年3月11日で発生から10年
福島県で廃棄物処理が続く/復旧・復興の作業も進む
東日本大震災を振り返る

 2011年3月11日に発生した東日本大震災。13都道県で死者1万9729人・行方不明者2559人(出典=消防庁)の未曾有の被害をもたらした災害から今年3月11日で10年が経過することになる。特に被害の大きかった岩手県・宮城県・福島県のうち、岩手県・宮城県では災害廃棄物の処理が終了し、福島県では一部で廃棄物処理が続いているものの復興・復旧作業が同時に進展している。

◇熊本県内の発生推計量は37万tに
全国初の試みで迅速な処理進む/令和2年7月豪雨の災害廃対応
 九州を中心に記録的な大雨をもらたした「令和2年7月豪雨」の発災から半年が経つ。特に深刻な被害を受けた熊本県では現在、災害廃棄物の発生量を約37万トンと推計し、2021年末の完了を目標に処理を進めているところだ。被災地で行われた仮置き場の渋滞解消対策や自衛隊等と連携した大型ごみの集中回収といった新たな試みは、全国で大規模な自然災害が頻発する中、今後のモデルとなる事例として大きな注目を集めている。

◇全国の災害廃処理計画策定状況
 環境省の調べによると、2020年3月末時点で処理計画を作っている自治体は、全国の都道府県で47のうち46(98%)、市町村は1741のうち889(51%)だった。市町村では、人口が1万人未満の自治体は3割、1万人以上3万人未満で5割にとどまっており、小規模な市町村で計画作りの遅れが目立つ。

◇新規施設の竣工・計画が相次ぐ
新型コロナウイルスで状況が変化/経営への影響を懸念する声も
東日本の焼却・埋立事業

 東日本の焼却・埋立事業は近年、中国や東南アジア諸国での使用済みプラスチック輸入制限(停止)を受けて各施設への搬入量が増加していた。新規施設の竣工・計画も相次ぐなど活況を呈していたが、2020年に入り新型コロナウイルス感染症が拡大した影響でその状況は変化しつつある。経済活動の停滞による産業廃棄物排出量の減少等が懸念されており、各事業者の経営への影響について注目が集まっている。

◇産業構造で発生は異なる
東高西低も条件厳しい公共関与/増加も単価上がらない品目も
最終処分場の受入費上昇と今後

 最終処分場の受入単価が上昇している。埋立処理の開設が困難なこと。石綿の処理費は高騰したが、他にも廃プラ類がバーゼル法改正で輸出が難しくなり、木質バイオマス発電の稼働で、ばいじん・燃え殻といったアッシュ(灰)系の発生量も増えた。現状から見通しを探る。

◇年間150万tの灰系産廃の誕生
3品目合計「5162億円」市場/灰・ばいじん・鉱さい処理の最前線
 FITによる木質バイオマス発電施設は、2012年7月から第1号が始まり、20年末には99件になった。最近の傾向は、大型化していることでPKS(パームやし殻)や木質ペレットといった海外材を燃料にした石炭混焼が増えた。アッシュ(灰)系の産廃は、管理型埋立の品目でもあり、全国で処分所は不足している。焼却灰(燃え殻)やばいじん、鉱さいといった焼却炉やボイラー、電炉や高炉、鋳物などから発生する産廃の処理費用は上昇している。

1月18日号ダイジェストニュース
◇RPF製造が追加決定
環境・リサイクル部門では業界初/外国人技能実習制度の認定職種
 (一社)日本RPF工業会(東京・千代田、長田和志会長)は2019年からRPF製造職種を外国人技能実習制度に追加する申請作業を進めてきたが、1月8日付で職種追加の省令改定が行われ、同時に「技能実習評価試験実施機関」として同工業会が認定された。同工業会では、「申請にあたっては、環境省と経済産業省の全面的な支援を受けることができた。廃棄物関係の職種では初めての職種追加であり、日本が誇る環境意識、廃棄物処理技術が、一貫した製造基準、生産工程として規格化され、公に認可されたことは業界の新しい歴史を開いたと言っても過言ではない」と述べている。

◇有効利用率85%
一般系増加、産業系減少/2019年のマテリアルフロー
- プラスチック循環利用協会 -
 (一社)プラスチック循環利用協会(東京・中央)はこの度、2019年のプラスチックのマテリアルフローを公表し、廃プラスチックの排出量は一般系廃棄物が412万トン(対前年比7万トン増、1.7%増)、産業系廃棄物が438万トン(同18万トン減、4.0%減)の合計850万トン(同11万トン減、1.3%減)だったことを明らかにした。マテリアルリサイクルとケミカルリサイクル、サーマルリサイクルを合わせた有効利用量は726万トン(同5万トン増、0.7%増)で、有効利用率は85%(対前年比2ポイント増)だった。

◇都市鉱山でメダル制作
パラスポーツ大会に
- 三重県 -
 三重県は、「三重とこわか大会(第21回全国障害者スポーツ大会)」の入賞メダルを都市鉱山から回収したリサイクル金属で制作する取り組みについて、使用済み小型家電6131台(昨年10月末時点)を回収した。目標の5000台を大きく上回る結果となった。いわゆる“都市鉱山メダル”を、全国障害者スポーツ大会で制作・授与するのは初めての試みとなる。

◇4町村を新たに選定
北海道・秋田・三重で構想/バイオマス産業都市
 農水省など関係7府省は昨年12月23日、バイオマス産業都市として2020年度に4町村を新たに選定したと発表した。7府省が共同でバイオマス産業都市の選定を開始した13年度からの累計は、20年度分を加え94市町村となった。

◇全国初プラント8月完成
石膏粉を固化材に/二水石膏を調達
- 田中建設 -
 建設発生土のリサイクルや土質改良など土に関する総合事業を手掛ける田中建設(石川県能美市、田中均社長)は、石膏粉を主原料とした固化材の製造プラントを新設する。メーカーは日工。石膏再生協同組合の会員(中間処理業者)から二水石膏を調達し、ロータリーキルンで加熱(100~180度C)して半水石膏にした原料と浄水汚泥を混ぜ、石灰系およびセメント系の固化材を生産する全国初の施設だ。今年4月にプラントを着工し、8月の完成を目指す。

◇ISO9001認証取得で品質向上へ
処理業から製造業への転換図る
- リライフ -
 中特グループのリライフ(山口県周南市、橋本ふくみ社長)は、下松リサイクル工場(同県下松市)で、品質管理の国際規格「ISO9001」を取得した。産廃業界での取得は県内で2社目となり、ISO14001(環境)・45001(労働安全)と併せて取得している企業は全国でも珍しい。「処理業から製造業への転換」を目指し、さらなる品質向上につなげていく考えだ。

◇火災・爆発対策で注目集まる
粉体供給装置と消火ボール
- カルテックス -
 カルテックス(東京・台東、平塚勝朗社長)が展開する炭酸カルシウム供給装置「カルフィーダー」と「初期消火救命ボール」は、火災・爆発対策として各業界からの注目を集めている。

◇大規模事案は年々減少
行政代執行の事案は毎年発生/支障除去支援の仕組が決まる
不法投棄・不適正処理の現状

 近年減少傾向にある不法投棄・不適正処理事案。過去に発生した青森・岩手県境不法投棄事案のような処理・原状回復に10年以上を費やす事件は珍しくなった。一方で、件数は少ないものの行政代執行に至るような事案は毎年のように発生している。それらを支援する仕組みについては「令和2年度支障除去等に対する支援に関する検討会」として、昨年数回にわたって見直しの議論が行われ、報告書が取りまとめられている。

◇新春インタビュー 循環経済ビジョン2020を策定
時代に合わせた意識改革を促進
- 経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課長 横手広樹氏 -
 廃プラスチック類をはじめとして、さまざまな廃棄物の動向に大きな変化が起こっている。この状況には廃棄物処理業者や再資源化事業者の取り組みだけでは対応できず、業界の垣根を越えた施策が必要となる。国内の資源循環の様相が変わりゆく潮流の中で、経済産業省は資源循環に関してどのような視点で方針を定め、実行していくのか。産業技術環境局 資源循環経済課長の横手広樹氏に話を聞いた。

◇新春インタビュー プラスチック資源循環を進める
新法制度視野に具体的な施策/設備支援も抜本的に強化
- 環境省 環境再生・資源循環局 総務課リサイクル推進室長 平尾禎秀氏 -
 国は2019年に「プラスチック循環戦略」を決定し、新たな施策の具体化のために中央環境審議会と産業構造審議会による合同会議を重ねて、昨年11月に「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」を取りまとめた。海洋プラスチックごみ問題や海外に輸出されるプラスチックくずの一部が環境汚染を引き起こすなど、プラスチック廃棄物が世界的な課題になっている中、日本はどのような資源循環を進めていくのか。環境省リサイクル推進室の平尾禎秀室長に話を聞いた(インタビュー内容は20年12月初旬現在のもの)

◇新春インタビュー バイオマス活用で農村活性化へ
エネルギーの地産地消促す
- 農林水産省 食料産業局 バイオマス循環資源課長 清水浩太郎氏 -
 世界中がコロナ禍に見舞われる中、新内閣による「2050年カーボンニュートラル宣言」もなされた2020年、再生可能エネルギーの一翼を担うバイオマスの活用はどこまで進んだのか。昨年8月に農林水産省バイオマス循環資源課長に着任した清水浩太郎氏に、バイオマス産業都市を中心とした関連施策について話を聞いた。

◇オンサイト処理に関心高まる
ホテルや農場で活躍
生ごみ処理機/排出現場での導入事例

 企業努力として環境への取り組みが不可欠となる中、廃棄物のオンサイト処理への関心が高まっている。ここでは、ホテルや農場で発生する生ごみ・残さを、それぞれ特徴のある生ごみ処理機を活用して処理し、コストや作業環境などの課題解決につなげている事例を紹介する。

◇竣工相次ぐバイオガス施設
首都圏にも複数の大型受け皿
食品リサイクル動向/東日本

 コロナ禍に見舞われた2020年、外食産業系の食品残さが激減し、食品リサイクル業界にも影響を及ぼす一方で、東日本では首都圏を中心に新たなバイオガス化施設の竣工が相次いだ。飼肥料化施設に次ぐ食品リサイクルの受け皿として、バイオガス化施設の存在感が年々高まっている。

◇R事業の付加価値向上へ
バイオガスや和牛生産が進展
食品リサイクル動向/西日本

 循環型社会の構築には、食品リサイクル事業の進展が不可欠とされる。ここでは、事業者が「地域や環境への貢献」を軸にバイオガス化や、エコフィードを使用したブランド和牛生産を手掛け、付加価値を生み出している事例を紹介する。

◇新計画、「質」を重視する流れに
R率は約60%から97%に向上/建設リサイクル推進計画2020
 国土交通省は昨年9月30日、建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策を取りまとめた「建設リサイクル推進計画2020~「質」を重視するリサイクルへ~」を策定した。これまで4回(1997、2002、08、14年)策定しており、今回で5回目となる。同計画は建設廃棄物のリサイクルについて国の方針を示すもので今後の流れを大きく示しており、同省による「社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会 建設リサイクル推進施策検討小委員会」(委員長:勝見武京都大学教授)が審議を行い、今後の建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策を取りまとめたものとなる。今回の策定では、建設廃棄物のリサイクル率について、1990年代には約60%程度だったものが、2018年度には約97%まで上昇し維持・安定期に入ってきているとし、今後は「質」の向上が重要な視点となるとしている。

◇分選別は資源循環の出発点
新工法・新建材への対応が鍵/能力強化というニューノーマル
建設廃棄物の精選別

 昨年改定された建設リサイクル推進計画では、建設混合廃棄物と廃プラスチックが重要課題の一つとして挙げられている。全国的な傾向として建設廃棄物の中心が新築系から解体系にシフトしつつあるが、解体系の廃プラスチックは塩化ビニールを筆頭にさまざまな材質の樹脂が混ざったものが多く、再利用には複数の工程が必要となる。こうした廃棄物を適正に処理し、再び社会に還元する上で出発点となるのが分選別作業だ。選別力強化の必要性に加えて慢性的な人手不足も影響し、機械選別を導入して対応することが業界のニューノーマルになりつつある。

◇処理後の製品化と新たな取り組み
農業への展開や複合材対策など/建廃リサイクルの新展開
 リサイクルを進める際に重要なのは、処理後の製品の行き先だろう。需要があり、安全性が担保できる製品でなければ、市場に流通することはできない。そういった製品をつくることが、事業を継続させる重要な鍵となる。昨今リサイクル先でも、燃料などについての製品としての品質なども注目されるようになってきており、業界団体によってはリサイクル材についてもグレード別の品質規格などの策定も進んでいる他、工場ごとの認定などを行うケースも出てきている。こういった状況の中、多くの事業者が試行錯誤しながら、さまざまな製品を生み出しておりリサイクルの促進に貢献している。本紙の記事や好評連載中の「新COLUMN建リ」では、これまで建廃系のリサイクルとそのリサイクル製品などについて多くの取り組みを紹介している。本項では、その中でも特徴的な取り組みに改めてフォーカスする。

◇建R主要課題の一つに廃プラ
アスコンより多い最終処分量/処理業者と民間企業との連携で削減を
建廃プラの現状と課題

 2017年に中国が使用済みプラスチックの輸入停止を発表して3年が経過した。17年まで、再生資源として約140万トン輸出していた廃プラスチックだが、輸出先の半分以上を占めていた中国をはじめ、タイやベトナム等の禁輸措置に伴い、19年には約90万トンまで急減した。それまで中国等へ輸出していた業者は行き場所を失い、日本国内では処理し切れない廃プラスチックが急増。特に、建廃プラの行き場は厳しい状況に陥った。
 廃プラスチックを取り巻く環境は年々厳しい状況になり、排出抑制や再資源化率の向上に向け、さまざまな取り組みが行われている。

◇一部改正大気汚染防止法が施行へ
大防法と予防規則で規制を強化/石綿含む全建材が対象に
建設廃棄物の現状と課題 ~アスベスト・混廃・廃石膏ボード~

 国土交通省が2020年9月に発表した「建設リサイクル推進計画2020~「質」を重視するリサイクルへ~」では、高度経済成長期に整備された社会資本の老朽化が進み、維持管理・更新の費用は18年度比で30年に1.2倍、50年には1.3倍まで増大するとの予測がある。

◇付加価値高い2次製品を開発
海外での事業化が本格始動
 全国で発生する廃瓦は、関連団体の推計によると年間約150万トンに上り、その多くはリサイクルされておらず、最終処分場へ運ばれるケースが多い。一方で、細かく砕くことで砂利に代わる骨材(瓦砂)として有効活用でき、保水・透水性に優れるなどさまざまな特性を持つため、付加価値の高い2次製品の開発が行われている。
 ここでは、瓦の性状を生かした独自の施工実績を持つ事業者や、用途開発を進める団体を紹介する。

◇インタビュー 残コン問題等の包括的な解決へ
骨材など再生材の利用拡大を/JIS改正も視野に入れた対策を
 いわゆる「残コン」や「戻りコン」などについては、これまで多くの問題をはらむと言われているものの、解決への道筋は示されていない。地域や事業者同士の関係によって状況が異なる側面があり、一括して対応が難しいことや、また施工の際、コンクリートが余ったことが設計上記載されず、「残コン」自体が表向きには存在しない体裁をとっていること、廃掃法上グレーゾーンとなる問題があることなど多くの原因がある。また施主、施工者、サプライヤーである生コン業者の関係から、生コン業者が引き取らざるを得ないことも少なくないため、生コン業者にとって死活問題になることもあると言われている。
 この問題を解決すべく、昨年夏に「生コン・残コンソリューション技術研究会」が設立された。代表理事は野口貴文東京大学教授が務め、環境省や国土交通省の担当官、コンクリート関連の研究者、ゼネコン、生コン事業者、関連機器メーカー、廃棄物処理業者、法曹関係者などが参画している。現在の残コンの問題、そして解決に向けどのような道筋を描いているのか、野口代表理事に聞いた。

◇年間発生量は約3億m3
約6000万m3が自由処分/発生土のリサイクルはこれから
転換期を迎える建設発生土

 2018年度の国交省調査によると、建設発生土の年間発生量は約2億9000万立方メートルで、場外搬出量は1億3000万立方メートルだった。有効利用率は79.8%と推計しているものの、5900万立方メートルが内陸受入地で自由処分(発注者が搬出場所等を確認できないこと)されているのが現状だ。昨年策定された建設リサイクル推進計画2020では新たに発生土のトレーサビリティについて言及が加えられ、発生土のリサイクルはまさにこれからと言える。

◇建設汚泥処理物等の取り扱いが明確化
再生品の利用を促進/建設汚泥の最新動向
 環境省は2020年7月20日、各都道府県・政令市の廃棄物行政主幹部長へ「建設汚泥処理物等の有価物該当性に関する取扱い」を通知し公表した。同通知から、再生利用が確実な建設汚泥処理物等の取り扱いについて明確化された。
 今回は、通知の内容を確認して全国の建設汚泥の実情等について、「建設リサイクル推進計画2020」と「建設副産物実態調査」に触れながら、動向を見ていく。

1月25日号ダイジェストニュース
◇ロボット選別機を開発
従来のラインにも設置可能
- 石坂産業/東急建設 -
 石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)は1月7日、東急建設とともに建設副産物の中間処理プラントにおいて、建設廃棄物の自動選別を行う廃棄物選別ロボットを共同開発したことを明らかにした。廃棄物選別ロボットは、既存の中間処理プラントの手選別ラインにも設置可能であり、現在、石坂産業のプラントにおいて試験的導入を開始している。

◇廃漁網からナイロン樹脂再生
アパレル資材を開発
- リファインバース -
 リファインバース(東京・中央、越智晶社長)は、廃漁網やエアバッグ端材でリサイクルナイロン樹脂「リアミド」を開発して生産してきたが、モリト(大阪市中央区、一坪隆紀社長)のグループ会社、モリトジャパン(大阪市中央区)が「リアミド」を使いアパレル向け資材を開発して提供したことを明らかにした。

◇中国でオイルスラッジ再資源化目指す
3社で合弁会社を設立
- JFEエンジニアリング/北京和栄工程技術/東京センチュリー -
 JFEエンジニアリングは昨年12月24日、中国に拠点を置く大手エンジニアリング企業「北京和栄工程技術」、金融・サービス企業の東京センチュリーとともに合弁会社「北京和栄富盛環保科技」を設立する契約を締結した。中国国内の製油所等で発生するオイルスラッジの処理事業に進出することを目的としており、今後は現地で分離・無害化のための技術開発を進めながら経済性の確立に努め、循環型社会の実現に貢献するとした。

◇兵庫・赤穂でバイオマス発電稼働
出力3万kW、年42億円売上想定
- 日本海水 -
 エア・ウォーターグループの日本海水(東京・千代田、西田直裕社長)は1月2日、赤穂工場(兵庫県赤穂市)で、「赤穂第2バイオマス発電所」の営業運転を開始した。総投資額は約120億円。最大出力は3万キロワット、年間発電量は一般家庭約8万7000世帯分に相当する。FITを利用して全量売電し、約42億円の年間売上を見込む。設備は、PKSや樹皮など、幅広い原料の燃焼に対応しており、山林資源の一層の活用を図っていく。

◇混廃選別を自動化へ
複層状態でも識別可能に
- 石坂産業/東急建設 -
 石坂産業(埼玉県三芳町、石坂典子社長)は1月7日、東急建設とともに建設廃棄物の自動選別を行う「廃棄物選別ロボット」を共同開発したことを明らかにした。

◇処理状況等が明らかに
7月豪雨の災害廃、49万tに
- 災害廃棄物対策推進検討会 -
 2020年度の第2回目となる災害廃棄物対策推進検討会が1月12日、オンラインで行われた。昨年7月の豪雨に関して災害廃棄物の発生量が49万トン(前回開催時は約56万トンと報告)と修正された他、九州・関東・中部地方環境事務所の対応・支援について報告が挙がった。

◇熱分解炭化装置をモジュール化
大幅な省スペースとコスト減へ
- アルパ -
 水処理・環境機器メーカーのアルパ(大阪市、中村信一社長)は、廃棄物の熱分解炭化装置を改良し、新たにモジュール型の「PWCD-MJ」を設計・開発した。大幅な省スペース化とコストダウン、処理効率の向上を同時に実現。これまでより導入が容易になったとして、樹脂成型工場や食品工場、中間処理施設などに提案を進めていく。

◇新春インタビュー 女性活躍で業界に新風を
1都10県に部会広がる
- 全国産業資源循環連合会 関東地域協議会女性部会長 二木玲子氏 -
 さまざまな業種で女性の活躍が広がる中、産業資源循環業界でも、事務をはじめ営業や処理施設の維持管理、さらには会社経営まで女性が働く姿が目立つようになった。その力をどのように伸ばしていくのか。全国産業資源循環連合会関東地域協議会女性部会の二木玲子部会長に話を聞いた。

◇脱炭素社会に向けて注力
廃プラ等利用で総排出CO2量削減/社会を支える重要拠点として
セメント産業の再資源化

 セメント業界は数多くの廃棄物・副産物を再資源化している。さらに、業界団体である(一社)セメント協会(小野直樹会長)は2020年3月26日に「脱炭素社会を目指すセメント産業の長期ビジョン」を公表した。セメント製造業者の社会的な役割や克服すべき困難な課題等を掲げており、CO2排出削減などの施策で「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」に貢献するために、セメント産業の目指すべき方向性を示した。

◇コロナ禍での処理高度化
困難物への対応進む/使用済み製品特集
 産業や製品の高度化が進む中で、それに対応するべく、廃棄物処理・リサイクルの現場でも新たな取り組みが次々と表れている。有害物質の処理はもちろん、昨今の課題にアプローチする事例を紹介する。

◇2050年カーボンニュートラルへ
自治体や企業の取り組み進む/再エネや新技術の導入拡大
廃棄物分野の地球温暖化対策

 世界各国で地球温暖化対策の取り組みが大きく動き出した。日本では菅義偉首相が2020年10月、就任後の所信表明演説で「50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする。カーボンニュートラルを達成する」と表明。成長戦略の柱に「経済と環境の好循環」を掲げ、グリーン社会の実現に注力していくとした。50年排出ゼロを表明する企業や自治体も相次ぐ。企業には排出削減への着実な対応が求められる。ここでは、廃棄物分野における動向と事例を紹介する。

◇未利用のエネルギーを有効活用
地球温暖化対策にも貢献/産廃処理における廃熱活用事例
 環境省は、循環型社会形成推進基本法の基本原則に基づき、廃棄物の3R(発生抑制、再使用、再利用)を優先的に進め、それでも残るものについては熱回収を推進。熱回収は2011年3月に発生した東日本大震災以降、災害時も含めて安定供給が可能な地域分散型エネルギーシステムとして、その重要性が再認識されている。ここでは産業廃棄物処理における廃熱活用の事例を紹介する。

◇新春インタビュー 国内・海外の受注・売上が好調
カーボンフリーやDXに対応
- JFEエンジニアリング 取締役 専務執行役員 環境本部長 関口真澄氏 -
 JFEエンジニアリングでは昨年、国内・海外共に堅調な受注・売上を計上した。開発分野ではデジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンフリーに関連した技術の開発を進めることで変化しつつある国内・海外の需要に対応している。今後の事業方針について取締役専務執行役員環境本部長の関口真澄氏に話を聞いた。

◇生活を支える「必要な施設」として
人と心を大切にする企業を目指す
- ハチオウ 代表取締役社長 森雅裕氏 -
 ハチオウ(本社:東京都八王子市)は首都圏を中心とした地域で排出される化学系廃棄物の処理を長らく行ってきた。2019年に第50期を迎え、昨年10月には副社長だった森雅裕氏が代表取締役社長に就任。廃棄物処理業に懸ける思いや今後に向けた話を新社長に聞いた。

◇インタビュー 低質材の徹底利用や機器の効率的な運用を
木質バイオマス利用の現状と今後
- (国研)森林研究・整備機構森林総合研究所 林業経営・政策研究領域 領域長 久保山裕史氏 -
 FIT(固定価格買取制度)が開始され8年が経過したが、現在も木質バイオマス発電施設は年々増えている。多くの地域に発電施設が設置され、稼働しているが、1メガワットの出力で年間1万トン以上の木質チップを使用するバイオマス発電は、周辺地域への経済的影響も大きい。木質バイオマス発電が与えた影響や今後の指針について、(国研)森林研究・整備機構森林総合研究所の久保山裕史氏に話を聞いた。

◇インタビュー 安定したベースロード電源目指し
エネルギーセキュリティの向上を/木質バイオマス利用の現状と今後
- (一社)バイオマス発電 事業者協会 代表理事 山本毅嗣氏 -
 木質バイオマス発電施設が増えるに従って、林業はもちろん、物流業者、チップメーカー、木材業者、輸入燃料を運ぶ海運事業者、輸入元の生産者、関連機器メーカーなど多くの関連する事業も育ってきた。事業が育つことにより、市場も拡大し、さまざまな関連業界の情報共有などを進めるため、現在いくつかの関連業界団体がある。(一社)バイオマス発電事業者協会は、小規模から大規模の発電事業者や物流業者など多様な事業者からなる業界団体となる。同協会の会員企業には国産材を取り扱う事業者も多いが、輸入材を取り扱う事業者も多く、PKSに関する認証制度に関しても国とも連携を取りながらさまざまな提案を進めている。国内の木質バイオマス発電の現状と今後や、現在話題になることも多い認証制度への取り組みについて、山本毅嗣代表理事に話を聞いた。

◇地域ごとに特色、国内の先進事例紹介
発電だけではなく一体型の取り組みを/木質バイオマス利用の現状と今後
 FITが開始して十分期間が経過したものの、昨年も多くの発電施設が新設されている。何度か本紙でも触れているが、重要なのは、発電するだけではなく、関連する事業体を含めたビジネスモデルを構築することであり、より幅広い地域活性化を行うことだ。さまざまなバイオマス利用が進められる中、多様な取り組みが生まれている。これまで紹介した中でも、特徴的な取り組みを紹介する。

◇58事業所で400万t活用
FIT終了後を見据える動きも/全国木質バイオマスボイラーアンケート
 2020年12月、全国で木質バイオマスボイラー、もしくは同燃料を活用した火力発電所を運営する企業を対象にアンケートを実施した。1年以上の稼働実績を持つ183事業所へ解答を依頼したところ、58カ所(61基)から有効回答があった。今回で九度目の調査となっており、例年通り設置時期や稼働率、チップ使用量・由来別の割合、ボイラーメーカー、様式(熱利用・発電)、発電出力、FITを導入した事業者向けに制度の対象期間(20年間)終了後、事業を継続するかどうかを聞いた。

◇全国で計画される木質バイオマス発電
木質バイオマス発電所マップ
 ここでは、全国各地で計画される木質バイオマス発電事業(石炭混焼や非FIT電源含む)を全国MAP化・一覧化し、どの地域でどれほどの規模の発電計画が進んでいるのかを紹介する。
 全国MAP(26面)には、今年1月以降に新設される発電計画(54件)のみを掲載した。27面のリストでは、すでに完成した施設も含めた153件の発電事業を、稼働順に一覧化した。

◇大量廃棄時代を前に循環構築
太陽光発電を真のエコエネルギーに/太陽光パネル循環最前線
 2030年前後に、大量廃棄が始まると予測される太陽光パネル。その処理や循環利用の議論が高まる中で、いち早くリサイクル体制を確立した事業者が現れている。ここでは、国内使用済みパネルの循環で先頭を走る企業を紹介する。

◇柔軟な労働環境整備が鍵に
コロナ禍でIT活用も加速/「働き方改革」の注目事例
 人手不足が深刻化する中で、廃棄物処理・リサイクル業界においても働き方改革への取り組みが大きな課題となっている。生産性の向上や労働負荷の低減、従業員それぞれの事情に合わせた柔軟な働き方を整備することが企業に求められてきた。また、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の推進はSDGsのターゲットの一つでもある。ここでは、IT技術の活用や女性の活躍推進で注目を集める最新事例を紹介したい。

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