循環経済新聞・バックナンバー“2006年1月度”

1月1日号ダイジェストニュース

2006新春特別号No.1

◇アスベスト廃棄物で法改正
変化をとらえて攻勢を/改正法・制度を浸透へ


昨年で3年連続となった廃棄物処理法改正だが、新たな内容が関係分野に浸透していくのはまさにこれからだ。法令改正や容器包装リサイクル法の見直しなどが矢継ぎ早に行われた結果、恒常的に改正事項が公布、施行される状態となった。今年もアスベスト廃棄物対策について廃棄物処理法が改正される予定で、通常国会に法案が提出されることになった。現場レベルでも、例えばリサイクルの分野で、大手需要家や中国輸出が広がったことによる流れの変化には目を見張るものがある。「知らない」「わからない」では済まされない。変化への対応が否応なしに求められるようになった。



◇新春インタビュー「国際循環システムを構築」
江田康幸環境副大臣/ゴミゼロ国際化行動計画推進





◇今後の重点対策
環境省・関荘一郎産業廃棄物課長に聞く
処理業優良化など推進/電子マニフェは新システムへ/PCB・石綿は対策拡充


近年、廃棄物処理法が次々と改正され、産業廃棄物処理業界は大きな変化の時代を迎えている。今後、施策はどのように展開されていくのか。環境省の関荘一郎産業廃棄物課長に聞いた。



◇アスベスト廃棄物対策の行方
急がれる適正処理確立/国や自治体の対策に不満も/飛散防止対策確立が急務


2004年6月のクボタの発表以来、アスベスト問題が大きな注目を集めている。被害者の救済、建物への使用や建材への含有状況の把握、解体時の飛散防止、そして廃棄物の適正処理まで、被害を防ぐための対策はまだ十分ではないのが現状だ。環境省が、不適正処理防止、産廃処理業者の優良化推進、電子マニフェストの普及拡大、PCB廃棄物対策と並び、アスベスト廃棄物対策を今後の重大な施策として位置づけていることからも、この問題の重大さが想像できるだろう。国内で使用されたアスベストは約1000万トンで、その9割は建材とされる。環境省は、建築物解体によるアスベストの排出量が、2020-2040年ごろピークを迎えると予測している。年間10万トン前後のアスベストが排出されると見込まれ、建物の大量立て替え期を迎えるに当たり、特に非飛散性アスベスト廃棄物の適正処理ルートの整備は急務だ。国や自治体の施策、解体や廃棄物処理現場の状況をまとめ、アスベスト対策がどこに進もうとしているのか、見てみよう。



◇産廃業者の優良性評価
積極導入から静観、見合わせも/都道府県の対応状況/岡山県から認定第1号


「産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係る評価制度」が昨年10月1日から実質的にスタートした。評価の主体となる都道府県などの対応状況をみると、先行しているところがある一方で、基本的には導入する方向としながら検討中というところも少なくない。一方、岩手や東京はそれぞれ独自の制度を実施している。本紙編集部の聞き取りによる結果などをもとに、都道府県の対応状況をまとめてみた。



◇PCB廃棄物処理
首都圏での処理が始まる/日本環境安全事業の3施設目


日本環境安全事業(JESCO)による高濃度PCB廃棄物の処理事業が2004年12月の北九州、05年9月の豊田に続き、昨年11月には東京でも事業が始まった。この一方で、00年に発覚した低濃度のPCB汚染問題は大きな広がりを見せており、国も本格的な対策を検討することになった。



◇日本環境安全事業・宮坂真也社長に聞く
実態つかみ、計画的に処理/早期登録割引を実施/個別計画と集中計画で調整


処理施設の整備が進められる一方で、今後は具体的な収集運搬や処理実務を合理的に行うことが必要になる。その考え方や計画について、日本環境安全事業の宮坂真也社長に聞いた。



◇電子マニフェスト普及促進に向けて
普及促進策がいよいよ具体化/新システムで利便性が向上/ASPサービスの役割が重要に


産業廃棄物管理票(マニフェスト)を電子データでやりとりする電子マニフェストシステムは、稼働以来加入者・登録件数とも増加しているものの、その割合は紙マニフェスト総件数の約2%にとどまっている。03-05年の廃棄物処理法改正案に対する衆参両議院環境委員会における附帯決議で、「義務化を視野に入れた普及拡大策を図る」こととなっており、今後より効果的な普及促進策が求められている。12月から運用を開始した新電子マニフェストシステムの機能概要と、今後の普及促進策を紹介する。



◇在宅医療廃棄物取扱方法検討調査報告書の概要
高齢化で増加する処理実態


環境省は昨年の9月9日、「在宅医療廃棄物の在り方検討委員会」で研究調査を行っていた在宅医療廃棄物に関する調査報告書を発表した。急速な高齢化が進む社会状況を踏まえると在宅医療廃棄物の処理は今後の大きな課題点になることは明らかであろう。発表された報告書の概要通じて在宅医療廃棄物の現状と今後を紹介する。



◇【寄稿】変化の時を迎える〜産業廃棄物業界の企業経営〜
環境経営コンサルタント 佐々木雅一





◇全国PETボトル再商品化事業者アンケート結果報告
“負け組み”多い傾向/原料確保が最重要課題


日本容器包装リサイクル協会に登録しているPETボトル再商品化事業者59社のうち、電話連絡が取れなかった1社を除く58社にアンケートを行った。アンケートを行った期間は、2005年10月31日から11月11日。ファクスでアンケート用紙を送り、同じくファクスで回答してもらった。58社中29社から回答があり、回答率は50%。落札価格が大きく下がった中での再商品化事業者の現状を探ってみた。



◇崩壊の危機に直面するPETボトル
再商品化事業者の倒産、相次ぐ恐れ/海外輸出に歯止めを/広がる独自ルートの波 果たしてその影響は?


国内のPETボトル再商品化事業者が最大の危機を迎えている。国内で排出されたPETボトルのうち、20万トン近くが海外に輸出され、その分、国内の再商品化事業者にPETボトルが回らなくなっているからだ。本紙の分析では、22万トンが不足しており、海外輸出がそっくり国内ルートに回れば、再商品化事業者は十分、潤っている計算だ。来年度の入札は、指定法人受け取り量が減少する中で、激しい競争が予想されている。海外にどれだけのPETボトルが流れているのか。国内の独自ルートのレポートとともに、今後の対策を検討してみたい。



◇04年度食品循環資源の再生利用等実態
農水省統計部の05年調査結果から/再生利用率が5割突破/リサイクルの9割は委託


農水省統計部が昨年10月に調査した「平成17年食品循環資源の再生利用等実態調査結果」から、食品産業における食品循環資源の再生利用率が2004年度時点で51%に達していることが明らかになった。食品リサイクル法が成立した00年度以降、再生利用率は同年の35%が増加傾向で推移。04年度ではじめて5割を超えた。食リ法で規定している用途(肥料化、飼料化、メタン化及び油脂・油脂製品化)に限定すると、再生利用率は39%、発生抑制と減量を加えた実施率の合計は45%になる。数字の上で食リ法が一定の成果を上げていることを示す結果で、今年前半にも方向性が明らかになる同法の見直しに向けて少なからず影響を及ぼすことになると思われる。



◇バイオマスタウン構想の概要
2010年に向け続々公表/500市町村へ拡大目指す


バイオマス・ニッポン総合戦略が2002年12月に閣議決定されて約3年、わが国ではバイオマス利活用の推進が進められ、地方自治体などを中心に様々な取り組みがなされてきた。また、地球温暖化防止に伴うCO2削減の観点から、近年ではバイオマスエネルギーへの注目も高まりつつあり、木質バイオマスを中心に民間ベースでも施設の建設が増加している。しかし一方で、このようなケースでは単一品目のみを利用することが多く、総合的なバイオマス利活用システムの構築はなかなかなされていないのが実状といえる。そこで、農水省など関係省庁は04年夏、バイオマスタウン構想の募集を新たに開始。市町村が、総合的なバイオマス利活用システムを構築するのを支援することとした。バイオマスタウン構想は現在、30市町村がインターネットにて公開されている(2005年12月1日現在)。その概要と各地の取り組みについてまとめた。



◇環境省が実施した吹付けアスベスト等に関する調査結果及び環境省の対応方策について

- 環境省 -

環境省は05年11月29日、吹付けアスベストなどに関する調査結果と、今後の対応方策を公表した。7月の関係閣僚による会合で調査の実施を決定しており、これがまとまったものだ。地方公共団体が設置した廃棄物処理施設・自然公園施設・環境大気測定局舎について、吹付けアスベストの使用状況をまとめたものだ。その全文と、別紙資料を掲載する。



◇大気汚染防止法施行令及び施行規則の一部改正

- 環境省 -




◇環境報告書動向と排出事業者取組事例
エネルギーやコストが焦点に/環境取り組みが具体化


環境報告書は近年、CSRや社会貢献、サステナビリティに対する企業姿勢として、環境に関するデータを中心とした情報公開のため発行している。当初は自社内の生産工程の見直しや廃棄物の発生抑制に注力、ゼロエミッションを目標としてきた。最近では、原料供給から生産、販売、使用後の利用までを一貫して取り組む姿勢がみられる。各社が発行する環境報告書をもとに、内容や取り組みを事例として紹介するとともに、それら動向を探ってみた。



◇有害物質規制の動向
鉛蓄電池の輸出急増2年で1万7503t/中古機器管理でガイドライン/廃電気電子機器がバーゼルの焦点に


欧州指令RoHSが今夏施行されることなどを機に、日本の廃棄物処理・リサイクルに係る有害物質管理は一段と厳しくなってきた。国内制度の整備だけでなく、有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約のアジア地域における締約国ワークショップが日本で開催されるなど、アジア圏内での制度整備も着実に進む。最近の有害物質規制の動向をまとめた。



1月9日号ダイジェストニュース

2006新春特別号No.2

◇木くず燃料利用の動向
需要家施設急増の影響は?/チップ流通に大きな変化


高騰が続く重油の代替燃料として、あるいはCO2削減の一手段として、木くずの燃料利用が盛んだ。製紙業は言うまでもなく、すでに様々な業種の製造工場でバイオマスボイラ、つまり木くずボイラの導入が計画されているのは周知のとおり。エネルギーを重油だけに頼れば市況の影響を受けやすく、木くずを併用することでリスクを分散しようという考えだ。



◇東日本の木材チップ需給動向
需要家施設稼働が本格化、チップ業者も軒並み増産体制/チップ需要200万t時代に向けて


いよいよ木質チップ発電所などチップ大口需要家施設の稼働が本格化する。燃料用チップ需要が増大することで、今後建設系を中心とした廃木材確保やチップ製造にどのような影響が出るのか。昨年の東日本の大口需要家と主要チップ業者の動きを紹介する。



◇石膏ボードリサイクルの現状
国内資源不足で気運も/解体系に変化の兆し


(社)石膏ボード工業会によれば、2005年の廃石膏ボード排出量の推計は138万トンだ。このうち、新築系は26万トン、解体系は112万トンとなっている。排出量は増え続ける見込みで、2013年、つまり7年後の排出量は199万トンに達し、このうち新築系が23万トン、解体系が176万トンと推測している。



◇コンクリート塊再資源化技術動向
再生骨材で新たな需要開拓できるか/発生量増大に向けて技術開発が急務


建設リサイクル法の施行以降、主に再生砕石として高い再資源化率を維持してきたコンクリート塊。しかし発生量の増加、大口の再生砕石需要先を担ってきた公共工事の減少で今後この水準を維持するためには新たな用途開発が急務となる。現在すすめているコンクリート用再生骨材JIS化の状況と課題、がれき類処理の技術動向をまとめた。



◇土壌浄化ビジネス
清水建設の川崎事業所、浄化施設に認定/油汚染対策ガイドライン、内容固まる


土壌浄化ビジネスは依然活況だ。社団法人土壌環境センターの調べでは受注高が前年に比べ大きく伸びた。油汚染土壌に係るガイドラインが近くまとまることから、企業では追い風になるとみて受注増を見込む。また浄化技術の開発も拡がりをみせている。浄化ビジネスの近況をまとめた。



◇全国政令15都市 一廃・資源物アンケート調査


本紙編集部では05年末にかけて全国政令15市(堺市は06年4月から政令市の予定)を対象に、一般廃棄物と資源物の排出・リサイクル実態調査を行った。昨今、容リ法の改正議論や家庭ごみの有料化、PETボトルの海外流出、事業系一廃の排出者責任の強化など、一廃と資源物を取り巻く環境は激変の一途をたどっていることから、今回は概況の数値ではあるが、調査結果が一読の参考になれば幸いである。



◇動き出した機密文書リサイクル
新規業者続々参入、市場を形成


事業者に対して個人情報保護の義務を規定した個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)が2年間の猶予期間を経て、2005年4月1日から全面施行され、7カ月が過ぎた。



◇最新・古紙リサイクル事情
古紙輸出量360万tに/中国が8割占める/国内リサイクルの新展開


古紙の輸出が突出して伸びている。相変わらず中国への輸出が旺盛なためだ。2004年の古紙輸出量はトータルで283万5000トン。うち中国が196万7000トンと全体の7割近くを占めていたが、05年は8月までにトータルで286万トンに達し、すでに04年のトータルを抜いている。うち中国が8割を占めているという。中国の旺盛な古紙需要が国内の余剰分を吸収して、「バランスが取れている」(古紙再生促進センター)状況だが、輸出量が360万トンに達すると国内の古紙が足らなくとの見方もある。こうした状況の中で、国内の古紙商社はどのような動きを進めているのか――。具体的事例を挙げてみたい。



◇食品リサイクル法の動向06/農水省・西野豊秀食品環境対策室長に聞く
目標年度直前 今後の施策と方向性は?/20%達成状況は抜打ちで調査
委託Rの確認など検討課題も


食品リサイクル法で再生利用等20%の実施が求められる06年度がいよいよ目前に迫ってきた。そこで20%達成状況の個別調査方法、食品リサイクル小委員会(牛久保明邦座長)で現在行われている基本方針の見直し、さらに検討中の食品リサイクル認証制度の創設について、農水省総合食料局食品環境対策室長の西野豊秀氏に話しを聞いた。



◇食品リサイクル法の動向06/法見直しへ議論始まる
小委員会が6月にも報告/再生利用の新手法も浮上


食品リサイクル法の基本方針見直しに向けて検討を行う食品リサイクル小委員会が昨年10月からスタート、今後、関連業界からのヒアリングやパブリックコメントの募集を経て審議を重ね、今年6月にも食料・農業・農村政策審議会総合食料分科会へ報告する内容が取りまとめられる。ここでは12月までに行われた2回の小委で農水省から報告された食品リサイクルの現状や、現行法の問題点等について委員から出された意見を取り上げてみた。



◇食リ法 登録再生利用事業者の動向
登録が昨年急増、77事業者に/06年度目前に高まるニーズ
やはり本命?委託リサイクル/登録再生利用事業者の取組事例


食品リサイクル法の基本方針で定められた再生利用等実施率目標20%の達成を目前に控え、登録再生利用事業者の存在がますますクローズアップされる――。農水省統計部の調査によると、食品産業全体が取り組む再生利用の90%は委託によるもの(04年度実績)。食リ法の06年度対応も、委託によるリサイクルを中心に展開すると予測されるが、中でも国よる“お墨付き”を得た形で肥飼料化等に取り組む登録再生利用事業者は、これから対策に着手する食品関連事業者にとって、委託先のもっとも有力な候補になってくると思われる。ここでは委託リサイクルが有力視される背景や、06年度対応に向けた課題を抽出すると同時に、連載「食リ法登録再生利用事業者ファイル」で昨年1年間に取り上げた15の事例をダイジェストで紹介する。



◇食品残さ飼料化の展望
求められる飼料化/高付加価値化に期待


飼料自給率を2027年度までに35%へ――。農水省を中心に、農林水産業の振興と食糧自給率の向上に向けた取り組みが行われる中、05年、新たに飼料自給率戦略会議が設置された。これは食糧自給率に深く関連している家畜用飼料の自給率向上を目指したもの。飼料自給率を11%引き上げることで、食糧自給率の向上につなげることを目的としており、その一環として食品残さの飼料化を促進することが求められている。食品残さは古くから豚などの飼料として活用されてきたが、有効に使用される事例がある一方で、いわゆる残飯養豚で肉質を低下させ、経営が成り立たなくなるケースもあった。ここでは飼料化の機運が高まる中、食品残さの飼料化拡大のために、畜産業における食品残さ飼料活用のこれまでと、導入のポイントについて述べていきたい。



◇全国食品残さ飼料化行動会議配布資料
食品残さ飼料化を推進へ/取り組み事例や補助など紹介


現在、飼料自給率向上の観点から食品残さの飼料化を促進する動きが高まっている。農水省などは05年に飼料自給率向上戦略会議を開催し、適切な食品残さの飼料化に向けた積極的な推進を行うことで合意した。同戦略会議の後に開催された全国食品残さ飼料化行動会議の資料「食品残さの飼料化について」をまとめ、紹介する。



◇2006年度の指定法人(日本容器包装リサイクル協会)に登録した再商品化事業者





◇資料/産業廃棄物(鉱業廃棄物)・有価発生物の動向調査(概要)
最終処分量が7%減少/製造業等からの産廃・有価物/再資源化量はわずかに増加

- 経済産業省 -

経済産業省のまとめによると、製造業などからの2003年度の産業廃棄物の発生量は1%と若干増加し、最終処分量はマイナス7%と減少したことがわかった。再資源化量は0.4%と若干増加、中間処理減量は2%増加した。その調査結果の概要を紹介する。



1月16日号ダイジェストニュース

2006新春特別号No.3

◇アスベストで法改正へ
廃棄物処理法、救済新法など一括で/通常国会冒頭めどに提出


環境省は非飛散性を含むアスベスト廃棄物対策で廃棄物処理法を改正する方針を固め、改正法案を1月20日に召集される今期通常国会の冒頭を目標に提出することとなった。アスベスト問題に係る総合対策の柱として、石綿の健康被害の救済に関する法律案(救済新法)や地方財政法・建築基準法・大気汚染防止法の改正とともに一括で審議に入る。



◇2006年を読む!古紙業界の動向予測
中国が国内市況をけん引/輸出量は過去最高を更新


今や経済大国となった中国の原料需要がけん引役となって、日本の古紙業界では空前の輸出ブームが到来している。2005年の年間輸出量は過去最高の350万トンを超えることが確実視されており、最高値を更新した04年の284万トンをさらに上回ることになる。国別仕向地で中国向けは、04年に輸出量全体の7割を占めたが、05年は10月までの統計で8割以上に増えており、その影響力は大きくなるばかりだ。大幅に回復してきた古紙市況の中、業界は06年にどう動くのか。本紙編集部が独自に予測してみた。



◇木質材リサイクル施設完成
切削チップ生産、本格稼働へ

- 飯田建設工業 -

飯田建設工業(大阪府東大阪市、飯田喜美男社長)は、自社のAR(オール・リサイクル)センター(大阪府大東市)に総事業費約3億円を投じ、木質材のチップ化施設を完成、1月中にも本格稼動に入る。



◇たい肥化事業、軌道に
年間1500m3受け入れへ

- 司 -

司(三重県松阪市、松村亜矢子社長)は、昨年10月に本格稼動させたたい肥化施設で、12月までに約230立方メートルを受け入れ、順調に処理を終えた。食品リサイクル法の本格施行を踏まえ、今年は年間1500立方メートル以上の受け入れを目指す。



◇伝票と現品を自動照合
R券管理システム開発/廃家電等に今月から運用

- 東京エコリサイクル -

東京エコリサイクル(東京・江東、馬場研二社長)は、使用済み家電、パソコン、OA機器などの現品と伝票とを半自動で照合してチェック精度を格段に高めた「リサイクル券ドキュメント統合管理システム」を開発した。今年1月から運用を開始する。



◇第13回食品容器包装のリサイクルに関する懇談会・とりまとめ案(抜粋)
平成17年12月26日農林水産省資料





◇食残を低コストで減量
乾燥式の処理機を提案

- 三峰工業 -

三峰工業(群馬県榛東村、村上慎一社長)は、食品リサイクル法の再生利用等目標達成年度に向けて乾燥型生ごみ処理機(FMGシリーズ)の本格販売に乗り出した。



◇経産大臣賞にパイオニア
グリーン購入大賞発表

- 環境省 -

環境省は12月12日、第8回グリーン購入大賞審査結果を発表。経産大臣賞にパイオニアが、環境大臣賞に敦賀信用金庫が選ばれた。



◇焼却炉解体を低コスト化
作業の簡素化等で"安全"と両立

- マルマン産業 -

マルマン産業(京都市伏見区、小山宜孝社長)は、作業の簡素化などにより炉解体費を一般的な相場と比べ3分の1から2分の1まで抑えることに成功、今後本格化する炉解体需要をにらみ、営業を強化する。



◇特集・廃プラリサイクル/大口需要家間の競争へ
供給不足、過熱気味との指摘も/CO2削減ともリンク


昨年9月に廃プラスチックの中国への輸出が解除、再開された。国内でも従来の処分ルートの他に、マテリアルリサイクル、セメント・鉄鋼などでの利用、さらにはRPF製造と製紙工場での利用などリサイクルルートの充実には目を見張るものがある。新時代を迎えた廃プラリサイクルの状況を検証する。



◇特集・廃プラリサイクル/容リプラリサイクル動向
容リ法の審議、持ち越しに/マテリアルR優先は継続
サーマルリサイクル導入は?/マテリアル新規参入動向


容器包装リサイクル法の審議が年末ぎりぎりまで行われた。容器包装プラスチック(容リプラ)については、再商品化手法の拡大が議論となった。RPFやセメント原燃料へのサーマルリサイクルの手法を導入するかがポイントだ。すでに、日本容器包装リサイクル協会(以下、指定法人)は2006年度についてもマテリアルリサイクルが優先落札することを表明している。それを見越して、昨秋にはマテリアルリサイクル工場の竣工が相次いだ。現行方式がそのまま続くとして、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの今後の展望を追ってみた。



◇特集・廃プラリサイクル/建設系廃プラスチック
新築・解体とも適切な分別が鍵/RPF化は広がるか/塩ビ混合廃プラのサーマルRも検討


建設系廃プラの再資源化を進めるための課題として、使用量が多い塩ビのリサイクル推進、新建材への対応、発生時期による性状把握が重要となる。最近話題になっているRPF製造などを巡る処理業者の考えなどもまじえて、リサイクルの状況をまとめてみた。



◇特集・廃プラリサイクル/使用済み製品等の廃プラ処理
廃テレビカバー、臭素系物質28万ng/g検出/プラ種類判別サービス、需要拡がる


使用済み製品や工場などから排出される廃プラスチックの処理・リサイクルの状況をまとめた。



◇特集・廃プラリサイクル/プラ処理技術をフラッシュバック
原油高騰で燃料化に注目か/リサイクル時のガス抑制剤など新技術も紹介


廃プラスチックの処理・リサイクル技術では従来から破砕・圧縮・洗浄など多くの汎用装置で各メーカーがその技術力を競い合っている。なかでも昨年は、原油高騰の影響からか、省エネや燃料化、製造ロス素材の再利用など廃プラスチックに関心を傾ける動脈産業の製造業者も多かったのではないだろうか。そこで、昨年本紙で取り上げたプラスチック処理技術をフラッシュバックし、今後の処理・リサイクルにも貢献するであろう様々な技術や取り組みを紹介する。



◇環境ラベルは今
G製品が一目で分かる


エコマークやエコリーフなど、商品に表示する環境ラベルは様々だ。だが、企業のグリーン製品の開発は活発になる一方で、グリーン製品の購入となると、やや遅れ気味なのが現状だ。また、環境ラベルが多くてどれを基準に考えたらいいのか、と頭を悩ませている人も多いものと予想される。ISOに規定された環境ラベルに加え、他の関連マークの紹介のほか、グリーン購入を広げている団体の動きを追ってみた。



◇(社)日本産業機械工業会の調査から
環境装置生産実績 04年度は1兆32億円/ごみ処理装置は微減4130億円/公共投資減少、市町村合併が影響


(社)日本産業機械工業会が会員メーカーなどを対象に調査する環境装置生産実績で、04年度は環境装置のすべての分野で前年度を下回り、前年度比4%減の1兆32億3200万円となった。同調査は、1966年から行われているもので、03年度は同工業会と優良環境装置協議会の会員176社を対象にアンケート調査を実施。このうち、官公需に主軸を置く大手プラントメーカーを中心に、環境装置関連の生産実績があると回答した101社の集計を行った。同工業会がまとめた調査結果から、要旨を抜粋して紹介する。



◇ごみ処理施設 入札・契約を適正化へ
談合・高値受注の疑惑に対応/透明性確保へ方策検討


環境省は都市ごみ処理施設などの市町村が事業主体となる廃棄物処理施設分野で、入札・契約の適正化を図るための検討会(座長・眞柄泰基北海道大学創成学科研究機構特任教授)を設置、10月12日に第1回会合を開催した。昨年12月に公表された中間とりまとめ(案)を中心に、都市ごみ処理装置市場の今後に少なからず影響を及ぼすと思われる同検討会の検討内容にスポットをあててみた。



◇リサイクル施設における火災事故の危険性と留意点〜RDF・RPF取扱い時の発熱と火災について〜
環境計画センター専任理事・事務局長 技術士(衛生工学、建設、環境部門) 鍵谷 司





◇炭化技術の現在を見る 全国の事例ケーススタディ
木質系や生ごみなど多様に/自治体にも導入の動きが広がる


ダイオキシン類対策の強化や地球温暖化防止のニーズが高まる中、社会的風潮も手伝って焼却処理への風当たりは近年、厳しくなりつつある。排出事業者も委託先に「脱焼却処理」を求める声が増えてきた。他方、従来の焼却処理に代わる手法の一つで、産廃業者や自治体の間で最近、関心を集めているのが廃棄物の「炭化」技術だ。熱分解の工程が燃焼工程と分かれているため、一般的にダイオキシン類の発生抑制・管理がしやすく、炭化物は燃料などのサーマル用途と土壌改良材や脱臭材などのマテリアル用途にと、広範囲に再生先を探すことが可能になる、と言われる。これら炭化技術を取り巻く状況と全国の主な稼働事例などをピックアップし、紹介したい。



◇平成16年度ダイオキシン類対策特別措置法施行状況について(一部抜粋)
全国150件で基準超え/平成17年11月 環境省水・大気環境局総務課ダイオキシン対策室、同水環境課、同土壌環境課





◇最終処分場クローズアップ
維持管理のレベルアップへ/少ない新規許可、確保課題に/3類型など、あり方議論も
アスベスト処分等で重要な役割


近年、法規制の強化が進んだことなどを受け、関係業界では、産業廃棄物最終処分場の維持管理や跡地利用の方策を向上させようという動きが活発になっている。その一方、国レベルでは最終処分場のあり方そのものを再検討しようという動きがある。アスベスト廃棄物の処分なども喫緊の課題になっている。



◇大型焼却施設動向
民間や更新に需要シフト/関連事業などにも積極姿勢


プラントメーカー各社は、1954年の清掃法施行、70年の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)制定などをきっかけとして、廃棄物焼却プラントの設計・施工を事業化、欧米など環境先進国企業との技術提携や自社内の専門チームによるプラント開発を進めてきた。



◇関東医療廃棄物処理施設動向
来年竣工予定の大型施設にも注目/東京をめぐる各施設の取り組みは?/各施設の特長を紹介


今年は東京の臨海部に感染性廃棄物処理専用炉を有する施設が完成予定(竣工は来年3月)だ。昨年から医療廃棄物を扱う処理業者・収集運搬業者の間でも話題にのぼることの多かった施設だけに、東京を中心とした関東の処理事情には何かしらの影響があるのは間違いないだろう。そんな関東を中心とした各処理施設の取り組みや受入動向などを昨年取り上げた施設も併せ紹介する。



◇アスベスト、PCB、クリアランス廃棄物
低濃度でも適切な対処必要/新たに広がる有害物対策/やはり鍵は周辺の合意


高濃度、高レベルの有害廃棄物に加えて、近年、アスベスト含有の廃建材や低濃度PCB汚染物、極低レベル放射性廃棄物(クリアランス廃棄物)の問題が顕在化している。低濃度・低レベルとは言え、細心の対応が必要になる。国としての具体的な対応や検討の状況をまとめてみた。



◇平成16年度 ダイオキシン類に係る環境調査結果について
平成17年11月25日

- 環境省 -




◇使用済み製品リサイクル
蛍光管リサイクル全国に拡がる/処理・Rガイドラインを改定/電子タグ使いリサイクル効率化検証へ


経済産業省は産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会で昨年10月、品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの改定案を公表した。そのガイドラインの対象となっている蛍光管やパソコン、プラスチックなどの取り組み状況等をまとめた。



◇建議「建築物における今後のアスベスト対策について」
平成17年12月

- 社会資本整備審議会建築分科会 -

社会資本整備審議会建築分科会において、本年8月にアスベスト対策部会を設置、9月より部会を3回開催し、昨年12月、「建議『建築物における今後のアスベスト対策』」としてとりまとめた。



◇一廃の排出および処理状況(2003年度実績)
ごみ総排出量5161万t/発電施設は全体の19%


環境省がまとめた一般廃棄物の排出および処理状況では、ごみ総排出量は5161万トンと横ばいだったが、1人1日当たりのごみ排出量は1106グラムとわずかに減少した。総資源化量(再生利用量)は916万トンと対前年度比6.0%増。中間処理による減量は3676万トン。最終処分量は845万トンと同6.4%の減少となった。ごみ処理施設の状況では、集約化により施設数は減少し、1施設当たりの処理能力は増加している。一方、発電設備を持つ施設は全体の19%にとどまり、うち発電効率が10%以上の施設は50%にとどまっている。最終処分場の残余容量は1億3708万立方メートルと減少し、最終処分場の確保は引き続き厳しい状況にあるが、処分量が減少していることから、残余年数は13.2年とわずかに増加している。ごみ処理事業経費全体は1兆9600億円と同18.2%の大幅な減少。そのうち処理・維持管理費は約80%を占め、1兆5362億円と増加から微減に転じた。



◇"みどりのリサイクル"の現状と造園業界の取り組み
(社)日本造園建設業協会 野村徹郎技術・調査部部長に聞く





◇古紙関連最新データ 抜粋
12月14日公表分より

- (財)古紙再生促進センター -




1月23日号ダイジェストニュース

2006新春特別号No.4

◇新エネ発電施設4カ所で計画
重油削減で年82億円の投資効果/岩沼は廃タイヤ、旭川は木くず使用

- 日本製紙 -

日本製紙グループは17日、08年秋までに同社旭川工場(北海道旭川市)と岩沼工場(宮城県岩沼市)、日本大昭和板紙東北(秋田県秋田市)、日本大昭和板紙吉永(静岡県富士市)の4事業所に、バイオマス燃料など新エネルギーを主燃料とした発電設備の導入を決めた。



◇古紙利用率62%に
2010年度までに達成

- 日本製紙連合会 -

日本製紙連合会(東京・中央、三好孝彦会長)はこのほど、古紙利用率を2010年度までに62%に向上させることを決定した。



◇建廃中間処理分野に参入
5月にも大型施設稼働へ

- 山本商事 -

山本商事(奈良県御所市、山本健二社長)は、建設副産物の大型中間処理施設「奈良総合リサイクルセンター(御所市多田)の建設に着手(設計・施工/竹中土木、山健建設)、5月にも完成し本格稼働に入る。



◇食残の液肥施設が竣工
地域で"善循環"構築へ

- サン・ミダック -

サン・ミダック(静岡県浜松市、村田博司社長)は、浜松市内のミダック本社敷地内に事業系一般廃棄物の生ごみを液肥化する施設「あぜりあ」を竣工した。



◇廃プラ燃料化設備を増設
総処理能力は年間12.5万tに

- トクヤマ -

かねてより第4期・廃プラスチック燃料化プラントの建設を進めていたトクヤマでは、増設完工に伴い昨年12月、同社・徳山製造所内セメント工場(山口県周南市)で竣工式を執り行った。



◇コマツ「捨てない土木」現場内分別セミナーin近畿/廃棄物混合土砂の現場分別を提案
埋設廃棄物処理不法投棄現状回復に効果

- コマツ -

建設機械メーカー大手のコマツは、昨年11月24・25日に神戸市西区のプレンティホールで「「捨てない土木」現場内分別セミナーin近畿」を開催、行政関係者・コンサルタント・建設業者など両日合計で134人の参加があった。



◇大気汚染防止法施行令、施行規則を改正する政省令について


「大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令」(以下「改正政令」)が12月16日に閣議決定され、21日に公布された。改正政令は、アスベストが使用されている建築物の解体等の作業によるアスベスト粉じんの飛散を防止する措置を拡充・強化するため、当該措置の対象となる建築材料及び作業の範囲を拡大するもの。環境省は、改正政令の公布に併せて、「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する環境省令」(以下「改正省令」)を公布した。改正省令は、作業の内容を見やすい場所に掲示することを義務づけるなど、解体等の作業の方法に関する基準を強化するものだ。改正政令、改正省令とも3月1日の施行となる。



◇マニフェソフト新発売
マウス操作で簡単管理

- ビジネス・ワン -

ビジネス・ワン(長崎県長崎市、中島啓社長)は、マウスによる簡単操作で紙マニフェストを管理し、自治体などへの報告書も作成できる専用パッケージソフト「ウェストマネージャー」を新たに開発、今月から本格販売を開始した。



◇地域ゼロエミ構想策定へ
万博成果を継承、具体化

- 愛知県 -

愛知県は2006年度から、地域での廃棄物排出抑制を目指す「ゼロエミッション・コミュニティー」の基本構想策定に入ると発表した。4日の念頭会見で、神田知事が表明したもので、今年度中に基本構想を策定、07年度から可能性を調査していく。



◇処分場用地選定で第三者委員会
次年度にかけ候補絞込み

- (財)紀南環境整備公社 -

公共関与の最終処分場の確保を目指す、(財)紀南環境整備公社(和歌山県田辺市、真砂充敏・田辺市長)は、第三者的立場から必要に応じて助言及び提言を行う「紀南の最終処分場を考える委員会(橋本卓爾・和歌山大学経済学部教授)」を立ち上げた。



◇データでみる産業廃棄物の不法投棄
04年度は件数、投棄量とも減少/大規模事案処理の長期化目立つ


昨年も三重県四日市市で100万トンを超える大規模事案発覚をはじめ、産業廃棄物の不法投棄が社会問題として報道でも大きく取り上げられた。環境省が昨年11月に公表した04年度の産業廃棄物の不法投棄状況では、件数・投棄量とも減少したものの累積する残存量がはじめて1500万トンを超えるなど、「負の遺産」を後世に残さないための早急な対策が求められる数字となっている。環境省が発表したデータからみる最近の産廃不法投棄の状況を紹介する。



◇事案別にみる最近の不法投棄
社会問題化する事案数多く/いたちごっこはいつまで続くのか


昨年もさまざまな産廃不法投棄が発覚した。04年発覚の岐阜市の不法投棄問題は進展を見せているが、その一方で四日市の大規模不法投棄事案、フェロシルト問題など新たな事案が発覚した。行政代執行によって支障除去が進められた事案、支障除去が長期化する見込みの事案、今後責任が追及される事案、さまざまだが、事案別に最近の産業廃棄物の不法投棄の現状を紹介する。



◇環境管理ビジネス
環境管理のIT活用拡がる/廃家電とR券を自動照合/委託業者の評価システム構築


工場、事業所などから排出される化学物質や廃棄物が一段と厳しく管理されるようになってきた。排出事業者だけでなく廃棄物処理業者にとっても、環境管理は経営戦略の上で極めて重要なものとなった。環境管理の構築・強化を進める企業が増えるなかで、その構築などをサポートするコンサルティングやシステム開発等のビジネスが成長中だ。環境管理ビジネスの状況などをまとめた。



◇全国産廃処理業者IT化アンケート結果報告
全国500社にアンケート調査/電子マニフェスト新システムの影響は?


今年からスタートする予定の電子マニフェスト新サービスなど、産廃業界におけるIT技術の導入は年々加速しているように思われる。この機を捉えたシステム会社は、産廃業界の仕組み・特長を理解しようと処理業者と提携したIT技術を次々と構築し、より使いやすいものを目指した商品提供に力を注いでいる。そうした状況の中、IT技術に対して全国の処理業者がどのような意識を持ち、また実際どのようなIT化を望んでいるのかを調べるため、収集運搬業者・中間処理業者・最終処分業者合わせ全国500の産廃処理業者にアンケート調査を行った。今回はアンケートの調査結果を基に処理業者に求められる産廃業界のIT化について探ってみたい。



◇廃棄物処理とIT技術
ASPで広がる廃棄物の追跡管理/収集運搬時の安全性向上技術など


昨年は、行政などによる廃棄物処理に関するIT化推進策が相次ぎ、廃棄物処理に関するIT技術にも注目が集まった。各システム会社も事務処理業務の効率化や廃棄物管理など各々の特色を生かした商品開発に力を入れている。今回はそれらシステム会社が提供する廃棄物処理に関するIT技術についてその詳細を紹介する。



◇廃棄物処理業のIT導入事例
廃棄物の流れ全体を管理/システム連動が効率化のカギ


パソコンなど情報機器の発達、回線や光ファイバーなど情報インフラの整備が進み、インターネット環境は日常生活と密接なものとなった。産廃処理業界でもマニフェスト管理ソフトを皮切りに、車両や処理フロー、経営・労務、会計など管理ソフトやITを活用した各技術を導入する業者は年々増加。JWNETによる電子マニフェストについても、05年に環境省が自治体に向け普及促進を通達したともあり、現在の加入者数は3504(05年12月5日現在)となっている。産廃処理業者や廃棄物の排出元企業によるITの先進的な事例や比較的普及が進んでいる事例を取り上げていく。



◇医療廃棄物と追跡管理システム
東京都・ICタグ追跡管理事業の特色を紹介/ICタグのコストダウンが課題


東京都は昨年11月、今後の産業廃棄物対策として3点の重要項目を掲げた。第1は有害廃棄物に対する都内処理体制の確立。第2に不法投棄対策の強化。第3にはリサイクルの推進。この3項目の中でICタグを利用した追跡管理システム(トレーサビリティー)の活用を示したのが有害廃棄物処理体制・不法投棄対策にも関係する都内の感染性廃棄物処理だ。昨年10月からは、都内4病院でICタグを利用した「医療廃棄物追跡システム事業」が開始され、今月には民間1病院でも同システムによる処理もスタートする。ICタグ追跡管理システムの概要と今後について紹介したい。



◇メタン発酵設備導入のために
多種多様な仕様が存在/各設備のポイントを紹介


メタン発酵は、液状のバイオマス資源を有効活用し、処理する方法として用いられてきたが、近年は地球温暖化防止の観点からも注目が高まっている。バイオマスエネルギーは新エネの中で最も安定した電力を供給しやすいという利点を持っており、中でもメタン化は家畜ふん尿、生ごみ、汚泥などを幅広く受け入れることができるため、資源循環の総体的なシステムとしての導入が進められている。我が国のメタン発酵技術は、民間企業が個別に導入した海外技術、国内で独自に開発した技術など様々な方式があり、多様な構造・仕様が存在する。今後導入を検討するユーザー側は、メタン発酵に必要な設備の基礎的な知識を予め知っておく必要があるのではないだろうか。メタン発酵の工程に必要な各設備の種類と選定のポイントなどをまとめ、紹介する。



◇一廃焼却灰の処分とリサイクル
民間施設の役割大きく/最終処分量は年々減少


一般廃棄物の分野でも、最終処分場の確保が困難になっていく中で、焼却灰などの広域的な処分やリサイクルが目立ってきた。その主な担い手は民間企業であり、市町村の処理責任のあり方も変わっていくのかもしれない。



◇資料 第8回(2005年度)「環境に関する自主行動計画(温暖化)」フォローアップ調査(抜粋)

- 日本製紙連合会 -

日本製紙連合会の「環境に関する自主行動計画(温暖化)」の進捗状況を確認するため、05年7月、05年度フォローアップ調査(04年度実績)を実施した。今回のフォローアップは、目標アップ後の最初の調査である。



◇リサイクル製品認定制度に見るPETボトル国内循環の可能性


飲料を中心に、日本の日常生活に今や欠くことができなくなったPETボトル。PETボトル協議会の集計によると、2004年度に国内で生産されたPETボトルの量は、51万4000トンに上る(05年度予測値=50万9000トン)。生産量の内、04年度は62.4%、32万トン以上が回収されている。経済産業省の試算だと、再商品化能力は31万1000トンとされているので、数字的には現状の回収にほぼ見合う形となっている。



◇自動車リサイクル法に定める移動報告の実績のない解体業者に対する調査・指導結果について
平成17年12月15日

- 経済産業省・環境省 -

本年1月に完全施行された自動車リサイクル法の遵守徹底を図るため、経済産業省と環境省は、同法が義務付ける移動報告の実績がない解体業者について、同法違反の蓋然性があるとして、都道府県等に対し調査・指導を要請した。



◇平成15年度 土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果について(お知らせ)
平成17年12月20日

- 環境省 水・大気環境局土壌環境課 -

環境省では毎年、都道府県及び土壌汚染対策法の政令市を対象に、土壌汚染に関する調査と対策について把握している状況などの調査を行っている。今年度は平成15年2月15日に施行された「土壌汚染対策法」(平成14年5月29日法律第53号)の施行状況も併せて調査したので、それらの調査結果の概要を公表する。



◇業務用生ごみ処理機の市場動向
食リ法"06年度"は目前緊急対応で特需これから?/2000年以降の納入9000台に
地域別は関東が3割/法見直しが市場を左右?


業務用生ごみ処理機メーカーを対象に、本紙編集部が昨年12月に行った実態調査から、有力メーカーを中心とする61社の累計納入台数が1万7254台に達していることが明らかになった。調査は例年通り、メーカーへのアンケートをベースに行い、納入台数のほか、微生物資材や副資材の使用状況、処理生成品の扱い、処理機のタイプ別にみた本体価格の平均などを調べた。集計にあたっては前回調査時のデータを参考に、今回未回答だったメーカーの数字も一部推計して加えることで、データを実態に近づけるように試みた。



◇生ごみ処理機生成物の活用 農家側の事例
"顔の見える循環"どう構築?/求められる確実な受皿/農家が納得する製品とは


生ごみを肥料(たい肥)にしても捌け口がない―――。もともと専門家筋でも指摘の多かったたい肥の余剰に関する問題が、ここにきて一段とクローズアップされている。食品リサイクル法の基本方針見直しに向けた小委員会や、環境省の生ごみ等3R・処理検討会でこの問題が取り沙汰され、肥料化よりも飼料化、あるいはメタン化を推進しようする動きが日増しに高まっているからだ。逆に肥料化であっても「今後も進めるべき」とされるのが、排出者と農家のお互いの顔の見える形で循環の輪が構築されているケースだ。ここでは、農家の側から見た生ごみ処理機生成物の活用事例として、東京都内で昨年10月24日に行われたシンポジウム「農家とともに考える食資循環システム」(主催・有機醗酵)に参加した農家の事例から2例を紹介する。



◇生ごみ処理機生成物の活用 旅館インタビュー
戸田家 管理部長 宍倉秀明氏
地元連携で循環システムを確立/持続的な取組みで効果を実感


食品リサイクル法が完全施行される06年度を目前に控え、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、百貨店などから出る事業系一般廃棄物の生ごみに注目が集まっている。複数事業場に分散した排出形態、塩分・油分を多く含む不安定な組成、包装材の混入など、事業系一廃生ごみの活用には不安材料が多い。中でもサービス業となるホテルや旅館業、船舶関係で発生する生ごみの場合、排出量などに不確定要素が多く、その利活用はより一層難しいとされている。観光地として有名な三重県鳥羽市の老舗旅館「戸田家」では、14年前に生ごみ処理機を導入し、地元農家と連携して、栽培した有機野菜の買い取りによる食品残さの循環型活用システムを構築。処理機を用いた循環型システム構築のポイントについて、当時から環境対策に取り組んできた管理部長の宍倉秀明氏に話を聞いた。



◇生ごみ処理機生成物の活用 実証研究の事例
後藤逸男 東京農業大学教授に聞く
肥料化で農業用途に活路/高含油生ごみにも解決策/公定規格ある普通肥料目指す


学識者の中でも業務用生ごみ処理機の生成物に含まれる肥料分にいち早く着目し、たい肥よりもむしろ肥料として利用することを勧めてきたのが、東京農業大学応用微生物学部教授の後藤逸男氏だ。油分の高い生ごみに対応する新たな肥料化の手法も開発し、製品が公定規格のある普通肥料として認められるよう、国に対して働きかけも行っている。「生ごみを肥料として正しく使えば、農業用途はいくらでもある」という後藤氏に、最新の研究成果について話しを聞いた。



◇建設系混合廃棄物の発生抑制と総合管理
キーワードは「一元化」/検討進む管理体制の構築


建設廃棄物、とくに今後増加するとみられる解体系の建廃の適正処理と再資源化を促進するためには現場内での廃棄物分別の徹底が重要となるが、分別を通じて小口化・多様化した廃棄物をいかに効率的に回収するかに課題が残る。また、適正な廃棄物の流れ、費用の流れを管理する新たな仕組みの構築が急務だろう。今年度から来年度にむけて実証が進められる建設系廃棄物の適正処理に向けた新たな流れを紹介する。



◇中国情報
循環経済実現の可能性/産廃回収加工で白銀製造業が発展

- 湖南省永興県 -

第十一次五カ年計画では循環経済というキーワードが再び注目されるようになった。資源が不足し、人材も足りない地域では経済でさえうまく発展できないのに、循環経済の発展は夢のような話と思われている。しかし、湖南省永興県は実践を持って我々にある事実を告げてくれたのだ。



◇グリーン購入特集
環境ラベルなど基準に一括受注など工夫


リサイクルの動きをこれまで縷々見てきたが、リサイクルで最も大事なのはリサイクル製品などグリーン製品の購入だ。廃棄物のリサイクルは行われても、それによってできた製品の出口がないために、リサイクルが滞ってきたという実態もある。これを受け、2000年5月に循環型社会形成推進基本法の個別法の一つとして、グリーン購入が制定された。同法は、国などの公的機関が率先してグリーン製品の調達を推進するなどの目的でつくられた。事業者の責務についても定めている。紹介する事業者は、率先してグリーン購入に努めている企業群だ。どのようにして、グリーン購入に努めてきたのか――。その取り組みを紹介する。



◇アスベスト問題に係る総合対策
「第5回アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」から


2005年12月27日に行われた「第5回アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」では、今後の対策や被害者救済など、様々な事柄が検討された。



◇エコ燃料新時代
植物由来の燃料で走行へ


これまでのガソリンに取って代わり、植物由来でできた燃料(ここではエコ燃料と呼ぶ)で自動車が街を走る――そんな時代がやってくるかもしれない。石油の高騰で、従来、価格が高かったエコ燃料との価格の差が縮まって来ているからだ。21世紀中には石油が枯渇する時代が遠からずやってくるだろう。それまでに植物由来の燃料を供給する体制が整っていなければ、世界中が危機に陥る可能性がある。地球温暖化というリスクも抱えている。だが、エコ燃料は大気中のCO2を吸収して、また大気中に戻すため、カーボンニュートラルになる。これからは紛争が多い中東に依存するのではなく、農業国がエネルギーを供給する時代になるだろう。そして今、新時代に向けた取り組みが、日本でも始まろうとしている――。



◇インタビュー・環境金融の今後を聞く
廃棄物ビジネスが注目株/環境専門融資に積極姿勢


経営者にとって金融機関は、日常の経営支援や工場新設・拡張といった設備投資の資金調達窓口など、事業においてパートナーシップの関係を少なからずもっている。とくに産廃処理業では、特有のイメージや地域密着という事業形態もあり、よく内情を把握している地方銀行(地銀)や信用金庫などの機関と長期間にわたる取引を続けているケースは多いようだ。近年では環境ビジネスの興隆やエコタウン事業などにみられる巨大プロジェクトとして廃棄物処理施設が立地するケースが増加、あわせて国内の景気回復が大きく影響し、都市銀行(都銀)や外資系金融機関などが産廃業界への融資に積極的な姿勢をみせはじめた。2005年とくに産廃業界で話題となった三菱東京UFJ銀行と東京スター銀行に、取り組みの経緯や今後の動向などについて聞いた。



1月30日号ダイジェストニュース

2006新春号No.5

◇建設汚泥再生に業許可
高度処理でR率引き上げ

- 大阪環境事業協同組合 -

大阪環境事業協同組合(大阪市、共田秀夫代表理事)はこのほど、平林南工場(大阪市住之江区)の産廃処分業許可を取得した。



◇市町村引取り申込状況 PETボトルが3万t減
横浜、川崎など3市が大幅減


日本容器包装リサイクル協会(東京・港)は、2006年度の市町村の引き取り申込状況を明らかにした。PETボトルでは、減少幅が対前年度比3万トン以上に達し、特に、横浜、川崎、さいたまの3市で大幅に減少していることが分かった。



◇今年の建設リサイクル施策
木材、汚泥、混廃対策進める

- 国土交通省 -

国土交通省は、今年の建設リサイクル推進のための施策として、05年建設副産物センサスにもとづく建リ法施行後の課題点抽出、品目別(建設発生木材、建設汚泥、混合廃棄物)の再資源化率向上のための方策実施を引き続きすすめることを明らかにした。



◇"循環の輪"適正評価へ
06年度から制度化に着手

- 農水省 -

食品関連事業者による食品リサイクル・ループの形成等を第三者機関が認証する制度の創設に向けて、農水省は2006年度から認証に必要な体制・ルールづくりに乗り出す。



◇廃プラRネットワーク構築
高品質のRPF原料を供給

- イイダ -

産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬・中間処理を行うイイダ(神奈川県秦野市、飯田稔社長)は、小田原事業所(神奈川県小田原市)を拠点に廃プラスチック類をRPF原料として供給する仕組みを構築した。



◇中国地域におけるエネルギー環境対策のあり方調査報告書
〜エネルギー環境対策としては全国初〜


中国経済産業局は1月19日、中国経済産業局長の私的研究会として昨年4月から開催してきた「中国地域におけるエネルギー環境対策のあり方」検討委員会がまとめた調査報告書の概要を公表した。



◇バグフィルタ不要で中型炉を納入
1号機を北陸の処理業者に

- クスクス -

クスクス(茨城県土浦市、前島孝社長)は、独自の焼却構造を用いることで煤じんを抑え、ダイオキシン発生量を低減できる中型焼却炉「MS-KB5000シリーズ」を新たに開発、昨年末に北陸の処理業者に1号機を納入した。



◇バイオマスの地域内利用
社会システム構築向け実証へ

- NEDO -

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、バイオマスの経済的な収集運搬システムやエネルギーの転換技術、残さの処理を含めた地域循環型のシステムを構築しようと、2005年度に新たに創設した「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」の委託事業者を決定した。



◇DXN汚染物処理進捗55%に
土壌浄化対策も開始

- 豊能郡環境施設組合 -

豊能郡環境施設組合が、大阪府能勢町山内地区で昨夏から進める、豊能郡美化センターの焼却施設内のダイオキシン汚染物の無害化処理は、開始より約5カ月が経過、05年12月末までに汚染物洗浄実績が累計でドラム缶1471本、251トン余りに達した。



◇2004年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況
プラスチック処理促進協会が公表


プラスチック処理促進協会は昨年12月、2004年のプラスチック廃棄物・再資源化フロー図を公表した。04年は廃プラの有効利用が順調に拡大し、廃プラ総排出量の60%に到達。うち、マテリアルリサイクル(エネルギー回収)は対前年比10.4%増の181万トン、サーマルリサイクル(エネルギー回収)はセメント原燃料の利用が増え、同5.8%増の399万トンとなった。同フロー図は、国内全体でプラスチックが毎年どの程度生産され、製品となり、使用され廃棄されるのか、また廃棄されたプラスチックがどのように再資源化され、処理処分されているかをマクロ的な流れとしてとらえた定量的な資料で、作成にあたっては統計データ、アンケート調査に基づき同協会で統計処理作成した各数量が用いられている。抜粋・要約して紹介する。



◇2006年度 廃棄物・リサイクル対策関係予算(案)と各施策の成果目標
環境省公表の資料から抜粋


環境省は昨年12月、2006年度廃棄物・リサイクル対策関係予算(案)の概要を発表した。3Rの推進や不法投棄の撲滅に重点を置いた事業内容で、公共、非公共、特別会計を含めた予算の合計は対前年度比86.7%の1025億1100万円を計上している。事業計画の中から、廃棄物の処理・リサイクルに関するものを中心に、各事業の予算と今月20日付で公表された06年度予算(案)施策の成果目標を抜粋して紹介する。



◇資料 自動車用バッテリーの回収・リサイクル推進のための方策について|報告書|
平成17年12月


従来から、メーカーなどによって自主的な回収・リサイクルの取り組みが行われてきた自動車用バッテリーだが、輸入品の増加や鉛相場の変動に対応するため、新たな体制と取り組みのための枠組みが求められている。国はこれを受けて、中央環境審議会と産業構造審議会で新たな枠組みについて審議を重ね、昨年12月にその最終報告「自動車用バッテリーの回収・リサイクル推進のための方策について」をとりまとめた。その内容を紹介する。




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