開催のご挨拶

長引く景気低迷は「業種間格差」というより、それぞれの業種ごとに「企業間格差」を生み出しました。その結果、業種別に好・不況を判断するのではなく、銀行・証券会社などの金融業界のように企業別に「格付け」される、つまりある指標に基づいた"体力測定"によって企業が判断される時代を迎えたといってもいいでしょう。

商品(システムを含む)開発力も企業の体力を測定する指標の一つにあげられます。又商品開発力には、これまでの「プロダクト・アウト」という発想ではなく、「マーケット・イン」という発想をベースにすることが求められています。従来の「プロダクト・アウト」の発想では、物流(包装を含む)について見れば製造地から消費地までを低コストで効率的に結ぶことが主眼に置かれていました。
いわば"部分最適の追求"にあったといえるでしょう。

今日求められている「マーケット・イン」の発想は、需要と供給のバランスを考えることはもちろん市場や顧客のニーズに適した商品を開発し、また提供していく。しかも、環境問題を含め、包装についていえば「環境にやさしく」、「リサイクルが可能」で、「再資源化」しやすいということが商品開発に求められています。「プロダクト・アウト」の発想が"部分最適の追求"だとすれば「マーケット・イン」は、"全体最適の追求"ということになります。

"全体最適の追求"は環境対応(容器包装リサイクル法)だけに止まらず、PL法への対応、ISO9000・14000シリーズ、HACCPなど国際規格への対応など、ボーダレス化及びグローバル化を前提とした"全体最適の追求"でもあります。

このような背景を踏まえ「'99札幌パック」が開催されます。

「札幌パック」は回を重ねるごとに、開催規模も拡大し、充実したものになってきており、今や包装産業だけでなく、北海道産業界における一大イベントとして、高く評価されるまでに至りました。

今回も"全体最適の追求"と、時代のニーズに対応した優れた製品と最新の技術や情報を提供してまいります。包装や物流をはじめ製菓・製パン、農水産物・食品加工、流通・情報機器、販促・店舗・厨房などの関連産業のシステム化や技術情報も展示されます。

主催者としても「札幌パック」が北海道産業界の発展に大きく寄与し、貢献できるものと確信しております。
つきましては開催の趣旨をご理解賜り、関係各位には本展示会の成功のためのご支援とご協力をお願いして、開催の挨拶と致します。

平成10年5月
株式会社 日 報