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明かに第二種指定製品ではないソースやドレッシング、たれ([写真-8]参照)などの容器に、材質識別コード「PET」を刻印したり、ラベルに印刷しているパッケージもある。 消費者への配慮なのか、分別する事業者やリサイクル事業者への配慮なのか、はたまた企業イメージを図るためのものなのか、卵パックに「エコマーク」と材質識別コードを、わざわラベルに併記しているケース([写真-9]参照)がある。通産省・リサイクル推進課の担当官によれば「決して違法ということではないが、消費者に混乱を招くおそれがある」と指摘。「エコマーク」商品として認証されたことは評価されても、法的に義務付けられたわけでもない材質識別コード「PET」まで表示したのは、明かに“勇み足”である。 PETボトルの場合は、第二種指定製品のみに「PET」が義務付けられており、四月からの整備法施行後は、第二種指定製品以外のPETボトルについては「プラ」の識別表示が義務付けられる。消費者は同じPETボトルを「PET」と「プラ」とに分別しなければならない。例えば、しょう油なら「PET」、めんつゆなら「プラ」、本みりんなら「PET」、料理酒なら「プラ」というように。 おそらく消費者は混乱するだろうし、それらを分別回収する地方自治体も混乱するだろう。これに「PET」表示された卵パックが加わると、消費者はさらに混乱するだろう。同じPETボトルで「PET」と「プラ」に分けなければならないのに、ボトル形状ではないフードパック形状の卵パックが「PET」では、素人ならば理解に苦しむのはあたりまえ。しかも、厄介なのは卵パックの場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)素材ではない塩ビ(PVC)素材のものもある。 もし、あえて卵パックの素材がPETであることを強調するのであれば、第二種指定製品の識別表示を使わずに、業界独自に“PET素材であることを示すリサイクル・シンボル”を制定すべきだろう。例えば、前述の牛乳パックに代表される飲料用紙パックのようなリサイクル・マークや段ボールのリサイクル・マーク(本紙23頁を参照)のように。 いずれにしろ、この卵の生産者、流通業者、PET素材で卵パック製造する事業者には、早急な改善が求められるだろう。これは、第二種指定製品以外で、PETボトルに「PET」と表示もしくは刻印しているものも同様の改善を求めたい。 PS及びPSPトレーにも、日本プラスチック工業連盟による材質識別コード「PS」と刻印しているもの([写真-10]参照)が案外多い。この場合は現行法も、整備法も「PS」材質識別コードを義務付けている対象がないので、「PS」マークを付けることで消費者が混乱するということはない。むしろ、現状では分別には便利なのかもしれない。しかし、これも四月以降は三角形の材質識別コード「PS」をつけても違法ではないが、新たに四角い「プラ」の識別表示は義務付けられる。分別する消費者や回収する地方自治体の立場からすれば、「PS」の材質識別コードと「プラ」の識別表示を併記した方が分かりやすいかもしれない。ただ、それも「プラ」に材質表示とともに、JIS規格(JIS K6899-1 2000)で定められた材質表示をすれば、「PS」の材質識別コードは不要ではある。 |
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トレー・ラップ包装になると、識別表示は四角い「プラ」になる。表示方法もラベルに一括表示する方法が考えられる。 例えば、[写真-10]のナシのトレー・ラップ包装の場合はどうだろうか? ラップそのものは「プラ」表示となるが、無地ということで表示の省略ができる。また網状の発泡ポリエチレン素材の網状のネット(緩衝材)も「プラ」表示だが、これも表示がしにくいことから省略できる。残るはPSPトレーだ。 PSPトレーもトレーの底に刻印する方式もあれば、POSラベルに表示することも可能だ。 消費者にとって、また分別回収をする区市町村にとっても、望ましい表記方法は、[写真-11・図]に示すように、トレーに「プラ」の刻印、POSラベルもしくは消費者が目にするJAS法や食品衛生法で定められた表示項目の隣に「プラ」の識別表示と、部位とJISで定めた材質表示を併記することだろう。 |
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引用:包装タイムス2001年1月1日号に掲載された記事です。 | |||||||||||||||||||||||